【OAHSPE考察2】ヤスナ第43章(1節-16節)

9節

アフラ・マズダーよ,私はあなたを恵み深いものと認めました。
ウォフ・マナフを通して私のもとを訪れ,
「そなたは誰に仕えたいと望むのか」という彼の質問に,
「敬意の供物を,あなたの火に。
私はできる限りアシャのことを考えます」と私が答えたときです。

『アヴェスタ』ヤスナ第43章 9節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節では,ザラスシュトラが最高神を「恵み深いものと認め」たことが記されています。
その理由は「誰に仕えたいと望むのか」と問われた時,「敬意の供物を,あなたの火に。私はできる限りアシャのことを考えます」と答えた時だと記しています。
本節は,難解な内容であり,何故「できる限りアシャのことを考える」とザラスシュトラが答えた時に最高神アフラマズダーのことを「恵み深いものと認めた」のかが理解できません。

この一連の問答は,ザラスシュトラに仮託した内容と考えます。しかし第8節だけは,原典からの転用の可能性が高いと思っています。
恐らく,原典の第8節をもとに,アフラのゾロアスター教の教義に照らし合わせて内容を変えていったのではないかと推測します。

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