【解説】
何でも一人でこなしてしまい,「他人と協力するよりも自分で仕事を進めた方が気が楽」と思う人は意外に多いと思います。
そう人から見たら,協調性を大事にする人を「人に依存し過ぎだ」と思うかもしれません。
引用した部分の「個人の行動で『協調』の方向に動こうとするもの」とは,「自分で仕事を進めた方がよい」と思っていた人が,「やはり人と協力して仕事を進めた方が効率的」と考えを改めた時なのだと思います。
そのように考えを改める時,その人の精神(魂)は「御父(ジェホヴィ)の影響」を受けているとここでは言っています。
逆に今まで協力して仕事を進めてきたのに突然,「自分で仕事を進めた方がよい」と思うようになるのは「『悪』からの影響」が働いているということになります。
例えば,多くの人と仕事を進めていた時,その中に「協調性を乱す人」がいたとします。その人のせいで足を引っ張られた時,誰もが「そんな人と一緒に仕事をするよりも,自分で仕事を進めた方が効率的」と思うはずです。
こういう時,「悪からの影響」つまり「協調性を乱す(=悪)」からの影響が働いているということになります。
これに関連して,最近,DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)という言葉が広まっています。「多様性(Diversity)」「包含性(Inclusion)」「公平性(Equity)」の概念を取り入れたもので,要約すると「様々な考えを持った者(=多様性)が,組織に属する人たちが互いに認め合って一体化(=包含性)して,同じ支援/成果を享受する(=公平性)」というものになります。
とても素晴らしい概念ですが,これを実現しようとする場合,組織に属する人が全員「協調性」を持たなければなりません。例えば,誰か一人が利己的な考えに固執した場合,「公平性」が損なわれます。「不平等感」が生まれると,組織は大抵崩壊します。
スペタ弧の女神クペンタ・アミジの昇天後,地球は神族会議(Diva)が再開した際,神々は下天を守るために天界の防衛線として主神領(Load-dom)を用意し,そこで地球から押し寄せてくる闇の勢力を食い止めていました。ところが主神領の神々は「自分たちだけが働かされる」と不平等感を募らせ,ついに反旗を翻します。(【OAHSPE考察】ジャフェスの主神ハイカスの主張に対する考察)
不平等感は神々でさえも叛意を覚えるのです。神々の知見に至らない人間は尚更です。
DE&Iという素晴らしい概念は「協調性」が大事となります。そして「公平性」を実現するには「不平等感」を是正していく必要があります。「公平性」を追求して逆に「不平等感」を拡大させないことが,この素晴らしい概念を実現する上で大切なことだと考えます。
同じ支援を受ければ,誰もが同じ成果を出せるはずがありません。すでにその時点で「公平」ではないわけです。それを調整するのが「不平等感の是正」だと考えます。
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