【解説】
紀元前22,000年頃,当時,地球の神であったネフが退廃著しい地球の人々を救うため,闇の霊魂と戦っていた時代を回想した内容より引用しています。
神ネフはこの時代を振り返り,次のように言いました。
「3,000年間,私たちは戦い続けました」
3,000年は,ネフが地球に蔓延る闇の霊魂と戦い続けた年数を表しています。
これだけの歳月を闇の霊魂との戦いに費やした神ネフでしたが,闇の霊魂を駆逐することができず,さらには光の世界をも維持できなくなったため,神ネフは創造主ジェホヴィに嘆願し,地球の実態を知った創造主ジェホヴィは,闇の霊魂ごとパン大陸を沈める決断を下しました。
さて,何かを叶えたくて祈る時,「本心」の願いと「建前」の願いの2つがあります。「建前」の願いとは,言葉で発せられる願いです。そして「本心」の願いとは,心の底から願っていることです。
願いとは少し違いますが,謝罪がいい例だと思います。
言葉でいくら取り繕った謝罪をしても心が籠っていないことはよくあります。これが「建前」の謝罪です。そして「本心」からの謝罪は罪を認め,心の底から詫びていることです。
祈りも同じで,上辺だけ取り繕った祈りと,心から願う祈りがそれぞれ「建前」と「本心」になります。
引用した部分の「自分の中で矛盾が生じている者」とは,建前と本心が異なっている者だと考えます。こういった者は何も成し遂げられないと神ネフは言いました。
何かを成し遂げるのであれば,自分の中で矛盾が生じていない状態,つまり「自分の中で調和が取れている人」になる必要があります。「本心」と「建前」が存在しない状態とは,心と言動が一致している状態のことであり,自分の心からの願いがそのまま行動に現れている状態です。
「自分の中で矛盾が生じている状態」は,今の世界でこの状態でない人の方が少ないのではないかと思います。日常のつまらない業務を生活費のために働くこともその状態の一つだと思います。
それならば,将来はこういったことを成し遂げたいから,今は我慢して資金を稼いでいる,という体であれば,まだ「生じている矛盾度」は少ないように思います。
個人的には,この引用文について思い浮かんだのは,トロイ遺跡を発掘したシュリーマンです。(シュリーマンの自伝は『古代への情熱』(新潮文庫)参照)
シュリーマンは幼い頃,ホメロスの詩『イリアス』に描かれたトロイア戦争の英雄たちに憧れて,幼馴染の女友達と発掘の約束をしました。その後,シュリーマンは資金を稼ぐため商売人となり成功を収め,女友達を妻に迎えて発掘作業に勤しもうとしましたが,その女性は他の男性と結婚しており,約束の一つは果たせませんでした。しかしシュリーマンは諦めず,もう一つのトロイアの発掘に乗り出し,ついにはホメロスが謡った世界が伝説ではなかったことを証明しました。
夢に向かって邁進する,これが何かを成し遂げるためには必要なことなのだと思います。
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