【OAHSPE考察2】ヤスナ第29章(1節-11節)

7節

[ザラスシュトラは言う。]
「アシャと同じ心のアフラ・マズダーは
脂身の聖句と牛乳を牛のために創りました。
彼は教えによって貧しい者たちに恵み深い。」
[グーウシュ・ルワンが言う。]
「それらをウォフ・マナフを通じて下界の人々に与えるような誰があなたにはいるのですか。」

『アヴェスタ』ヤスナ第29章 7節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節は前節(6節)を受けて,さらにその説明を行っています。
前節では「不義が横行するこの世界で,正義を司る神アシャに従う者や審判者がいない」ので「グーウシュを創造」したと言いました。
本節では,その理由として「グーウシュ(牛)」から生み出される牛乳や脂身により,貧しい者たちに恵みをもたらすことができ,それはアムシャ・スプンタ諸神の一柱ウォフ・マナフ(善思を司る神)の御心にかなっていると言っています。

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