【OAHSPE考察2】ヤスナ第48章(1節-12節)

8節

あなたにとって良き支配の望みとは何ですか,マズダーよ。
あなたの私への報酬は何ですか,アフラよ。
アシャとともにあるあなたの望みは何ですか。私は善思に基づく行動の促進者として,
誠実な人々に明らかにしたいのです。

『アヴェスタ』ヤスナ第48章 8節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節は,良い支配者を生み出すことによるメリット(アフラマズダーの本意),正義や善思の行動を心掛けることで自分への見返り(報酬)を問いただしています。
OAHSPEで,アフラとともに反旗を翻した神々が,やがてアフラを見限って地球の神の下に服属を願い出た時,「自分が服属したらどんな見返りを貰えるか」と言ったことがあります。それに対して地球の神は次のように言ってたしなめました。

「兄弟よ,これから言うことを我慢して聞き,よく考えなさい。
まず私は信仰者の神でもなければ,他の人々の神でもなく,御父より息子を通して私に割り当てられた在地の神God of the localityに過ぎません。あなたたちは私に臣民を与えることはできません。なぜなら私はジェホヴィに仕えること以外,何も持っていないからです。私の兄弟姉妹には尚更です」

OAHSPE-21『真神の書』12章-19

この世界は全て創造主のものであるため,そもそも何も所有していないと考える地球の神と,世俗のものは所有権があり,それを取得,譲渡できると考えるアフラの思想は決定的なまでの違いがあります。
そして現在の社会は,世俗に重きを置いたアフラの思想が根底にあります。しかし世俗の生活に染まれば染まるほど,創造主が望む世界から遠ざかって行くように思います。

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