【OAHSPE考察2】ヤスナ第36章(1節-6節)

6節

アフラ・マズダーよ,この光明が,
あなたのすべての姿の中で最も美しい姿であると我らは宣言する,
あの高みの中でも最も高いところにあるものが太陽と呼ばれて以来。
(聖句イェンヘー・ハーターム:ヤスナ第27章 15節と同じ)
存在する神々のうちで,どの男神が祭祀において優れたものであるか,
アシャにより,アフラ・マズダーは知っている。
同様にどの女神がそうであるかも。
このような男神や女神を,我らは祭る。

『アヴェスタ』ヤスナ第36章 6節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節は,本章の締めの句になり,ヤスナ第27章 15節と同じ内容になっています。

本章は祭祀の祈祷文ですが,全体を通して,アフラマズダーを創造主オーマズドと読み替えても違和感がない内容になっています。
気になるとすれば第4節と第5節です。この2つはほぼ同じ内容を語っているにも関わらず,アシャの存在を外している第5節だけを無理やり本章に組み込んでいるように思えるからです。
もとは「善思」も「善良」も,わざわざ分けて神格化する必要のない概念です。そのため第5節の表現の方が,実は正しくもあり,原典(ザラツゥストラがしたためた聖書)からそのままの形で転用された可能性が高いです。

コメント