本書はジェホヴィの息子アフの書と同時代について記したものであり,後者が天界の書であるとすれば,主神の書は地球に関する事柄を記しています。
そういった理由で本書はもう一つの書の後ろに配置されています。
【1章】洪水の歴史
- 人間よ,聞いてください。私は主神であり,地球の神であり,ジェホヴィの息子です!
私はあなたの兄の一人です。
私は,あなたたちの主神であり,兄弟である主神や神々と共に,ジェホヴィの御名において語ります。 - 平和と忍耐が全人類にありますように。
あなたたちは私の言葉を理解してください。
そして終わりなき世界において,天界と地球の全てのものはジェホヴィのものであり,全ての男女はジェホヴィの息子や娘であることを認識してください。 - 定命の者たちの王国には王がおり,帝国には皇帝がおり,軍隊には将軍がいます。
天界において,ジェホヴィは時と場所を選び,特定の族長に戴冠させ,名前を与えました。族長はそのことを人間と天使に宣言し,天界の規律によりジェホヴィの栄光とその支配が明らかにされました。 - いつの時代も上天で崇拝され,地上の人々には『ジェホヴィの主神』,『地上の天界の光の実行者』,『全ての光と闇の調停者』,『地球の主神と主上神』として知られ,私の先任者である神々,私の後を継ぐ神々は,このことを何千年もの間,定命の者たちの間で受け継がれてきました。
- ところで「王がこう言った」という言葉は,何世代か時代が下ると「王はこう言った」として伝わります。当然ながら全ての人間はその王が同じ人物ではないことを知っています。それでもその言葉が王の口から発せられたものであることを知っています。
それと同じです。主神である私やその先代,その後継者が宣言した言葉は,誰が発しても主神の言葉なのです。 - そこで主神である私は,自分に与えられた権限を行使し,ジェホヴィの御名において過去の光と闇についてお話します。
私は御父により主神に取り立てられました。同じようにあなたたちは主神,男神女神になるべく上天で順番待ちしている状態なのです。 - 天界への憧憬によりあなたたちの精神体を引き上げ,正義と善行において御父と一つになるため,ジェホヴィは息子や娘たちを地球に送り込み,精霊界における彼の御方の王国の栄光を明らかにしようとしています。
- しかし人間の霊魂は闇を抱えているため,人間は主神の言葉を茶化してこう言います。
「どうして私が主神や神になれるのでしょうか?
それに神の言葉が聞こえないのに,どうやってその言葉を書き留めることができるのでしょうか?」 - 地球はいつの時代もそうではありませんか?
人間が抱えているこの闇のせいで,彼らは自分の心に抱えた罪を露呈しました。なぜなら私に選ばれし者の口からは,真実,愛,叡智,優しさといった美徳の言葉が出てくるからです。それに対して私を否定する人々からは,腐敗,戦争,強欲,私利私欲といった言葉が出てきます。 - ご覧なさい。彼らは屁理屈を言っているのです。
ある者はこう言います。
「主神はどれだけのものをもたらしてくれたのか,それに預言者はどれだけのものをもたらしてくれたのか?」
神の望みの根底にある『本心からの正義』という主題とは別にして,彼らは自分のことを数学者に仕立て上げます。 - 言葉というのはせいぜい,それらを見つける霊魂の写真や絵画に過ぎないのではありませんか?
その光を予言者に運ぶのが,船長(主神)であれ,その従者(天使)であれ,善行をなすことでジェホヴィに仕えようとする男女にとって,それがどんな問題となるのでしょうか? - ある者はこう言いました。
「私は貧しき者にすべてを与え,早起きして,病人を見舞っています。
夜になれば彼らと共に座り,孤児や介護が必要な者を集めて,彼らを心から喜ばせ,創造主ジェホヴィに感謝します」
さて本当にそのような行動が赤ん坊の口から出たものであろうが,愚か者のペンからもたらされたものであろうが,私の言葉を理解しての行動であることを誰もが知っています。 - 主神の言葉に喜びを感じない者などいるのでしょうか?
私は今日も昨日と同じであり,未来永劫同じであることを知らないのでしょうか?
何かを判断する際,私の言葉は昔と同じように今でも十分に届いていることを,どうして彼らは気付かないのでしょうか? - 見なさい,私はある男だけとか,ある女だけ,もしくは1冊の本のために存在しているわけではなく,叡智の光や美徳,聖なる行いへの欲求が輝くところであれば何処でも私の言葉は顕れます。
ジェホヴィは宇宙のように広く,不変の存在でないのですか?
彼の御方と共に調和することが,すべての叡智の合体となるのではありませんか? - あなたの主神や神が御父と一つになり,創造主たる御父が上天の光を知る100万人の天使と共に地上を支配し,あなたたちがジェホヴィの意志を実行するために彼らから啓示を受けたならば,人間は天界やその代表者に対して何を議論するのでしょうか?
- 私はジェホヴィの御名において全人類に自由を宣言しますが,自由と一緒に地球の主神が持つ経験も与えます。
そのため私の全ての予言者が自分なりの方法で過去の絵を彩るのを許しなさい。そしてその絵がジェホヴィとその御業,その力,その栄光に対する信仰を堅固なものにする限り,そこから栄養を得るように気を配りなさい。
ジェホヴィの名の下に与えられたものを破壊するのではなく,自分なりのやり方で彼の御方の光を構築するために働きなさい。 - 叡智はここにあります。
私の支配の光を求めて努力する者は,私の名において遣わす天使を受け入れるべきです。
そして私の戒めを表した言葉によって,彼らは私に従う者として知られるでしょう。 - 全ての言葉はあなたたちの神や主神からもたらされます。
主神が人間を地上で直立歩行させました。
最初の種族が地球に降り立った時,次の人間の種族は私の天使と交配して誕生し,主神や神のように善悪を知ることができました。 - しかし十分に成長した大人の光が子供の光と異なるように,人間の光もまた違いがあり,高度な光を持つ者たちは叡智が全ての物事を形作り,『一にして全なる者』の究極の栄光に支配されていることを認識していたため,『信仰者』(イヒン人)と呼ばれました。
しかし弱い光しか持たない者は霊的なものよりも実体的な物を真実と見ていたため,カイン,ドルクと呼ばれました。に重きを置いていました。 - 信仰者たちは「選ばれし者」と呼ばれました。彼らはコーポ界上の主神である神に選ばれたからです。
そしてカイン,ドルクたちは主神の敵として見なされました。彼らはジェホヴィが生の息吹を与えた者を,戦争と死によって犠牲にしていったからです。
地球上にはこの2つの人種が今日まで暮らしています。 - そして私,ジェホヴィの息子である主神は人間にとある命令を与えました。
「あなたたちは,あなたの神である主神をすべての精神,叡智,力で愛しなさい」
しかし人間はこの問題に対してあまり取り組もうとしませんでした。私は人間が与えられた以上のものを求めませんでした。
もう一つ与えた命令があります。
「あなたたちは殺さないように」
人間が従っていれば,世界に戦争はなかったのです。 - 同様に,私は天界の光をすべての人間に与えました。
しかし私の敵は罪を正当化するため,私の言葉を曲げました。父は人間の中に住んでいるので,人間は真実と神聖の判断ができます。もしも一人の人間が,
「あなたたちは殺してはいけません」
と言ったとします。別の人間が,
「主神は『あなたたちは殺すべきです』と言いました」
と言ったとします。
人間はどちらの言葉が主神の言葉なのか間違えないでしょう。
主神は,主神が望む人間を殺そうとする者を生かしません。 - このように私の言葉は人間によって曲げられました。小さな光は失われ,人間はそのことを隠そうとしました。しかし人間は地球で増え続け,町や国家を建設し,早い段階であらゆるものごとにおいて一時的に繁栄を謳歌するようになりました。それでも人間の精神を発達させるために地球に来た私としては,人間がエーテリア界で究極の幸福を得るため,私を信じない者には気を留めず,人間が自惚れていくのをひたすら我慢してきました。
するとどうでしょう,人間は互いに分裂し,戦争,疫病,潜在的な病気が襲い,その結果,彼らは次々と滅んでいきました。 - 地球で私を拒否する人々の霊魂は,いまだに天界でも私を拒否しています。
頑固で自惚れた彼らは,地球で今も暮らし続けています。
時が経つにつれ,世界は闇の霊魂たちによって埋め尽くされました。
彼らは天界を知りません。私の敵はあらゆる手で選ばれし者を殺し始めました。 - 地球には,ヴォフ(Vohu),ジュド(Jud),トゥリ(Thouri ),ディス(Dis)という4つの偉大なる大陸がありますが,そこにイヒン族の生き残りは誰もいなくなりました。
ワガ(パン)に生き残りがいました。彼らはあちこちと散らばり,悪の追跡者たちの手から逃れて隠れていました。 - 私は彼らに言いました。
「大地より成長するあらゆる生物を食べなさい。しかし生命の息吹を持ち,血と霊魂を持つあらゆるものは食べてはいけません。血を流す者はどこであれ命なのです。その者の血を体内に入れると,霊魂を壊すべく,その者自身を招き入れようとします。
神のように振る舞った人間は,地球の後継者としてあらゆるものを作っていきました。 - あなたたちは天界と地球の主上神(the Lord God)を十分に思い出して,繫栄し増え続けてください。
- 私は選ばれし者かどうかの尺度として割礼(circumcision:包皮切断)を与えました。
- 当時やその後も巨人(ドルクたち)は存在しました。
選ばれし者が彼らのもとを訪れると,やがて両種族の間に子供が生まれました。彼らの肉体は腐敗し,誕生から死ぬまでの間,害虫が棲みつくようになりました。
彼らはカタル(粘膜の炎症)で頭痛となり,喉には出来物と腫れができ,肺と関節は死をもたらす毒に侵されました。
彼らの子孫は両親の罪に苛まれ,惨めな状態で生きるか,幼児のうちに死にました。 - こうして運命の加護を得られずに生まれた彼らは闇の霊魂として地上に舞い戻り,定命の人々を再び苦しめました。
- 私は言いました。
「地球上から人間を滅ぼしましょう。人間の肉体は腐っているからです。肉を食べることにより,愚かな者と同棲した彼らは,地球上で堕落した種族となってしまいました。 - 主神である私は,迫害され,谷や山,あまつさえ山頂に隠れた選ばれし者に問いかけました。
- 私は彼らに言いました。
「私の命令を守ったあなたたちは,こちらに来てあなたたちの神である主神の言葉を聞きなさい」
彼らは隠れ場所から何千人も姿を現しました。
私は天使たちを彼らのもとに遣わす際,天使たちにこう言いました。 - 「あなたたちは選ばれし者にこう伝えなさい。
『これはあなたたちの神である主神の言葉です。あなたたちは私にとって好ましい存在です。あなたたちだけが,地球上の全種族の中で私の命令を守りました。あなたたちは世代を重ねても正義を貫いてきたのです。 - 選ばれし者よ,頑強な船を建造し,誰にも迫害されず滅ぼされもしない場所に行きなさい。
- 見なさい。私は高い山であろうと覆い尽くす洪水を地球にもたらします。私は腐敗を根絶し,あらゆる穢れを一掃するでしょう。
- 洪水の間も生きながらえるため,あなたたちは食料を集めて船に乗り込みなさい。
洪水は150日間続きます。
あなたたちは食べ物を見つけようとして出てきてはいけません』」 - 天使たちは神の信仰者のもとを訪れ,彼らが谷や山にいても船を建造するようにお告げをしました。
彼らは丸2年をかけて船を建造し,完成させました。 - 天界の天使たちが船を数えると,138艘ありました。
船は山や谷で待機していました。
水辺の近くに待機している船は1艘もありませんでした。 - 地球は大宇宙のノエ(Noe)孤にありました。ここは,コスモン(kosmon)よりも2万4000年前の,アジの道における600の場所と階級にありました。
補注:ノアの箱舟の「ノア」の語源は,地球がノエ(Noe)の弧にあったことに由来するのではないかと思われます。 - 主神は選ばれし者に船に乗り込むように命じました。
彼らは乗り込み,同じ日,天界と地上の門が開かれました。 - 地球は海上の船のように前後に揺れました。雨が激しく降り,世界の床下から大きな雷鳴がもたらされました。
海が大地に押し寄せました。
最初は谷に,次は山に。
こうして船は水に浮かびました。 - 大地は谷も山も飲み込まれました。
船に乗り込んだイヒンたちを除いて,生きている者はすべて滅びました。 - 主神は言いました。
「救われた者は12,420人。二足歩行する最初の人間種族の中で,これがすべてです。 - ご覧なさい。私は彼らを地球のすべての大陸に運び,そこに選ばれし者の種を植え付けましょう」
- ジェホヴィは息子たち娘たちの船に息吹を与えました。
彼らは海の上を進みました。
彼らは東に,西に,北に,南にそれぞれ分かれて進みました。 - 神の意志により,船は4つの船団にまとまりました。
もともと率いていた2艘を除いて各船団は34艘ずつ分かれました。 - 主神は言いました。
「私は選ばれし者の船団に名前をつけました。その名は永遠に地球で語り継がれるでしょう」
その船団の名は「グアタマ(Guatama)」「ジャフェス(Jaffeth)」「ハム(Ham)」「イスタ(Yista)」と名づけられました。 - 主神は言いました。
「私の子孫よ。私はあなたたちを地球全土に住めるようにしましょう。
何千年間,何世代かの後,私の働きを知ることになるでしょう。
私は彼らにその印を与えます。それは彼らとその子孫との間に永遠に繋がる契約となります。 - 私の三日月は虹の前にあり,この印を掲げるものは何であれ,私との契約の証となるでしょう。
私が与えた財産により守られた彼らは滅ぼされることはありません」 - 選ばれし者が船の外を見ると,空は晴れていました。
虹は大空に輝いており,光が大陸を照らしており,主神は人々をその地に誘導しました。 - 洪水から150日が経過しました。
船は主神が計画したとおり,それぞれの場所に運ばれ,世界の異なる国々に上陸しました。 - グアタマと名づけられた船団は東に向かい,上陸した国はグアタマと呼ばれました。
主神は言いました。
「この場所から,選ばれし者は南北に広がるでしょう。しかし海側の東西に住んではいけません。なぜならそこはパン大陸から上陸してきた証拠として残しておきたいからです」 - 神は言いました。
「人間よ,私が彼らを導いた場所に名前を与えるようにしてください。この名前はコスモンの時代,私の働きを示すことになるからです」 - 北に向かった2艘の船団は,イスタ(Yista)と名付けられました。ワガ語ではザパン(Zha’Pan)といい,今日では日本(Japan)と呼ばれています。
パン大陸の残滓という意味で,北の方にあり,その土地は2つに分かれていました。 - 主神は彼らに言いました。
「ご覧なさい。8人のヒダン(Hi’dan)が来ます。あなたたちは天界の働きを解き明かす鍵となるでしょう。なぜなら全人類において,あなたたちは最年長者とみなされるからです。
私がここに来て海を開けるまで,あなたたちはすべての種族と国家から隔絶されて残り続けるでしょう。 - あなたたちは私の儀式と式典の名前,特に土地,水,宇宙,水を耕す船について,人間が喉を通して発声する音だけでなく,舌や唇なしでも発生するすべての音を記録しなさい。
地球上の私の栄光の中で,あなたたちもまた,栄光を享受することでしょう。
あなたたちは平和と正義,勤労を保ってください。
あなたたちは,後の時代において,私の手と偉大なる霊魂が実在することの証明となるからです」
こうして日本(Japan)に定住し,今日まで続くのでした。 - ジャフェス(Jaffeth)と名付けられた船団は西と北に向かい,その国は何千年間もジャフェスと呼ばれました。
その国は今日までチャイナ(Chine’ya)と呼ばれています。 - セム(Shem)と名付けられた船団は南に上陸し,その国は何千年間もセムと呼ばれました。
その国は今日までビンドゥ(Vindyu)(インド)と呼ばれています。 - ハム(Ham)と名付けられた船団は南西に上陸し,その国は何千年間もハム大陸と呼ばれました。
その国は今日までエジプトやアフリカと呼ばれています。 - 神は言いました。
「ご覧なさい。選ばれし者は異なる大陸であっても,お互いに共通する多くの印と言葉で分かち合うことでしょう。 - 彼らは洪水を思い出すでしょう。
- 彼らは偶像を拒否しても,偉大なる霊魂であるジェホヴィを崇拝します。
- 彼らは三日月(crescent)を持つでしょう。
- 彼らは三角形(triangle)を持つでしょう。
補注:三角形は,「愛」「叡智」「力」を頂点としたシンボル。 - 月の変わり目の4日を聖なる日として保ち,その日はミサ(mass)(月:moon’s)と呼ばれるでしょう。
- 彼らは割礼を受けるでしょう。
- 彼らは7つのテトラクト(tetracts)を思い出すでしょう。
ディバー(Dibbah):『誘惑する悪』。
ラー(Ra):『肉体の悪』。
ジンマ(Zimmah):『冗談の悪』。
ベリアル(Belyyaal):『無価値』。
アベン(Aven):『虚栄心』。
アヌス(Anash):『破壊の喜び』。
サタン(Sa’tan):『死の主将たる統率者としての願望』。 - 彼らは3つの偉大な光を持っています。
オル(Or):『すべての高位者』。
神(God):オルの息子。
主神(アドニア(Adonya)):天界と地球の執行者。 - 彼らは3つの少ない光があります。
神の天使たちと主神たち。
預言者たち。
ラバ(rab’bah)たち。 - 彼らには3つの代表的な象徴があります。
太陽。
月。
燃える炎。 - 主神は言いました。
「選ばれし者はこれらの光と象徴,印,季節を,私が彼らを定住させた地球全土で使用するでしょう。 - コスモン時代では,私は全能者のために建てた私の建造物の骨組みを彼らに示すでしょう」
- 神は言いました。
「今,世界は1つの言語と1つの言葉があり,人々はどこでも話すことができました。 - それにも関わらず,地球のあらゆる場所では,黒と茶色の大地人が地面に穴を掘って暮らしています。彼らは長い手と曲がった背骨をしていて,裸でいても恥ずかしくなく,それがドルクと呼ばれた理由でもありました」
- 主神は選ばれし者(イヒンたち)にこう話しかけました。
「見なさい,地球を!
私はあなたたちにそれを与えました。永遠にあなたたちのものになるようにと。 - ドルクたちと交わらないでください。なぜなら彼らは理解力がなく,永遠の生命の継承者ではないからです」
- 多くの人々が主神に質問してきました。
「もしも理解力のない彼らが永遠の生命の継承者でないとすれば,幼くして死んだ私の子供たちはどうなるのでしょうか?」 - 主神は言いました。
「これは種族の問題であり,学習の問題ではありません。選ばれし者から生まれた者は誰であれ,私の永遠の王国を受け継ぐことでしょう」
【2章】
- 主神は言いました。
「賢い医者は病に冒された足を切断することで,胴を守ります。 - 私は闇の部族,ドルクたちの階級を見ていませんが,人間の行為が地球を無為にするものなのでしょうか?
- もしも子孫に永遠の生命をもたらさないのであれば,この世界はいったい何だというのでしょうか?
- ご覧なさい,私は選ばれし者がパンを除く地球の全土で滅ぶのを見ました。
私は破壊者であった彼らがお互いを絶滅させようとしているのを見ました。 - 彼らの生き残りをここに連れてくれば,彼らは再生し,強力な子孫を遺すことができると私は考えました。
- しかしワガ(パン)の地はすでに死の激痛の中にありました。
ドルクたちは化膿した傷のようになっており,100億近い死者の霊魂は,生命が地球に留まり続ける以上,定命の人々に憑りつき,掴んで離そうとしませんでした。 - 私は全地球に天使たちを遣わし,闇の霊魂を捕えてはワガ大陸に集めました。
- 私は決行の準備ができると,手を上げ,病に冒された足を切り落とす外科医のようにパン大陸を引き裂いて水の下に沈めました。
- 私の天使たちはその地から選ばれし者を誘導しました。彼らは誰も死んでいません。
- 私は人間に与えた守護天使に語り掛けました。
『私が人々を連れて行く土地に,古代の方法にちなんで,塚と壁を設けた都市を建設し,梯子をかけて入場するようにさせてください』
地球のあらゆる大陸で,似たようなものが建設されることでしょう。 - コスモンの時代,彼らの遺物は,イヒンが世界中の銅色の種族であるイフアンの前身であることの証明となるでしょう。
- 同じように私は主神にもコスモン時代にワガの沈没地を発見できるように提供しました。このことにより,定命の人々が主神の働きがいかに大きいのかを理解できるようにしました。
- 当時,イヒンたちは一人で住んでいたわけではなく,町や村に住んでいました。
彼らは服を着ていました。彼らは地面を耕し食用や衣類を作るための亜麻や麻の種を蒔きます。
彼らの食料は,大地がもたらす草,根,穀物,種,果実でした。しかし彼らは生命の息吹をもたらすあらゆるもの,肉や魚は食べませんでした。 - 彼らは毎日働き,労働の果実を町の中にもたらしました。
彼らは,夜は肉食の動物や蛇に悩まされないように町の中や塚の上で寝ました。 - どの町にも,主神と会話できるラバ(rab’bah:酋長)が1人いまいた。
ラバによって主神の祭壇が建てられ,聖なる日が預言されました。 - ラバは石に文字を書いて記録しました。彼らはそれを後継者と,主神について学びたいと願う人々に教えました。
- 主神は彼らとともにいます。
彼らは命令を守り,世界の全大陸にとても増えました。 - 当時,太陽の下でどの国も戦争はありませんでした。
- それから3000年が経ちました。
ご覧なさい,何千という町と,何十万という住民が地球全土に広がりました。 - 彼らは船を作り,外洋に出航し,東西南北,各島に住みました。
【3章】
- 神は言いました。
「人々が正義を保ち続けられるように,私は彼らとその後継者との間で交わされる契約となるべき聖なる言葉を贈ります。 - 私は人々に『7つの聖なる典礼』を授けます。
最初の言葉をすべて習得するまで次の言葉を誰も手に入れられません。
第2の言葉をすべて習得するまで第3の言葉を手に入れることはできません。
その次も同じです。そうして人間はすべての聖なる言葉を習得し,どの男でもどの女でも口で唱えては,耳で聞くといった風に習得していきます」
主神はこう言いました。 - それでは主神の僕の言葉について聞いてください。
- 私は私の神,主神の預言者たちに仕えます。
- 私の肉体を癒してください。おお神よ(イオド(iod)(ガウ:gau)),毒を治してください。
- 主神は天界における『不可視の霊魂(s’pe)』です。
- 主神は,すべてにおける力,叡智,愛,そして怒りです。
- 主神は癒すことができます。主神は肉を引き裂き,死をうちつけることができます。
- 主神の預言者たちには素晴らしい恩恵があります。彼らは主神の声を聞いて理解します。
- 主神は私の守護者です。1日10回は主神のことを思い出すでしょう。
- 主神である神は血を止め,口をきけなくすることもできます。
- 主神は預言者の手に,止血する力を与えました。
- 私の敵を挫いてください,神よ。
- アシャールたち(主神の天使たち)が私を守ってくれています。
- 私は,神の聖なる民であるイヒンたちに敬意を表します。彼らは私たちの兄弟です。
- ここまでが最初の典礼です。
主神は預言者たちに言いました。
「ドルクたちのもとに行き,彼らを地面に輪になって座らせて,あなたは中央に立ってこう言いなさい。
『ご覧なさい,ドルクたち。偉大なる霊魂はこう仰せです。
私は聖なる言葉を聞きました。この言葉を学ぶ者は誰であれ,病や毒,流血を打ち負かす力を持つことでしょう。女性であれば出産が多くなり,大きな喜びを得られます。あなたたちは手を上げて,主神の言葉を繰り返してください』」 - それはその通りでした。預言者たちは主神の言葉を叡智として教えました。
- 主神の名を讃えなさい。
主神は私に死後の世界でも生きられるようにしました。これは主神が私に要求しているすべてであり,こういうことです。
「主神の名を讃えなさい。
朝を迎えたらそう言いなさい。
昼になったらそう言いなさい。
夜になったらそう言いなさい。
『主神の名を讃えます』と」 - 私は裸を隠すように服を着ます。それを神が望んでいるからです。
- 私は盗みません。そして事実でないことを語りません。
- もしも私の兄弟が私のものを盗っても,私は怒らず,その者を裁きません。
しかし私は神の預言者たちの前でそのことを訴えます。 - 私は暴力はしません。それが神の命令だからです。
- この続きからが3つ目の典礼となります。
- 私は一人の妻を持ち,彼女が生きている間,他の女性を娶りません。(私は一人の夫がいます。私は夫が生きている間,他の夫を受け入れません)
- 私は毒(ハンセン病)に罹った男女は誰もオウーガ(oe’ugah:キャンプ)に近かせません。主神の名において,私は彼らをそこから締め出します。
- 私は彼らを放棄します。私は彼らとは交わりません。それが神の命令だからです。
- 第4の典礼はこうです。
- 私は狩を諦めます。しかし人間の食料として訪れたものは何であれ,私はそれを殺します。
私は主神の名において魚を取ります。彼らは痛みがないからです。 - 私は土を耕し,食用の根,衣服用の樹皮の繊維を集め,神の選ばれし人々であるイヒンたちのように暮らします。
- 私は殺人者を追放します。私は彼らと結婚も,ともに暮らすこともしません。
彼らは主上神の敵だからです。 - 私は男も女も子供も呪いません。それが主神の命令だからです。
- 私は怒りと,人を殺すあらゆる武器を捨てます。それらは主神の敵だからです。
- ある人が私を傷つけたら,私は主神の預言者の前でそのことを訴えます。
預言者たちの裁きは聖なるものと主神がおっしゃっていたからです。 - 女性が私を誘惑してきたら,私は自分自身を隠して聖なる言葉を繰り返します。
- 私は女性を尊重します。女性は人間を手助けしてくれる主神の贈り物だからです。
- 私の妻が子供を生んだら,私は40日間彼女の労働を行います。それが神の命令だからです。
- 第5の典礼はこうです。
- 月の4日は,主神に捧げます。その日は私は働きません。
- 私は各月の4日を聖なるものとして保ち,主神の聖なる言葉を3度繰り返します。
- 預言者たちが「ご覧なさい,主神は『この日を聖なる日とします』と言いました」と言ったら,私はその日を聖なるものとします。
預言者たちは神の声を聞くことができるからです。 - イヒンたちが主神の祭壇の前で礼拝する時,私は外側で円を作って待ちます。なぜならイヒンたちは神に選ばれし僕だからです。
- イヒンたちが預言者に従って行進したら,私は後に続きます。それは私が主神に選ばれし者たちを崇敬するからです。
- 預言者たちは「テントをここに張りなさい」と言ったら,私はそこに留まります。なぜなら預言者たちは間違えないからです。
- 第6の典礼はこうです。
- 私は病人や,赤ん坊を持つ女性のために提供します。
- 私はイヒンたちに最初に与え,次にドルクたちに与え,最後に自分の分を保管します。
- 私は戦士たちが病気に罹ったら与えますが,彼らが回復したら,私は「あなたの道を行きなさい」と言います。
- 人々が毒の病に冒されていたら,私はその場所に行きます。しかし私は行く前に「主神よ,神よ,あなたの御名において,私は危険な仕事に行きます。あなたはアシャールたちに私のことを守るようにお伝えください」と言うでしょう。
- 主神は私を守ってくださるので,私は毒を受けません。
- 第7の典礼はこうです。
- 私は聖なる言葉を主神,神の御名において秘匿します。
- 主神が「ここに行きなさい」「あそこに行きなさい」「町や,家,祭壇を建てなさい」と命じたら,私は主神の導きに従います。
- こうして主神は人間の社会に法を確立しました。主神の言葉は神聖なため,人間はその言葉を重宝し,神の命令を聖なるものとして保つことができるのです。
- 今,私,主神は,コスモンの時代において,このことを明らかにします。
- 天使たちは,前述の聖典の日において選ばれし者とともに留まります。
- 言葉が,血が止まるまで繰り返される時,見なさい,天使たちは静脈に圧力を加えます。言葉で血を止めることができなくても,言葉によって定命の人々は,私の眷属(hosts)とともに正義を全うすることでしょう。
- ある人が危険な病気にかかり,聖なる言葉を繰り返したら,見なさい,天使たちは見えない毛布で人間を包み,人間を病気から守ります。
- そのような言葉なくして,定命の人々と天使たちとの共演などあり得ません。
- 主神から愚かなことを教えられたとか,預言者たちの多くの言葉が,あなたの神である主神の叡智や予見なしで実現できるなどと思わないでください。
- さて,当時,主神はラバに車輪を作らせ,それを祭壇の横に吊させました。その意味はこうです。
「この車輪は始まりも終わりもありません。それは創造主のようです。その車輪を1回転させた者は誰でもこう言います。『私の神において,私は信じます』」 - 主神は,聖人聖女だけが通れる祭壇の先端に像を造らせます。
主神はそれをフェテ(Fete)の紋章と呼びます。「私を越えて,訴えることはない」という意味です。 - フェテ(Fete)の形は暗闇の四隅が切り取られた,円とすべての光の中心でした。
主神は次のように説明しました。 - 中央の光がはっきりと人間の中に見えます。しかし世界の四隅の暗闇(無知,欲望,利己主義,怒り)はどこからでも人間を取り巻いています。
- そして主神はガウ(gau)と名付けられた道具を作りました。それは頂点から垂線が下りた三角形でした。垂線の向かいには,そこを通して見える窪んだ葦がありました。垂線が下りた底辺には重りが取り付けられ,それは三角形の下端の点を指していました。
主神は預言者たちにあらゆる物事,たとえば山の高さや,流水の速さなどを証明するため,ガウをどう使い,神殿が世界と対等なものとなるように,どのように神殿を築けばよいのかを説明しました。
預言者たちはそれぞれの役割を受け持ち,イヒンたちに教えました。しかし彼らとともにこの秘儀は世界中で秘匿されました。やがて時間が経つと,こう言われました。
「悪人でさえイヒンたちを雇わざるを得なくなり,主神に従うようになるのです」 - 全部で280の印,紋章,象徴,道具があり,主神が人々に与えられました。
主神が預言者たちに教えたすべてを完全習得したら,地球全土において定命の人々の聖なる言葉になるのです。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)
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