2節
そこでグーウシュ・タシャンはアシャに尋ねた。「あなたに牛のラトゥはいるのですか,
『アヴェスタ』ヤスナ第29章 2節
支配するあなた方が彼女を創ったときに。牧者とともに牛飼いの熱意はあるのです。
不義者たちによって怒りを追い払う主として彼女のために,
あなた方は誰を望むのですか。」
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会
この節では,アムシャ・スプンタ諸神の一柱アシャ・ワヒシュタ(正義を司る神)に,何故この世に虐げられている牛のような存在を創造したのかを質問しています。
「牛を創造した当初は,牛が過ごす牧場主(牧者)や牛の主人である牛飼いは,牛に対して正義を守る『熱意』があったのに,どうしてこうなってしまったのか?」
牛に対する『正義』があるならば,その牛を保護するために誰が必要なのかをここでは説いています。しかし酷使される牛を可哀そうだと思うのであれば,逆にどのような世界が望ましいというのでしょうか?
野生の牛と,牧場の牛はどちらが望ましいのでしょうか?
この答えが次節以降で語られます。
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