【解説】
アブラハムと神ヴィシュヌの土地に関する問答より引用しています。
まず神々には「土地を所有する」という考えはなく，「土地は創造主より委託（相続）」されたものという考えになります。
さらに，委託された土地が豊かな場合，その土地を巡って争奪が繰り広げられることもあり，それが戦争の引き金になることもあります。
アブラハムは神ヴィシュヌの神託に従い，不毛な土地に移住し，そこの開拓を進めていました。ここで当然のように湧き上がる疑問は，開拓して豊かになった土地を時の権力者が要求してきたら，どうすれば良いのかということです。
天界の神々，特に『OAHSPE』では人間同士の戦争を決して推奨していません。しかし折角開拓した土地を，時の権力者が要求して来たら，「先祖伝来の土地」と言って命を賭して戦い，守るべきなのか，それとも逃げるべきなのか？
神ヴィシュヌの答えは，別の不毛な土地に移住し，そこで一からやり直せばよい，つまり開拓すればよいというものでした。
土地を渡り歩き，その土地を開拓する，それが「選ばれし民」の使命だと神ヴィシュヌは言いました。これは戦うのでもなければ，逃げるのでもありません。地球を豊かにするために働いているのです。
現代社会では簡単に移住などできませんが，仮に不毛な場所に移動させられたとしても「その場所を豊かにする」という気概を持つことができれば，負の感情を抱くことなく，前向きな気持ちで理不尽な世の中を過ごせるのかもしれません。
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