【OAHSPE考察2】ヤスナ第31章(1節-22節)

18節

あなた方の誰も不義者の呪文や教えに耳をかさないように。
なぜなら彼らは家や村や集落や国を悪い生活,破滅に導くでしょうから。
ですから彼らに武器でもって教えて下さい。

『アヴェスタ』ヤスナ第31章 18節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

この節では,悪徳者は家族や国家を堕落させ,崩壊させるから,武器(=戦い)で分からせる,という主旨が記されています。
この節は,『OAHSPE』の教義から大きく逸脱した内容となっています。武器を手に取って戦うことを『OAHSPE』は推奨していないからです。『OAHSPE』の教義では,人間は国に仕えているわけではなく,その国の政治家に仕えているわけでもなく,ただ創造主のみに仕えるべきであり,その教えの下に生きることを是としています。
国家の指導者が「国家のために戦え」と言われ,その命令に従って戦って人を殺さざるを得なくなった場合,それは創造主の教えに反することになります。
しかし戦わざるを得ない時もあります。
創造主はかつて「選ばれし民」イヒン人を守るためイフアン人を創造しました。
戦う者と戦わざる者が存在し,そのどちらも許される世界があるべきだと考えます。
戦いを拒む者が,戦いを強要されないように。
戦いを拒む者たちを守るために戦ってくれる者たちに祝福があるように。
そして,愚かな戦争が行われないように。

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