【OAHSPE-格言】人間を処刑する権利を，人間は有していない

【解説】

紀元前7,000年頃，ゾロアスター教の創始者ザラツゥストラが活躍した時代。
ザラツゥストラがツェゴウの町の王の下を訪れ，王と会見した時，ツェゴウの王は「自分が殺しているのは悪人なので，それは善行に励んでいることになるのではないか」と言いました。それに対してザラツゥストラに宿っていた神イフアマズダはこう言いました。

「その者を殺すことは大いなる悪です。あなたはその者を善人に変えなければいけないのです」

この世に生を享けた全ての人間には霊魂が宿っており，その霊魂は前世も含めて何千，何万年の歳月を経て育まれてきた存在です。
霊魂が現世に転生するのは，その霊魂の成長のためです。そうであるにも関わらず，現世で殺害するというのは，その霊魂の成長を阻止してしまうことになります。

確かに闇の霊魂（ドルジ，ドルジャ）は存在し，それに憑とりつかれた人間がこの世に悪さをし，他人に迷惑をかけることが多々あります。しかし闇の霊魂に憑とりつかれた人間を殺しても闇の霊魂を取り除いたことにはなりません。その霊魂は他の人間に憑りつくからです。

それよりも，その人間を拘束し教化した方が建設的です。
日本では残念ながら現在も死刑制度が存在しています。個人的には死刑制度は撤廃するべきであり，その代わり，その罪の大きさに応じて生涯を贖罪に充てさせた方がよいのではないかと考えます。
当然ながら死刑の代わりなので社会への復帰はできませんが，その人に憑りついた闇の霊魂も少しは浄化され，また処刑を執行する人の心の負担も軽減されるため，両方の観点から良い方向に進むのではないかと思います。