【OAHSPE考察2】ヤスナ第29章(1節-11節)

3節

彼に,牛に協力的でない援助者はアシャを通じて答えた。
「気高い者たちよ,卑しい者らを動かすものを彼らは知らない。
彼は存在する者の中で最も強い,その彼のもとへ訴えのために…(一語不明。訳本のまま)…をもって,私は行こう。」

『アヴェスタ』ヤスナ第29章 3節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節は,牛に協力的でない者,つまり牛を虐げることを良しとしている者の弁明が記されています。
彼らは牛を「卑しい者」と見ており,その牛を働かせるには暴力的な振舞いが必要だと言っています。

『OAHSPE』にも,卑しいドルジたちを働かせるには強制的に働かせるしかないとも言っています。

ジェホヴィの御声が神のもとに届き,こう仰せになられました。
「霊魂を信じない者がいなければ,定命の者たちは蛇を倒す勇気を見つけられないでしょう。
偽神や偽主神がいなければ,最低のドルジたちを働かせることはできないでしょう。説得しても改心しない者たちは,良心が乏しい主人の奴隷となり,強制的に働かすしかないのかも知れません

OAHSPE-21『真神の書』5章-12

もちろん牛はドルジではないので,仮にグーウシュ・ルワン(牛)を「人間」に見立てたとしてもこの理屈は通らないのですが,強制的に働かせるのだとしたら,グーウシュ・ルワン(牛)を言葉で働くように説得しても言うことを聞かない場合に限られます。
ただ「卑しい」というだけでは虐げる理由にはならないはずですが,『アヴェスタ』ではそれを理由の一つに掲げています。

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