【解説】
死は,実体界における『宿木』の寿命が尽きた時に訪れます。しかし宿木の寿命が永遠であれば,死は訪れません。
恐らく創造主はそういったことも可能だと思います。例えば樹齢1,000年を超える木もあれば,同じ木なのにすぐに枯れてしまう木もあります。同じ科目の木であっても樹齢は異なります。つまり『宿木』自体の寿命は変えられるわけです。それは人間の肉体も同じだと思います。
しかしそれでも創造主はそれを行わない,つまり「永遠に『死』を残しておく」と仰せになりました。
その理由は,
「定命の者たちに,実体界から霊的な生活に変わることを忘れさせないため」
もしも実体界の人間に永遠の生命を与えたらどうなるのでしょうか?
実体界は創造主が創造した世界の半分に過ぎない世界です。もう一つの見えざる世界(霊界)を知らずに生きてしまうことになります。
実体界で永遠の生命を持てば,この世界の理を知る機会を失うことになります。
ところが実体界で死をもたらし,霊魂(天使)が下天で暮らすようになっても,さらに上位の天界を知らない霊魂(天使)が多いことを創造主は嘆きました。
今回引用した部分は「アフの書」であり,同書ではパン大陸の水没という,地球誕生以来,最初の衝撃があったにも関わらず,アフの周期が終わりを迎える頃には再び地上の人間や下天の霊魂は堕落していきました。
残念ながら人間はどれだけ傷みを覚えても,時が経てばその傷みは薄れていき,同じ過ちを犯していくことをここでは示しています。
過去を振り返り,かつての『傷み』を忘れないこと,これが同じ過ちを繰り返さないために必要なことなのだと思います。
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