【解説】
紀元前4,000年頃に活躍したアブラハムの言葉より引用しています。
アブラハムは『旧約聖書』創世記に記されているように，闇堕ちしたソドム，ゴラムの町を神が滅ぼします。その後，ソドム，ゴラムにいた闇の霊魂がアブラハムに憑りつき，アブラハムを闇堕ちさせようと企みますが，アブラハムは自分に語り掛ける霊魂が闇の霊魂なのかそうでないのかをしっかりと見極めて，この企みを打破します。
ところで，古代では神官は神殿や礼拝所で霊魂を召喚し，その神託を伺っていました。ところが召喚は必ずしも光の霊魂とは限らなかったため，仮に闇の霊魂を召喚してしまうとその神託はこの世に誤りをもたらします。
アブラハムはそういった闇の霊魂の企みを打破するための方法として，その霊魂の正体をまずは問い質すべきだと言いました。それが引用した部分になります。
もしも霊魂が『ご覧なさい，私はあなたの御父です』と言ったならば，『それは素晴らしいです。何が望みですか？』と言ってあげなさい。
これは言葉通りの「素晴らしい」ではなく，相手の言動を引き出して真偽を確かめることが狙いで，ただの相槌です。
これは意図して召喚した場合だけでなく，啓示や神託，すべてに対して鵜呑みせず，まずはその真偽を確認することを言っているのだと思います。
そしてこれが最も難しいことです。なぜなら実体人には見ることができない「神」の言葉の真偽を見極めなければならないからです。
巷で「世界は云々」などと，さも神の啓示のように煽ったりする人々がいますが，それが本当に「神の啓示」なのか，仮に「神の啓示」であったとして，その神は「善良なる神」なのかをしっかりと見極めることが重要になります。
『OAHSPE』では，神が啓示を下す際，必ず「創造主の名」に誓って宣言します。悪神は創造主の名を騙かたって自分の理想を押し付けます。
神は人々を導くために啓示を下すため，その啓示は必ず創造主の教義に即したものになります。真偽を見極めるには，その教義に即しているか，もしくは反しているかを考察する必要があります。
自分の心眼で真偽を見極めた上で，その言葉を信じるか否かを決める，それが最も大切な心掛けなのだと思います。
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