【解説】
紀元前4,000年頃,アヌハサジ(デユス)を筆頭に,主神領を始めとする多くの神々が創造主に対して反旗を翻した時,地球の神は彼らの暴走を食い止めようと説得を続けましたが,それは無駄に終わりました。
この時,嘆く地球の神に対して創造主ジェホヴィが仰せになった言葉が今回引用した部分になります。
「失ったものは1,000倍にして取り戻しなさい」
地球の神は,反乱を引き起こした神々に対して決して粗末に扱っていなかったと思っていました。しかし神々はそれでも不満を感じており,反乱を引き起こしました。
その理由は,この神々を甘やかしすぎてしまったことにあると,創造主は見ていました。甘やかしすぎると人間は増長するように,同じ環境に置かれれば神々も増長すると言います。
それでも創造主は,地球の神のこうした考えを「最高の光を追い求める者の栄光は偉大」と言って否定していません。それどころか取り戻すようにと言っています。
その根拠が次の一文にあります。
「地球とその天界に時季があるように,私は全ての世界にそれと似た時季を送っている」
時季とは,朝昼晩や,春夏秋冬などの移りめく「時」を指します。
朝が過ぎれば昼になり,やがて夜になります。春の後には夏が来て,その次は秋,冬と巡り,再び春に戻ります。
この「時季」はどの世界にも存在し,運命においても同様であると創造主は言っています。
そのため今は不遇であっても,いつかは必ず好機が訪れます。そこで今まで失ったものを取り返すべきだと創造主は仰せになっているわけです。
しかしどれだけ不遇を託っていても「最高の光を追い求め」続ける必要があります。
創造主ジェホヴィは,光の時代の後に闇の時代が訪れるようにしました。光が永遠に続くようにはしていないと言っています。
その理由は,好調が続くとすぐに調子に乗り傲慢になる人間を戒めるためです。
好調は常に続かないこと,そしていつの日か闇の時代が訪れた時,そこで自分の境遇を嘆き,光を追い求めることを断念しないこと,それが今を生きる上で大切なことであり,そのためにも「最高の光を追い求め続け」る必要があるのだと思います。
コメント