【OAHSPE考察2】ヤスナ第31章(1節-22節)

10節

雌牛は両者のうち家畜を養う牧者を自分のために選びました。
義なる主として,善思の推進者として。
マズダーよ,非牧者はいくら声をあげても名声は得られないのです。

『アヴェスタ』ヤスナ第31章 10節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

この節では,雄牛が,自分の主として「良い牧者」を選び,「悪い牧者」は名声は得られないという主旨が記されています。
しかしここでの「名声」とは現世における名声を指しており,『OAHSPE』の教義とは異なります。
『OAHSPE』の教義は,自分のための名声ではなく,他人への奉仕が自分の栄誉となると説いています。自分のために声を上げるのは,既にテトラクトに捉われた者の考えとなります。

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