【OAHSPE-格言】無償の奉仕について

【解説】

偽神アフラは自分の王国クトゥスクを強大化することで同盟の強化を図りました。ところが同盟は強化されても,所属している各国は弱国のままであり,そのため何も成長していませんでした。
そのことに気付いた属国の副神たちは,アフラの下を去り,モウルの神に帰属しようと考えました。

この時,副神たちは,モウルの神に帰属と引き換えに褒賞を求めました。それに対してモウルの神が返した答えが引用した部分になります。

実体コーポ界では,手に入れた物に対して所有権が発生し,それを手放す際,対等の対価が発生するのが通例になっています。実はそれは地球の法律でそのように規定されているからそうなっているだけで,天界の法則でも何でもありません。
しかし実体界の慣習に染まってしまうと,ここでの副神たちの要求のように,「自分が所有していたものを手放すのだから,その見返りが欲しい」ということになります。
それに対してモウルの神は「見返りはない」ときっぱりと突き放します。そもそも神は一定期間,天界を統治したら昇天して上天に向かいます。地球で富を得ても,それを上天に持っていけない以上,地球で富を得ること自体が無意味な行為なのです。
実はこのことは実体コーポ界の,地球で暮らす私たち人間も同様のことが言えます。生きていくために最低限必要なものさえ手に入るのであれば,それ以上のもの,つまり余剰分は死んだ後,天界に持っていけません。子孫のために遺すため,必要以上に稼いでも,子孫のために遺した財産が永続するわけでもなく,ましてやその財産が遺した当人に何かの影響を及ぼすことはありません。
その代わり,天界に持っていけるものがあります。それが自分の霊魂としての成長です。「霊魂の継続性」とも言いますが,誰かのために奉仕したら,それを糧にして自分の霊魂が成長し,それは失われることなく,天界にも引き継がれていきます。『OAHSPE』では頻繁にrise upという言葉が出てきますが,他人を成長させるために奉仕するわけです。

副神たちはアフラに尽くしたのだから報われるべきだとも主張しましたが,副神たちはアフラを成長させたわけではないので,何の奉仕にもなっていないわけです。
自分が今できることで他人を成長させたり導くことが,自分の成長に繋がるということになります。モウルの神は,副神たちに「自分に任された王国を育てていくこと」を助言しましたが,それは彼らが成長するために必要なことだからです。
生活に困窮している人に手を差し伸べたり,他人の成長のために尽くすこと,これが「奉仕」なのだと思います。そうなれるように努力していかなければいけないのだと思います。

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