【OAHSPE考察2】ヤスナ第46章(1節-19節)

19節

アシャに従って私ザラスシュトラのために
望ましい最も素晴らしいことを実現しようとする者,
彼は,最高の生命という報酬がふさわしい者に,
私のすべての財産とともに,牛と乳牛が。
これらのこともあなたは最もよく知っているものと私には思えるのです,マズダーよ。」

『アヴェスタ』ヤスナ第46章 19節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節では,アシャ(正義)を遂行した者には報酬(最高の生命)が与えられることが述べられています。
アフラ自身,創造主ジェホヴィに反旗を翻した最初のきっかけは,地球が闇に覆われても光が得たいと言う願望からでした。ところがその教義は地球を基軸に構築されたため,世俗的な内容となってしまいました。その結果が,霊的な成長に何ら寄与しない報酬主義,同害報復でした。
創造主ジェホヴィの説く教えでは,霊的な成長は「無償の愛」によって得られるものだと考えます。「無償」であるがゆえに,報酬主義を説くアフラの教義では霊的な成長は得られないわけです。

本章は他の章と比較して,アフラの教義を分かりやすく表現していますが,その分,世俗の力を渇望する者たちの心に響きやすい内容となっており,後世に与えた影響も大きかったのではないかと思われます。

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