【OAHSPE考察2】ヤスナ第39章(1節-5節)

5節

良き縁者の関係をもって我らはあなたに近づく,良きアシャの
良き喜びの
良きアールマティの。
(聖句イェンヘー・ハーターム:ヤスナ第27章 15節と同じ)
存在する神々のうちで,どの男神が祭祀において優れたものであるか,
アシャにより,アフラ・マズダーは知っている。
同様にどの女神がそうであるかも。
このような男神や女神を,我らは祭る。

『アヴェスタ』ヤスナ第39章 5節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本章は,牛に始まる人間以外の生き物に対する祭祀の文が記されています。
『OAHSPE』において,牛を祀る記述はないため,この概念は完全にゾロアスター教のオリジナルですが,大地を司るアールマティと同様に,弱者の象徴のような牛(グーウシュ)も信徒の心を掴むのに,当時(紀元前7,000年~紀元前4,000年)としては必要な内容だったのだと思います。
そして,ゾロアスター教の信仰は実体界コーポリアルに則しているため,実体界の人間には受け入れやすい内容でした。
例えば「牛」=弱者となるため,弱者でもいつかは救われると説けば,人々はその教えにかれます。日本における浄土宗に似ています。念仏を唱えれば極楽浄土に行けると主張した人物のように,偽神アフラも実体界の人間に受け入れやすい内容を説いたのだと思います。

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