【OAHSPE考察2】ヤスナ第28章(1節-11節)

11節

これら[の賛歌]によって
アフラ・マズダーよ,正義と善思をあなたは永遠に守ります。
あなたの[スプンタ・]マニュを通して,あなたの口から
最初の世界が生まれる[賛歌を]語ることを私に教えて下さい。

『アヴェスタ』ヤスナ第28章 11節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

ここではヤスナ第28章の総括になります。
気になる点としては「最初の世界」という記述です。世界を創造したのは創造主オーマズドであり,偽神アフラはオーマズドに成り代わって最高神の地位に就きました。
そのため世界を創造したのは偽神アフラということになり,原文もその立ち位置で書かれたものと推測します。

ところで世界を創造したと偽証した偽神アフラですが,その活動時期は紀元前3,000年頃のことでした。
この時期,『OAHSPE』によれば,世界ではザラツゥストラ人の迫害が行われていたと言います。特に水没したワガ大陸の残滓である日本ジャパンでは,天界スーファが偽神アフラに寝返ったため,同地にいた数多くのザラツゥストラ人が殺害されました。(OAHSPE-21『真神の書』16章-4,5)
それを示唆する内容が,昭和中頃に発表された『東日流外三郡誌』にあり,かつて東北地方で信仰されていた全能の神『荒吐あらはばき神』を先住民であった阿蘇部族や津保化族が侵攻していましたが,西の倭人の侵攻を受けて,先住民であった阿蘇部族や津保化族が降伏したと言います。(『東日流外三郡誌』所収 総集篇歴抄)
特に津保化族は,パン大陸水没後に渡来したイヒン人であったと考えています。
【OAHSPE考察】パン大陸水没後に日本に渡ったイェスタのイヒン人について
そのためザラツゥストラ人であった可能性は高く,偽神アフラの教義に染まった倭人の侵攻を受けて降伏したという記述は,『OAHSPE』の記述と符合するところも多く,この時期の混乱は想像を絶するものがあったが窺えます。
このように,天界の動きと地上の歴史は結びついており,その一つがこの時期の東北地方であったと考えます。
余談ですが,『東日流外三郡誌』によれば,降伏した阿蘇部族や津保化族は後に他の部族と結束して荒吐族を結成し,西の倭人の侵攻を食い止めるべく戦うことになります。

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