【1章】
- ホルブは,地球における1万年,100節年の光の彼方にあるサユティヴィ,クノド,ゴーチェの行列の中にあるアザ弧の境界にある霊界であり,オブソドとグーマチェラのオリアン長フラガパッティが1000年間,統治していました。
フラガパッティの肩書は以下の通りです。
・ヴァリットの神
・ルニッチ,ウィチカ,シュライナカ,ダウスの神を3万年。
・フェティシ,マークの道路『ギース』の測量士を7万年。
・ヴァガ,ツェィン,ロー・ガーブ,ザーンの聖職を4万年。 - フラガパッティは言いました。
「ホルブの首都オブソドの評議会でジェホヴィは私に語り掛けてくださいました。そこは100万人の神々が座る場所であり,私たちの玉座は光を放ったのです。その光は全能者の玉座からもたらされるもので,とても大きく,全てを遍く包み込むように輝き,そして比類なき声でこのように仰せになられました。 - 「私の息子よ!
息子よ!
赤い星地球に行ってください。
彼の星はあなたの所にやって来ます。彼の星の上衣は定命の者の血で赤く染まっています!」 - フラガパッティは言いました。
「御父はこう仰せです。
『赤い星は此方にやって来ます。その上衣は定命の者の血で赤く染まっている!』と」 - 男神女神たちは机に向かい合って計算し始めると,100万人の耳にこんな囁き声が聞こえてきました。
「赤い星!地球!
思い出しました,セタンテスが今から6万年前に人間を直立歩行させた小さき星です。
そしてアフが地球の壁を破砕し,素早く剪定しました」 - 彼らは地球の歴史を徹底的に見直し,地球がいつ通過するのかを計算すると,地球のダンの夜明けはアザ弧を横断する5年50日後のことだと分かりました。しかし地球はまだ200年も離れたところにいました。
- フラガパッティは言いました。
「私の下に訪れた光が警告を与えるのにこれほど長い時間を与えてくださっているのだから,これは大仕事のはずです。
特使を呼んでください。私が彼らに伝えます」 - 元帥たちはジェホヴィの玉座の前で敬礼し,特使を案内しました。
- フラガパッティは言いました。
「私の息子オーテヴァットよ,『あらゆる光』が訪れ,こう仰せになりました。
『私の息子よ,赤い星地球に行ってください。彼の星の上衣は定命の者の血で赤く染まっています!』
今,彼の星はここホルブから200年以上離れた場所にいます。そのため私はあなたとその従者を呼びました。
これからあなたは地球とその天界を調査してきて欲しいのですが,戻ってくるまで何日掛かりますか?」 - こういった質問はよくあることだったので,オーテヴァットはすぐに返事しました。
「地球時間で40日です」
フラガパッティは言いました。
「そんな遠い場所に行くのに何人の従者が必要ですか?」
オーテヴァットは言いました。
「2万人です」 - フラガパッティは言いました。
「あなたの要求を全て認めますので,すぐに出立してください。そして地球で聖なる記録に値する住民を見つけたら,ジェホヴィの王国の後継者として育てたいのでルーイを遣わすように,神か主神たちに命じてください」 - オーテヴァットは言いました。
「あなたとジェホヴィの御意志が成就されますように」
敬礼後,オーテヴァットとその従者たちは退出し,ガトワワを訪れて,2万ゲージの矢船(恒星船)の建造を命じました。
それは2日で完成しました。その間,オーテヴァットは自分に同行してくれる従者を選んでいました。
その後,彼は従者と共に赤い星地球に向けて光線のように素早く出立しました。
さて,フラガパッティのように遠く離れた神が,人間が血を流す様子をどうして感じられたのでしょうか! - それがジェホヴィの息子や娘たちの本来の完成された姿だからです。
定命の者たちでさえも,少し離れた場所から物事を感じることができます。しかしジェホヴィの崇高なる神々は星の息吹を感じることで,いつ乱れるのかを知ることができるのです。
【2章】
- フラガパッティと評議会は,イニハブの密集群とその星座が1000年毎にオリアン弧のソルティブを通過するのに深く関与していました。およそ20日前,ウホウィチャタ星が消滅し,その星の長であるアヴァイアと,フラガパッティの支配域にあるホルブの庭フルの住民を大いに引き寄せた精霊界の神々の一団によって,実体界の300億の霊魂が解き放たれたばかりでした。
- アヴァイアは,弧の光が鋭く降り注ぐソルティブの近くで散り散りになった眷属たちを4分割しました。この集合地点は枯渇していたため,より多くの助けを得るため神々は課税しました。
この状況を改善するため,フラガパッティの眷属たちはジヤのウスの原野を拡張し,多産な世界であったウホウィチャタから救い出された闇の霊魂たちを相応の階級に下げて,その質に対してあまりにも多すぎる不完全な人間の精神体を連れ出しました。 - イニハブは,その多くが地球よりも大きい100の星々を持ったソルティブ弧を今にも通過しようとしていました。そのうち70の星についてはホルブの住民がダンの夜明けで苛まれている男神女神たちを救い出すのに行く必要がありました。これらに全て対応するため,フラガパッティとその100万の評議会は仕事に取り掛かったため,地球とその天界が彼らの上に深刻な負荷となることはありませんでした。
- しかし40日,もしくは地球で40日だったのかもしれませんが,オーテヴァットと2万の従者が火の矢船に乗って地球とその天界から帰還し,オブソドに急行していました。そこでは元帥たちが彼らを迎え入れるため,評議会に通達していました。
フラガパッティは言いました。
「オーテヴァットとその従者を玉座に招きなさい」 - オーテヴァットは中に入ると敬礼し,その長であるフラガパッティの前に立ちました。
オーテヴァットは言いました。
「ジェホヴィの御名において,その力と叡智により私はここに赤い星とその天界について報告いたします。
初めに報告します。 - 偉大なるオシレが定命の者たちに精神文化の種を蒔いてから3,100年が経過し,それは巨大で最も無慈悲な暴君のように成長しました。
フラガパッティよ,私が話したことを学ぶため,神やその主神たちはあなたに敬意を表し,私に声と言葉を与え,彼らの天界の図書館を開放し,地球や全ての国家,部族,放浪者を調査する私に同行してくれました。
地球の神は私に言いました。 - 『御父の御名において,フラガパッティにご挨拶申し上げます!
その息子のあなたにもご挨拶を!
この記録をフラガパッティとホルブにある評議会にお持ちください。なぜなら私や主神,眷属たちではあなたたちに対して無力だからです』 - 神は言いました。
『偉大なるオシレが精霊界に昇天されて以来,この天界は1,500年間豊かな収穫物をもたらしました。地球を襲ったいずれのダンでも,神と主神たちは秩序を守って対応し成功を収めてきました。 - しかしその後、変化が訪れました。ジヤの原野が天界の各方面から押し迫り,天使や定命の者たちの精神体が低俗な地球に背を向けてしまったからです。
その後は,既に第2の復活の最中であった者だけが上天に向けて努力するだけでした。 - こういったことがあり,絶えず増加する負荷により私たちの大学や学校,工場が空き家となりました。なぜなら地球で生まれたばかりのエスヤンの眷属は地球における学習について頑なであり,賢明な助言や交わりを拒んでいたからです。
- 地球から大気界に至るまで,何百万という霊魂が生まれましたが,彼らは死んだことが信じられず,暗い迷宮に閉じ込められ,昼夜を問わず唸り罵り続けました。
- なぜなら実体的な知識の種がイフアン族に根付いていたからです。 彼らは星々,月,太陽の動きや名前,場所を学び,これらから国家と人間の出来事について預言しました。そして実体界に誕生した日やその時の動向により,太陽や星々と組み合わせてその時の最も高位で中心的な原因を地図や図表を用いて正しく線引きされました。
- 太陽が冬や夏を形成し,草を生やしたり枯らしたりするのであれば,太陽が動物や人間を支配しているのだと考え,こうして彼らは全ての霊魂,そう,ジェホヴィでさえも放り捨てたのでした。
星々を観察するために建てられた神殿は、かつては人間たちがジェホヴィに平伏して崇拝する場でしたが,霊魂を教えたり信じる者全てにとって,恐ろしい死を布告をする場となったのでした。 - そして地球上にイフアン人の強大な国家が建国され,パーシーと呼ばれました。彼らは神々や主神たちの命令を無視して,2,000人の精神体以上の町を作ろうとはしませんでした。本当に,主神や神は太陽や星々の加速する力からもたされる霊感のようなものに過ぎず,過去の時代における信憑性により暗く人間的なものにされてしまったのです。
- そして『太陽の密集群』を代表して,彼らは太陽の町オアスを建設しました。そこは100万の精神体が今日まで存在し,地球全土を統治し,その栄光のためにその他の場所を属国とする『中央支配者』となるべく建設されたものでした。
彼らはオアスに王を擁立し,彼とその子孫たちが永遠と後継者となるようにと『太陽の王』と呼びました。 - オアスは、地球の他の全ての場所よりも壮麗に飾られました。 その名声は海外ではジャフェス,セム,ハムにまで広がり,そういった国家間での中心的な存在となりました。その大学は有名になり,その天文台は屋根を金銀で覆われたほど壮麗なものでした。塔内に鏡やレンズ,そして暗い部屋があり,星々を夜でもまるで昼間のように読み解くことができるように作られ,偉大な学者たちにより1,000年以上にもわたって観測された記録がそこにはありました。
- しかし残念ながら,オアスは知識における中心的な太陽ではなく,地球全土における力と支配となることを望んでいます。オアスはその豊富な宝物から征服や破壊,収集や略奪,そしてさらなる栄光を求めて軍隊を送り出すのでした。
- ジャフェス,セム,ハムは人間の血で赤く染まりました。
私は,ジェホヴィに人間たちの精神体を救済の手を差し伸べてくださるように上天に嘆願しました。 - なぜなら殺された100万人もの霊魂は今でも戦場に混沌と横たるか,もしくは目に見えない恐怖の幻覚に対して狂ったように戦っており,天界の神聖な場所を訪れるように説得された者は誰もいないのです。
一方で,定命の者たちに呪われた彼らの心を見つけようとして,彼らの眷属は狂ったようにオアスに駆け込んでいます。 - 神は言いました。
「地球の天界は,私の主神たちが集め,次の復活のために用意したイヒン人とそれに及ばないイフアン人以外,地に堕ちてしまいました。しかしパーシー国では誰も死者が蘇ったり,霊魂が存在することを信じている人は誰もいません。しかし定命の者は死を以て終わるため,王は死者の霊魂が暮らす天界について人間に教えたり説法したり,そして創造主である『偉大なる霊魂』について宣言することを今後行わないと布告しました。 - オーテヴァットは言いました。
「こうして神は永遠に続く滅びの中で行き詰まった地球と天界の出来事を詳らかにしました。より詳しいこととなると,私は各地や各国を従者と共に巡りました。私たちがヴィブラジに座っていると,神聖なる円の中に1つの星の光が私たちの前に,しかも神の玉座に現れたのです。その中央から天界の書が落ちてきて,まるでジェホヴィの御計画や御意志をこれから定命の者たちに伝えようとしているかのようでした。 - この時,神は言いました。
「強力な天界から来訪し,他の世界を統治する神々の知識を持っているオーテヴァットよ,私に教えてください。この光と聖なる本は何の兆候だと思いますか?」
私はこう答えました。
「神よ,これは神や主神たちが教えてきたことを定命の者たちに証明する時が地球に訪れたことを意味するのだと思います。歴史はもはや選ばれし種族イヒン人が私的に持つだけのものではなくなり,聖人や罪人の前にも顕現されるということなのでしょう。 - あなたたちはこういった頑固な王や人間を虐殺する者たちの前で復活を証明しなければいけません。というのも,イヒン人のように,ではなく,私たちが精神体の不滅を信じているのは古代から受け継がれただけでなく,自分の目で確かめたからだと言わせた方がよいのです」
- 神は言いました。
「今回はどうするべきでしょうか?」
それに対して私はこう答えました。
「偉大な神ではない私には何も言えません。なぜならこの部門は私の管轄ではないからです。しかし私が知っているのはこれだけです。オアスの町にルーイたちを送り込みなさい。彼らは第4階級のスイス・サルギスを生み出すでしょう。それ以外のことはフラガパッティが来るまであなたにお任せします」 - 神は言いました。
「第4階級になるには5世代を要します。それはイヒン族からイフアン人との混血が生まれることになります。
オーテヴァットよ,オブソドの評議会の前にある精霊界の家に,ジェホヴィの玉座に行って,フラガパッティにこうお伝えください。
『復活の光の後継者は,ホルブのダンの夜明け前に生まれます』」 - オーテヴァットは言いました。
「この真実を知った私は出立し,すぐにあなたの王国に戻ってきました」 - フラガパッティは言いました。
「よくやりました。地球の次のダンの夜明けでは,私は地球とその天界におけるジェホヴィの御計画を実行するため,休息を取ります」 - オーテヴァットは敬礼して退出すると,フラガパッティは他の世界の事案に対しては評議会で進め,これから200年後,地球が精霊界のホルブ原野付近にいると思われる時間と場所の覚書を作りました。
【3章】
- それでも夜明けは訪れました。
精霊界で高位のオリアン長フラガパッティの本拠地ゴーマチャラの翼では,ジェホヴィの御言葉がもたされました。
「私の息子よ!ご覧なさい,ホルブの境界近くでダンの夜明けが訪れます。嘆きの地球,赤い星がすぐにやって来ます。
そして神と主神たちは私の幼い息子ザラツゥストラの名を呼んでいます」 - フラガパッティはその御声を聞くと立ち上がり,200年以上も前から分かっていたその世界が,定命の者たちに掲示されたその時が満たされたことが分かりました。
「ジェホヴィよ,あなたのために!」
フラガパッティは言いました。
「果てしなき御身のため!私は1000万の強力な眷属とともに向かいます」 - フラガパッティは男神女神たちが集まる精霊界の評議会を訪れました。
フラガパッティは言いました。
「時が来ました。赤い星はホルブ原野に接しています。
ジェホヴィが呼んでいるのです!」 - すると評議会は喜びました。なぜなら何百もの精霊界の重要案件が,実体界において安息と余暇活動が目前となるまでの一時的な解決を見ていたからです。ヒスピアンの息子たちがいる地域の,アジの渦における『時間の決定者』にして,数多くの世界の神アダーが最初にこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの息子フラガパッティに地球にダンの夜明けが訪れるまで,5年の休暇を与えます。対処すべきは地球とその天界だけだからです!」 - 次にジョブ弧とソウル弧における炭素の形成者,オスの時代の『延べ棒の偃月刀』の白髪の使い手である3つの精霊界の女神フィヴァカが話しました。
「全能者ジェホヴィよ!
あなたの娘フィヴァカは何に祈ればよろしいでしょうか?」
私たちの上位神にしてオリアン長フラガパッティの安息と栄光のため,彼女の愛で何ができるというのでしょう!
次にインダー星生まれの髭を生やした小男である,7つの精霊界の元帥チェシンが話しました。
「ジェホヴィよ,私たちの聖長フラガパッティの安息と栄光のため多くの愛をお与えください!」 - このようにホルブの精霊界の神々の中でも力,叡智,愛に富んでいる働き者フラガパッティのために,1万の男神女神たちは愛や高い評価を口にしたのでした。
- フラガパッティは言いました。
「私には1000万の強力な眷属がいます。地球とその天界がダンの夜明けに身を置く5年と50日の間,私たちには他の労働をせず,堕落した世界を救済するため,男神女神たちに休日を用意しましょう」 - フラガパッティはそう話しました。
すると然るべき士官や労働者がそれぞれの役割を果たし,7日間で移動のために準備した浮遊船,火の船ヤッタル号を発表しました。その間,1000万の救済者の選抜が行われ,彼らは誰もが輝く星のように,主君の船に自分たちの部屋を手に入れようとやって来ました。 - フラガパッティはフアドを司令長官に任命し,1万人の側近を与えました。
天幕やタリジのため,フラガパッティはミヤマガラスの女神メトラフを『流れる東』の女王にしました。
尖塔にはイアタを『慌ただしい朝』の女王にしました。鋭い黒い目をした彼女は4000年間,レスのガインの機織りをしており,とても愛されていました。
音楽に関しては,フラガパッティはテリティヴィフを指揮者にしました。 彼女はジーとオルスの道における精霊界ヘルムの女神であり,4万年間,ニールトとエクザンの女王であり,かつてヴィルジのエティシャイの仲間であり,逆境の中にあってもそれを喜んでいたため,ワンとサンガウィッチで愛されました。
トランペット奏者については,フラガパッティはボアンを指揮者にしました。彼はイクザラタの男神でしたが,現在は休暇を取っていました。
チャート分析家として,彼はヤンを主席にしました。彼はウェーデとホレンポティチャヴァのオリアン弧の精霊界の海オーサの測量士であり,彼もまた赤い星の夜明けの間,休暇を取っていました。
図書館については,彼はヘッタを司書長に任命しました。彼女は『南エングの嘆きの声』にあるヴィティアの女神であり,3万年間,イメスの教師を勤めており,1万年間,ウィアメッセ弧のオリアン長エリスの助言者を勤めていました。 - この他に,フラガパッティは最上位とは対極にある男神女神たちに,浮遊船の中でも低級の事務所を分け与え,精霊界を通る偉大なる旅がすべての重大な目的に対処できるようにしました。
こうして彼らはジェホヴィの御意志に応えるため,この旅が愛と喜びに満ちた楽しいものであることを祈りながら,精霊人の何十億という喝采の中を出発しました。 - 7つの実体界の星々が10億年前に散り散りになり,今はアジの原野とともに星雲を形成しているウルの沼地を猛スピードで駆け抜けました。彼らは時々、他の世界の闇の霊魂ドルジたちに実体的な姿を取らせて,彼らが過去に無視してきた善行を完遂するため連れてきました。船は気儘に上昇し,実体界のテッサ星の神レプサが400年間,7000万人のエスヤンを真理と善行に導くため植民地で養っている『ゼーの牧草地』に突入しました。レプサは浮遊船の来訪を知っており,多くの者が偉大なるフラガパッティを見たいと願っているのを知っていたため,10憶の観客を招き,見守りました。彼らは歌い、トランペットを吹いて喜びました。 そこに浮遊船に乗っていた男神女神たちが無数の花を弧を描くように整え,愛を思い出としてくれる香水を振りかけました。
- 船はエブルの方に道を変えました。そこは7つの精霊界がオーシンの神エリムの牧草地ヌー弧で交差する場所であり,フラガパッティの一行を目撃するため20億人の眷属が集まり,歌ったりトランペットを吹いたり楽器で演奏して応援していました。この神エリムに対して,フラガパッティは9万年来の友として,浮遊船の旗にジェホヴィの御名を刻んで敬礼すると,エリムは無数の旗が靡く中を,100万本の光の柱を立てて応えました。
- 1,000万の喜びに溢れた精神体を乗せて,火の船である浮遊船はさらに進み,ホルブの境界近くにまで来ました。ここはフラガパッティの栄誉ある支配域の境界にあたり,何十万年間も多くの世界でその御業として知られた場所でした。ここでダンの標柱近くの『太陽の密集群の通り道』シーボーカムに到着します。そこは400万年以上も探検航海している5億人の精霊人の宿営場所であり,偉大なるジェホヴィの宇宙の栄光の下,豊富な蓄えがありました。彼らの船『コアルー』は1つの世界のようであり,非常に大きく,あらゆる付属品が備わっていました。
彼らは帰還について話し合っていました!
彼らの船長は地球が誕生するよりも遥か前から大宇宙を旅しており,最も壮大で対照的な光景を目撃するにはどこか旅すればよいのかを知っているぐらい,何百万もの精霊界の道路を知り尽くしていました。 - 彼らに招待され,フラガパッティはここでしばらく停泊し,眷属たちは愛を交わし,自分たちの目的について語り,ジェホヴィの永遠の王国の栄光をともに喜び合いました。
彼らはとても長く生きており,多くのものを見てきただけあり,その語る内容は誰もが真新しく素晴らしいものばかりでした。なぜなら『偉大なる霊魂』の創造力はとても偉大なため,精霊界で見た光景はもう二度と見られないからです。それは別な意味でより輝きを増しており,まるで前よりももっと美しく壮麗にしようとしているのではないかと思うぐらい,永遠に変化し続けているのです。 - 彼らは,畏怖の念を抱かせる数多くの不思議話を見知らぬ旅人から聞き終えると,再び先を急ぎました。ようやく浮遊船はちょうど月の軌道を超えて地球の渦チンバットの境界近くに到着しました。フラガパッティはここで1日停泊し,下天と地球に特使を派遣し,夜明けの間,どこに停泊すればよいのかを調査させました。
- 翌日,彼は光を下に向けるように命令し,地表から離れた『第3階級の天高原』ハライティの方に,ゆっくりと回転しながら地球に降下しました。
【4章】
- ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私の息子フラガパッティよ,こちらへ!
ここハライティに,私はあなたの王国の礎を用意しました。火の船で急ぎここに駆け付け,5年と50日で役目を果たしなさい。 - あなたの眷属たちを呼びなさい。
私の玉座となる玉座を作りなさい。
創造主の声はあなたたちと共にあります」
フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの玉座となる玉座を私はここに築きます。ハライティを,ダンの夜明けにおける私の本拠とします。
あなたたち夜明けの男神たちよ,こちらに来なさい!
あなたたち夜明けの女神たちよ,こちらに来なさい!
ジェホヴィの息子の声を聞きなさい。
あなたたち天界の人々よ,平伏しなさい!」 - 船が停泊すると,1000万人が出てきて生きた祭壇の中に集まりました。
フラガパッティは手を挙げてこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの玉座となる玉座です!」
眷属たちが両手を上げると,その姿は威厳を増して,火のように玉座は明るく輝きました。
フラガパッティは玉座に登ると腰を下ろし,こう言いました。
「御父よ,至高の御方よ,あなたに栄光あれ!」 - 精霊界の大宇宙から光が降り注ぎ,500万人が座ることができるぐらいの幅の天蓋が玉座を覆いました。その天蓋の端では精霊人が働いており,あらゆる色,形,濃淡で照らされた煌々と輝く水晶の柱を立てていました。
- フラガパッティは言いまいた。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において,あなたの御力と叡智により,私は地球に
,あなたの評議会場から,私はあたなのために永遠に築きます!」
男神女神たち眷属は両手を上げて,持ち上げて投げ込むと,見てください,人が住めるモウル,評議会場,ハライティの首都が建ちました。 - それから全員が両手を向けて祈り御父を讃美し,歌いました。
- その後、フラガパッティは言いました。
「あなたの御名において、あなたの力と知恵により,私は地球に新たな天界を建てます。
私の元帥たちはこれから地球に降下し,神とその主神たちと,そしてこの光に耐えうる全ての他の人々の臨在を命じます。彼らは私の声を聞き,私の発令を知ることでしょう」 - 1万人の元帥が敬礼して,地球とその下の領域に向けて出発しました。
- フラガパッティは言いました。
「その間,私は,モウルの最初の家の上級評議員となる,夜明けの男神女神たちを任命します。
『あらゆる光』ジェホヴィの御名において,聞いてください」 - アイラムの神カオカ
ベライティスの男神アタ・カシャ
クルーゼの男神エアヤマ
ロンの女神パテマ
カリエムの女王マイディヤリヤ
ハロニジの女神ガータ・アフナヴァイティ
ヴェレスの男神ラーマクアクトラ
ヴォルの男神ヴァヒスタ
ミャズダ人イシシの男神アイラム・イシャ
サマトラスの男神ハプタンハイティ
アオムの男神イーマ
ラカの男神スドガ
ブクディの男神イラガ
エンサイラスの女神エリシク
アジのオーマットの女神ハルワイティ
ヴァエレサグナの女神デューズ
ディハマの女神ウェッテマイティ
アエギマの女神クアクトラ
マハ・メルの女神ウスタヴァイティ
コロネアの女神クーラ
アカの女神イェンヌ
アベレットの男神カオシャント
フーリの男神ラトワイスカ
ブッツの男神クペンタス
ヌガ・ガラの男神ヴァイリョ
アタレヴァスクシャの男神女神ドゾアタとその弟ザオタ
ネーセの神ラーテヴァイスカーレ
アメシャスの男神ヤタ
スラワクの男神チャンハ - フラガパッティは言いました
「ジェホヴィよ,私の家の栄光をご覧ください!
私は全世界を統治できる者だけを選びました。これほどまでに恵まれた神,評議会があったでせほうか!
赤い星のような小さな世界にこれほど偉大な光が送り込まれたことはあったでしょうか? - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私が人間を,時には休息も必要なように創造したように,私は同じ条件を上位神が望んだように担ってきました。 私はどんな神でもこれほど高く評価したことはありませんが,最もつまらない職務こそが神の栄光なのです。
独裁者は物乞いと一緒に暮らすまで同情を学ぶことはできません。
至高で最高の人間もまた不幸のどん底に身を置くことなく愛と優しさを学ぶことはできないのです」 - フラガパッティは言いました。
「強い男は,自分がかつて子供だったことを忘れてしまうのでしょうか。
オリアン長は,自分がかつて奴隷であったことを忘れてしまうのでしょうか。
光の中にいる者は,闇の中にいる者たちを忘れてしまうのでしょうか? - ジェホヴィよ,あなたは強力な御方です!
私はあなたに奉仕するため,私の職務を休んでまで地球ととその天界に来ました。
しかしあなたは私の前にいます。あなたの声が届き,私を叱責してくださります。
そう,私はあなたにとって,まだまだ子供に過ぎないのです」
【5章】
- フラガパッティは,10万人の精神体で構成された評議会の2つの部門を選出すると,こう言いました。
- 「神は新しく王国を捧げる時,神は自分の首都を自分色を強めて創造し,自分という光と,その他大勢が控える広間との間に線引きするのが通例です。しかし神の助手が男神女神である場合,建物内で彼らと手を取り合うのは適切な処置です。
この場合,私はあなたたちにここでの場所を提供します」 - フラガパッティの言葉が発せられるか否や,男神女神たちはジェホヴィに手を差し伸べると,御覧ください、天高原の要素が形を作り,新しい王国の天蓋が出来上がっていました。
さらにもう一度ジェホヴィに手を差し伸べると,天界の家の壁が出現しました。
もう一度ジェホヴィに手を差し伸べると,今度は床と礎石が出現しました。 - その家は,下天におけるフラガパッティの玉座の場所に因んで『モウルの家』と呼ばれました。
家の先にある平原にフラガパッティは1000の畑と牧草地を作りました。そこにはそれぞれ1万の邸宅を造り,それぞれ1000の精神体を宿すことができました。
フラガパッティは他の場所に到る道路も一緒に作り,彼の眷属はジェホヴィの叡智と力において働く環境が整ったのでした。 - この御業が進んでいる間,地球に降下した元帥たちが,神とその主神たちと,第2の復活を待つ120万の霊魂を同伴して戻ってきました。
フラガパッティは神とその主神たちを『モウルの家』に連れてくるように命じると,彼らはその命令に従い,連れてこられました。 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィの御名において,私はあなたたち神とその主神たち,そしてその眷属たちにご挨拶申し上げます」 - 神は言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において,私と主神たち,そして私の眷属たちは大変喜び,祝福されました。
フラガパッティよ,あなたが地球生まれの者とその天界の霊魂を救済しに来られたのは,この世界において真に喜ばしい時期に巡り合えました」 - 主神たちは言いました。
「私と私の眷属たちのために,ジェホヴィよ,あなたの息子フラガパッティに感謝申し上げます」 - フラガパッティは言いました。
「神よ,あなたは私の命令を知っているかもしれませんが,私はあなたとその主神たち,そしてその崇高なる眷属たちをここに来るように命じました。
まず聞いてください,私があなたの下に送る者に,ジェホヴィの御名において,あなたは私の命令を実行してください。地球上の定命の者たちが霊的に証明された物事について教育を受け,彼ら自身がジェホヴィの王国の建国の一部となる時が来たのです。 - 地球とその天界を現在統治する神であるあなたを通して,あなたが選びし後継者ザラツゥストラの死と復活を実行しなければなりません。そのためには次のことを証明しなければなりません。
1つ目は,実体界の地球で暮らす人間が,完全に純粋で罪なく生きられること。
2つ目は,実体界における死は地球で暮らしていた時の人間の肉体に帰属するものであり,その霊魂には紐つかないこと。
3つ目は,死後、同じ者が霊魂として復活し,定命の者たちの前に現れ,見聞きできるようになること。その後,その者は神の腕の中から,上天に向かって最終的には昇天することでしょう。 - これを実行するのはあなたに課せられた役目でありますが,その一方であなたはまた,あなたに仕える天使たちを通して,罪と闇に対して美徳と真実がもたらす利点を定命の者たちに証明しなければいけません。なぜならあなたは全てにおいて不純な2人の悪人を死に至らしめるからです。
彼らはあなたの後継者ザラツゥストラと同時に死を迎えることでしょう。しかしこれらは死後,定命の者たちの前に姿を見せることはありません。なぜなら定命の者は今後、美徳に対する報酬や,ジェホヴィの息子である神々に与えられし力について,互いに証人となるからです。 - しかし、霊魂によるあらゆる証明は哲学者の手腕により挑戦的な設定が加えられる可能性があるため,あなたは御父の王国の真実を教えるのに,あなたの後継者の死を待たず,事前に教えていかなければなりません。
ザラツゥストラがまだ定命の者であるならば,定命の者たちの生活の規則,教義,信仰,懺悔,そして偉大なる霊魂への賛美を書き留めさせなさい。その他には預言やあらゆる種類の正義の贈り物,奇跡の力,実体的な要素に対する人間の霊魂の勝利についても書き留めさせるのです。 - あなたがこれらのことを成し遂げた時,ザラツゥストラの精神がこの家にもたらされるでしょう。しかし彼とともに死を迎えるドルクたちを,あなたは復活のために用意した場所に,いつもの方法で送り届けなければいけません。
- それからあなたの後継者がどのような立ち位置にあるのか私に伝えてください。
あなたの助けとなる物,私の命令を実行するために必要な物は何であれ,私に言ってください。そうすればあなたにそれを与えられます」 - 神は言いました。
「ザラツゥストラは20歳の時に自分に課せられた運命を理解しました。 彼は純粋で賢く,信仰と優しさを持っています。しかし彼は世界中のどの人間よりも大きくて強力です。彼は霊的な面と実体的な面の両方において,古代の文献の知識や,書物を書いたり作ったりするように教えられています」 - フラガパッティは言いました。
「あなたは5年でその仕事を完遂させなければいけません。そのためあなたは主神や眷属たちを必要に応じて同伴し,あなたの居所に出発してください。私はあなたの居所とこの場所を結ぶため1,000人の使者を用意し,毎日あれやこれやと要求してくれれば,それをあなたに与えられます」
それに対して神はこう答えました。 - 「私は今すぐ行って,ザラツゥストラに叡智の書を書かせ,王や国家,人間の部族についての預言を与えるとします。私が行うことは,モウルのあなたの下に届けられ,証明されることでしょう」
こう言うと,神は少し引き下がって,自分が希望する主神たちや補佐役を選びました。
この後,フラガパッティは1日の余暇活動の時間を与えました。この活動の中で,精霊人は定命の者たちの状況や,第1の復活をまだ終えていない何十億もの霊魂や,闇と混乱の状況を十分に把握しました。 - 翌日,神とその眷属たちは,ハライティに逗留している精霊人の中から何千人もの志願者を連れて地球に向けて出発しました。
【6章】
- フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィの声が私の下に届き,こう仰せになりました。
『私の息子よ,あなたの玉座に座る第2席の者を任命し,測量士と検査官を同伴し大気界を歩き回ってください。なぜならあなたは『堕落した天界』にいる何十億という霊魂の状態をその目で見るべきだからです』」 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィの御名において,私はモウルの神アトラヴァを補佐役に任命します」
この時,評議会で大歓声が上がりました。
その後,アトラヴァが進み出て,ジェホヴィの玉座に登り,フラガパッティの右手に座りました。精霊界の光が各方面から差し込んできて,フラガパッティはそこに集まった材料を使ってアトラヴァのために王冠を作り、彼にかぶせました。 - フラガパッティと,彼に同行する従者のために交通網を建設する役人と労働者が派遣されました。翌日,フラガパッティはヴェレスラグナを話し手とする3万人の仲間を選び,『堕落した天界』と地球の視察に出発しました。
- フラガパッティの船は照明や窓帷を設けていなかったため,彼らは人の目を引かずに旅することができました。
最初にフラガパッティは何よりも優先して,誰も住んでいないハライティの天高原を視察し,そこが地球の直径の10倍の距離にあることが分かりました。また東西南北の直径は地球の直径と同じぐらいでした。つまり天高原の表面は四方52万8,000マイルあったのです。そして地球上の定命の者たちの割合で言えば,この天高原には5億2,800万の精神体が暮らすことができました。しかし、これは実際に内外で維持できる 1,000 分の1の数もありませんでした。 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,これがハライティです。今までもどの霊魂もここで暮らそうとしていません!
御父よ,調査をこれ以上続けるべきでしょうか!
これほど限界まで調査したのですから,どこに懸念が生まれるというのでしょうか!」 - ヴェレスラグナは言いました。
「それでも、私たちは巣箱の中の蜜蜂のように,最下層の『堕落した天界』に集まっている霊魂を見つけなければいけないのです。そして長よ,定命の者たちもそうではないのですか?
彼らは町や部族単位で集まり,何インチかの土地を巡って争っているため,広大な地球の場所は荒廃し空き地になっています。 - フラガパッティは言いました。
「これが最下層における定命の者たちと霊魂の闇の全部ではないのですか?
そうだとしたら彼らがどのように暮らしているのか分かりません。蜘蛛や蟻の方が,こういったものよりも創造主と合一しやすくなっています」 - 次に彼らは地球の直径6個分離れたゼレドを訪れました。 ここで彼らは,3,300年前にオシレによって設置された20億の霊魂が暮らす植民地を見つけました。しかしそこに当時と同じ人が暮らしているわけではなく,後に地球からやって来た人々でした。彼らにはホーブという神が付いており,2,100年前に地球からやって来た大気人でした。 彼は実直で賢く,とても素晴らしい善行を積んだ者でした。しかし精霊界のことを何も知らなかったので,そこに昇天しようという気概はありませんでした。
フラガパッティは植民地を訪れることができて満足し,ホーブたちもまた満足しました。 - フラガパッティは言いました。
「ホーブよ,ここに永遠に留まることがあなたの望みですか?」
するとホーブはこう答えました。
「そうです,御主君。至高の場所に到達し,そこに留まること以上の生涯とは何でしょうか?」
フラガパッティは言いました。
「これが至高ですか?」
ホーブは言いました。
「そうです,御主君。人間がそのように作ったのであれば,どんな場所や条件も全てにおいて至高なのです。私以上に高みを達成することはできません。私の民よりも高い民はいません。私たちは地球と『堕落した天界』から自由なのです。そして私たちはそこには戻りたくないし,他の場所にも行きたくないのです」 - フラガパッティは言いました。
「あなたの王国を見るために少し歩きましょう」
ホーブは頷き,一緒に歩きながら住民たちが安らかに横たわっているのを見ました。ある者は光の糸を編んでは解いて,また編んで面白がっていました。他には水晶や透鏡を透過させたりさせなかったりして遊んでいる者もいましたが,それ以外は特に何もしていませんでした。
実際、彼らは何かを必要としていませんでした。なぜなら全員,自分で何かを行えたからです。
さて彼らがしばらく散策した後,フラガパッティは言いました。
「ホーブよ,住民たちが悲惨で闇の中にいる下の天高原に戻り,彼らをあなたの支配域に連れてきたいと思いませんか?」
それに対してホーブは言いました。 - 「いいえ,御主君。彼らに自分で移動してきてもらいましょう。たとえ私たちが彼らを助けても,彼らは感謝しません。いや,私の考えはこうです。人間はあらゆる物の中で最上位にあります。それは愚かなことです。世界は数多くあり,しかも広大です。人間に自分で隅っこを選ばせましょう。そうすれば永遠にそこに住まわせることができます」
フラガパッティは質問しました。
「人間が隅っこを選んでも,それが必ずしも彼ら自身が選んだものと言えるのでしょうか?」
ホーブは言いました。
「私たちの場所は先祖によって遺されたものです。もちろんそれは私たちのものであり,永遠に残ります。どれも他の霊魂が私たちの支配域に住み着くのを妨げるものではありません。それに他の世界から遠く離れているので,私たちはそれに悩まされることもありません」 - フラガパッティは言いました。
「あなたはどうやってここに来たのですか?」
ホーブは言いました。
「昔,オシレという名の神がここに来て,60億のドルジを地球から連れて来たことがありました。オシレは彼らとともにここに植民地を作りました。ここには工場,大学,病院な,民を啓発するのに必要なものがすべて揃っており,十分な教師も用意されています。
時が経つにつれて,多くの住民がこの場所から移住したため,ここに住む者はほとんどいなくなりました。しかしこの下にいる神々は新たな住民を送り込んでくれました。その住民について私たちは第2,第3の再教育を実施しました。そうして私たちは工場や教育施設,その他の場所をすべて引き継いだのです」 - フラガパッティは言いました。
「あなたたちは他の場所の神々によって更生しました。それと同様にまだ闇の中にいる他の者たちを更生させることに喜びを感じないのでしょうか?」
ホーブは言いました。
「いいえ,御主君。 私たちは純粋で洗練されています。ドルジの雰囲気は私たちにとって不快なものです。それらは私たちの幸福を損なうだけでなく,私たちに余計な苦労や責任を押し付けてきます。
私たちは洗練され神聖な人々以外の者たちと交わりたくないのです。
私たちは自分の面倒は自分で行います。他の者たちにも同じようにしていけば,きっとうまくいくはずです」 - フラガパッティは言いました。
「あなたは私と私ともにいる人々を誰だと思っていますか?」
ホーブは言いました。
「自分たちと意見が合わないか,他の人々の問題に干渉しようとしているどこか遠い領域から来た訪問客です。前にもそういった訪問者はいましたが,彼らが去っても特に悲しみませんでした」
それに対してフラガパッティはこう答えました。 - 「あなたは自分の哲学をしっかりと持った人です。これほどの野心がなければ,今の国家や民草は存在せず,世界に幸福もなかったことでしょう。自分を満足させてそう振る舞えるのは,実質的に1人の神なのです。あなたの下に移民が押し寄せることを恐れたり,あなたが長年築き上げた新年を損なう新しい哲学を恐れることなど何もありません。あなたは実際に神々の中でも最も幸福な者であり,あなたの民は最も幸福な民なのですから」
- ホーブは言いました。
「そうでした!
あなたはそのことを教えてくれました。恐れたり憂えたりするものは何もなかったのです,永遠に!」 - それからフラガパッティは言いました。
「そして私はあなたに,恐れたり憂えたりしないというのは実現できると宣言します,ホーブよ。 なぜなら私はこれほど強化された天界の王国を見ているからです。そしてあなたとその民はそこに関連する『神聖な秘儀』を受け入れる準備ができているなら,私は喜んであなたの前にそれを明らかにしましょう」
ホーブは言いました。
「あなたは叡智ある神です。あなたに残っていただき,私たちに教えてください」 - フラガパッティは言いました。
「私は今,旅の途中なので,これ以上滞在することはできません。しかし一つの約束として,私はここに戻ってこれらの事を明らかにします。そうすればあなたは自分の国に移民が押し寄せても,人間や神が教えるいかなる哲学についてもこれ以上恐れることはなくなります。
あなたの国民全員に対して秘儀を守るという約束を必ず守ってください」
ホーブは言いました。
「必ず守ります」 - フラガパッティとその眷属たちは,届出が自分の民に届いたら戻ることを約束し,その場を後にし,天高原から出発しました。しかしフラガパッティは表面全体を調査すると,1兆人の霊魂を教育し養えることが分かりました。一方で,ホーブの王国にはわずか2億人しかおらず,しかも彼らは天高原の小さな隅にしか住んでいませんでした。それにもかかわらず,ホーブは自分のところが全領土だと言い張っていたのです。
- この後,フラガパッティは次の天高原,地と空に因んで名付けられた『アオス』と呼ばれる地球の上空にある第1級の天高原に降臨しました。なぜなら定命の者が死んだ時,最初の霊魂が昇天する場所だったからです。
アオスは地球の上に土台があり,地球と同じように山や谷があり,実体的な海の上に海がありました。アオスの外表面は地表から20から100マイル上にあります。そして全ての霊魂の世界の方法に従えば,内側や外側にも居住することができました。
しかし第1の復活はその内部と地表で行います。そして第2の復活は主に地表で行われますが,全ての大気界の天高原は第2と第3の復活のために作られています。
アオスとゼレドの途中には,かつてオシレが設立したヴィブラジがありましたが,そこは民が激減していたので,フラガパッティは調査を止めて直接アオスに向かったのでした。 - 「ここには『朝』と『明け方』の山々や,『月』『太陽』『星々』といった山々が横たわっています」
ここの集団の長は次のように続けました。 - 「ヴォータの主神フラが住む光の場所として以下があります。
・ウシダホ
・ウシダレナ
・エレジフィヤ
・フラオレパ
・エゾラ
・アレズラ
・トゥダエ
・ブーミャ
・ドーティヤ
・ラオディタ
・マザッサヴァオ
・アウタレ
闇による「苦しみ」を意味するウズの場所として以下があります。
・エレーショ
・ヴァタ・ガイコ - この山々はジャフェスの地球の山々よりも90マイル高くなっています。この南にはアダラナ,アヤナ,イサカタ,ソーミャ,カナカ・タフェドラホ,ヴァーラ,『二重の山』ハマナカンナ,『八方の丸い山脈』フラヴァンク,『4つの峰』ヴィドワナがあります。
- これらはセムの地球の山々の上に広がっており,地球から100マイル上空の高度にあります。 これらはパン大陸の水没以来,霊魂が暮らす最古の世界であり,その霊魂の世界はより高位の天界に運ばれたことから,ハライティと呼ばれるようになりました。
- 東と西に広がっているのは『赤い人間の集団』と呼ばれるグループで,イフアン族の霊魂を植民地に送り込んだ天界の最初の場所であり,その地名は次の通りです。
・アエザカ
・マエナカ
・ヴァケドラカエ
・アカイア
・トゥダッカエ
・イシュヴァカヤ
・ドラオシバオ
・カイリバオ
・ナンフスマオ
・カハユユ
・アウタレカンハエ
・カラヤイア - 次のグループは西と南にあります。
・ギチンダヴァ
・イフアン=ヴァリャ
・レーガンナ
・アカヤ
・アーシャ=クチームバナ
・ウリニョヴァディカエ
・アスナホヴァオ
・ウシャオマ
・ウツァガエレナオ
・チャマカマ
・チャマカ
・ヴァフラヤオツォ
・ヴァフラヤオ
・ヴォルルーシャ
・ウアソーカオ - このグループの南には『聳え立つ鷲』があります。
・イジャタラ
・アドゥトゥヴァヴァタ
・セプティマヴァレナオ
・クペントダタ
・アスナヴォアヤ
・カイロガハイヴァカオ
・タウライオサ
・バロヨ
・バロクラヤマ
・フラヤポア
・ウドリャ
・ウサヤオカヴァ
・ラエバオ
これらのグループは全て,定命の者たちの間でイーハ語が使われていた時代に,中層の世界の神や主神たちによって名付けられました。かつてすべての音節は神々がフラガパッティやザラツゥストラの時代以前からこの証を存続させてきたとある部族,イヒン族の合併に因んで名付けられました。言語が高度に組み合わさった時,霊魂の世界におけるこの区分が人間に示され,定命の者たちや霊魂に対して証明されるのかもしれません。
(補注)イーハ語で記されている名前について
例えば「アドゥトゥヴァヴァタ」は「アドゥ」「トゥヴァ」「ヴァタ」の組み合わせの可能性があります。OAHSPEにこれらの名前を書き残しているのは,イーハ語の解読のための手掛かりを残すためではないかと考えます。 - 下天におけるこれらの山々の他にも 4,000の山々があり,その名前は神ソーとその副神たちによって天界の図書館に正式に登録されました。 しかしそのうち2,000以上は,まだジェホヴィが十分な数の人間を創造していなかったという事実のため,誰も住んでいませんでした。
ここに列挙した山々は主に,アポロの後の時代に偽神や偽主神たちが王国を築いた場所であり,山の名前はその時,彼らが採用した名前です。 - フラガパッティは言いました。
「ああ、この天国よ!
『偉大なる霊魂』から切り離され,自分勝手に王国を築こうとする人間や天使たちの自惚れを誰が推し量ることなどできましょう!
彼らの場所は滅びます。なんと嘆かわしい歴史よ!
御覧なさい,これらの放浪する霊魂を。彼らは徘徊したり,廃墟の中に隠れたりしています!
ぼろ布を纏ったり裸でいたりして,なんと恥ずかしい!
何百万,何億もの彼らが徘徊しているのです!」 - ヴェレスラグナは言いました。
「ジェホヴィよ,私は再び下天に身を置くことに感謝いたします!
御父よ,私が兄弟姉妹の中でも底辺の者であることを決して忘れさせなくなるまで,この闇の中に閉じ込めておいてください。
ジェホヴィよ,私はあなたの叡智を拝見します!
しかしあなたの精霊人が地獄の境界を目撃するために降臨した今回の周期の夜明けでは,彼らは恐怖を忘れてしまうことでしょう。
おお,私が彼らを手助けし,あなたのことを知り,あなたの御業の栄光となるべく育て上げるまで,私を休ませないでください!」
【7章】
- フラガパッティは全ての『東の生まれの朝』にあるアオスを調査し,彼の役人たちはそこにいる霊魂の数を調べてその状態を記録した後,フラガパッティは道案内者を呼んでこう言いました。
- 「私は『東の生まれの朝』の調査を終えました。今度は『死出の前』に連れて行ってください」
- そこで船は乗客を乗せると少し上昇し,西に向かって出発し,ハム,セム,ジャフェスの西にある地域の上空を低空で飛行しました。
フラガパッティは言いました。 - 「私が気付いたのは『この星の神々の計画は,西に向かって住居を広げることで完了する』ということでした。この理由から,私は彼らが『死出の前』と,実体界における御父の王国の誕生をどこでどこで計画していたのかを見ていきます」
- 彼らは大西洋(ウゾシア)に来ると,船をさらに高く上昇させて,イヒン人とイフアン人が暮らす地域に向かって急行しました。
- 到着後,彼らはイヒン人の主神ハパチャが7,000万の精神体(その大半がイフアン人の霊魂)を抱える下天の地イプセオジーに来ました。ここでフラガパッティは立ち止まり,船を速めて7日間滞在しました。
ハパチャはフラガパッティとその眷属たちをもてなしました。
彼らの滞在中,ハパチャはオテヴァンを北と南のグアタマに属する全ての天界に派遣し,フラガパッティの眷属の測量士や調査員を人の住む全ての場所に連れて行き,記録を完成させました。 - その間、ハパチャはフラガパッティに自分の王国を案内し,工場,学校,大学,病院といった第2の復活に関する全ての場所を見せました。
- フラガパッティはハパチャに言いました。
「あなたとあなたの王国に私はとても満足しています。あなたには何日も経たないうちに私から連絡があるでしょう。私はもう出発しなければなりません」
フラガパッティは自分が誰であり,その目的が何なのかを話さず,眷属たちを集めると出発し,地球を1周するまで西に進み続けました。 - 「さてもう一度私は地球を1周して,定命の者たちとその王国を視察するつもりです」
とフラガパッティは言いました。
そのため彼の道案内者は現在、地球と人間が居住できる全ての場所に精通した使者に案内してもらいながら,陸地のすぐ上を船で航行しました。そして彼らは全ての王国や全ての大都市,森や平地をジグザグに進み,地球の状態やその能力,そして定命の者の状態とその能力を見定めました。 - フラガパッティは2回目の視察を終えると,ハライティのモウルに戻りました。フラガパッティが不在にしていた期間は77日間でした。
- この遠出で得られた全ての記録は『最高評議会』と閲覧が許されたその他全員がいるモウルに即座に保管されました。
その3日後,フラガパッティはジェホヴィの玉座に再び就き,良くないものは打ち壊したり脇に置き,価値があると証明された定命の者と霊魂たちを引き立てるため,大気界と地球の王国を新たに設立する準備を始めました。
【8章】
- 「これが『モウルの家』のやり方です」
フラガパッティは主題を発表します。 次に崇高さに応じて階級ごとに,何百人、何千人といった代表がこの主題について話していきました。全員が望んだことを話したり,フラガパッティが質問したことを話した時,フラガパッティはジェホヴィの御名において宣言しました。
それが布告となりました。例えば,です。 - フラガパッティは言いました。
「地球の区画はどうなり,そこの主神は誰なのでしょうか?」
『家』の者が説明すると,フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィの御名において,地球の区画は次のようにします。つまりジャフェスの東と北は海沿いと氷の地域に至るまで,そしてジャフェスの西はオヘローの山々に至るまで,これを第1の区画と呼ぶことにします。 - 東と南には水があり,西にはイーザーの高地があります。そこをセムと名付けます。
- アラビーニャと呼ばれた南の地は海に囲まれており,これからもそう呼びましょう。その北には褐色赤色人種の最初の国があり,ヘレステと呼ぶことにします。東はセムとジャフェスに接しており,西は海の半分まで広がっています。
- ユーロパは西の女神となるので,彼女の名に因んでそう呼ぶことにします。
そして2つの大きな西の大陸は北グアタマと南グアタマと呼ぶことにします。
地球の全ての島々はオセヤと呼び,地球の水は,大地と空に似ていることからオセアと呼ぶことにします。 - 地球の七つの区画には,主上神級の7人の統治者を置きます。南オセヤには主神級の統治者を1人,北オセヤにも主神級の統治者1人を置きます。日本(ザパーン)には副神級の統治者を1人置きます。
- 聞いてください,男神女神たちよ。あなたたちの中から,私が選び任命する者は,ダンの夜明けの間だけ統治してもらいますが,あなた自身とジェホヴィの御名において,同じ階級の後継者を立てて,次の復活を迎える200年後まで統治してもらいます」
- フラガパッティは言いました。
「私はジェホヴィの御名において,ジャフェスの主上男神としてオーエンを任命します。
セムの主上男神にはイーマ。
アラビーニャの主上男神にはエチャド。
ヘレステの主上男神にはギラクシ。
ユーロパの主上女神にはユーロパ。
北グアタマの主上男神にはヤトンテ。
南グアタマの主上男神にはコワネア。
南オセヤの主神にはムウィンミ。
北オセヤの主神にはオツハタ。
日本の副神にはスーファ。 - おお,主上神,主神,副神よ,玉座に近づきなさい。あなたたちは御父の御名にり聖油を注がれ,『あらゆる光』の紋章にとともに正式に戴冠となります」
- 最初に主上神たちが来ました。彼らは金色と白色で明るく照らされたジェホヴィの玉座の前に立ちました。
フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,私に安らぎを与えしあなたの力と叡智により,私はあなたの主上神たちに,あなたの栄光のために聖油を注ぎ,あなたの王国を授けます。アーメン!
あなたたちはこの火を受け取りなさい。なぜならそれは,全ての男女,子供たち,定命の者や霊魂があなたの支配の下に身を置き,永遠の復活を与えてくださる創造主の下での暮らしを喜ぶための力と叡智の聖油だからです。アーメン!」 - 主上神たちは答えました。
「ジェホヴィよ,私はあなたが授けてくださった王国であなたの栄光に貢献します!
あなたの御名において,私はこの火を受け取ります。なぜならそれは力と叡智を備えたあなたの洗礼だからです。あなたが私の支配権を委ねた者は誰であれ,私はいつでも喜び,あなたの数ある王国において永遠に尽くします!」 - フラガパッティは言いました。
「私は御父の御名において,後継者を称揚する力を授けます。あなたもまた,あなたが精霊界の王国から次のダンの夜明けまでに定める後継者にその称揚する力を授けてください。なぜならこれから長い期間,この方法で地球の神や主神たちは統治していくからです」 - 主上神たちは答えました。
「ジェホヴィよ,私は自分の統治下において後継者を称揚し,次の精霊界のダンの夜明けが訪れるまで,その次の後継者に『称揚する力』を授けていくため,私はあなたの御力を受け取ります」 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの王冠の一つを,あなたの黄金の光であなたの高貴な息子や娘たちのために織りましょう。そしてあなたの御名において私が手ずから彼らを戴冠させます」
彼らとともに今も、そしてこれからも永遠にお傍におわしますように。アーメン!」 - フラガパッティはここにある光を集めて彼らのために王冠を作ると,彼ら主上神たちは玉座の足下に進み出ました。フラガパッティは彼らに王冠を載せました。
この時,主上神たちはこう言いました。
「私はあなたの火を受け取ります!」
太陽のように明るい光の河が頭上に降り注ぎ,彼らの上に宿りました。 - 彼らは古代の慣習に倣って玉座の足下に座ると,フラガパッティは側近の神々を連れて玉座から降りてきました。それから彼らは新たに聖油を注がれた神々の手を取り,立ち上がらせました。
フラガパッティは言いました。
「主上神よ,立ち上がりなさい,そしてあなたの道を行きなさい。ジェホヴィはあなたとともにおります」
その後,彼らは少し離れた脇の方に控えました。 - 次に2人の主神が進み出ました。
フラガパッティは言いいました。
「ジェホヴィよ,私に授けられしあなたの御力と叡智により,私はあなたの主神たちに地球の区画の管理者に任命することを宣言します。私の手で,あなたの御名において,私は彼らに1人ずつ王冠を織り,あなたの栄光のために,あなたの光に包まれた主神たちを戴冠させます。アーメン! - 主神よ,聞いてください。
私が御父の名において授け,あなたたちが受け取るものについて,今度はあなたたちがこのダンの夜明けの終わりに,御父の御名において後継者に授けてください。
主上神は,まず定命の者たちに対しての支配権,次に地球上の区画における第1の天界に対しての支配権を持っていますが,主神は定命の者たちに対してのみ支配権を持ち,アシャールたちが彼ら定命の者たちの管理者となります。
あなたたち2人は遠く離れた島々の主神となるため,多くのことを神々のように自分の考えで決定する必要がありますが,私はそれをあなたやその後継者に永遠に遺します」 - 主神たちは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたが私に課されたことを,私はあなたの御力と叡智の下に,あなたの栄光のために永遠に行います。アーメン!
私はあなたの王冠を讃美と感謝の心で受け取り,あなたの御名において,今私が受け取ったのと同じ輝きで私の後継者に授けます」 - フラガパッティは彼らに王冠を載せると,彼らは玉座の足下に座りました。それからフラガパッティは彼らの手を取り,体を起こすとこう言いました。
「ジェホヴィの主神よ,立ち上がり,あなたの道を行きなさい」 - 彼らが傍に引き下がると,スーファが前に進み出ました。
フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において,私に授けられしあなたの御力により,私はあなたの息子に地球の区画とその天界の副神の王冠を授けます。あなたの光の下,私はこの者があなたの御名において,そしてあなたの栄光のために戴冠させて『水の杖』と『火の杖』を授けます。アーメン! - 神よ,聞いてください。
あなたは主神と神の両方の役割を果たさなければなりません。しかし今後通知されるように,あなたの第2の復活は少しの間,取りやめさせてもらいます。しかし私と御父の御名において,あなたには自分を補佐する主神たちの任命権を与えます。あなたは後継者に力を与え,自分の後継者を称揚しなければなりません。 - ジェホヴィの御名において,この黄色の光の王冠を受け取りなさい。なぜならそれは地球の水上にある居住可能な最古の国の紋章だからです!
御父があなたとともに今もこれからも永遠におわしますように。アーメン!」 - スーファも玉座の足下に座っていましたが,フラガパッティは他の者たちと同じようにスーファの体を起こし,こう言いました。
「神よ,立ち上がり,あなたの道を行きなさい」
スーファは脇の方に控えました。
エセナウルたちが歌い,唱和し,元帥たちが先導し,新たに力を授けられた神々が『モウルの家』から旅立ちました。
彼らには,地球に再出発するための十分な船が既に用意されていました。
彼らは船に乗り込むと風靡く旗とトランペット奏者の音楽の中を駆け抜けていき,すぐに人々の視界から消えてしまいました。
【9章】
- 第2の復活を待つ眷属たちは,フラガパッティにより事前に造られたハライティの邸宅に案内されました。彼らには成長に応じて教師や職業が提供されました。
- フラガパッティは言いました。
「元帥長たちは私のところに火の船の建造者を送ってくれるはずです。そうしたら私から彼らに伝えます」
建造者たちが来て玉座の前で敬礼すると,フラガパッティはこう言いました。 - 「30億の天使たちを運べて,数多くの部屋があり,上昇や下降,東西南北の行き来ができて,航行中,常に北を目指せるように磁石が備わったアヴァランザを私のために建造してください」
- 建造者たちは敬礼してから退出すると,船を建造しに行きました。それは東西に20万歩,南北にも同じぐらいの大きさがありました。高さは1,000歩で,周囲の覆いの厚さは1,000歩ありました。そこには20万の精霊界のカーテン,あらゆる色や形,濃淡の40万本の旗が備え付けられていました。
この他にも5万の小旗や長旗がありました。床は蜘蛛の巣を模して中心から外側に伸びるように織られ,十字架に円形の横木が付いていました。船内の骨組みは船全体の高さを100万の支柱で構築しており,この横木を横たわるようにさらに2,000万本の横木が架けられていました。
全体的に部屋や広間があり,音楽家たちの場所もありました。 - 完成すると,建造者たちはフラガパッティに知らせました。
フラガパッティは言いました。
「アトラヴァよ,こちらに来て玉座に座ってください。ゼレドにいるホーブからある問題に関して訴えてきた時,私は彼とその植民地に会いに行くと約束しました。ご覧なさい,彼は他の神々や天使たちに悩まされることにこれ以上苛まれないようにするため,どのように植民地を維持していけばよいのか知りたがっていると,使者は私に知らせてきたのです。 - 5万人の音楽家と,船を管理する船長と士官を十分揃えて,私とともに船に乗りなさい」
元帥はすぐに同行者を選抜し,船に連れ込みました。全員がフラガパッティと一緒に乗船すると,船は出航しました。 - フラガパッティはゼレドに戻ると,2番目に高い格付けの下天にいる意欲あるホーブとその植民地は永遠に他と関わりを持たない統治者となることを望んでいました。
- ホーブは天界の評議会の体裁を整えるため,無精な臣下を数多く率いてフラガパッティを歓迎するために待機していました。しかし彼の予想は遥かに超えていたのです!
ホーブはフラガパッティが小さな船と少人数の随行者で来るものだと思っていました。ところがフラガパッティは巨大なアヴァランザで来訪し,音楽家たちの威厳溢れる演奏を聴くと,ホーブが今まで見たものとは比較にならない光景に恐懼し,畏怖の念を抱いたのでした。 - フラガパッティはゆっくりと,しかしアヴォムの光だけは灯しながら接近しました。
船がすぐ近くまで来て,眷属たちが何十万という香り際立つ『花の房』を投げ放つと,とても美しい色に咲き乱れ,心安らぐ香りで辺り一面を満たしました。
漸くアヴァランザは船着き場で碇を降ろすと,フラガパッティは特に式典も行わず,1,000人の同行者を連れて下船し,見劣りがする自身の姿に困惑していたホーブのところにそのまま向かいました。 - フラガパッティは言いました。
「友であり兄弟よ,あなたとあなたの家の者に平和と喜びがありますように!」
ホーブも繰り返しました。
「万歳,偉大なる主よ!
幸福があなたとその眷属にありますように!
もしも以前お会いした時に,あなたのことを自分のような哲学者であると見抜くことができず,そのせいで私の眷属たちの身なりがあまりにも貧相になってしまったのは申し訳なく思います。それでも一同,歓迎いたします!」 - フラガパッティは言いました。
「大したことではありませんよ,最も高貴なる神よ。子供たちが休日に遠出する時,自分にとって最高の服装で出かけるのと同じことです。私の方こそ,あなたに謝罪しないといけません」 - ホーブは言いました。
「そんなことはありません,主よ。最近私を悩ませているこの問題で1つ悟ったことがあるのです。1,000年前,私の植民地では,堂々とここから引き上げて,豪華な船を造って遠出しようという野心がありました。500年後,船の建造と遠出の夢を諦めてこう言いました。
『それが一体何の役に立つというのか?』
ついには,彼らは全員が功利主義となり,できる限り何もしなくなりました。実際に私の臣民の多くは快適さがなくても無理やり実行し,それを口実に快適さを否定するのです」 - フラガパッティは言いました。
「誰もが満足するような平和など得られないと私が前に言ったことを覚えていますか。あなたはそれに頷きました。それならどうしてあなたは自分の民が意欲やと好奇心を抑えたことを喜ばないのですか?
この短期間であなたは満たされなくなりましたか?
あなたは私がここに来た目的,そう,あなたを苛ませる神々や天使たちに決して怯えることなく,あなた自身を強くする『大いなる秘儀』を教えるために来たことを知っています」 - ホーブは言いました。
「聞いてください,主よ。もしも私の民が儀式や式典,舞踊,遠出に対する意欲を全て失ってしまったのだとしたら,彼らは自分にとって必要なこと以外,『何もしない』ということに努力を払ってしまいます。
もしも必要なことがますます少なくなってしまったら,その果てには何があるというのでしょうか?
全ての霊感が失くなってしまうのでしょうか?
本当のことを言えば,私の民は儀式や式典,祈りや歌への関心を失って以来,まるで死んだ人間のように心から喜ぶことができなくなってしまったのです」 - フラガパッティは言いました。
「それならばあなたに証明してもらいたいです。もしも人生において有用なものだけに励んだとしたら,国家や家族,個人,そして精神でさえも,その行き着く果ては『自死』ではないのですか?」 - ホーブは言いました。
「私の民は自分で服を着ようともしません。裸の自分を恥ずかしがると,今度は楽をしようとして人目につかない場所を探します。このような民は国家にとって『死んでいる』のも同じではありませんか?
『自分にとってその方が都合が良い』と言って,仲間と距離を置いてしまうことがその者にとって正しいことなのでしょうか?
かつて定命の者たちが生きた最初の時代,彼らは共に暮らそうとする意欲もなく,大した才能もありませんでしたが,神々は彼らに言語や社会性を啓発し,彼らを協調させたり互いに好きになるようにするための儀式や式典を与えたと言います」 - フラガパッティは言いました。
「前にあなたと議論した時と今とで,どうしてもこんなにも違っているのでしょうか?
あなたは,自分やその民が,天界におけるどの人々よりも至高で最良で幸せだということを私に信じさせたがっていたはずです。どうしてこんなにも変わってしまったのでしょうか?」 - ホーブは言いました。
「あなたは,他の神々や他の王国の霊魂たちに苛まれないようにするために,どのように身を守っていけばよいのか,その方法を教えてくれると約束してくださいました。あれから私はこの主題について考えてみて気付いたのです,もしも私の民が防御の固い国家に身を置いたら,彼らは孤独の中を彷徨い,言語や判断さえも忘れてしまうのではないかと。
それにあなたは,私には信じられないような天界にいらっしゃったと言っていました」 - フラガパッティは言いました。
「議論に振り回されないでください,ホーブよ。それよりも自分で論拠を見つけなさい。私はどちらかと言えば,あなたに語った内容があまりにも素晴らしすぎて,何の証拠もなしでは信じてもらえないのではないかと思っていたぐらいです。
まずはこれを見てください。私はハライティの王国にあなたたち全員を連れていくため,十分な大きさの大型船を持ってきました。もしもあなたが数年先にさらなる望みを見つけたのであれば,私は遥か遠い世界の別の王国に,あなたとその民を連れて行きます。その後,あなたが望むのであれば,あなたが心行くまで統治する力とともに,ゼレドに帰還する輸送手段を提供しましょう」 - ホーブは言いました。
「神々の中で最も公平なことです!
確かに私はあなたが『あらゆる光』『不可知の無』に対して愚かな式典や儀式,讃美歌で崇拝しなさいといった,いつもの古い話を持ってくるのではないかと懸念していました。しかしそれは無知な者や迷信深い者にとっては良いことでも,私にとって価値ある神にとっては意味がありません。あなたにご提示いただいたお考えで悟ることができました。私は自分の民を可能な限り説得して,あなたに付いていこうと思います。
あなたは,自由を束縛されるのを嫌ってきた私や民たちが暮らすこの天界に足を運んでくださった最初の神です」 - これらのことはゼレドの人々に伝えられました。
数日後、彼らは集まると,全ての精神体がアヴァランザに乗り込みました。
フラガパッティはハライティに直接向かうのではなく,アオスの山々にある地獄の一つ,アッザに向かうように船長に合図しました。
そこは何十億という闇の霊魂たちが暮らしており,その大半は自分が誰であるかも分からず,名前も知らず,幼児であり,愚か者であり,混乱し悪臭を放っていたのでした。
【10章】
- 彼らがアッザに着くと,ホーブは叫びました。
「何てことでしょう!
私がかつて暮らしていた天界ゼレドにいた人々がここにいます。私が生きている今、ここにはかつて私自身の天国であるゼレドに属していた人々がいます!
どんな不思議な法則が働いて,彼らは私の王国を去ってこんな苦難の場所で暮らしているのでしょうか?」 - フラガパッティは情報を得るためにアヴァランザを停めました。彼らは1人のドルジを呼ぶと,何千ものドルジが集まって来ましたが,汚れた服を着て酔っ払っていました。
ホーブは彼らの多くを知っており,こう言いました。
「あなたは私が誰だか知っていますか?」
彼らは答えました。
「知っています,ゼレドの神ホーブよ」
ホーブは再びこう言いました。
「どうしてあなたたちは私の栄えある王国を去ってこんな地獄のような場所で暮らしているのですか?」 - 彼らは答えました。
「残念ながら私たちは出て行ったのです,本当に!
しかしそうなってしまったのは仕方ないのです。聞いてください,ホーブよ,これが理由です。例えれば,定命の者たちが罰を楽しむために純潔を汚すようなものです。それ以上の理由は私たちには分かりません」 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィはこう仰せになりました。
『私は人間に多くの才能を与えました。但し成長に至る道は開かれているわけではないため,人間は闇の中に入り込んでしまいます』
あなたたちは彼らを導けるとは思わず,『人間よ,これをしてはいけない。あれをしなさい』と言いなさい。なぜなら私が進化させるべく創造した人間を,あなたたちには維持する力がないからです。もしも人間が前進する術を見つけられなければ,人間は後退してしまいます」 - ドルジたちは言いました。
「その通りです,ご主君。ゼレドは私たちの心を満たしませんでした。私たちは娯楽と快活さに飢えていました。私たちは声ではなく実利に目が眩んでいました。私たちは全ての装飾品,慰め,芸術,ついには音楽さえも失くしてしまいました。それらがまだ語り掛けてくれているか,そもそも存在しているのかを知りたいので,ゼレドから聞かせてもらえませんか。なぜなら本当に実利が話し掛けてきたのですから!」 - 彼らは売春婦や泥棒,嘘つきや大酒飲みと一緒になり,愚か者のように笑ったりはしゃぎました。
- フラガパッティは船をしばらく動かした後,また停止して,他のドルジたちを呼んで同じような質問をしたところ,同じような答えが返ってきました。
- 彼らは再び前進し,同じ質問を繰り返しました。最後は,船にも呼びかけにも気付いてもらえない,あらゆる暗闇,騒音,混乱に包まれた場所に来ました。
フラガパッティはホーブに言いました。
「人間はいまだに自立できていないことが,あなたに証明されましたか?」
ホーブは言いました。
「本当にそう思います。これは私にとって身近な問題です。私はゼレドから出るべきではなかったのだと気付きました。そうすればこういったことを目撃することもなく,このようなゼレドを見ることもありませんでした」 - フラガパッティは言いました。
「あなた自身の哲学をそう簡単に否定しないでください。なぜなら私はやがてあなたにその叡智を見せようと思っているからです」
彼らは7日間,『堕落した下天』という,政府も秩序も真実も美徳もなく,苦痛や嘆きや災難が蔓延る最下層の地獄を旅しました。 - フラガパッティは言いました。
「あなたは,ここにいる多くの人間が自分の闇を知らないということを見てきました」 - ホーブは言いました。
「主よ,人間は誰もが自分の闇を知らないというのは本当でしょうか?
安全でない者などどこにいるのでしょうか?
人間が下り坂にないことを誰が知っているのでしょうか?」 - フラガパッティは言いました。
「あなたは『人間は至高の存在』と言いました。しかし『至高の存在』に近づこうとして全ての叡智や力を使って善行を施し信仰を持とうとした古代人のように,それは私たち全員に返ってくるのではありませんか?」 - 「確かにあなたは示してくださいました」
とホーブは言いました。
「ゼレドは『至高の存在』ではありません。なぜならそこで暮らす人々を引き留められなかったからです。地獄までもが蔓延っていました。
地獄は独善や富,王国,帝国の上に蔓延るものではないのでしょうか?
地獄が蔓延しているのであれば,最も強いのは地獄ということになるのではありませんか?
地獄が最強でないのだとしたら,『至高の存在』ということになるのでしょうか?
無知蒙昧な古代人は幸せでした。なぜなら彼らは何よりも『全人格』である創造主を見て,信じていたからです。しかし叡智が成長していくにつれて,私たちはそういった人格を認識できなくなり,見ることもできなくなりました。そのため私たちは怯み,全てを失っていったのです」 - フラガパッティは言いました。
「人間は過去から何も学んでいないと思っているのですか?
古代において神々は石の偶像を作り,それを崇めるように説きました。人間が知恵を身に着けるまではそれで十分だったからです。
次に神々は人間のもとに降臨し,上空に大きな人間神を生み出し,その神を崇拝するように説きました。人間が天使と交信できるようになるまではそれで十分だったからです。
天使たちは哲学に反対しました。しかし聞いてください,ホーブよ,このことについて教訓があるとすれば,私たちには決して辿り着けない遥か先に『至高の御方』が必要なのだということです。そう思いませんか?
これが真実だとしたら,私たちが『彼の御方』についての理解を超えた時,その理解を超えた先に,私たち自身の精神に『全人格』の思考を刻みつける義務があるのだと思いませんか?」 - ホーブは言いました。
「そう思います。しかしどうすれば人間の理解を超えた『全人格』の考えを自分の精神に教え込めるのでしょうか?」 - フラガパッティは言いました。
「最初に『全人格』の体を構成する精霊界,大気界,実体界について考えてみましょう。その動きは『全人格』の力と叡智そのものになります。私たちは『全人格』の属性を部分的に持っているので,自分以外の別の者の属性全てを組み合わせて1人の人間に集めれば,『全人格』となることが分かります。
そうしたら全てを組み合わせて,1人の人間に集めてみませんか?そうしないと『全人格』は私たちよりも劣ってしまうことになりますが,そんなことはあり得ません。
私たちの人格は,元を正せば『全人格』からの分岐に過ぎないとは思いませんか?そうでなければ私たちは個性を獲得できないからです。
生まれてくる子供は,その母親が1つしか人格を持っていなければ,どうやって個性を手に入れるというのでしょうか?
人間は既に存在する実体から受け取る以外に,どうやって実体を手に入れるというのでしょうか?
人間は1つの人格から生み出される以外の方法で,どうやって人格を持とうとするのでしょうか?」 - ホーブは言いました。
「主よ,あなたは偉大な光です!
本当に私の前に宇宙の深淵を広げてくださいました!
それこそが『全人格』なのでしょう!
この哲学は前にも見たことがあります!」 - フラガパッティは言いました。
「ホーブよ,突然の啓示に舞い上がってはいけません。私はまず,宇宙そのものを超える偉大なる『全人格』を信じるとはどういうことかをあなたに教えたかったのです。次に,音楽の中の1音が旋律の中の1つであるように,人間は『全人格』と1つになれるのです。ただ,私があなたを魅了するのはここまでとし,あなたは耳を傾ける以外の事は何もしないでください。それよりも,この地獄の中で苦しみを味わっている何百万もの人々が復活を遂げられるようにするため,一時研究を中断しましょう」
【11章】
- アヴァランザは,フラガパッティとホーブの会話が乗船していた20億の選ばれし人々に聞こえるように設計されていました。
ホーブが会話を通して確信を得た時,船内全体が同じ感情が湧き上がりました。
その時,フラガパッティは手を上げてこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御力により,私はこの地獄に光をもたらしましょう!」 - フラガパッティの意志により,突然光が生み出され,あまりにも眩しくて,精霊人以外は誰も見ることができませんでした。
ホアブが顔を下げてお辞儀をすると,ホーブの眷属たちは恐怖のあまり,アヴァランザの床の上に這いつくばってしまいました。 - フラガパッティは特使に言いました。
「すぐにモウルに行き,フラガパッティがアオスの最も過酷な地獄の中の発信源で『火と水の杖』を揮うため,10憶の精霊人の志願者を募っていたと伝えなさい」 - 特使たちはすぐに出発しました。次にフラガパッティはアヴァランザを1日停泊するように命じました。
フラガパッティとその眷属は地獄に向かうと,そこは霊魂たちが泣き叫び,罵っているか,無気力に酔っ払って横たわっていました。
彼らの多くは裸のままで,悪臭を放っていました。何十万もの彼らは地球にいた頃,実体的な肉体に何らかの病気を抱えていましたが,疫病や散財といった腐敗,そして言葉では言い表せないような他の病気のような『堕落の元凶』をこの地獄に持ち込んでいました。 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御力で,彼の人々を火の壁で取り囲んでください。彼らを逃がさないためです。なぜなら彼らが定命の者たちの国に戻ったら,定命の者たちに『死』を注入してしまうからです。
火です,ジェホヴィ,火です!
全てを浄化せし者よ!」 - フラガパッティは威厳を持って外に向けて両手を上げると,山々の表面に火の壁が現れました。そして地獄の穴ユサの谷に光が落ちていきました。
フラガパッティは東西南北を見渡してから言いました。
「火の壁だ!火の壁だ!」
太陽のように輝くフラガパッティはまるで『永遠たる創造主』と一つになり,声でいろいろなものを動かす力が備わったかのようでした。 - ちょうど5億以上のドルジたちが1つの平原に包囲されていましたが,彼らは突然変容し,自暴自棄になって野生化し,最初はあちら,今度はこちらといった風に息を潜めてはあちこちに逃げ回ったのでした。
- 他にも何百万というドルジがいましたが,彼らは低俗で愚かで狂っていたので,まるで彼らを『ごみの山だ,死ね!』と言って轢き殺していったのでした。
- フラガパッティはホーブのところに行き,こう言いました。
「残念ながら、あなたはこちらに来て,私を助けてください。そしてあなたの眷属を説得してください」 - ホーブは言いました。
「おお友よ,兄弟よ,私を笑わないでください!
あなたは私を完全に正してくださいました。私には何の力もありません。私の眷属たちも同様です。残念ながら,あなたのその光を和らげてください。それは私にとって辛すぎます!」 - フラガパッティは言いました。
「私はあなたを眷属と一緒にゼレドに送り返しませんか?」
ホーブは言いました。
「私は何も望みません。私は何もしたくありません!
あなたと偉大なる御力は成し遂げられます」
フラガパッティは言いました。
「あなたが自分の人生に信仰心を持っているのであれば,私はあなたの精神にそれを呼び覚ますように働きかけます。なぜなら偉大なるジェホヴィは今,私とともにいるからです。そして創造主にが語る信仰心をあなたに付与することでしょう。
まだ御力が私の下にある間,すぐに話してください。
私はさらに1,000倍の光を当てましょうか?
あなたはこう言うべきです。
『信仰の名の下に,私はジェホヴィの栄光のために全てに耐えます!
ジェホヴィよ,火や苦痛,あなたが望むいかなるものも私にお与えください!』」 - ホーブは震えながらも全身に力を込めて,ついには光と向き合い,火の炎の中に溶けていきました。
それからホーブは言いました。
「信仰の名の下に,私はジェホヴィの栄光のために全てに耐えます!
ジェホヴィよ,火や苦痛,あなたが望むいかなるものも私にお与えください!
今後も私はあなたのために尽くします,永遠に!」 - ついにホーブの霊魂は結晶の形になり,その精神体に勝利がもたらされました。あらゆる神聖と尊厳にまつわる知識で光り輝くその笑顔が全てを物語っていました!
光がホーブの顔から遠ざかって行き,今度はその顔が太陽のように輝き,周囲を照らしていきました。
ホーブは克服し勝利を得たのでした!
ホーブは言いました。
「感謝いたします,ジェホヴィよ」 - フラガパッティは言いました。
「さあ,急いで目的を果たしなさい。あなたが自分の光を他の人のために尽くしていけば,それは巨人のように成長するでしょう」
ホーブはこの驚くべき変化に狂ったように喜び,信仰心を強くしていました。彼は走り出すとジェホヴィの御名において,何百,何千といった人々に,まるで自分の霊魂が結晶の形となり勝利を収めた時のように,立ち上がるように命じました。 - 彼らは精霊人全員と一緒になって日夜働きました。彼らは救済され,闇の霊魂の階級と分野に応じて区分けされました。
こうしてホーブの眷属であった多くの霊魂は,光と力において第2の復活へと導かれることになりました。 - しかし地獄の苦しみの中にいる何億もの霊魂については,いまだに誰も第1の復活を終えていませんでした。しかし彼らは今回のことで突き動かされ,無気力から逃れたのでした。また酔っ払っていた状況も,フラガパッティが日夜絶えず作り出している火の壁により断ち切ることに成功していました。
- フラガパッティは火の壁の近くに力のある見張りを配置し,ドルジたちが逃げられないようにするため,強烈な臭いのユサと硫黄の成分を放つように命じました。
- 2日目,フラガパッティの命令によりモウルから水の杖と火の杖を携えて何百万もの精霊人が駆け付けました。彼らはフラガパッティの前に姿を見せると,ジェホヴィの御名で御印を刻み敬礼すると,フラガパッティはこう言いました。
「ご覧なさい,私は地獄の中に発信源を用意しました。私たちが彼らを解き放ち救済するには,もう1,000の発信源が必要です。あなたたちの中から『ダスの階級』の元帥を選ぶので,元帥たちはこの発信源に留まり,私がこれから伝える仕事を果たしなさい」 - 1万人いた『ダスの階級』の精霊人から元帥が選ばれました。『ダス』の人たちは水の杖や火の杖で力を揮うことはできましたが,上位の精霊人のように手だけで力を揮うことはできませんでした。
彼らは2本の杖を持って発信源にいる住民のところに行き,一つは水の中に投げ,もう一つは火の中に投げ入れました。すると闇の霊魂たちはまるで塩を求める牛のようにそこに群がりました。
こうして『ダス』たちは,低級の霊魂は水の杖を追い求め,上級の霊魂は火の杖を追い求めるという性質を利用して,彼らを発見し区分けしていきました。なぜなら低級の霊魂は光を恐れるからです。 そして上級の霊魂は低級の霊魂から救われたいと願っていました。 - 2日目に『ダス』たちは仕事を開始し,何百万という霊魂が水の洗礼を受けました。一方で火の洗礼を受けたのは100万人程度でした。後者は火の壁を越えられずに捕らえられ,植民地の住人として衣服や食料,そして彼らを管理する保護者が用意され,保育園,病院,学校,工場や,下天における他の教育機関が準備されました。
- 3日目,『ダス』たちは再び同じように仕事をして,再び何百万もの霊魂が水の洗礼を受けましたが,火の洗礼を受けたのは200万人の霊魂でした。
後者も火の壁を越えられずに捕らえられ,前日と同じ方法で植民地化されました。 - こうして地獄での『ダス』たちの働きで,火の壁を越えようとする全ての人々が捕らえられるまで,洗礼や区分けが行われました。最後に捕まったのは低級の霊魂で,最初に捕まったのは上級の霊魂でした。しかし低級の霊魂が最後に捕まったのは,彼ら自身,自分から動こうとする知識も意欲もなかったからで,だからこそ保育園や病院で,身の穢れを清め,病気を治してもらう必要があるのです。
【12章】
- フラガパッティは,反乱的な罪や悲惨さに深く埋もれている他の黒き山々の方にアヴァランザで移動しました。そこはまだ神のような力を持った者が何百年も足を踏み入れたことがない地でした。
フラガパッティは再びジェホヴィの火を呼び起こし,狂乱するような恐怖で自責の念に駆られた人々が驚き逃げ出そうとしてもそれをさせない高い壁を四方に築きました。
すると彼らは辟易するような汚れと,あらゆる正義に対抗しようとする誓い,呪い,非難を身に纏いながら,悪しき考えに汚染されたかのように全員が逃げ出しました。 - 今では太陽のように輝いているホーブは誰よりも善行を施そうと必死になっており,自分が他の仲間から悪影響を受けないようにと,他の平穏な日々よりも1,000倍も注意を心掛けながら,今,最悪で最も汚染された場所に突入していました。
ジェホヴィの御名の下に彼らを突き動かそうと積極的に働いたことで,ホーブの迅速で正確な処置により,ホーブの精神が『全能者』の御力と繋がったことが証明されたのでした。 - フラガパッティとホーブが突入した後,何十万もの精霊人も突入し,御父の王国のために働きました。そこでは無力な者たちが悪魔の拷問の手に掛けられていましたが,それを火の炎で隔離し,解き放つことに成功しました。硫黄の臭いが立ち込めるせいで,四方を囲む壁から逃げ出せた者は誰もいませんでした。彼らができるのは,結晶化した光が彼らを照らし,泣き叫ぶ前に平伏すことだけでした。
- フラガパッティとホーブは丸一日,昼も夜も強力な働き手となっていました。この光景をフラガパッティは前にも見たことがあり,精霊人の眷属たちも休めなくなるというのは分かっていたのですが,それでもこの『死の地獄』に足を踏み入れたのでした。
右や左を向けば,そこには惨めに食い荒らす悪党どもや,堕落や犯罪への絶望的な渇望に飲み込まれた定命の者や霊魂の兄弟姉妹がおり,この悍ましき光景を目撃したいという彼らの狂った愛を満たすため,拷問官のような者が何百万というそこそこ善良な者たちを拘束していました。
フラガパッティとホーブは,後から来る『ダス』たちの出発地点となるように,この者たちを大まかにグループ分けし,注意深く振り分けました。 - フラガパッティは『ダス』だちを呼んで水の杖と火の杖で火の壁の向こう側に拠点を作らせました。そこには裸で震えている救助された被災民とドルジたちがおり,彼らには住む家と食料が提供され,力と先見の明を持つ守護者により留め置かれていました。なぜなら悪を愛する者は善行よりもさらなる悪事をすることに喜びを感じてしまうものであり,恩人と思っていても敵対し,善行を施しても拒まれてしまうという性質を,低俗な男や女たちは持っているからです。
- ジェホヴィはこういった者たちについてこう仰せになりました。
「火で金属の不純物を燃やし尽くせば,後には残るのは純粋なものだけとなります。同じように私は表情で光を放ち,邪悪な者の胸の内に巣食う不純物を燃やす『正義』を創造しました。その時,人間は気付くでしょう,私と選ばれし者が癒しているのは不純物であると。
さあ,地獄に巣食う邪悪を,水と火の力で清め,救いに行きなさい。そうすればあなたたちはすべての精神に一つの星を見つけるはずです。それは彼らの大半を救済するのと同じくらい,私の精霊界の王国におけるあなたの栄光となるのです。 - なぜならこういった救済者は,星々が太陽の周りに集まるようなもので,お互いが永遠に高め合っていくようなものだからです。
こういった星々が成長していくと,彼らは同じように救いに行こうとするものです。なぜならあなたたちが神や主神と呼ぶ者たちは,それを当たり前のようにこなしているからこそ『高貴なる存在』であり,だからこそ上天にいるのです」 - こうしてフラガパッティはアオスの最下層に行きました。そこで40日間,昼夜を問わず彼とその眷属たちは働き,地獄を破壊し,そこで苦しめられていた何十億という精神体を解放しました。
こうして悪が蔓延る下天はどこにも存在しなくなりました。 - そして救済された悪人から成る20万の植民地をその場所に設立しました。しかし何も知らない最も低俗な者は幾人か存在しました。例えば生まれたばかりの時に亡くなった幼児や,放蕩な母親が酔わせる酒や煙を下天に持ち込んで酔っ払っている幼児,両親によって中絶させられた者,戦争で殺された混乱者がいました。彼らは狂気と狂乱で吠えたり叫んだり,戦っており,その数は9憶人もいました。
フラガパッティは当面の間,彼らを監視する守護者を置いて,他の者たちから引き離しました。 - その後,フラガパッティはアヴァランザにいる乗組員やホーブの眷属全員と,ホーブ自身を呼びました。全員が揃うと,フラガパッティは即席で玉座を拵えてそこに座り,こう言いました。
- 「ジェホヴィよ,あなたがいなければ人間は無価値な存在です。あなたが手を差し伸べてくれなければ,人間は自立できず,顔も上げられず,向上心もありません。あなたを切り捨てた人間は,まるで切断された木の枝のように倒れてしまいます。
- 人間は『全人格などいない』と自慢げに言います。しかしその言葉は『切り裂きナイフ』のようなもので,人間はそのことを知りません。人間は自分の判断のままにこう言います。
『あなたは愚か者に対して手厚くします,ジェホヴィよ。しかし私にとってあなたは愚かな邪魔者に過ぎません!』 - そうなのです,人間はこう言ってくるのです。
『ジェホヴィを見たことがある者はどこにいるのだ!』
人間は自分の賢さを恃みにして笑い,こう言います。
『ジェホヴィが世界を創造した時,ジェホヴィはどこに立っていたのか?』
『ジェホヴィは世界を創造する前,どれぐらい眠っていたのか?』
人間はこうも言います。
『何と愚かな創造主だ!彼は罪と死を創造した!』
人間はこうも言います。
『ジェホヴィの頭のサイズを知っている者はいるのか?
その腕の長さを知っている者は?
その住まいを知っている者は?
その声を聞いた者は?』 - 人間はこうも言います。
『全人格や至高の御方,あらゆる光など本当にいないのです』
これが第2の堕落の始まりです。第3の堕落となるとこうなります。
『信仰こそ呪いだ!あらゆるものが呪われた!自分も呪われた!』
こうして人間を飲み込む地獄と恐怖が訪れました。 - しかしジェホヴィよ,あなたは近くにおります!
あなたの眷属は宇宙を横断しています。あなたの御名により彼らは訪れ,あなたの御力と栄光は彼らと共にあります。彼らはやって来ます、そしてあなたの力と栄光は彼らとともにあります。
栄華を謳歌している間,彼らはあらゆる悪に遭遇します。彼らは地獄と,そこにいる囚人ともども追い払います」 - フラガパッティはホーブの方に顔を向けてこう言いました。
「さあ,ホーブよ,話してください。私たちの足下には,今も死の眠りについている9億人の死者がいます。ここは彼らの治療には向いていません。
私たちは彼らをどこに連れていけばよいと思いますか?
それとも彼らはもう死んでいるのだから,自分で起き上るのに任せてみますか?」 - ホアブは立ち上がり敬礼しましたが,その目には涙が浮かんでいました。
彼は言いました。
「偉大なるジェホヴィ!
私は奈落の底一歩手前にいました!
私は急な崖の上に立っており,周りが何も見えていませんでした。目隠しした状態で歩き回っていました。
私はあなたの尊顔を見失っていたのです。
私の家族はあなたを見失っており,私たちは互いに見失った状態であなたの後を追いかけていたのです! - そうです,私はあなたに対して恩知らずな輩でした。
あなたに創造されたことを忘れていました。
私は今まで味わった全ての喜びがあなたから与えられたものであることを忘れていました。
あなたによって私は自分にとって何が楽しみなのか分かるようになりました。
その時,私はあなたへの反抗の声を上げ,あなたを世界から追い出しました。 - そう、私は世界の端っこを選び,自分の安らぎと栄光をそこに求めました。
私は言いました。
『私の土地から他の神々や天使たちを遠ざけることが私が望む全てです』
しかしジェホヴィ,あなたは私のことを気遣ってくれました!
あなたの声は上天に轟き,あなたの息子があなたの栄光の下,降臨しました。
あなたの息子は私の虚栄心や弱さを見抜いていましたが,それを叱責することはありませんでした。
そうです,私はあなたの息子に,自分よりも低俗な者たちのところに行き,彼らを救うことは好まないと言ってしまったのです。
私は言いました,『彼らは自分で立ち上がればよいのだ!』と。 - 今、私は自分の言葉で叱責されています!
今、私は地獄から解放されました。
見てください。『ゼレドは私とその民草にとって永遠の住処となるでしょう』と私は言えます。
私たちを怖がらせたり困らせる者は誰も来ません。
あなたの息子は私に言いました。
『私は,あなたやその民草が,低俗な者や悪意を持つ者に悩まされたり,ゼレドに来訪する神々や天使たちを恐れることは金輪際ないと断言します』 - ジェホヴィよ,あなたの息子はこう言ったのです!
彼は私たちに秘儀を施してくれました。私たちはいかなる者がゼレドを侵害しようとも恐れません。ご覧ください,ゼレドはあなたの場所です,ジェホヴィよ。この哀れなドルジたちもあなたの子供たちです。
彼らはゼレドに行きます。私は汚れることを恐れませんし,私の眷属たちもそうです。私たちは汚れた道路でごみ拾いをするように,この汚染まみれの地に勇気を持って足を踏み入れ,この哀れな子供たちを大宇宙の輝ける星のように仕立て上げます。 - そうです,ジェホヴィよ,私たちを恐れさせるものは何もありません!
私たちには何もありません。私たちには失うものがないのです。
私たちは未来永劫,あなたの僕です!」 - フラガパッティにこう言いました。
「ホーブよ,ご覧なさい,私のアヴァランザの大きさを!
もしもあなたが測ろうと思えば,これがあなたとその眷属,そしてドルジたちを連れていくのに適した大きさであることが分かるでしょう。
これを偶然だとは思わないでください,なぜなら私は事前に人を送り,この哀れな人々や,あなたの民草の数を調べさせていたのですから」 - ホーブは,フラガパッティのこの偉大なる叡智を実感し,これまでの多くのことを成し遂げるのにどれだけの配慮があったのかを知った時,最初は何も答えませんでしたが,フラガパッティを見ると涙が溢れ出たのでした。
しばらくしてホーブは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御力と叡智により,私とその仲間たちは闇の中を彷徨う哀れな者たちを救い出します!」
【13章】
- その後,フラガパッティは特使をモウルに送り,全てが達成されたことを報告し,アオスの山々にあるアッザから回復し,そこに新しく設立した植民地を統治する将軍と大尉の名前を伝え,それらはハライティの図書館に保管されました。
フラガパッティは植民地間や,モウルと植民地を繋ぐため,使者による連絡網を確立すると,ダンの夜明けの間,任務を果たす使者を選びました。 - こうして下天での問題を解決し,秩序を取り戻すと,フラガパッティは地獄から救済した狂った愚かなドルジたちを昇天させる準備に取り掛かりました。担当者を決めて彼らをアヴァランザに連れ込みました。彼らは光が苦手であったため,目隠しする必要がありました。ドルジたちは恐怖と苦痛と狂乱により泣き叫ぶのをやめませんでした。しかし大半が幼児であったため,フラガパッティはその子供たちが永遠の生命を取り戻すため,50億の女性の胎児を予め用意しました。
- フラガパッティは6万人の医師を乗船させて,右や左にと駆け回り,この哀れな者たちを蘇生させたり意識を回復させたりしていました。ホーブの眷属たちの中に,看護師や助手として働こうと名乗り出た者は誰一人いませんでした。
- 乗船した者たちのうち3万人がエセナウルとして音楽を演奏しましたが,風の息吹のように柔らかく穏やかな音色が船内全体に響き渡り,それは無限に轟く木霊のようにあらゆる方向から音楽が聞こえてきて,まるで近くにいるようで,実は遠いような,そんな魅惑的な変化がありました。
このことを知らされていない者は,この音楽がどこで演奏され,どのように演出されているのか分かりませんでした。 - 全ての仕事が正常に完了し,偉大なるアヴァランザの出発の準備が整った時でした。
フラガパッティは最後の一人として船内に乗り込みました。既に彼の周りに濃密に輝く光が集まっており,その後光のせいでフラガパッティの頭はほとんど隠れていました。
フラガパッティは叫びました。 - 「起きなさい!
起きなさい!
ジェホヴィの御名において,これから上昇します!」
フラガパッティが話したように,アヴァランザは彼の意志の下で動き出しました。なぜなら全ての眷属がこの時,同じ表情でこの巨大な火の船を上方へと出発させたからです。眼下には燃え盛る壁と発信地がちらちらと見えており,打倒した地獄さえも盛大に輝いていました。 - フラガパッティはホーブに言いました。
「私はあなたとその眷属をゼレドから連れ出した時,私の王国ハライティの首都モウルに連れて行くと約束しました。今,あなたはこのドルジたちと一緒にゼレドに行きたいと願っています。そこであなたに問います。あなたには彼らを救済し,再び光を取り戻す計画があるのですか?」 - それに対してホーブはこう答えました。
「私自身は丘を駆け降りるか,良くても平坦な道を保つことぐらいしかできないと思っています。
私が『あらゆる光』を理解した時,全宇宙において自ら立ち上がることができるものなど存在しません。しかし外からの圧力ににより,全てのものは人間でさえも堕落する傾向にあります。
まずは個々人の復活は,ジェホヴィと一つになることにあると考えます。しかし他者を復活させる力を持つ者は本当に強いのです。大半は偶然他者を復活させた者で,残念ながら復活し続けられる者は稀なのです!その者は自分の中にジェホヴィの光を持つだけでなく,他者にその光を獲得させる力も持たなければならないのです。そう思うと私はなんて弱いことでしょう!」 - フラガパッティは言いました。
「ホーブよ,まず自分を理解しなさい。騙されず,達成するのに信仰心を欠いてもなりません。なぜならここにはあらゆる叡智と力の鍵があります。あなたは『自分では何も達成できない』と言って,その対極に行こうとしています。それを子供に教えることは自分の手足を捥ぐようなものです。逆にそれは達成できると教えることは,巨人のように成長させ,効果的なのです。 - ホーブは言いました。
「主よ,私はあなたが言いたいことを理解しています。
それではこの効果を上げていく導線はどのように見つければいいのでしょうか?
私たちが仮に,達成するのに信仰心を持つべきではないと人々に言ったら,彼らは何も達成できなくなります。
私たちが何事もジェホヴィに依存するように教えたら,ジェホヴィが全てを成し遂げ,誰も自分の運命を変えようとしなくなり,その結果,機械のように動いてしまいます。そうなると私たちは自分の民草を空虚なものにしてしまいます。一方で,私たちが人々に『実行できる』と鼓舞したら,彼らは成長し,自分で全てを実行できると信じ込み,最後はジェホヴィを不要と考えてしまうでしょう。私の他の王国が嵌っていったのはこの泥沼でした」 - フラガパッティは言いました。
「あなたはこの問題が解決できないことだと思っています。それではこの話題は切り上げましょう。
私はあなたをモウルとその王国に連れて行きます。そうすれば意見や頭で考えたことよりも,もっと具体的な事実が得られるかもしれません」
【14章】
- 光の精神体と,ドルジたち闇の精神体という対照的な存在が同乗しているアヴァランザが上昇し,聖なるエセナウルたちが讃美歌や感謝の歌を歌っている間,ドルジたちは天界や地球のあらゆるものを□□たり,呪ったり,泣いたり喚いたり,まるで死者のように鈍く呆然としていました。
- フラガパッティは前に特使をアトラヴァとモウルの神聖評議会に送っており,そこではジェホヴィの光が降臨し,彼らにこのように仰せになられました。
- 「ああ,私の眷属たちがアヴァランザに乗ってやって来ます。あなたたちは彼ら3,000万人に住居を用意してください。
私の精霊人と大気人の中から,アヴァランザに搭乗している9憶人の闇の眷属たちを受け入れる者たちを選びなさい。
さあ,ゼェーローの十字路近くのチェウォンの海の境界に行ってください。そこに私は彼らの復活のためにフーエツェ・ガム平原を創成しました。アヴァランザが到着したら彼らを受け入れるため,彼らが暮らすのに適した住居や病院,保育所を用意し提供しなければいけません」 - アトラヴァと神聖評議会はこの仰せに従い,特使はフラガパッティの下に戻り,準備した場所について復命しました。そこでアヴァランザはフーエツェ・ガムに着陸すると,そこにはゴムの7つのレタ群の1番目の精霊界ゼイの女神アルディアッタによって訓練された3,000万の人々が出迎えるのに待機していました。またそこには1万人のトランペット奏者とそれ以外の演奏家として4,200人がいました。
- アルディアッタは緑と赤と茶色の牧草地を用意しましたが,緑の牧草地はアヴァランザが着陸するチェウォン近くにあったため「新生児のための緑」という意味で『フーエツェ・ガム』と呼ばれました。こうしてドルジたちはアヴァランザから光も闇もなく,心病んだ者に相応しい開かれた緑の平原に下ろされました。
- フラガパッティはアルディアッタのことを知っていました。なぜなら精霊界にあった前の彼女の王国はフラガパッティ自身が領していた属州の一つであり,遠く離れていても使者を通わさなくても彼女と意思疎通を図るのは容易でした。そのためフラガパッティはアヴァランザが着陸する前に彼女にこう伝えていました。
- 「私はドルジたちを緑の平原に放り出します。そうしたらあなたとその眷属たちは彼らをできる限り早く意識を回復させて,あなたたちが用意してくれた住居や保育所に運び込んでください」
- こうしてドルジたちはアヴァランザから退院しました。なぜなら彼らはゼレドに連れて行く前に,まずはハライティで治療を受けさせる必要があったからです。
アルディアッタとその眷属はは彼らを世話をしましたが,ホーブの400万の眷属たちも志願者としてここに残り,彼女たちの救援活動に従事しました。 - その後,フラガパッティは船をモウルに向けて針路を取るように指示し,予定通り到着しました。10憶人以上の精神体がフラガパッティの出迎えに来ており,100万人の演奏家や歌手があちこちでまるで音楽の海のように演奏していました。
- この美しく盛大な光景を目の当たりにしたホーブは,特に規律が整っている点において『偉大なる霊魂』のおかげで彼の精神は感極まっており,ほとんど何も喋れませんでした。ようやく少し心が落ち着いてくると,こう言いました。
「私の主フラガパッティよ!あなたのような高貴な立場の御方がどうしてゼレドの私のような所に来たのですか!
私は自分の虚栄心のせいでいつも反省させられています」 - フラガパッティは言いました。
「褒められようが叱責されようが,自分のことを語らないこと,自分のことを考えないことを学ぶことは,ジェホヴィに至る正しい道なのではありませんか?」
ホーブは言いました。
「その通りです。その逆は間違った道を進むことになります」
【15章】
- アヴァランザが速度を上げると眷属たちがやって来て,ゼレドの大半の者たちがモウルの光の輝きを恐れて少し離れた場所に向かい,そこで暮らすことになりました。しかしその他の者はフラガパッティとホーブによって首都に入り,ジェホヴィの玉座の前に来ると,アトラヴァや神聖評議会の者たちに歓迎されました。
- アトラヴァは言いました。
「主よ,ジェホヴィの御名においてご挨拶申し上げます。そしてホーブ,あなたにも。
ようこそお出でくださいました。モウルの玉座に敬意を表します」 - フラガパッティは言いました。
「アトラヴァ,そして神聖評議会の皆さま方,御父の御名において,ご機嫌いかがですか!」
ホーブは言いました。
「ジェホヴィの御名においてご挨拶申し上げます!」 - フラガパッティとホーブは前に進み出て玉座に登り,アトラヴァの左手に座りました。すぐに精霊界の光が玉座に降り注ぎ,評議会全体を,神聖なる色と輝きを纏った黄金の光で包み込みました。ホーブは今までそのような光景を見たことがなかったので恐怖と喜びで圧倒されていましたが,ホーブの眷属の大半は顔を隠していました。
- やがて光が玉座の上で凝縮し,30億人が見守る中,まるで太陽のようになるまでフラガパッティの頭上にありました。そして全能者ジェホヴィの声が光の中心から聞こえてきました。
ジェホヴィはこう仰せになりました。 - 「人間よ,創造主の言葉を聞きなさい!
実体界と霊界を創造したのは私です!
ご覧なさい,私の手で成し遂げた事績を!
私が創造していない場所など,誰に見つけられましょう! - 私が声や言葉を創造できないとは思わないでください!
なぜならこれは言葉を創造する人間を創造するよりも簡単ではないからです。
ご覧なさい,私の実体的な星の世界にある実体的な太陽たちを!
ご覧なさい,私の霊界にある精霊的な太陽たちを! - 私は実体的な闇と,実体的な光を創造しました。
私は霊的な闇と,霊的な光を創造しました。
しかし私は『あらゆる光の光』です。
私は『あらゆる言葉の言葉』です。 - 人間の叡智が言葉を発明するように,『私の光』の中の光は,『私の光』を担うことができる彼らに,言葉としてもたらされます。
- 人間よ,実体的な闇の物質から精神体を創造する私の叡智をご覧なさい!
ここから生み出された精神体は私の言葉を聞くことができ,恐れません。
しかし純粋な精神体になろうとする彼らに対して,私は公然と姿を現します。
彼らの玉座は私の玉座となります!
彼らの声は私の声となります。
彼らの眷属は私の玉座を見上げ,『私の光』は私の民草の前で輝きます。 - ゼレドの者たちよ,あなたの創造主の言葉を聞いてください。
あなたの民草が闇の中で私を呼んでいましたが,私は行きませんでした。あなたたちの手が彼らの上に覆いかぶさっていたからです。
あなたたちは彼らに言いました。
『私の広大な国,山や谷,眩い河,透き通った風。
さあ来なさい,これらは永遠にあなたたちのものです!』 - あなたの手が彼らの上に覆いかぶさっていたため,彼らは暗闇に悩まされました。彼らは出口を見つけられず,私の王国の栄光をさらにたくさん見ることもできませんでした。
そうです,あなたたちは私の選ばれした者の後を追いかける『不貞の輩』のような存在であり,あなたの声は私から彼らを引き離していったのです! - しかし私は『私の光』の玉座がある上天の涅槃で言いました。
私の息子や娘たちが私の声を聞きました。
私は彼らに言いました。
『見なさい,赤き星とその天界が闇の中に陥っています!
あなたたちは彼らを救済し,新しい復活に導いてください』 - かつて私はこう言っていませんでしたか。
「あなたが自分より下の者を立ち上がらせるのと同じように,私は上天にいる者たちをあなたたちの下に降臨させて立ち上がらせます」 - しかし彼らは私の言葉を忘れ,彼らは自分よりも下の地獄にいる者たちを立ち上がらせようと努力しませんでした。
私は涅槃の者たちにこう言いました。
『ゼレドに行きなさい。なぜならそこでは私の聖なる者たちを誘惑して,私から遠ざけようとしているからです。あなたたちは彼らに公然と『償いの例え話』をすれば,彼らは私の光の下に来て,私の言葉を聞くでしょう。なぜならあなたたちは彼らを地獄に連れて行き,私から零れる光を通して彼らにドルジたちを救済させるからです。その後,彼らをモウルに連れてきたら,直接私が彼らと話します』 - あなたの創造主の命令を聞いてください,ゼレドの息子,娘たちよ。なぜなら私があなたたちに与えるものは穢れなき神聖なものだからです。
それはあなたたちが地球と天界を,ダンの夜明けが幕を下ろすまでの200年間を統治することです。 - ホーブよ,あなたは残りの全てを支配する神となり,あなたは力と叡智を持った後継者を育てる力で聖油を注がれなさい。
子供たちよ,賢くありなさい,そしてダンの夜明けが続いている間は精霊界の眷属たちの叡智を借りなさい」 - 声が止みました。
その後,アトラヴァに言いました。
「ジェホヴィの御名において,私はフラガパッティとあなたの意志に沿うべく,あなたの玉座から身を引きます」
アトラヴァは立ち上がると脇に立ちました。フラガパッティは玉座の中央に腰を下ろしました。 - フラガパッティは言いました。
「私は神聖評議会とモウルの都市に対して3日間の余暇活動を宣言します。
ご覧なさい,私の民草は兄弟姉妹のように交流し,御父の光に歓喜しています。
あなたたちは喜び,歌い,踊りなさい。ジェホヴィの王国に到る道は段付きの梯子のようなもので,平坦な野原ではありません。ですので,この夜明けにおける地球の天界の復活を,まずは最初の一歩としましょう」 - こうして眷属たちは交流し,挨拶し,喜びました。なぜならゼレドの者たちは長らくモウルで暮らす精霊人に会いたがっており,精霊人も同様に大気人に会いたいと思っていたからです。
こうして盛大に喜び楽しみました。
【16章】
- 余暇活動が終わると,フラガパッティはジェホヴィの玉座に登り,元帥たちに合図して,秩序と労働の開始を宣言しました。すぐに大勢の人たちがそれぞれの持ち場に就き,時を同じくしてエセナウルたちは讃美歌とともに音楽を奏で,音楽が鳴りやむとそれが天界における仕事初めの合図となりました。
フラガパッティは言いました。 - 「私はまもなく出発します。ここにはまたモウルの神アトラヴァを残そうと思います。
私が選びしホーブとその眷属よ,あなたたちは私と一緒に来なさい。なぜなら神々の階級と栄光に従い,私はハパチャと,グアタマで建国されたイプセオジーの彼の王国を救済しなければいけないからです」 - フラガパッティは玉座の足下に降りてきてそこに座りました。するとモウルの夜明けの神アトラヴァが降りてきて,古代の慣習に従ってその手を取り,こう言いました。
「ご覧ください,あなたは私の玉座に敬意を払ってくださいました。あなたは出発の時までご自由にしてください。
さあ神よ,立ち上がってあなたの道をお行きください」 - フラガパッティは立ち上がると脇に立ち,ホーブに神々が互いに向けたこの振舞いを見習うように合図し,同じ方法で立ち上がらせました。
- 元帥たちが5万人の従者と1万人のエセナウルたちを整列させると,フラガパッティの合図で首都の外へと行進を開始し,その後をホーブの眷属と10万人の精霊人が続きました。
- 彼らがモウルの光の外に出た時,ホーブの眷属の何人かは光が弱まったことに喜んでいました。ただ,彼らのうち7億人はそれを喜ばず,むしろもっと光を浴びていたいと思っていました。
- フラガパッティは言いました。
「全員が同じように思っていないのは当然のことです。光をこよなく愛する7億人は,イプセオジーの旅の仲間となるでしょう。彼らは光に強いので,仕事を任せられます。しかしその他の者は然るべき時が来たらゼレドに戻すことになるでしょう。 - 彼らはゼレドに住み着いたら,私は1人の神を送り込み,ジェホヴィの御名において新しい王国を建てさせます。ですので,全員,私に続いてアヴァランザに乗り込みなさい」
- すぐに眷属たちは船に乗り込むとフラガパッティは出発を合図し,最短の道順と最も光に満ちた場所を知っている特使に道案内させてゼレドに向けて急行しました。その道順はフーウィチャの海と『ハイチのオラム』を通るものでした。
- 彼らが出発してから間もなく,上天の光がホーブに降り注ぎ始めました。ホーブはこの不思議な光景に興奮して自分の周りが変化していく様子を楽しんでいましたが,光の浮力を感じるとこう言いました。
- 「ジェホヴィよ,私はどうしてあなたのことを忘れていたのでしょうか?あなたの目的を忘れたり,あなたの望みを否定していたのでしょうか?
私が母胎で生命を享受した時,あなたから最も遠くにいたことをどうして気付けなかったのでしょうか?
それでもまだ,今でもあなたの息吹が私の上にありました! - 私があなたによって形作られ,直立歩行させてくださった時,あなたは天使を遣わして私にこう仰せになりました。
『ご覧なさい,あなたの創造主はここにいます。『創造主の生命のうちの一つ』があなたに宿りました。『創造主の肉体のうちの一つ』であなたを創造しました。
創造主が臨在しているという証拠はあなたの存在そのものにあるのです』 - 地球では,私はあなたが築かれた闇の中に閉じ込められたと考えていました。そうでなければ,私は太陽の下で何も持ち合わせていなかったかです。
- あなたは蜜蜂を創造すると,蜜蜂に私と話すように命じました。
蜜蜂は言いました。
『人間よ,私を見てみなさい!
私は労働者です。1つの団体の中で兄弟姉妹と一緒に暮らしています。
私は酸っぱい物や苦い物には目を瞑り,甘い物だけを家に蓄えています。
人間の精神体よ,聞きなさい!
私はあなたの創造主の声です。
私の家で保たれている調和と,生まれてくる者たちのために私が備えたものを見なさい!』 - あなたは蟻を創造すると,蟻に私と話すように命じました。
蟻は言いました。
『人間よ,私を見てみなさい!
私は労働者です。1つの団体の中で兄弟姉妹と一緒に暮らしています。
人間の精神体よ,聞きなさい!
私はあなたの創造主の声です。
私の家で行われている産業と,負担を私たちの各店舗で分け合っていることを見なさい!』 - あなたは蜘蛛を創造すると,蜘蛛に私と話すように命じました。
蜘蛛は言いました。
『人間よ,私を見てみなさい!
私はあなたの創造主とともにいます。
さまざまな物に宿る霊魂を察知して,私は動きます。 目に見えない世界の幾何学模様に従い,私は自分の家を建てます。
私が他の蜘蛛から教訓を導いたり得たりしているとは思わないでください。
私は誰からも教訓を得ていません。私は自分の中にある霊魂に従い行動し,それ以外の場合は他の霊魂に合わせて行動します。
人間の霊魂よ,聞きなさい!
あなたの前には知識を得る2つの方法があります。1つは他の精神体から得るもの,もう1つは考えて手に入れるものです。 - あなたは『目に見えない世界』が『目に見える世界』を支配していることを常に私の目の前に示してくださいました。
そのことで私はあなたの前で空しくなりました,ジェホヴィよ!
私は言いました。
『私は死んで霊魂に生まれ変われば『目に見えない世界』が見えるようになり,もう間違えなくなります』 - しかし見てください,あなたの目には私の愚かさが映ったことでしょう!
私は霊魂として蘇った時,いろいろな霊魂が見えるようになりましたが,悲しいことに精神体はその先で停まったままでした。
私にとってその精神体が目に見えない原因であり,それが霊魂を支配していました。 - 再びあなたの聖なる者たちが精霊界から来訪し,私にこう語り掛けてくださいました。
『その精神体の先に涅槃があります』 - 今,私はあなたの水晶球とその比類なき栄光を見ています。
そうです,私はこの『フーウィチャの海』を,以前は何度も見ていたのですが,その時は何も見えていませんでした。しかし今,ここには素晴らしき御業で世界を動かしている涅槃から来訪された男神女神たちが船を漕ぎ出だしているのが見えます。 - あなたの火が私の精神を揺り動かし,大気界の天界へとその支配を広げています。
私に授けられたあなたの神聖なる栄光を,私が発揮できますように!
私を創造してくださったこの幸福について,あなたに感謝できますように! - 全能者ジェホヴィよ,あなたの素晴らしき御業と,あなたと一つになることの栄華を見られるように,人間の精神が開放されますように!
彼らが私の言葉を聞いて信じてくれますように!
彼らが光から遠ざからないように!
彼らが日々あなたの栄光を学べるように!なぜなら小さな光とささやかな幸せを受け取れるからです。
彼らはどうしたらあなたの王国で男神女神のようになれるのでしょう。 - しかし彼らは不満を抱き,彼らはあなたから受け取ったささやかなものについて語ります。貪り食うことで成長する口内炎のように,それらを何度も数え上げることで悲しみは募っていきます。
痛みで彼らは叫びます。失望のあまり泣き出します。
そうです,彼らは自分の闇を闇と共に深めていくのです。そして最後は『あらゆる光』であるあなたを忘れてしまうのです!」 - ホーブは話すのをやめて,大気界の天界の海を航行する船を見つめました。
その時,フラガパッティは言いました。 - 「ジェホヴィよ,ご覧ください,あなたの叡智を!
あなたは,強くしたいと思った者に『危難の痛み』を感じさせました。なぜならこれからの非常事態で,あなたは神々を,何百万もの者たちが滅びる崖近くに向かわせようと計画しているからです。 - ジェホヴィよ,あなたの叡智に気付ける者などいましょうか!
何兆人もいるあなたの息子や娘たちを理解できる者などいましょうか!
あなたは全てを知っており,一息で事を運びます。非常に緩やかで誰も感じたり,気付くこともできません。
寸前のところであなたは事態を把握し,絶望の淵の中であなたはその御手で『正義の救済』をもたらします。 - 人間は言います。
『今、富と家で全ての所有物を強化すれば,危難が私に降りかかることはないでしょう。
私はジェホヴィよりも自分の所有物を信じます。それは今ここにある王国であり,遥か遠くにいるジェホヴィではありません』 - しかし人間はその自惚れ故に一時期あなたから距離を置き,苦しみました。遅かれ早かれ,あなたはその者を地上か天界のどちらかに連れ行きます。そしてその者を羨む何百何千という者たちの模範として降臨させます。
- あなたは貧しき者に信仰心を植え付けました。貧しき者は昼も夜も苦労します。疲れ果て,傷んでいます。空腹のため泣き叫んでいます。その襤褸切れはその者にとって恥です。しかしジェホヴィよ,あなたのことを覚えています!
あなたを讃美することで,その者は日々心から歌を吟じます。他人への善行が,その者にとって最大の喜びとなります。 - あなたの御手はやがてその者に差し伸べられます。その心は巨人のように大きくなっています。
あなたはその者を天界の神に仕立て上げるのです! - その者の中にあった信仰の火花は育まれ,爆風でも倒れない強靭な木のようになります。
その者が受け取った誇り高きものは,肥沃な土壌で実った収穫物のように成長します。
その者はいかなる場所でも強く立てるようになりました。 - その者はあなたへの讃美歌を永遠に歌い続けます。それはあなたの愛の声です。
あなたの民草はその者を覚えていますが,他のすべては切り倒され、破壊されます。
あなたの御業には確かな土台があります。あなたの叡智は人間の叡智の前にあり,人間の精神に語り掛けるので,誰もあなたの言葉に欠陥を見つけられません。 - あなたの働きは繊細で『目に見えない世界』からもたらされます。
あなたの足場は『原因の中の根幹』です。しかし心が乏しい人間はあなたの作品にばかり目を向けます。
人間はあなたの成果を台無しにします。人間は馬を押すために荷車を作ります。あなたは人間の自惚れが満たされるまで酔わせ続けます。そして人間が苦境に陥ると,あなたは人間があなたの下に戻れるように仕向けます。
訳注)「馬を押すために荷車を押す」とは,本来馬に引かせるために荷車を作るはずが,その逆のことを行う人間の行為を詰る表現になります。 - 人間があなたに気付いたら,その栄光の偉大さに気付くでしょう。その声は永遠にあなたの愛の一つになるでしょう!なぜならあなたは人間を模範のように作り,人間自身の栄光のために行き過ぎた行為に走らせる余地を与えたからです。そうです,あなたは,今後失われることのない偉大な働き手の一人としてその者を育成する計画を立てたのです」
【17章】
- ゼレドに向かう途中,フラガパッティとアヴァランザの眷属たちは,フラガパッティよりも3階級高い光の7番目の大きさの北の星よりも1,000倍も遠い北方地帯からやって来た10憶人の冒険者の船と合流しました。この探検隊の司令官を務めるクトゥはジェホヴィの御名を刻んで挨拶すると,フラガパッティも返礼し,決まりの信号で接近し,速度を上げ,それぞれのエセナウルたちは500万の声とその半分のトランペット奏者で同じ国歌を歌ったり演奏したりしました。
- クトゥはフラガパッティに近づき敬礼すると,眷属たちは話が聞こえるように一列に並びました。その後,式典を催してから,お互いの名前を名乗り,どこから来たのか等を質問し合った後,クトゥは言いました。
「あなたの船は磁石を『北』に固定しているのですか?」 - フラガパッティは言いました。
「今回の夜明けは5年に過ぎませんが,私は自分の眷属たちに,地図や道路,星々,太陽を読み切るにはどのように固定すればよいのかを教えているのです。もちろん私の5億人の眷属たちは宇宙を除けば精霊界に連れて行くことができます。彼らが昇天した時,精霊界で迷子になったり,他者に依存したりしないようにするため,彼らに教えているのです」 - クトゥは言いました。
「この蛇の長さはどれくらいですか?」
フラガパッティは言いました。
「7と8分の1ホイツムです」
今度はフラガパッティがクトゥに,故郷からどれくらいの距離があるのかを質問しました。
クトゥは言いました。
「141万2,832ホイツムです!」 - 「あなたは今までどれくらい旅をしてきたのですか?」
クトゥは言いました。
「50万年です!」
フラガパッティは,クトゥがこれまでに旅の中で通り過ぎた星界の数を質問すると,クトゥは言いました。
「通り過ぎた星界は2万ほどですが,この赤い星よりも小さい星もあれば,この1万倍も大きい星もありました。いくつかはまだ液体の火の玉であり,いくつかは誕生したばかりで地殻が覆われていたり,いくつかは大気や水,大地,鉱物が分離されてなく,沸騰し渦巻いていたりしていました。いくつかは大地が固まりセムの時代に入ったばかりでした。いくつかは使い古されていました。生物にとって不毛な場所もありました。神はその星が自分の牧草地を通過しようとした時,何十億人という招待客の前で溶かし,消滅させました。 - 9万以上の大気界を通過しました。この赤い星の渦よりも大きいものもあり,何百万という住民を何百倍も住まわせられるほどでした。しかしその多くは人がいませんでした」
- こうして彼らはジェホヴィの王国の規模と驚異について議論しました。しかし彼らが議論した話題と説明は神々だけが理解できるもので,膨大な量がありました。
彼らが議論を締めくくろうとした時,クトゥはこう述べました。 - 「定命の者たちは霊魂になることを望んでいます。次の願望は精霊人になることです。次はオリアン人です。次は涅槃人です。次はオータン人です。次は『未知への調査』に旅立つことです。
しかし先を行く者は私たちに急ぐように呼び掛けてきます。なぜなら先にある栄光は想像を遥かに超える大きさだからです!
近づきがたい『至高の御方』にどうすれば近づけるのでしょうか!
全ての生物を設計された御方よ!
限界を超えて臨在する御父ジェホヴィへの慈愛と畏敬の念に,どうして飲み込まれずに済むものでしょうか!」
【18章】
- 彼らがゼレドに近づくと,クトゥは眷属たちと一緒に敬礼して別れを告げ,自分たちの旅を急ぎました。しかしフラガパッティはゼレドの境界上で船を停止させると,7億人の眷属たちを上陸させて,残りは船に残しました。
- 再びアヴァランザは出発しました。
フラガパッティは言いました。
「今から私は北グアタマの主上神ヤトンテを訪ねて,彼が何を成し遂げたのかを見ようと思っています。おそらく彼は私たちと一緒にイプセオジーに行き,私がこよなく愛する西風の神ハパチャに会います」 - 『クテヴァウィッチの海』に来た時,彼らはホーブとその眷属のためにアヴァランザを5万マイル上昇させました。なぜならここには,地球に所属する『切り離されたウォーク』にいる学生たちで満員の無数の艦隊が通る『テムスの道』があったからです。
- ここで生徒たちは,定命の者たちが1日で歩き回れる程度の大きさの隕石や小さな惑星の凝固と溶解の過程を学びます。
この海の最果てでは,絶えず波打っている星雲があり,地球や実体界の海の旋風のようにそこでは渦が起こり,凝縮したり爆発したりしています。 - ここでフラガパッティが説明しました。
「あなたたちはここでジェホヴィの叡智と,その御業の均等性を見ることができます。
ここは星雲が隕石として凝固される可能性がある,地球から離れた場所に最初のベルトがあります。全ての星雲はこの地点よりも地球に近づこうとすると,地球に引き寄せられるか,地球に反発します。
そのため地球からの距離と一緒に密度も計算してみてください。そうすれば『ウォークベルト』が,地球と同じ規模の大宇宙にある星々の『ウォークベルト』と距離や密度,速度が同じことが分かります。
太陽の最初の『ウォークベルト』は惑星に最も近い場所にあります。2番目の『ウォークベルト』はその次に惑星に近い場所にある,といった感じです。こういった『ウォークベルト』は私が話したように,全て距離によって等級付けされています」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私の数学者たちが私の成果を証明するのに2つの方法を用意しました。1つは遠くのものを定義するために近くのものを測定する方法と,もう1つは近くのものを定義するために遠くのものを観測する方法です。なぜなら人間はこの世界のウォークベルトを計測できないからです。私は人間が自分の世界をさらに理解してもらうため,太陽のウォークベルトを定義する方法を人間に提供しました。 - 人間は地球のウォークベルトのさらなる証拠を見つけるかもしれません。私は最も近いウォークベルトを異なる密度で創造しました。そのため地球の寒暖は毎年同じではないでしょう。
ダンのとある周期で,私は太陽がまるで逃げているかのように定命の者たちに見えるように,最初のウォークベルトを凝縮します。なぜならダンハの周期で定命の者たちに霊的な光か闇のどちらかを与えるのは,このベルトにいる時だからです。 - 人間自身のために,彼らに『私の時間』を計算させなさい。
私は11回ごとに1年を刻む地球よりも速く周回させるように最初のウォークを創造しました。つまり,そのウォークが1年を12回刻んだとしたら,それは地球の11年に相当するということです」 - フラガパッティはアヴァランザを旋風の森の中に突入させて,眷属たちが観察できるように図を用いながら説明しました。
フラガパッティは言いました。
「あなたたちは今,ウォークベルトに引き戻されるように『光の天高原』に向かって上昇しては爆発しているのを見ている間にも,この頂の下で凝固されている石群が地球に落下しているのが分かるでしょう。
このベルトは地球近くの『雲ベルト』に相当します。そこでは風の潮流が雨粒や氷晶を作ります。ここはその潮流が『実体』という名前で呼ばれる最初の星雲の形状を作るのです」 - フラガパッティがこのように話している間,アヴァランザは前後に揺れ,多くの人々は今,いや今まで以上に,様々な要素とうまく戦うために天使や神々には知識や力が必要とされているのだと気付きました。
しかし飛び交う石群の轟音を奏でながら,こういった『火の噴出』や『火の旋風』といった美しく雄大な光景にホーブやその眷属たちは魅了され,ひたすら驚嘆するだけでした。 - フラガパッティとその眷属たちは七日七晩,このウォークベルトを旅し,創造と消滅を繰り返す『世界の雛形』について観察したり研究し,8日目にアヴァランザはこの風の潮流の下に潜り,北グアタマまでの行路に精通した使者の操縦の下,主上神ヤトンテの王国に直行しました。しかしそれほど交通量のある道ではなかったため,彼らは他の神々やその船にほとんど出会いませんでした。
- ヤトンテはフラガパッティの来訪を知ると自分の王国に通達を出して,自分の名に因んで付けられた首都に70人の主神たちを呼び寄せました。ヤトンテはオテヴァンを用意し光を灯すように命じると,乗員の他に500人のエセナウルと主神たちに1万人の従者を加えて,フラガパッティに会うため1,000マイル先のハガックの境界に向かいました。
- しかしオテヴァンはアヴァランザと較べれば,船と言うより小舟のようなものに過ぎません。
彼らは互いに近づくと,フラガパッティはアヴァランザの前方を開放し,この壁の内側にオテヴァンは速度を上げて入りました。
オテヴァンの眷属たちが外に出ると,フラガパッティとその民草によって大喜びで迎えられました。
【19章】
- 北グアタマの東西の玄関口のちょうど中央の場所から上にある,地球上の太陽の『北の黄道』から1,000マイル北に誰も存在しない500マイルの空間があり,そこにヤトンテは自分の王国を建国していました。フラガパッティはそこでヤトンテと会いました。500マイル西に南北2,000マイルあるイプセオジーがあり,そこには『西風の神』と称される善良な信仰者ハパチャが君臨していました。
- アヴァランザがヤトンテの首都に到着すると,眷属たちが下天に礼儀正しく上陸し,ヤトンテは自分の玉座に登り,全上位者を讃える音楽とともに,公式の歓迎式,感謝祭を催した後,3日3晩の余暇活動を宣言しました。
- この後,フラガパッティはヤトンテに言いました。
「私はあなたの冒険譚やこの王国での成功譚を聞きたかったので,こうしてあなたと出会えたことを嬉しく思っています。なぜならあなたの記録は,ダンの夜明けが終わる頃に上天に持ち帰る私の記録でもあるからです」 - ヤトンテは答えました。
「私が為したことは,私の事績です。それにも関わらず,偉大なる王国を建国した者は,小さな王国で賞賛されることはほとんどないのかもしれません」 - フラガパッティは言いました。
「私は自分で育てた大家族よりも,孫を溺愛する老人たちを見てきました。若いうちに過去の歴史を再び眺められるように,いつでもそのような手段を私たちに授けてくださったのは,私たちの創造主の賢明な配慮によるものではないでしょうか?
私たちはいつでも若いころの過ちを思い返せるように,新しい道やジェホヴィの叡智を窺い知るための新しい経路が用意されているのです」 - ヤトンテは言いました。
「もしもある者が隣人を悪から善へと変えることができたならば,その者は自分の勝利と隣人の改革という2つの偉大なる成果を収めたことになります。
それとは逆にその者が隣人を悪から善に変えられなかったとすれば,その者の失望と,ジェホヴィの栄光を損なうという2つの不幸に見舞われることになります。
自分の失敗を語りながらも,御父の栄光への貢献について語れるのは,強い人間の為せる業です」 - フラガパッティは言いました。
「ヤトンテよ,私たちはその大きさをどう測ればよいというのでしょうか?
1人のドルク人を光に導いた定命の者は,10万人の者を救済した神々と同じ栄光に浴するものではないのですか?
その者は他の者とどうして同じ大きさにないと言えるのですか?
正義を貫く私たちの価値観で言えば,私たちの限界に大なり小なりあっても問題はなく,それが最大の栄誉になるのではありませんか?
ジェホヴィが人間にお与えになったのは『至高の御方』の御名の下で,まずは自分の救済を学ぶことでした。これができる者は偉大な統治者です。
次にジェホヴィは人間に小さな王国の統治を仰せになりました。おそらく酒飲みや乱暴者,そして自分の家族でさえも正義の名の下に統治するためです。これができる者は偉大な統治者です。
人間が正義を貫くことは,その者の王国にとって完璧な栄誉になりませんか?」 - ヤトンテは言いました。
「御父は知っていたのです!
試して,試して,試してみる,これが人間にとっての善行の積み上げです。
人間は天界や地上において,自分が為した善行に対して残念な気持ちを持つものなのでしょうか?
哀れな人間はこう言わないでしょうか?
『もしも私はこれを持っていたら,これだけの善行を行えるのではないか?』
金持ちも同じことを言い,王もまたそう言います。
ジェホヴィは彼ら全員にそれぞれの王国をお与えになられました。しかし『私は自分の力と叡智において,できる限りのことを行いました』と言える者は,人間や神々の中でも最上位の人物なのです。 - 聞いてください,フラガパッティよ。あなたならば分かってくださるかも知れません。あなた自身,上天の全ての光を忘れて,30憶人の浮浪者となり果てた霊魂が実体界の地球に所狭しと蔓延るこの闇の世界にいることに耐えなければならないとします。この王国にあったアオスがそのような場所でした。しかし霊魂たちは彼らが東で行ったように,地獄に集まろうとはしませんでした。なぜなら彼らとは繋がりがないからです。神もいなければ,主神もいません。
彼らは使い魔としてドルク人と暮らしている点を除けば,永遠の移住者でした。 - 幼いころに亡くなった者の霊魂に関して言えば,彼らはその両親か,別の者に連れられて,浮浪者になるための十分な知識が得られるまで育てられると,それで終わります。
- 奇妙なことを言うようですが,全ての霊魂はどんな衣服も反物も着ようとせず,恥じらいを欠いていました。彼らには善も悪もなく,上天に対する願望も知識もなく,放浪したり眠ったり食べたりすることに満足を覚えていました。
彼らは地球で習得した1,000の言語か,少なくとも1,000種類の合図や言葉がありましたが,それらは失われたか混合してしまったため,主神や神々と会話することができなくなりました。 - こうして私はここに首都を建設する前に彼らを調査し,見つけ出しました。そして私は彼らの中心に身を置きました。主もご存じかもしれませんが,私は音楽や火や派手な服装で彼らの居所を旅し,彼らの願いを叶えたいと思っていたのですが,残念なことに彼らは私のこの素晴らしい演出に笑顔を見せたり,眉を顰めたりすることもなく,このオテヴァンが通過する間,呆然と見ているか,眠りこけているだけでした。
- 私はここに首都を建設し,あなたが今敬意を払ってくださっているジェホヴィの玉座を据えました。私は少数の者を通して群衆に意欲を湧き上がらせたいと思い,派手な服装を四方に贈り物した。しかし残念なことに,私が服を着せたいと思った者たちはすぐに服を脱ぎ捨てて,裸になってしまいました。
これが私の2番目の失敗です。 - この後,私は上天の偉大なる栄光を彼らに伝えるため,10万人の説法者を遣わしました。しかし残念なことに,彼らは気に留めなかったか,もしくは気に留めても彼らが伝えたことは1日で全てを忘れてしまったのです。
こうして3番目の失敗が終わりました。 - この後,私たちは聖評議会を開き,ジェホヴィに光と御力を懇願しました。すると創造主の声が届き,こう仰せになられました。
『息子よ,彼らの愛すべき者の所に行きなさい。定命の者たちの下に行きなさい。まずはエスヤンから始めましょう』 - 私は眷属たちに,一時期だけ定命の者たちの下に向かい,そこで暮らすように命じました。彼らはエスヤンたちをアサフたちに守らせながらヤトンテに連れてきました。
やがて近親者も残りたいと望み,後に続きました。
私は彼らに言いました。
『ご覧なさい,私の場所は公正であり,私の民草は服を着ています。
あなたたちも服を着なければ私たちと一緒に暮らせないし,私が連れて来たあなたたちの近親者を見ることはもはや叶わないでしょう』 - 愛のために,最近亡くなった多くの両親や兄弟姉妹がやって来ました。彼らは服を着ることを我慢しました。
これが私の王国の最初の事績です。 - 私は再び眷属たちを呼んで,こう言いました。
『私は1,000人の主神を持たなければなりません。私は主神たちに来たグアタマの地を割いて,彼らを定命の者たちと暮らさせて,男女や子供たちといった定命の者たち全員にアシャールを割り当てます。そして自然死や戦争による死に関わらず,エスヤンたちは私の王国に連れて来させます』 - 私はこれを実現すると,連れて来させた者たちのために保育所や娯楽施設を用意しました。しかし残念なことに,近親者のためにやって来た何千何万といった霊魂は,ここに残りたいがために服を着ることは受け入れましたが,会話する才能がほとんどなかったり,何かを望もうともしませんでした。
- 次の聖評議会の時,光が私の下に降り注ぎ,こう仰せになられました。
『あなたの創造主の声を聞きなさい,息子よ。
あなたは私の子供たちの復活のために勤勉に取り組んでいるので,私はあなたの下に訪れました。
ご覧なさい,私は勤勉の礎となるように,人間を裸のまま創造し,恥じらいを持たせました。しかしオシレの時代にこの者たちがまだ『死すべき運命』の者であったにも関わらず霊魂との霊的な交わりを放棄してしまったため,彼らは『私の光』を失いました。 - あなたは彼らに服を着せる以外に,勤勉について啓示できずにいます。しかしまずは何よりも,裸でいることが恥ずかしいと思わせるようにしなさい。そうしなければ,彼らにとってこれ以上の復活はありません』
- 私は創造主に,どうすれば私は彼らに恥を教えることができるのかを聞きました。
創造主はこう仰せになりました。
『彼らについて,彼らにとって,彼らのために,あなたができることはほとんどありません。しかしあなたは定命の者たちを通して彼らに啓示を与え続けなければいけません。 - 全ての天高原は2,000マイル幅の最下層を除いて各方向に1,000マイルの幅で,階段のように他の天高原よりも1階級ずつ上がっていくように,地球からあなたの王国にまで伸びています。
- あなたの主神たちには最下層の天高原を担当させて,2番目に低い天高原には,主だった娯楽や教師,その他の一般的なものを用意します。
この2つの天高原には,住民や食料,鏡や透鏡,その他の主要なものを生産する機械以外に何も存在しないでしょう。 - 最下層の天高原は蜃気楼のように地球上に存在し,そこでは地球上における実体と同様に,外見上,霊的にすべてを持ち合わせています。そこには森や湖や川があり,あらゆる種類の動物や鳥,魚,そして定命の者たちが食べられる食料が何でもあります。
その最下層の天高原は,『幸せな狩猟場』という意味に因んで『ホチェドワ』と呼ばれます。 - あなたは自分の主神たちにこの言葉を贈りなさい。
『あなたの創造主がこう仰せになりました。
ご覧なさい,私はホチェドワという良い場所を創造しました。
あなたたちはここで定命の者たちに啓示やそれ以外の方法で教え,彼らにこうも言ってあげなさい。
お互いに語り合いましょう。なぜなら死後,その精神体は大喜びでこの場所に行くのだから。
あなたは彼らにこう言うでしょう。
あなたの裸を隠す服を着なければ,ホチェドワに入ってはいけません』」 - ヤトンテは言いました。
「最下層の天高原が,北グアタマの大部分で居住可能になった時,御声が再び届き,こう仰せになりました。
『息子よ,あなたの主神たちを通して,あなたは男女や子供たちなど,全ての定命の者たちを治めたら,ドルジたちを誰も彼らに近づけないようにしてください。 - ご覧なさい,私はあなたの天高原の建設のため,多くの場所で大旱魃を引き起こしました。彷徨える霊魂たちはあなたとその主神たちに縋る以外に何も手に入らないでしょう。彼らがやって来たらすぐに服を着せるか,腰回りに布を掛けるかを義務付けしなさい。しかしあなたたちは装飾品を身に着けることを何よりも優先しなさい』
- ヤトンテは言いました。
「フラガパッティよ,この多くのことを私たちは達成しました。
私の天界の王国の礎は広々として定まっていますが,ただ,あなたに見せられるようなものはほとんどありません」 - フラガパッティは言いました。
「ご覧なさい,私は2日の休暇を取って,あなたの王国を視察します。ですので,2日間の余暇活動を宣言してください」
【20章】
- 余暇活動が終わると,ヤトンテは評議会を招集しました。
ヤトンテは玉座に座り,フラガパッティとホーブはその左側に座りました。 - ジェホヴィの声がヤトンテに届き,こう仰せになりました。
「ご覧なさい,私の息子,娘たちよ。この天界とこの地は他の場所とは異なります。なぜならここは後の時代に発展し,定命の者たちによって私の王国が建国されるからです。東の地と東の天界で私は彼らに主神たちや神々を与え,彼らは平伏し,崇拝するでしょう。
しかしこの天界とその下にあるこの地は,彼らの復活のための主神もいなければ神もなく,女性から生まれる子供もいません。 - そのため,私は主だった天界や天高原を創造しました。そこはコスモンの夜明けを迎え,戦争や定命の者たちの王国が打倒されるまで存続することでしょう。その日,私はここを訪れ,この玉座から私の長を通して私の王国の歴史を明らかにします。私の王国が全地球を包み込むまで,地球の天界もまた私のものとなるまで,私はこの天界から周囲に光を放っていきます。
- イフアン人が定命の者や霊魂であろうと,あなたたちは『偉大なる霊魂』以外のいかなる者も崇拝することを教えてはいけません。
- なぜならコスモンの初期において,定命の者たちの間で,自分たちは天界の天使たちに支配されているのではないかという疑問が生まれるからです。
この地で全ての神や主神,救世主が追放され,定命の者たちが『偉大なる霊魂』の崇拝者となり,イフアン族の霊魂を通して天界から下される啓示によって支配されるということを,私は彼らの前で証明しましょう。
彼らは私ジェホヴィが全てを支配し,全ての事象を操る唯一者であることを知らなければいけません。 - 息子たち娘たちよ,賢くありなさい。なぜならあなたたちは今,彷徨える霊魂の眷属たちがあまり願望を抱いていないと思っているように,コスモンの初期の頃にも,定命の者たちに同じような願望の欠如が見られるからです」
御声は消えました。 - ヤトンテは自分の補佐役の神エトセインを呼んでこう言いました。
「ここに来て,玉座に座りなさい。
私は今からフラガパッティに40日間同行し,私の成果を全て見ていただこうと思います。そしてイプセオジーの神ハパチャの下に行った後,また戻ってきます。 - エトセインは前もって聖油を注がれ,戴冠すると,玉座に座り敬礼しました。
フラガパッティは立ち上がって話そうとすると,他の人々も話を聞こうと耳を傾けているのに気付きました。
フラガパッティは言いました。 - 「ジェホヴィよ,私は彼らが行ったことに満足しています。あなたの御声を通して私は彼らを選び,彼らはあなたの僕であるため,賞賛にも非難にも値しません。あなたは賢明なご判断により彼らを選びました。なぜならこの夜明けにおいて,私はやがて訪れる第3のダンハで定命の者たちにもたらされる礎に気付いたからです。
御父よ,あなたがこの地を選んだことにより,この地を治めるあなたの主神や神々の責任はとても重大なものとなりました。 - 彼らの懇願を聞き入れてくださったあなたが彼らを導いていただいたことで,彼らは過ちを犯さずに済みました。彼らの仕事は遅いのですが,それでも忍耐強さと粘り強さの点ではとても優れています。
あなたの叡智と御力,愛が,あなたの栄光において未来永劫,彼らに注がれますように。
アーメン!」
フラガパッティが話し終えると,頭上で光が輝き,その光から声が聞こえ,次のように仰せになられました。 - 「彼らは多くの者を改心や復活させるよりも,私の王国の正義の礎の方に関心を抱くことでしょう。なぜならそちらの方が叡智や力に乏しい者たちを何万人も救済することよりも価値があると,彼らの主神や神,そしてその後継者が考えるからです。
後者の方はその後で導かれるでしょう」 - 声が止むとフラガパッティが玉座から降りてきて,その後をヤトンテとホーブが続きました。
エセナウルたちが唱えました。
「万歳,偉大なるジェホヴィの御力よ!
彼の光は不滅の声なり!」
神々はクティウスの方に進み出て,そこで立ち止まって玉座の前で整列し『オムの御印』で敬礼すると,それにフラガパッティが返礼しました。
最後に旅に同行していた眷属の元帥たちがやって来ました。彼らが通り過ぎると神々が後に続き,首都を出て火の船の方へと戻ると,ヤトンテの住民もその後に続きました。 - こうして音楽と歓声の中,彼らはアヴァランザに乗り込み出発しました。
最初はヤトンテの王国を視察し,その後でイプセオジーに向かうのでした。
【21章】
- フラガパッティはアサフや医者がいる場所や,下天の他の場所を調査した後,『迷妄の地』ホチェドワに降り立ちました。そこは『幸せな狩猟場』と呼ばれ,試合や大会を見ながら主観的な図柄で彼らを教えることを目的としており,エーテリア人が多大な労力で維持している場所でした。
ジェホヴィはこう仰せになりました。 - 「定命の子供たちには客観的な図柄で教えることができるように,私は同様のことを主観的な図柄でも可能なように霊界を創造しました。
私の法則は人間たちの法則ではありませんし,私の世界の視覚表現は人間たちの視覚表現とは異なります。例えば私が虹を創り出したとします。それは『弓』という物質そのものではありませんが,その想像上の視覚表現は定命の者たちの『弓』になります。しかし人間は枝を折り曲げて『見ろ,弓だ!』と言ってその手に握りしめます。しかし人間は私のものに触れることができません。 - 私は定命の者たちに,物を使い多くを組み合わせることで息子や娘たちを教えられるようにしました。彼らは円や四角,三角を知っていますし,物を使って数字を計算することも学びました。
逆に同様の方法で私は死者の霊魂に対しても『私の作品』を教わり楽しんでもらえるように想像上の手段を創造しました。 - 私は実体人が地球上で叡智を獲得するため,彼らに実体的な目や実体的な耳を与えました。
しかし数人には霊的な事柄を見聞きできるスイスを与えます。 - 幼くして亡くなった定命の者たちの霊魂に対して,私は霊的な目と霊的な耳を与えました。しかし修練しなければ実体的なものを見聞きできません。それでもそのように地球で生涯を終えた霊魂に対して,私は両方の世界の出来事を見聞きできるように創造しました。
- それにも関わらず天界の多くの霊魂は,霊的にも実体的にもその生活に満足してなく,ほとんどが見聞きできずにいます。そのため『闇の霊魂』という意味を込めて,彼らを『ドルジ』と呼ぶように命じました。
- 私は神や主神たちを遣わす際,彼らにこう言いました。
『あなたたちは闇の霊魂の下に行きなさい。なぜなら彼らは天界や地球で見たり聞いたりすることができず,しかも自分が裸であることにも関心を払わないからです。 - あなたたちは鏡や透鏡,光学的な幻想や迷妄を作って彼らに試合や大会を用意し,私の王国の栄光を彼らが理解できるようにしてください』」
- アヴァランザがホチェドワに到着すると,何が起こっているのかを観察するため,低い場所に各所を自由に動き回れる観測所を拵えました。
- 彼らは天界における水上競技,釣り,狩りや,天使たちが定命の者たちの生活の中で見て来たあらゆる娯楽による大会や試合を目撃しました。ただ,これらの種目は想像上のものであり,現実的なものではありません。
- しかし多くのドルジたちは地球で生活していた時の記憶が蘇り見聞きできるようになると,実際に自分たちが他の世界の住人になってしまったことを認識するようになりました。そして彼らの鈍い感覚でも理解できるように,見聞きすることで学べるということを視覚表現しました。
- それにも関わらず,この地には姿形を欠いた愚かな天使たちが何億人もいました。
- ジェホヴィはこう仰せになりました。
「人間が気を失った時は,あなたたちが過去の記憶を呼び覚まして起こしてあげなければなりません。そして天界のドルジが自分が誰で,自分が今いる場所がどこなのかを認識した時,あなたたちは印象のある過去の出来事をその者に示して,目覚めさせなければなりません」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「ご覧なさい,人間よ。あなたたちは『私の創造物』における栄光の中でも主たるものなのです。私は人間を,地上を歩いたり,空を飛んだり,水中を泳いだり,地を這ったりする動物として創造したわけではありません。こういった動物は霊的な生活を望んだり,霊的に積み重ねていく能力がありますが,ただあなたたち人間だけは霊的な実体に集積していく力があるのです。 - 私が動物に授けたのは,水で満たされた容器のようなものです。そこにはそれ以上のものは入れられません。その容器は壊されれば,水は海に逆流します。
私は自らの手で彼らに生命の息吹を与えますが,私が手を離すと,彼らは消滅してしまいます。
水滴は太陽の前では何の力もなく,蒸発して何も見えなくなります。それが,『私の光』により創造した全ての動物の霊魂なのです。
しかし私は,あなたたち人間に『永遠の生命』という力を与えました。 - それにも関わらず,人間が一滴の水を小瓶に入れてそれを長い間保管するように,私は『高貴なる天使たち』に,突然死んだ魚や動物の霊魂を取込み,一定期間,肉体の外見に纏う力を与えました。
しかしそれはまだ想像上のものでしかありません。人間は手を離すと持っていた石を地面に落とすように,天使たちは『霊的な動物たち』から手を離すと,その霊魂は『私の体』という海の中に堕ちて行き,二度と見ることができなくなります。
それでも数は少ないのですが,私は木や苔,そして地表から生える全ての植物を創造しました。そして私は『高貴なる天使たち』に木や灌木,植物から霊魂を取り出して,それで実体的な事物の外見を装う力を与えました。しかし私は『高貴なる神々』にも同じ力を与えましたが,一つの植物だけでなく,森全体や,動物,魚,蛇に対してその力を揮えるようにしました。彼らがこの力を大気界に対して行使した時,それらは想像上の『天界』と呼ばれるのです。 - こうした状況で,古き時代,闇の霊魂が定命の者たちの下に戻った時,彼らは,天界は地球と同じであり,全ての動物は人間と同じように永遠の生命があると言いました。
おお人間よ,そのような霊魂から目を背けないでください。あなたたちもまた1人の霊魂なのですから,私の『縛られた天界』に長く留まってはいけないということを彼らから学んでください。 - なぜならあなたたちが食べた動物を自分の精神体に定着させてそれらと暮らすようになると,あなたたちが下天で自分の勤めを終えるまで,神々はあなたたちを私の涅槃に引き渡せないからです。
私は人間が永遠に進化できるように,全ての人間に『偉大なる光』を授けました。
海の水は蒸発し雲を作ります。雲は雨となって降り,川となり,やがて海へと流れ込みます。それを何千回,何万回も繰り返すのです。それでも水は水のまま,何も進化していません。
私が進化を与えたのは石でも木でも動物でもありません。ただ人間にだけ進化を与えたのです。 - 人間よ,賢くありなさい。次の世界であなたたちを拘束させないためにも,進化しない物に自分を縛り付けたり,自分の精神体に定着させないように。
しかしドルク人を救済するため,私は光と闇,想像と客観の中間に位置する天界を創造しました」 - 何千何万といったドルジたちが楽しみ,教えられ,自分たちの状態や可能性に気付かされる,大いなる狩場『ワシャワウワウ』や,大会の地『セカトシ』にも,フラガパッティは足を運びました。
フラガパッティとその眷属は下天の美しさや雄大さを見てそれを記録に残した時,ヤトンテは言いました。 - 「フラガパッティよ,私は今あなたに,ジェホヴィの下にある私の王国の,偉大なる家の礎をお見せしました。私はあなたにお仕えし,あなたが望むのであればどこにでも行きます」
フラガパッティは言いました。 - 「私は御父の王国が建国される地に降り立ち,そこの平原や川,湖を調査したいです。私はその日を数学者たちに計算させて,後の時代の天使たちに利用してもらうため,精霊界の図書館に記録します」
- 数学者たちが計算すると,主席のヨツェプトゥが言いました。
「8900年です!」
フラガパッティはアヴァランザを下降させて地表に近づけて東西南北と航行し,そこが土地や水が適度に良い国であることが分かると,こう言いました。 - 「地球に住み統治するために,礎を作り計画を立てるジェホヴィの叡智をご覧ください。
しかも8,900年先のことだというのに!
その日を迎えるまで,地球で暮らす人間は何百万も闇堕ちすることでしょう!
ここに光が降り注ぎます!
ここでセファスの死が始まります!
ジェホヴィよ,あなたはその御手で全てを支配します」
【22章】
- フラガパッティはイプセオジーの神ハパチャに使者を送り,自分がこれから訪問することを知らせました。ハパチャは慌てて主神と長,父たちを呼んで余暇活動と,式典と娯楽の準備を行いました。
- ハパチャが次のような準備を行いました。最初は10万人による音楽家たちを8か所に8つの円陣を組ませました。各グループには1,000人の元帥を用意し,8か所のそれぞれの音楽家たちの前に立たせました。その次に,30万人の使者たちの場所を用意しました。次に100万人のアサフ,次に200万人のアシャール,次に看護師と医師,次に工場や学校,大学の教師が来訪し,その数は1,460万人でした。
- エスヤンの1つ上の階級に2,000万人が在籍しており,その次が最上位の階級で3,000万人いますが,エスヤンは1人もいません。
- 円の中央にハパチャの玉座があり,主神たちも座れるように拡張されていました。その玉座の南側に眷属の長の席があります。ハパチャの顧問は100万人おり,三日月状に配置されました。
- ハパチャは彼らを呼ぶと,そのうちの何人かに目的について説明した後,彼らに対してこう言いました。
- 「ジェホヴィの叡智と御力により私はあなたたちの前で話します。
これから私が話すことは私自身のことではなく,私がジェホヴィに対して抱いている信仰以上のものについてです。あなたたちもその信仰から同じように祝福されています。 - 私たちは若い頃から守護天使やその主神や神々から,全てにおいてジェホヴィに対する信仰を堅持するようにと忠告されてきました。なぜなら古き時代に宣言されたことがあり,この世界には上天と下天があり,私たちは御父への信仰を通して,最終的には昇天し『神聖なる王国』で暮らさなければならないからです。
- そのため,あなたたちは定命の者としての生涯を終えた後も実直に働き続け,今でもこの王国において数多くの人々を蘇らせ,『永遠の生命』という喜びを与えてきました。しかし私たちの上に君臨する神々が来訪し,次の復活の準備に入っている全員を受け取ると前もって約束しているので,ジェホヴィの光の中で賢くなった親類やその他の者たちを追い越せるこの幅広い分野での労働環境を,あなたたちは今日まで大切に思ってきました。
- その復活の時は,多くの人にとって間近に迫っています。
私たちの御父はこの天界を,あなたたちがより大きな光を準備できる『光の地』へと連れていきました。私たちとともにある新しい光のために,数多くのイフアン人のエスヤンが保育所から抜け出して地球に戻ろうとしました。なぜなら彼らは天界の光よりも,地球の闇の方を愛しているからです。 - 私の主神たちは,地球のさまざまな場所から使者を送ってきて,私にこう言います。
『天界のあなたの場所から抜け出した彼らと同じくらい,エスヤンたちの多くが定命の者たちの所に戻ってきました。霊魂の臨在という畏れ多い事態が,地球の老若男女にとって当たり前のようになろうとしています。 - こういったエスヤンの多くはドルジに身を堕とし,放浪癖を身に着けていかなる上天をも拒み,本気で生まれ変わる機会を得て定命の者の姿でもう一度暮らせると信じています。地球よりも上位の天界を知らず,愛欲を耽溺する以外の幸せを知らないまま,彼らは定命の者たちの前に現れ,その者の縁者だと偽ってそのまま憑りついてしまいます』
- これはダンの夜明けが間近に迫っていることを予告する兆しです。
このように預言をいくつも重ねて裏付けている状況でしたので,あなたの神は,ホチェドワの創始者にしてヤトンテの神であるヤトンテを伴い,こちらに向かっているフラガパッティのお言葉とその為さりようを見てもらうため,あなたたちを呼びました。 - 私たちの多くは600年以上もこの分野で働き,私たちが手掛けたガウの収穫物は,地球の主神たちが奉納したあらゆる復活の中でも高く評価されてきました。私の主神や同行者,元帥長たちが搭乗し,こういった収穫物を再び奉納できるオテヴァンを,私たちの尊厳に相応しいように建造するように建造者たちに命じました。このオテヴァンに乗って,三角と果実の象徴と祭壇を所有する来訪者の所に会いに行きましょう」
- その後,ハパチャは各員に指示を出しました。
出迎える眷属たちは,居残りの眷属たちに音楽や歓声で送られながら,オテヴァンに乗り込み出発しました。その間,ハパチャは自分の『家』の片付けを行いました。
【23章】
- フラガパッティはハパチャと会ったことがありますが,その時は自分が精霊界のルニッチの神であること以外は伝えていませんでした。そのため,ハパチャはフラガパッティの来訪を知ると,あの時と同じ身なりではなく,偉大なる栄光を身に纏って訪れるのだろうと思っていました。なぜならハパチャは,フラガパッティがアオスの地獄を討滅や,その地で拷問の責め苦を受けていた囚人たちの救出といった東の天界で成し遂げた奇跡について聞き及んでいたからです。
- フラガパッティはイプセオジーに到着すると,明かりも窓掛も閉めたアヴァランザをハパチャの玉座の近くに停泊させると,出迎えの眷属たちと一緒に降りてきました。
- フラガパッティはヤトンテとホーブと一緒に船から降りると,その左手には元帥たち,右手には出迎えの眷属たちが同行しました。
ハパチャのエネナウルたちが「ジェホヴィの御名において宣言します,主神たち神たちよ!」と言うと,アヴァランザに乗っていた眷属たちがトランペットやハープ,トライアングルで演奏し始めました。彼らの王国の素晴らしさが伝わってくるようで,とても素晴らしい彼らの音楽の栄光がそこにはありました。 - フラガパッティが王座に近づくと,演奏は止まりました。
ハパチャは,「ここにいらっしゃったのはどなたですか?」と言うと,ジェホヴィの御名の古代の御印を刻みました。
フラガパッティは「ジェホヴィを信奉する1人です」と言うと,ハパチャの御印に副署しました。
ハパチャは言いました。
「創造主の御名において,兄弟とその眷属たちを歓迎いたします。あなたが滞在する間,創造主の愛と叡智が私と私の民に表れますように」 - フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィは『全知』です。
創造主は何人かの人間を太陽のように作り上げ,彼らの精神体から放たれる光は遥か遠い球体にまで届きます。ある特定の時期にこの広大な原野を駆け巡り『最上位の天界』から特使を派遣します。この使者は彼の偉大なる叡智を携えて光と闇の中を通り,定命の者と天使たちが暮らす遠方の王国を入念に調べ,守護者である眷属や,その周囲にあり最も輝く最上級の星からその情報を素早く入手すると,その記録をその地を統治する上位神に伝えます。この時,上位神は『不滅の宝石』がいる地域や場所に降臨し,そこに住まう人々の下に会いに行くのです。 - それでもハパチャよ,上天にあなたの記録は保管されています。御父が私に,赤い星とその天界を訪れるように命じられた時,私はジェホヴィの使者の記録を調査し,そこで愛と火で輝くあなたの名前を知りました。
私はあなたの下に急いで駆け付けました。あなたの大いなる価値,あなたの眷属の友好さはこの天界においてまだ明かされていないため,誰にも知られていませんが,私の愛を勝ち取ったのです。
あなたには私から直接伝えたいと思い,あなたはそうしてくださいました。
ご覧なさい,フラガパッティはあなたの前にいます!」 - ハパチャは言いました。
「ジェホヴィに祝福あれ!
フラガパッティよ,よくぞお越しくださり,ジェホヴィの御名において私の玉座に敬意を払ってくださいました!
ヤトンテ,そしてホーブよ,あなたたちもよくぞお越しくださいました!」
彼らは玉座に登って座ると,その真ん中にフラガパッティは座りました。 - エセナウルたちが音楽を再開し,演奏が続いている間,『上王国』の光が玉座を包み込み始めました。
フラガパッティは次のように解説しました。 - 「聞いてください,全ての人々よ。そして私の言葉に耳を傾けてください。
- あなたたちは最初から信仰心を持っていたため,地球とこの天界の光になり,自分たちの祭壇とその生贄を維持し続ける限り,上天の祭壇と生贄も併せて維持されます。
- そのため,地球とその天界が全ての闇の中を通過するこの状況下でも,創造主の御声を聞くという祝福を受けられたのです。
- 御父は,母と子が互いにどれだけ離れていようともその声を届けることができるように,正義と愛に通じるジェホヴィの王国であれば同じことができるのです。
- この玉座の周りに光が集まっているのを見て,あなたたちは,私がこの光をもたらしたとか,この光が私のもとに送られてきたなどとは思わないでください。私と精霊界の王国の間には『繋がり』があります。私はその一端です。もう一端は精霊界の玉座です。私がこの玉座の中央に座った時,そこもまた上天によって照らされるのです。
- 私の天界が全ての中で最上位にあるとは思わないでください。なぜなら『至高の御方』の下には今まで誰も辿り着けなかったからです。それにも関わらず,私の天界は私の上に君臨する人々と『繋がり』があり,彼らはさらにその上の人々と『繋がり』があり,そうやって永遠に,上へ,上へと繋がっているのです!
その先に辿り着く『至高の御方』はジェホヴィと呼ばれ,彼の御方とどれだけ離れていようとも,その声は彼の御方の声なのです。 - あなたたちがジェホヴィの御声を聞けるように,私は玉座の上に太陽を置きます」
- フラガパッティは話し止めると,太陽の姿に変貌した光がとても強く輝き,玉座の背中にいたフラガパッティの頭上に留まりました。あまりの眩しさだったため,ほとんどの人はその様子を見ることができませんでした。
やがて光からジェホヴィの御声が聞こえてきました。 - 「ハパチャよ,創造主の名において喜びなさい!
あなたは歓喜の歌を歌い,あなたの民草に頭を上げさせてください。
ご覧なさい,私はあなたとその眷属たちのことをずっと見守ってきました。あなたは私との約束を守り,『私の光の夜明け』を果たしてくれたのです! - 私にとって3,000年は1日のようなものです。昨日,私がこう言ったとします。
『あなたたちはここに座って,そこに立ちなさい。なぜなら明日,私はもう一度来るからです』
これは私にとって何千年,いえ何万年間も続く『命令』なのです。 - しかし他の者は誰も私のことを覚えていません。夜になると子供が眠ってしまうように彼らは堕落してしまいます。だから私が翌朝訪ねてみると,彼らは目を覚ましていないのです。
しかし私は彼らを目覚めさせて『私の大いなる光』を示しました。 - もう一度,私は彼らに言いました。
『私にとって3,000年は1日のようなものです。あなたたちはここに座って,そこに立ち,私のことを覚えていなさい。明日,私はもう一度訪ねに来ます』
しかし彼らは眠りこけていました。
彼らは創造主である私のことを覚えていなかったのです。 - しかしハパチャよ,あなたは一晩中見張り続けました。あなたはこの王国を全ての夜明けから守った最初の神々です。
あなたは朝を迎えるまで下天における『私の王国』を守った最初の神々なのです。 - 今、あなたとその王国をハライティに引き渡すため,私はあなたの下を訪れました。あなたは夜明けが終わるまでそこに留まり,私の息子や娘たちが涅槃へと昇天する際,あなたの眷属もあなたと一緒に連れて行きます」
- 御声が止むとフラガパッティがこう言いました。
「私は3日間ここに滞在します。2日間は余暇活動を行いますが,3日目には,あなたは自分の後継者を指名し,私がもう一度,あなたとその民草の前でそのことを話します」 - ハパチャは2日間の余暇活動を宣言すると,眷属たちは自由に集まり,アヴァランザに搭乗していた人々も外に出てきて,そこにイプセオジーの人々も加わり,この2日間を盛大に過ごしました。
【24章】
- ホーブは喜んでいませんでした。彼は集まった人々の中で精神的に苛まれていました。
ホーブは言いました。
「ジェホヴィよ!
あなたは私のことを叱責したので,私は落ち込みました。あなたは私に,あなたの息子にして下天の神々の一人ハパチャを見せてくださいました。あなたの息子は今回の光の夜明けが訪れるまで,あなたの王国を維持してきました。 - しかしあなたは,私が管理してきたここよりも遥かに高い王国ゼレドでさえも屈服させました。
私は子供が眠るように堕落していました。私の王国はあなたのことを忘れていました。私の民草はあなたの御名を讃えることを止めてしまいました。私たちは闇の中に埋もれていました。 - あなたは私を地球とその天界の次の後継者に指名してくださいました!
あなたのご指示をどのように私は叶えていけばよいのでしょうか?
私はどうやって自分の下で働く意志が固く熱心な神や主神たちを選べばよいのでしょうか?」 - このようにホーブはジェホヴィに語り掛けた時,フラガパッティはこう言いました。
「全てのことは信仰を通して行われます。信仰なしで行われることは危ういものです。
ある者が『私はジェホヴィが存在し統治していることを知っています』と言ったとします。その者はとても的を得たことを言っています。
しかしその者が『私はジェホヴィ,あなたの中に入ります。なぜなら私はあなたが叶えようとすることを知っているからです』と言ったとします。その発言はさらに上を行っています。なぜならその言葉は,その者の内に秘める御父の力について触れているからです」 - 3日目の朝,ハパチャは眷属たちに余暇活動から仕事に戻るように呼び掛けると,エセナウルたちが歓喜の讃美歌を歌いました。
その後,ハパチャは言いました。 - 「ジェホヴィよ,全てはあなたから生み出されたように,全てのことはあなたに委ねられています。あなたの御声は全ての人間たちに届けられていましたが,彼らはあなたの御声を聞いていません。あなたの目は全ての人間たちを観察していますが,彼らはそのことを信じていません。この単純なことを人間たちに教えるため,彼らの中に神々を据えました。
彼ら人間たちにそのことを理解させ,あなたのことを認識させ,あなたのことを見知らせ,あなたの臨在を意識させ,あなたと一つになるようにすることは,神や主神,そして聖天使たちの務めです。 - あなたの御名において,私はこのあなたの王国における私の後継者となる者を推挙します。あなたの光で,あなたのオリアン長の手で,その者のために王冠を織りあげてください。私は自らの手でその者に,あなたとその王国を戴冠させます」
- 元帥たちは,高い規律を学んだカラカスのペノトの名を読み上げると,ペノトは神の玉座の前に立ちました。
そこでフラガパッティは立ち上がり,こう言いました。 - 「音楽において『基調』がなければ多くの楽器は演奏を合わせることができません。『至高の御方』に対する信仰心がなければ,天使や定命の者たちは協調して暮らすことができません」
- 個々では強くても,多くは協調して動くことで御父の王国を構成しています。
- 天使や定命の者たちはそれぞれ自分と一体化することはできません。しかし全ての者は御父と一体化し,誰もがそれぞれの方法で自分を完全化できるのです。
その後で,人々は互いに一体化していくのです。 - 自分の概念を『至高の御方』に捧げ,僕として仕える者は誰であれ,正しい道を歩んでいると言えます。『宇宙における計画』の中で,自分に適した団体へと流れ着くことでしょう。
- そうして一体化したものは,彼らの周囲に対して強い影響力を与えていきます。『至高の御方』への不信感は,病気や出生前の罪,もしくは『自分の力を過信すること』により霊魂が衰弱することによって引き起こされます。
自分こそが『至高の御方』と思っているような人々に協調などできるわけがありません。彼らには力もなければ団結力も自己犠牲もなく,天界や地球においてほとんど善行を施せずにいます。 - 闇は地球と下天だけに存在するとは思わないでください。第2の復活へと上り詰めた者は,そこから不信感によって転落し,そこから第1の復活に引き戻され,やがて彷徨える霊魂となるのです。そのうちの何人かは『悪と破壊こそが善行』だと信じる地獄に堕ちる者さえいます。他の者はドルジになり,定命の者たちに干渉したり欲望を唆したり,輪廻転生を教えたりします。彼らは最終的に定命の者たちの『
胎児
』や『吸血鬼』となるのです。 - 自分の理想の高みに到達した者は誰であれ,地獄の絶壁の上に立っています。しかし祖先の神が自分にとってあまりにも小さくて,そのために遥か高みを生み出した者は,偉大なる恩人です。
自分の理想の高みに到達した者は地獄の断崖絶壁にいます。 しかし、祖先の神が自分にとって小さすぎると気づき、より高次の神を発明した人は、偉大な後援者です。愚か者は古代の人間を嘲笑します。その者は誰かを蔑むことを喜びとします。しかし賢い者はより偉大なる人物になろうと努めます。
『全人格』を蔑むことは,その御方に仕える人々を蔑むことなのです。 - ジェホヴィを『認識できない存在』へと仕立て上げようとすることは,創造主とは真逆の立場の人物を作るようなものです。創造し,発明し,力を合わせて作るために自分の霊魂を擲つことを学びたいのであれば,正しい道を進むことです。
- 蔑んだり,四散したり,契約を無効にしたり,崩壊させたり,互いに離れ離れになったり,善行の代わりに悪行を見つけたり,賢さの代わりに愚かさを見つけたり,他人の叡智を探すのではなくその無知を暴露するといったことを学びたいのであれば,『全人格』に対して最初に不信感を抱いたところから始めればよく,これら全てのことはその後に続きます。
- 創造主とその子供たちとの間に交わされた契約が崩壊させられると,精霊界の高貴なる王国との『意思疎通による繋がり』が断たれてしまい,彼らは本当に十重二重にも不信感で塗り固められるか,もしくは他の者がどうすれば『全人格』を信じ切り『全人格』への信仰を減じさせずに済むのかが理解できなくなります。
- 『全人格』の不信感に対する悪い結果に関して言えば,個人の時と同じ法則が,団体や王国に対しても適用されます。なぜならある団体は『1人の人格』となり,精霊界の別の王国は『1人の人格』となり,下天の王国も『1人の人格』となり,地球上の王国も『1人の人格』となり,どの王国も,完璧な個人というたくさんの部品が集まった単一の『名目だけの長』に過ぎないからです。
- そのため1人の人間が御父から切り離されてしまった時のように,団体や王国がそうなってしまったならば,滅亡に至ることでしょう。
- 団体内で最も強い者,最良の人というのは,その団体を最も完璧なものに仕立て上げられる人です。
王国内で最も強い者,最良の人というのは,その王国に所属する人を最も完璧に仕立て上げられる人です。
天界で最も強い者,最良の人というのは,その天界に所属する人を最も完璧に仕立て上げられる人です。 - 最も弱い人間はこれらの反対です。『全人格』がいないことを示そうとする者,既に御父から離れてしまった者です。
そうです,その者は自分を非難しているのです。なぜならその者はこう言っているからです。
『私は全人格など見たり聞いたこともないし,信じていない』 - 自分があまりにも不信感を募らせていることに気付き,自分を正す人は賢い人です。
自分があまりにも信用し過ぎていることに気付き,まったく調べもせずに自分を正そうとする者はそれほど賢くはありません。 - 昔から言われてきたことがあります。
第1は『証拠』,第2は『信念』,第3は『信仰』,第4は『所業』
しかし私はあなたたちにこう宣言します,知識を広げるとともに,証拠も揃えていかなければならないと。なぜなら古き時代,信じるように命令された天使と人間たちは,その通りに信じてきたからです。 - ここで下天の主神や神々の多くが過ちを犯しました。なぜなら彼らは天界や地球において知識が進化していくとともに,それを裏付けする証拠も添えて下々に提供しなければいけなかったからです。
神はすぐに答えを出さなければいけません。なぜなら定命の者たちと同様に,天使たちも良き教師がいなければ,何事もうまく回らないからです。 - 昔から言われてきた寓話があります。
ある神がこう言いました。
『ジェホヴィは1本の麦藁の中で暮らしている』
この言葉を信じるように,とある星で暮らす人々に教えたところ,彼らの中に叡智や協調,団結力が育まれました。その後,別の神が来てこう言いました。
『ジェホヴィはいません,なぜなら1本の麦藁の中で暮らすことなどできないからです』
その結果,人々は不信感,不協和,不和となりました。
さて,この2人の神のうち,どちらが『良き神』だと思いますか? - 私はあなたたちにこう宣言します,彼らの行為はどちらも必要だったのだと。なぜなら家もなく姿も見せない状態で『偉大なる霊魂』は,始まりの場所から天使や定命の者たちに教えることなどできないからです。
神々の使命とは,人々が男神女神になろうと志すまで一歩一歩成長させることです。 - この地球上で,定命の者たちは石や木の偶像を通して教えられ,後の時代では彫刻された肖像で教えられてきました。混血した部族の中には,霊魂が天界に続いていることを教えるため,定命の者たちを象った受肉したジェホヴィの姿で教えたり,その苦悩に共感させたりしていましたが,その時は必要なことだったのでしょう。
しかしこうした『ごまかし』はコスモンの時代では取るべきではありません。 - この天界は,地球の他の天界以上に精霊界の王国から注目を集めることでしょう。
この天国は、地上の他のどの天国よりも、エーテルの王国によって注目されるでしょう。 あなたの下で、たとえ地球のこの地域であっても、定命の者はまず御父の王国を支持するでしょう。 - 全てにおいて何よりもあなたは『全人格』『偉大なる霊魂』に対する信仰の種を蒔いてください。あなたが種を蒔き,あなたの天界でジェホヴィの王国を建国したように,いずれ来るコスモン時代において,同じ教えが定命の者たちの精神に根付くはずです。
- あなたたちはいかなる状況であれ,神や主神,救世主がこの天界や地球において崇拝の対象となることを許してはいけません。なぜならここは全ての偶像,神,主神,救世主や,『偉大なる霊魂』ジェホヴィを除く全ての崇拝される者を打倒するためにジェホヴィに捧げられた土地だからです。こういった偶像はこの天界やこの地に効力を持たせてはいけません。しかし天使や定命の者たちの精神に『あらゆる光の光』『全人格』ジェホヴィを確立するため慎重にならなければなりません」
- フラガパッティは話し終えると,ハパチャに合図してイプセオジーの神ペノトをハパチャの後任として任命しました。
ハパチャは立ち上がってこう言いました。
「ジェホヴィの息子ペノトよ!
ジェホヴィが望まれれば,あなたは今後600年間の神に選ばれました。あなたは試験に合格し,全ての者たちの上に立つのです。 - あなたは天界の多くを旅することが好きでした。あなたにとって良かったことは,『偉大なる長』の統治者が涅槃から来訪する多くの特使のことをあなたに説明してくれたことです。
- この世界が今旅しているこの原野の統治者が,あなたの前に立っています。彼はあなたとその民に話してくださいました。
あなたはその言葉に耳を傾け,叡智と力によりその王国を一つにまとめるように心掛けなさい。 - 私は代理を指名することで精霊界を訪問しますが,あなたは違います。あなたはこの長と心を一つに合わせることで『あらゆる光』に順応し,すぐに代理権を行使して彼の地を訪れることができるでしょう。
- そして600年後,あなたとその収穫物は精霊界の眷属たちに呼ばれることでしょう。彼らを迎える準備をしてください!
あなたは出発する前にこの地を十分に任せられる者を育てておき,この地を託さなければなりません」 - ペノトは言いました。
「あなたとジェホヴィの御意志を叶えてみせます!
私に与えられた使命を,私は自分の叡智と力を全て使い,遂行します。
ジェホヴィよ,私を助けてください!」 - ハパチャは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたから授けられた叡智,力,愛を行使し,あなたの息子を今後600年のイプセオジーの神に任命します。
ジェホヴィよ,彼とその働きにおいて,あなたに永遠に栄光あれ!
アーメン!」 - ペノトは言いました。
「ジェホヴィよ,私はあなたと契約を交わします。
あなたの栄光のために永遠に。
アーメン!」 - エセナウルたちが歌いました。
「ジェホヴィよ,あなたの光と人柄を讃え,高らかに歌います!
我らの神ハパチャよ。ジェホヴィが呼んでいます!
ようこそペノトよ!
ジェホヴィよ,あなただけが永遠にここに残ります!
栄光あれ,創造主たるあなたに栄光あれ!」 - 音楽が鳴り止むと,フラガパッティの頭上に光が集まり輝きました。その光からジェホヴィの御声が聞こえてきて,こう仰せになりました。
- 「最初の日,私は地球の大地に息吹を与え,人間は『生きる精神体』となりました。
その次に私が地球に手をかざすと,人間は力を持ちました。 - 今,私は地球の近くで声を届けています。
あなたたちは私の命令を守りなさい。
私の声が定命の者たちに聞こえる『第3の時代』は必ずや来ます」 - 御声が聞こえなくなると,フラガパッティは光を上質な亜麻のようにその手で掴み,3回ほど回すと最も輝く赤みがかった色合いの王冠が織られました。
フラガパッティは言いました。 - 「ジェホヴィよ,あなたの王冠の中の一つを,私はあなたの息子にしてイプセオジーの神のために織りました」
フラガパッティは王冠をハパチャに手渡すと,ハパチャはこう言いました。
「御父よ,あなたの御名において,私は彼を,今後600年のイプセオジーの神として戴冠させます。
御父よ,彼の者と共にいてください!
アーメン!」
【25章】
- 4日目が終わり,フラガパッティは眷属たちにアヴァランザに乗り込むように命じました。元帥たちは最初に6,000万人のイプセオジーの息子や娘たち,次に1,000万人のゼレドの人々,その次に500万人のフラガパッティの従者にして最良の精霊人の順にアヴァランザに乗り込みました。
- 彼らがアヴァランザに乗り込むと,フラガパッティとホーブ,ヤトンテ,ハパチャが立ち上がり,『沈む太陽』の御印を刻んだ後,降りて王座の足元に座りました。
- 神ペノトが降りてきて,フラガパッティの手を取って言いました。
「立ってください,主よ!」
御父が呼び掛けました。
フラガパッティは立ち上がり,傍に控えました。次に神はヤトンテを立ち上がらせると,彼は傍に控えました。次に彼はホーブを立ち上がらせると彼は傍に控えました。
そして最大の試練が訪れました。
彼はハパチャの手を取り,こう言いました。
「立ち上がってください,神よ。偉大なるジェホヴィがあなたを呼んでいます!
さあ,行ってください」 - しかし2人はお互い抱きしめ合い,それぞれの腕の中で泣き出しました。
ハパチャは言いました。
「御父よ!」
ペノトは言いました。
「主の御心は成し遂げられました!」
光がこの場に集まり輝きました。フラガパッティは前へと歩き出し,次にヤトンテ,その次にホーブ,その次にハパチャが続きました! - ペノトは玉座に戻りました。エセナウルたちが歌い,上天の『火の光』がこの場に降り注ぎました。甘い夢のような幕引きとなりました。フラガパッティとその眷属たちは去りました。
- 蜜を積んだ蜜蜂が花畑から自分の家に飛んで戻るように,フラガパッティは積荷を載せたアヴァランザに乗って,ジェホヴィの御手の中の流れ星のように『天界の天蓋』を通って速やかにハライティに戻りました。
- ハライティの神にしてフラガパッティの補佐役であるアトラヴァは,アヴァランザの到着と,そこにハパチャとその眷属たちが乗っていることを知っていました。
アトラヴァは盛大な歓迎式を催そうと決めました。 - アトラヴァは1,000マイルの広場に火の柱を2列に並べて建てると,アヴァランザはその間を通過しました。柱の近くには,100万人のトランペット奏者とハープ奏者が100のグループに分かれて配置されていました。彼らはとても整然と待機していたので,アヴァランザが通過した時,そのまま乗り込めるほどでした。
- フラガパッティが国を空けている間,アオスの地獄で拷問と狂気から救出された1億5,000万人以上の霊魂が意識を取り戻していました。
- 彼らについてアトラヴァはこう言いました。
「あなたたちは彼らに最も派手な衣服を着せて,ハパチャのイヒン人の眷属への贈り物として,香水や花,松明を担う者としなさい。新たに目覚め,アヴァランザに乗せたい者たちに受け入れさせるため,光を着陸場所に下ろしなさい」 - アトラヴァは言いました。
「モウルに関して言えば,光の壁の中では,その光の強さは『7』ですが,フラガパッティが玉座に登られると,その強さは『9』に引き上げられます。ハライティにおける『9』の強さは,天高原ではその50パーセントに相当します」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「もし彼らが光への耐性を上げれば,私の精霊界の眷属に受入れられやすくなります。なぜなら彼らは長らく地球に住んでおり,精霊界の光を渇望しているからです。
しかしあなたはこう考えるでしょう,ここには精霊界の光に耐えられない何十億人という大気人がおり,わずか数パーセントしか耐えられないと。光の壁の中には,その壁に守られた闇堕ちした『私の眷属たち』がいますが,あなたはその中で彼らの光への耐性を『9』にまで高めるようにしてください」 - アトラヴァは言いました。
「そうなったらモウルの壁を乗り越えることができ,その日,彼らは白く光り輝くことでしょう。そうなれば,光に対する適応度で彼らを振り分けることができます。
ハパチャと共にいたイヒン人は壁を乗り越えられるでしょう。なぜなら同じ方法で実体界の町に入ったからです。それに光への耐性もあります。しかしハパチャと共にいたイフアン人は,光がない世界を望むでしょう。彼らのために喜びと安らぎの場所を用意してください」 - しかし精霊人に関して言えば,アトラヴァの命令は必要なかったのです。なぜなら彼らは指示がなくても,必要なことは自分で気付いて手を回せたからです。
【26章】
- フラガパッティがアヴァランザに乗って『火の道』に入ると,そこにはアトラヴァが配置していた音楽家や船乗りたちがいました。船内の眷属たちは喜びのあまり礼儀を大いに崩し,最高の盛り上がりでトランペット奏者と一緒に叫んだり歌ったりしました。彼らの多くはオリアンの状態にあり,中には涅槃人に至った人もいました。ジェホヴィの花嫁花婿たちより上の三流の人物でさえ,夢中になり,見たり聞いたり知ることで男神女神のような存在になったのです!
- これらは光による発作的な状態に過ぎず,時間の経過とともに我に返り,落ち着くことができました。なぜならジェホヴィは,人間に対してある呪文を掛けていたからです。それは人間が自分の成長より先に進んでしまったら引き戻すというもので,いつもの健全な状態に戻れるように『我に返る』ことができるのです。
- 道の両側にはハパチャの眷属やグアタマの定命の者たちに向けた格言や案内が掲げられていました。ハパチャはこれを見て,
「どうすればこんなことができるのでしょうか?
この情報を神々はどうやって得たのでしょうか?」
しかし彼の心に向けて光が訪れ,こう仰せになりました。
「下の領域にいる人間への助言や善言は,上の領域にいるジェホヴィの特使からもたらされます」
近くにいたホーブがハパチャの言葉を聞いてこう言いました。
「人間や霊魂たちはどうすればそういった助言や善言を取り入れることができるのでしょうか?
『あらゆる光』への道にこのような標識を掲げるなんて誰が考えたのでしょう!
人間が自分の心の中にある『忌まわしき罪』のせいで呪いや憎しみの言葉を吐いたり,他者への災難を祈ったりすると,人間は深き闇へと陥ります!
その後,それが現実のものとなった時,自分の武器の致命的な破壊力に愕然とするのです。
憎しみの言葉が持つ『恐るべき刺突』を理解している人は本当に少ないものです。それは風のようなもので,吹き抜けるものの何も見えず,しかしその者の果実は市場に送られて,天界の標識に掲げられてしまうのです!
憎しみの言葉を吐いた者は,自分の口が吐き出したその毒を自分の同朋に食らわせているのです!
人間が殺傷力を持った槍を投げたとします。その槍は大地に落ちて横たわります。しかし言葉や発言はもっと強力で,精神に深く刻まれるのです。
確かにあなたやその眷属は良心的で『純心』という巻物を持ってハライティに入るのです! - 船が光の中を通過すると,精霊人の音楽家が船内に入り,ハパチャやその眷属たち,特にイヒン人たちに会って,この周期の終わりに下天から送られる最初の収穫物になることを祝いたいと願っていました。不思議なことに,そこにはセタンテスが地球の最初の夜明けの時に用意した数のちょうど2倍だったのです。
フラガパッティは精霊界の『ゴンの道』に所属する特使を呼んで,こう言いました。
「セタンテスの所に行って,こう伝えてください。
『ジェホヴィの御名においてこんにちは!
地球はフラガパッティの家があるオブソドとグーマチェラに到着しました。私フラガパッティが,ハクの最初の収穫物にして65階級の6,000万人に代わって,あなたに愛と喜びの言葉を贈ります』」 - 使者のうち,400人が出発し,残りの800人はアヴァランザに待機しました。
- ドルジたちは派手な服を着ていましたが,着陸すると光を恐れて少し後ずさりしていました。船が壁に近づき速度を上げると,モウルの元帥たちは200万人が前に出てきて,階段を上ることを選んだ全ての人々を先導しました。
- ハパチャの眷属は信仰心が非常に強かったため,5,000万人が『火の海』の中を通り抜けて,こう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたに栄光あれ!
世界の創造主よ!」 - 彼らの篤い信仰心を見たアトラヴァは,彼らを応援するように赤と青の光を灯すように命じましたが,その光に怯んだり背を向けたりした者は誰一人いませんでした。
彼らの多くは,男神や女神の栄光や力を初めて見た者でした。モウルの各所は光に照らされていました。神殿の構造は,何十万もの鏡や透鏡,透明や不透明の水晶,半透明や不透明の円や門が張り巡らされており,広く大きなものでした。どの場所からも異なるように見えて,それでいて別な場所から見ると,互いにそれぞれを美しさと完璧さの点で上回ろうとしているかのようでした。
何億ものもの、それはどこから見ても、 別の場所から見たときとは異なり、まるで各ポジションが美しさと完璧さで他のポジションを上回ろうと努力しているかのようでした。そのためこの宮殿を1,000年間歩き続ける人がいたら,壮麗さに磨きをかけていくこの宮殿はいつも真新しく見えて,いつまでも見ていられることでしょう。 - そして驚くべきことに,何十億人もの顔がどこにいても見えるようになっており,彼ら全員はジェホヴィの天界の住居を彩るために創造された宝石のように,この神殿の一部また一支柱に組み込まれていました。
- ホアブはいつも「天使や定命の者たちはいつかこんな宝石を作りたいと努力するでしょう!」と口にしていましたが,ハパチャはこの神殿の壮観や規模に圧倒されて何も言えずにいました。
ヤトンテは言いました。
「フラガパッティよ,あなたが玉座に就きましたら,私はヤトンテの王国に戻ります。それまで私はここで休息させてもらいます」
フラガパッティはヤトンテと握手しながら言いました。
「ジェホヴィがあなたと共におりますように!」 - ヤトンテはその場に残りましたが,ホーブとハパチャはフラガパッティと行動を共にしました。全員の目は彼らに,特にハパチャに向けられました。ハパチャはジェホヴィへの篤い信仰心により,下天に叡智と愛をもたらしました。
彼らが玉座に向かって歩き出すと,偉大なるアトラヴァは立ち上がり,彼らの手を取って迎えました。
アトラヴァの隣と背後には5人の女神がいました。
・『ウチェとロク』の女神エスロー
・『精霊界のヘミツァ,ムボイドの谷』の女神グイサヤ
・フエヴィティブのかつての故郷『ウォタバク』の女神シティサヤ
・『ヌーとポルテ・オーガ』の女神クティヴィ
・オブソドの『南精霊界の金庫』にあるズータとヒチャウ付近にある『南スヤクの道』にある『ソリジの沼地』の女神リナヴァ - 女神たちも立ち上がって手を差し伸べました。するとその存在感により玉座から後光が差して評議会全員に光が広がり,ジェホヴィの神殿にいる全員が玉座と繋がったことでその場にいる全員の会話が誰にもはっきりと伝わるようになりました。
- アトラヴァは言いました。
「ジェホヴィの御名において,お帰りなさい,フラガパッティよ!
そして眷属たちもようこそ!」
女神たちも同じ言葉を繰り返すと,その言葉はこの会場の聴衆に響きました。
フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において私は愛する人たちを送り届けます。
御父よ,私たちと共におられますように。あなたに栄光あれ!
私の民草,そしてジェホヴィの息子ハパチャをお受け取りください。ハパチャは暗き夜に長らく身を置きながら,ジェホヴィへの信仰を抱き成長した者です。
ご覧ください,私は彼の者とその眷属たちを,この夜明けにおいて送り届けます」 - 新しい太陽が昇ったかのように,ハパチャを讃える『西の光』の象徴である『赤み』を帯びた『ジェホヴィの光』が玉座を越えた所に現れました。その光はフラガパッティの頭上に留まり,最も強く輝くと,その光からジェホヴィの御声が聞こえ,こう仰せになりました。
- 「私は地球で生まれてくる子供たちを,私の息で創造します。
私は新しく生まれてくる霊魂を,私の手で活気づけます。
私は信仰者の精神を,私の光で照らします。
ご覧なさい,私は『至高者の場所』で暮らし,すべての創造物の『最も低き場所』でも暮らしています。
私を見つけようとする者がいれば,私もその者を見つけます。
私に誓いを立てる者がいれば,私もその者に応えます。
私の息子にして,人間たちの救世主ハパチャよ!
私の光の下であなたを戴冠させます!」 - 御声が消えると,フラガパッティが玉座の中央に行って光を手に取ると,それで王冠を作り,ハパチャの頭に載せた後,こう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの王冠の一つを,私はあなたの息子に戴冠させました!
あなたの光において,彼の者が全ての創造物に対して永遠に愛を与え,賢く力強くありますように」 - その後,女神たちは彼らを迎え入れ,式典の後に全員を席に着かせると,フラガパッティは玉座の中央に進み,アトラヴァはすぐに神の代行を辞任しました。
エセナウルたちが歌い始めました。
「『あらゆる光』に栄光あれ!
上天下天の王国の人々よ,私たち兄弟姉妹の家によくぞお越しくださいました!」 - 感謝の気持ちが自然に沸き起こり,5,000万人のハパチャの眷属たちが立ち上がり,返事しました。
「私たちがあなたの御言葉を見つけるにはどうすればいいのでしょう!
あなたの息子や娘たちへの愛に対して,私たちはどう報いればよいのでしょうか?
御父よ,私たちに光と清き心をお与えください!
彼らとあなたの前に曇りなき心を!」 - しかしその歌は長く,上天の歌劇のように何百万もの人々が次から次へと輝きや喜びを交えながら歌いました。
- 音楽が鳴り止むと,フラガパッティは言いました。
「ダンの夜明けが近づくと,この眷属たちはジェホヴィの花嫁花婿として迎えられ,精霊界のグーマチェラの領地に昇天します。彼らをハライティのいくつかのグループに振り分けて,精霊界の教師たちを用意してください。
これを達成するため私は1日の余暇活動を宣言するので,翌日,仕事順に集まってください」 - 元帥たちが命令通り宣言すると眷属たちは余暇活動に入り,精霊人たちはハパチャと共にいた大気人たちに大喜びで駆け寄り,誰もが彼らとの交流を望みました。
【27章】
- 彼らが仕事に戻る時,フラガパッティは言いました。
「私の眷属たちのために,光の強度を2段階引き上げます。その場合,ハパチャの眷属たちを(ハライティの)フカイラ原野に引き下がらせるのがよいでしょう。そこは既にアトラヴァが彼らのために教師や場所を用意してくれています」 - ハパチャの眷属たちは,光に耐えることを選んだ100万人以外は,案内人に引き連れられてフカイラ原野に退去しました。これらの準備が行われている間,エセナウルたちは歌い続け,彼らが退去し終えると音楽を止めました。
- 元帥長が言いました。
「特使が何もせず控えており,ジェホヴィの玉座とその神に敬礼し,聴衆に祈りを捧げています」
フラガパッティは言いました。
「彼らはどこから来たのですか?
そして彼らは何の使命を受けているのですか?」 - 元帥は言いました。
「ハウツのアオアス原野から来ました。彼らの任務は『オシヴィの群れ』に関することです」
フラガパッティは言いました。
「エミュッツの御印により彼らを許可し,御父の御名において神からのご挨拶として伝えてあげてください」 - 元帥は退室しましたが,しばらくして1,000人の特使を連れて戻って来ました。その中の1人は女神アリエウヌでした。彼女は玉座の左の方に近づいてきました。
フラガパッティは言いました。
「女神アリエウヌよ,ジェホヴィの御名においてあなたにご挨拶申し上げます!
どうぞこちらまでお越しください」 - アリエウヌは言いました。
「フラガパッティよ,そしてあなたの眷属全員に,愛を込めてご挨拶申し上げます。
私は,かつてホレドの天高原があり,今も10憶人が『群れ』として残っている場所の,12の階層があるハウツの原野から何日もかけてこちらに駆け付けました。このことはジャフェスの主上神オーエンに報告しており,オーエンは全ての力を揮い,私をこちらに送ってくださいました」 - フラガパッティは言いました。
「それは良かったです。あなたは自由です!
ホーブよ,あなたにその『群れ』を解けますか?」
ホーブは言いました。
「やってみます」
フラガパッティは言いました。
「あなたにアトラヴァを同行させますが,実際に成し遂げるのはあなたです。
あなたは私の精霊人の中から眷属を選び,あなたが彼らを連れ帰った方がよいと判断した時のことを考えて,十分な大きさの乗り物を手配しなさい。
その後,記録庫の長官と一緒に退室し,眷属を選抜した後,乗り物を建造し,準備をしておいてください」 - ホーブは言いました。
「ジェホヴィの御助力により私は彼らを救済します」
彼は記録庫の長官と一緒に敬礼し,選抜するため退室しました。彼は眷属の半分に相当する50万人を医師と看護師で固めました。
その間,彼はフラガパッティに命じられたように,職人に十分な大きさと強度を持った乗り物を建造させました。
7日ですべての準備が完了し,ホーブは眷属たちに船に乗り込むように命じ,彼もまたアトラヴァと共に乗り込みました。
彼らは女神アリエウヌの『矢船』に案内されて,『群れ』の場所に向けて出発しました。
【28章】
- 女神アリエウネは,ホーブの船の速度に合わせて矢船の速度を落としました。彼らはロケットが推進するように,ジェホヴィの要素を技巧的に扱える乗組員や司令官によって製造された燃料を船体から絶えず噴出し,一緒に速度を上げて進んで行きました。なぜなら定命の者たちが海を越えたり気球を飛ばすように,神々や霊魂は星々や太陽の間にある大宇宙を航行する強力な船を建造し,進んで行くからです。
- そして最も繊細な球体を高く上昇させた精霊人が,船を実体界の密度の濃い階層に潜らせようとする時,今度は待機していた船員が重りを用意し,送風機を回転させて,進行方向に合わせるようにスクリューを逆回転させます。彼らはそういった技能を学んだら,熟練度に応じて階級や等級が与えられます。その大半は1,000年の見習いの後,こういった要素の取り扱いや密度の知識に習熟した技術者になり,何十億マイルという天界の道路であっても彼らにとってただの教本に過ぎない存在となるのです。
- 彼らにはこういったジェホヴィの広大な領域に精通することが求められており,特に緊急事態や何百年も航行する場合はこの技術は非常に重要なものとなります。なぜなら,ある神が「私をあそこに連れて行ってほしい」と言ったら,彼らはその要求に応えるため,どの道が安全で,どの渦や渦巻が危険なのかを知った上で,最短の道と必要な推進力を導かなければならないからです。
- なぜならジェホヴィは実体界の海に氷山を作ったように,貿易風の重たい風や海流といった船にとって危険なものがあったからです。どれだけの熟練した神であっても精霊界の宇宙の海流や密度というのは,先を急がない旅であれ,緊急で先を急ぐ旅であれ,天使や定命の者たちを苦しめるものとなるのです。
- 男神や女神が最高評議会の決定により突然遠く離れた場所に派遣された場合,どの案内人を選べばよいのか知っていなければならず,同様に,必要に応じて救いの手を差し伸べられるぐらい問題を理解していなければなりません。なぜなら案内人は船を操縦する特使を抱えておらず,5万マイルの短い旅でさえ,実体界に降下するような100万マイルを航行する技能が必要になってくるからです。
- それを知っていたホーブはうまく対応しました。彼らは荒廃した天高原に近づくまで,矢船の後を追っていましたが,『破砕流』がやって来るとアリエウヌが傍にやって来ましたが,ホーブの船がそれほど広くないことに気付き,速度を上げました。
彼女はホーブに言いました。 - 「ご覧ください,もうそろそろ目的地です」
ホーブが尋ねました。
「この荒廃した国で『群れ』をどうやって見つけたのですか?」
アリエウヌは答えました。 - 「ジェホヴィが女性を創造されたとき,好奇心と他者への気遣いという2つの主な属性を与えられました。そしてここを通過し,最初の天界の王国があった場所を調査しましたが,かつて天界の植民地があったこの島々をアフが去ったことを思い出し,私は調べるのをやめました。
恐ろしい呻き声が私を襲いました!
私は前に他の場所で聞いたことのある『オシヴィの群れ』を聞いていたのです。 - 私はすぐに着陸し,耳を突き刺すようなこの悲しい叫び声の場所を探しに行きました。すると10憶ものドルジたちが山のように束ねられた大きな塚のような『群れ』になっていました。そこには全てがまるで死の危機に瀕しながらも死ぬことが許されず,それでいて声も出せずに唸るしかできない嘆きがありました。
- 私にはこのような恐るべき状況を覆せるだけの力がなかったので,近くにいた神を探して,『群れ』の規模を測り,あなたが聞いたようにその場所を目指して出航したのです」
- ホーブは言いました。
「ジェホヴィよ,私は毎日あなたの叡智に驚かされます!
新しき光の中で,あなたの素晴らしき裁きがありありと浮かび上がります。しかし御父よ,あなたの娘たちの中で,完璧に作られた好奇心の果実を見た者はいたのでしょうか?まだ小さな蕾に過ぎない定命の者から,収まりきらない天界に住まう女神たちまで!」 - ホーブが話したように,彼らは速度を上げて着陸地点に到着すると『群れ』の場所まで駆け付けました。
大した騒ぎもなく,ホーブは低い火で『繋ぎ目』を囲うと,東の方に門を作り,そこには1,000人の衛兵を置きました。100万人の軍隊を壁のすぐ外側と,さらに壁を越えた所に配置し,彼らを選別者,衛兵,医師,看護師,使者,火と水の製造者のグループに分けました。選抜者は火と水の杖を持たされ,衛兵には盾と日よけが持たされました。 - 次にホーブは繋ぎ目と門の間にさらに別の100万人を配置し,彼らを4列に並ばせて,2列ずつ2歩分だけ離れた状態で向かい合わせました。この列の間はまるで両脇を壁で守られた路地のようでした。
残りの300万人に,ホーブは『群れ』の四方を囲ませました。彼らの右手には全員に『火のランプ』を持たせました。
こうして全ての準備が整うと,ホーブは攻撃を命じました。すぐに攻め手はドルジの顔に『火のランプ』を突き立てて,一方の手でドルジを掴み引き離しました。ドルジはランプの光を見て,全員が『群れ』を手放そうとはしませんでしたが,手放す前に光のせいで火傷になり窒息しそうになったのでした。この行為は悪ではなく,恐怖によってもたらされたものでした。 - その群れは何百万人以上でも以下でもない烏合の衆に過ぎず,混乱した何百万もの霊魂は自分たちの長に襲い掛かりましたが,この長たちには彼らを統率するだけの力はなく,すぐに群れの中央に弾き飛ばされてしまいました。
- このように救済者が群れの外側から狂気や唸り声を剥ぎ取っていった後,後ろの方の虜囚を集めていた場所に投げ込むと,今度は路地の方に送り込まれ,火の壁の門を潜るまで前の方にと押し出されて行きました。そのためドルジたちは顔に火のランプを突き付けられた瞬間からその場に留まることができず,目まぐるしく転々とさせられたので誰かや何かにしがみつくこともできないほどでした。なぜなら彼らは救済者にまでしがみつこうとしていたからです。最初の者がしがみつくと,別の者もしがみつき,すぐに2番目の『群れ』が誕生します。そのため1,000万人の狂った天使たちの群れを解くというのは非常に危険な行為であり,500万人の精霊人が取り掛かるぐらいあまり例を見ない一大事業だったのです。
- 予想外の事態に備えて,ホーブはアトラヴァにドルジたちが壁を越えてしまったら送り返す役をお願いしました。なぜならアトラヴァはこういった問題を何千年もこなしていたからです。
アトラヴァはドルジたちを各グループに分けて,火の杖を持った衛兵に監視させました。かれて,火の杖を持った衛兵を監視に付けました。場合によっては各グループを連れ去り,火で囲みました。 - ここまでで『群れ』のうちの5億人が解放され,他の『群れ』はグループを結成し,『群れ』に自分を括りつけようとしました。
これを見たアトラヴァはホーブにこう言いました。
「ご覧なさい,彼らは私の眷属よりも多くなってしまいました。衛兵が足りていません」
ホーブは言いました。 - 「私はしばらくの間彼らとの戦いをやめて,あなたを手伝うことにします」
ホーブは戦いを一時中断し,アトラヴァたちと行動を共にし,小さな群れを解き,彼らを安全な方法で整理後,十分な数の衛兵を配置しました。 - 完了後,エセナウルたちは活気のある音楽を鳴らし,踊ったり行進したりしました。なぜならそれが神々の行っている更生の手続きだからです。
その後,看護師たちがやって来て,励ましの言葉を朗らかに口にしながら他の物に気を逸らさせながら,素早く片付けていきました。しかし医師たちは根っからの狂人や愚か者,無力な盲人には注意を向けません。 - ホーブとその軍隊は『群れ』に向かうと,再び外部の者たちを引き離し,外へと投げ出しました。しかし救済者はそれほど早く手薄になるわけでもありませんでした。なぜなら彼は壁の外側にもアトラヴァへの援軍を100万人残していたからです。
他の3億人を救済した後,ホーブは戦闘をやめてアトラヴァと合流し,捕らえた彼らを前回同様にグループ分けしました。彼は別の100万の軍勢をアトラヴァに送ると『群れ』への攻撃を再開し,手元の軍勢を少しずつアトラヴァに回しながら,10憶のドルジたちが集結している『群れ』の中心に届くまで攻撃を続けたのでした。 - そしてホーブが『群れ』の中心地に辿り着くと,そこには偽神オイベがいました。彼はソーを名乗る精霊人でした。『群れ』の中央には希少価値がある宝石や盗まれた王冠や御印,杖,聖水,壺,香水や,壊されたジェホヴィの車輪や神々の三角形がありました。実際にこれだけで1冊の本が書けてしまうぐらいの分量でした。
偽神とその王国は滅亡し,その玉座の栄光は終焉を迎えたのでした。また偽神に仕えていた7人の偽主神も一緒に恐るべき破滅を迎えたのでした。 - 長らく酒池肉林といった放蕩生活を続けていた者たちが今まで経験したこともないような恐怖で精神が錯乱し慄くように,『群れ』の中に監禁されていたオイベとその主神たちは恐怖で凶暴化し,力の限り泣き叫んでいました。もしくは今まで圧迫されて感覚が麻痺していた手のように,それまでの圧迫が取り除かれたのにまだ自由になっていないような感じでした。それなのにオイベとその主神たちは自分たちが自由になったということを信じておらず,助けを求めて泣き叫んでいるのでした。
- この時,ジャフェスの神オーエンから40人の随行者と500人の見習いを連れた使者が到着しました。使者はトゥルベという大気人で,300年前に第2階級となりました。
「ジェホヴィの御名においてオーエンよりご挨拶申し上げます!」
トゥルベは次のように続けました。
「今回の救済の名誉について,ジェホヴィを除いてどなたにお話しすればよろしいのでしょうか?」
アトラヴァが言いました。 - 「ハライティの首都モウルに滞在中のフラガパッティの門弟であるゼレド人ホーブにどうぞ」
アトラヴァはさらにトゥルベに名前と出身,特にこの『群れ』について知っていたこととその発生起源,歴史について質問しました。
トゥルベはこう答えました。 - 「私はオーエンから次のように聞いています。
400年ほど昔のことになります。数多くいた副神たちの中でオイベはその謙虚さと鳥のような機敏さから,フラガパッティによってイフアン人の管理者サマティによって引き立てられました。今回ホーブが救済したオイベは,かつては尊敬されるような信仰篤き副神だったのです。
彼の王国は200年間繁栄し,その名と名誉は天界中に,そして定命の者たちにも知れ渡っていました。定命の者たちは,彼を崇拝する霊魂たちの啓示を受けて,鳥(オイベやアイビス)の偶像を作り,オイベに捧げました。 - 彼は甘言に絆されてジェホヴィへの信仰を失い,ついには無信仰者となり,『至高の御方』などいない,自分を崇める以外の神は認めないと言い出したのです。
彼の領内には10憶人近い天使と20人かそれ以上の主神がいて,オイベは個人的な賞賛と栄光を求めて,彼らに自分の考えを説得して回ったのです。 - 20年ほど経った頃,オイベとお気に入りの主神の数人とで新しい王国を宣言しました。その王国は『至上の天界における至高の王国!』というものでした。
彼が決めた肩書は『あらゆる光のただ一人の息子ソー』だったのです!
ソーこそが『あらゆる光』の人格者!
ソーこそが『宇宙の始まり』ミーの息子! - こうしてオイベは真なる神とその王国から袂を分かち,自分の王国を強力な軍隊で守らせて,最も自分を崇めてくれる者の中から7人を主神に,それ以外の者は将軍か隊長に昇格させました。すぐに彼は自分の玉座と首都の拡大と強化を図りました。首都の名はオシヴィと呼ばれました。そこは正しい地図では『ハウツ』として知られた場所です。
- 100年で彼の王国は20億の霊魂が住まう王国となりました。彼の首都オシヴィはこの天界では見たこともないぐらい,最も富み,最も煌びやかな都市となりました。道路は高価な石で舗装され,自分や主神,元帥や将軍が住まう宮殿は最も高価な宝石が嵌められた柱で建てられ,職人が技巧を凝らしたり高価な材質を使った門や部屋が備え付けられました。
- オイベは暴君となったのです。主神やお気に入りの友人以外,警護の兵であっても腹這いで進むことしかその玉座に近づくことが誰も許されなかったのです。また遠く離れた所からでしか,彼を仰ぎ見ることが許されませんでした。全ての臣民は進歩的な統治下にあったとはいえ,実際には奴隷でした。奴隷たちは大気界から遠く離れた場所に送られるか,地球に降下させられ,ソー(オイベ)やそのお気に入りの栄光のために貢物を集めさせられたのでした。ただ,この奴隷たちはジェホヴィのために働いていることを疑っていたわけではないのです。ジェホヴィは首都オシヴィで暮らしていると信じていたのですから!
- 最初,ソーは奴隷たちを教育したり発達させたりしていました。しかし知識が彼らを従順でさせなくなるということが分かると,最終的には全ての天界から学校や大学を破壊し,永遠に無知のままでいさせようとしたのです。その結果,賢い者は役人以外は彼の下を離れ,知識がない天使たちはソーのために永遠に働くこと以外,何も知らずにいたのです。
- 知識を与えずにいたことに加え,ソーは,唯一の人格者『あらゆる光』ジェホヴィである自分への祈りをやめたら恐ろしい罰を下すと脅すことで,自分に対する恐怖を臣民に植え付けていきました。
やがて時が過ぎ,人々は他の天界や他の神に対する全ての願望を失ってしまいました。彼らの多くは守護霊として定命の者たちと暮らし,ソーとアイビスを崇拝するように定命の者たちを説得し,仮にこの命令に従わない場合,死後に蛇や蟾蜍に変えてしまうと脅すように命じられました。 - こうして偽神ソーは400年間,オシヴィに君臨し,サマティでもこの王国を打倒するだけの十分な力を持った軍隊はありませんでした。
しかしついに変化が訪れたのです。1筋の光が上天から6世代前に降臨したのです。古くからの言い伝えによれば,『上天の神々が仲裁するのは不吉』というものでした。 - サマティはこの言い伝えを利用し,ソー,またはオイベに使者を送り,今までの悪道を改めてジェホヴィを再び信仰するように説得しました。ソーの偽者はこう返事しました。
『私は子供の頃,ジェホヴィを恐れるように教えられ,そうしてきました。その後,いろいろな経験を得て分かったことは,どのような世界であっても恐れることは何もないということでした。もしもジェホヴィが存在していても,姿形,人格,感覚はありません。
だから彼を恐れないのです!
私は彼を崇めません!
私の天界では私と私の主神だけで十分なのです。私の臣民に関しては,誰にも口を挟まれたくありません。それが神や主神であってもです』 - サマティは全ての天界と地球における正当な神でしたが,ソーの奴隷たちに手を差し伸べる術がないことに気付きました。なぜなら奴隷たちはソー以外の誰かや何かを望むにはあまりにも無知だったからです。それでも彼はソーにもう一度使者を送り,こう伝えました。
『もしも非常事態が起きたら,あなたの臣民はあなたを守るだけの十分な知恵が不足しています。もしも彗星や突然の光,あなたの領内を通過するアヴァランザがやって来たら,あなたは必ずや1つの『群れ』として滅ぼされます。あなたの臣民はあなたのことを『至高の御方』として見ています。彼らは必ずやあなたの下に駆け付けるでしょう』 - これに対してソーは侮辱的な回答を返しました。
この問題はオーエンがジャフェスとその天界の神として任命されるまで続き,オーエンが就任すると,すぐにソーの使者が定命の者たちに向かう道を遮断し,彼を自分の王国内に閉じ込めたのです。この時,サマティは定命の者たちの中で『神の言葉』を確立する役目を請け負っていましたが,彼はソーの立場についてオーエンに伝えました。 - オーエンはソーの偽者に使者を送り,その人格を捨てて,その王国とともにジェホヴィの下に回帰てくれればできる限りの手助けを約束すると言って説得しました。
これに対して,ソーの偽者は使者を送り,こう回答しました。 - 『オーエンは簒奪者です!
あなたが私の好意を得たいのであれば,他の神や天使たちがそうしているように這いつくばって私の所に来るべきです。
私の至高なる王国に微塵も触れたり侵したりしないでください。もしもそうしてきたら,私はあなたを鞭打ちと呪いの言葉で『悪しき世界』へと追い返します!』 - オーエンは驚きましたが,オイベの方で何か問題が起きるまで自分にできることは無いと悟りました。
やがてその時を迎えました。ジェホヴィは彼が自分勝手な栄光を十分に満喫するまで放任したのでした。
こうしてオイベは倒されました!」 - トゥルベが話し終えると,アトラヴァは言いました。
「ジェホヴィよ,いつになったら人間は堕落するのをやめるのでしょうか?
あなたは高き場所,低き場所に関わらずいかなる場所にも臨在すると宣言されました。
あなたの神や主神,無数の天使たちはあなたのことを慕っています。
あなただけが宇宙共通の『合言葉』なのです!
あなたの御名は,闇や光の中にいる定命の者や天使たちの心を勝ち取るため,1,000の崇高なる装置があるのに,彼らは太陽や星,無数の精霊界の創造主であるあなたの下から離れていきます!
彼らは自分を崇拝の対象としています!
神や人間の矮小なことよ!
あなたの幼き子供たちの,なんとつまらぬ虚栄心よ! - あなたは定命の者たちにこう仰せになりました。
『熱があるから沼地には行ってはならず,罪を犯すから大きな町を建ててはならず,死を迎えるから欲望に溺れてはいません!』
それなのに彼らは真逆に進んで,傷を負って死んでしまいました! - あなたは昇天した者たちにこう仰せになりました。
『あなたたちが堕落しないように,地球での教訓を覚えておきなさい!
あなたたちが鞭打たれないように,自惚れていた運命を覚えておきなさい。
あなたたちが束縛されないように,地球の王や女王が天界でどのように束縛されているのか覚えておきなさい』 - しかし彼らは耳を貸そうとしません。空虚な自分を心の中で育んでいき,その結果,彼らは他の神からではなく,自分の中の知識だけで事を運ぼうとするのです」
【29章】
- ホーブはトゥルベの話を聞き終えると,こう言いました。
「こういった事情を聞いてしまったのですから,ソーの偽者とその主神たちを拘束し,オーエンの下に送ります!」
トゥルベは言いました。
「これは有難いことです。ソーはオーエンのことを侮辱したのですから,彼を正気に戻すのはオーエンにしていただくのがよろしいかと思います」 - ホーブは言いました。
「それでは少し待っていてください。狂気のせいで誰かに危害を加えないようにするため,私の医師が彼らを拘束します。そうしたら船に乗せて彼らを送り出します」
ホーブは適任者を呼んで,ソーとその主神たちを紐で縛り付けさせました。なぜなら彼らは狂暴化していたからです。
その後,彼らをトゥルベの船に乗せ,出航の時が訪れました。
ホーブはトゥルベに言いました。 - 「ジェホヴィの御名において,オーエンにご挨拶申し上げます。
あなたは彼にこうお伝えください。
天界の法則に従うのであれば,御父の下を去った偽神や偽主神は救済された後,自分が騙した臣民たちに真実を再教育しないといけません。彼は,かつての臣民の中で最も身分が低い者よりも高い地位を得たり,早く昇進したりすることはありません。
そのため,オーエンの仲間たちがオイベとその主神たちを正気に戻したら,彼らを王国に戻してやってほしいのです。
その間,私はこの天高原で,狂ったドルジたちとは別の,御父のための新しい王国を設立しようと思います」 - その後,トゥルベとその仲間たちは船に乗り,オーエンの王国にすぐに出航しました。
ソーの偽者とその主神たちは恐怖のあまり,子供でもしないような泣き声を上げていました。 - ホーブは次に混乱しているドルジの眷属に目を向けました。彼らは絶えず『群れ』を形成していましたが,精霊人によって素早く切断されました。
彼はアトラヴァにこう言いました。
「狂った霊魂は定命の者よりも儚いものです!
彼らは自分の奔放な考えに基づいて行動しています。ある時は風に乗って私たちの下から飛び去っていき,ある時は一緒に走るか,溶けたガムのように私たちに付いてくるので,私たちは彼らを追い払えません」 - アトラヴァは言いました。
「実体界の人間の肉体を創造された御父の叡智をご覧ください!
若者,病人,錯乱した霊魂にとって,なんて素晴らしい拠り所なのでしょう!
実体界の肉体は家なのです!
このように肉体が提供されているからこそ,狂った霊魂の管理もうまく行くのです!」 - ホーブは言いました。
「これは彼らがどのように正気を取り戻していけばよいのかを私たちに示しているのです。
私たちは実体界の肉体を彼らに提供することはできないので,御父は一時的とはいえ,彼らが主観的に考える力を私たちに与えてくださいました」 - こうしてホーブとアトラヴァは処置を始めました。
最初にドルジたちを誰一人逃がさないため火で周りを取り囲みました。
次に火を使って彼らを何千ものグループに分けました。
次に彼らのために『主観的に考えられる肉体』を用意し,そこに自分の意思を縛り付けることで他人と繋がるのを防ぎました。 - (これはドルジたちが別世界への転生と呼ぶものです)
彼らは教師や統治者,看護師たちによって一時的に養われている間,彼らの大半は自分が王や女王,上位の祭司,さらには主神や神だと思っていたのです! - 100日以上もホーブとアトラヴァは上記の方法に則って働き,医師や看護師,エセナウルたちも人々の心を回復するのに労を折りました。
そしてフラガパッティの使者が訪れた時には,彼らは逆境を乗り越え,ほぼ全てが回復し,規律を取り戻していました。
フラガパッティの使者は挨拶を述べた後,こう言いました。 - 「ご覧なさい,ダンの夜明けは急速に過ぎようとしていますが,私はまだ地球の他の天界の主上神を訪ねなければなりません。
アトラヴァにはモウルに帰還し,玉座に就くように命じます。そしてホーブも同じく帰還し,私の旅に生徒として,そして仲間として同行してください。
オーエンには私の名において命令書を送っておきます。彼は救済後の『オシヴィの群れ』を統治する主神を手配してくれるでしょう」 - ホーブとアトラヴァはオーエンが任命した主神に役目を任せました。彼の名はスカーウィッチと言い,大気人として400年間,サマティに弟子として仕えていました。とても素晴らしい決断力と技量のある神でした。
ホーブはスカーウィッチに玉座を用意すると,400万人の教師,看護師,医師を残しました。残りの100万人はホーブとアトラヴァと一緒にハライティの首都モウルに向けて出発しました。 - さて,アリエウヌと一緒にいた特使の乗った巡洋艦についてですが,『群れ』が無事に解放されるとすぐにオイベとその主神は拘束され,トゥルベが用意した檻に収容され,オーエンの下に送られました。そのことはアリエウヌの日記に記録されています。
- フラガパッティはホーブが『群れ』の解放に成功したとの報を聞くと,彼を讃えるためモウルで歓迎式典を催そうと思い立ちました。
フラガパッティはハライティの内外に伝令を送り,1日の余暇活動を宣言し,ホーブを迎え入れるため,できる限り多くの人をモウルに招待しました。
式典の準備を任された役人は,何億人というハライティの住民を楽しませるための音楽家や旗,横断幕,花火を用意しました。
他には受入用の船を1,000隻用意し,途中まで行ってそこでホーブの船と会うことができました。 - こうしてホーブがモウルに帰還すると,彼は盛大な名誉と威厳と,そして只ならぬ栄光をもって迎えられたのでした。
- フラガパッティはこのことについて後にこう言いました。
「これについては私に方針がありました。
ホーブは地球と天界の次の神にする予定でした。愛や賞賛,そして無学な臣民の畏敬を掴む者は誰であれ,彼らの復活に貢献することになる,と」
【30章】
- この日,モウルは盛大な喜びに包まれました。そして式典が終わると,人々はそれぞれの持ち場に戻り,仕事のための明かりが灯されました。
- フラガパッティはアトラヴァに言いました。
「さあ,こちらに来てジェホヴィの玉座に就きなさい。
私はこれから出掛けて,ゼレドに別の住居を設けようと思います。その後,私は地球の管区の主上神を訪れようと思います」 - 私の今回の旅の目的を終える頃には,ダンの夜明けの終わりが迫っていることでしょう。そのため第3の復活を望む者には全員にそのことを正式に通知しなさい」
- フラガパッティが玉座から立ち上がると,地球の住人セタンテスから遣わされた特使がいると伝えられました。
元帥たちが彼らを通すように命じると,すぐに特使が入って来て,ジェホヴィの御名において挨拶の口上を伝えられました。
彼らはこう言いました。
「セタンテスがフラガパッティに愛を送ります。この夜明けで復活を迎えたら,セタンテスはモウルを訪れます。そして彼と一緒に,地球の最初の収穫の『花嫁花婿』の時に立ち会ってくれた最初の救済者オネシィも連れて行きます」 - このメッセージが伝えられると,首都は歓喜が沸き起こりました。
フラガパッティは御父の御名において使者に感謝を述べると,特使はそのまま退室しました。 - フラガパッティもホーブとハパチャを連れて退室し,首都を出てアヴァランザに乗り込むと,元帥たちが1,000万人の眷属を集めて随行し,音楽と歓声の中,船に乗り込みました。そして彼らはセムの主上神イーマの王国に向かいました。
- 彼らの到着を知らされていたイーマは,ピーズメイザ(手漕ぎボート)を作って会いに出掛けました。ピーズメイザは1万人の音楽家や3万人の漕ぎ手,20万人の旅客を運ぶぐらいは十分な乗り物でした。
ピーズメイザに乗ってフラガパッティに会いに行こうとしたのはそのような人々でした。 - イーマがセムの天界において御父の王国を建国してから3年が経っていましたが,イーマの働きについては,使者の往来以外にほとんどモウルに知られていませんでした。
フラガパッティは彼についてこう言いました。
「イーマは『声』とともに生きています。彼が間違いを犯すはずがありません」 - 東アピエの7番目の隔膜で船が合流すると,フラガパッティはアヴァランザの最下層を開放し,イーマの船と乗組員,旅客を音楽と歓声で受け入れました。そして式典の後,フラガパッティはアヴァランザを発進させ,イーマの使者の1人リープスに案内させました。彼らは大気界の第1階級のイーマの王国の首都アストレスに急行し,地上で休息を取りました。
【31章】
- イーマはフラガパッティに任命された後,この地域を訪れると,霊魂と定命の者たちを支配する大いなる闇を見つけました。彼はジェホヴィにその原因と治癒の方法について懇願しました。
- ジェホヴィの御声がイーマに届き,こう仰せになりました。
「霊魂であれ,定命の者であれ,彼らは私の命令よりも自分の欲望に従ってしまうのです。私は彼らの下にアポロを派遣しました。彼は天使と定命の者という2つの世界を交わらせました。一時の間,彼らは頭を上げて,私とその王国のことを思い出していました。 - しかし今や彼らは全てをひっくり返して,自分たちの利益の上に構築しました。私は勤勉さと忍耐によって彼らが知識と力を手に入れることを教えました。しかし定命の者たちは死者の霊魂が預言をもたらすことを発見したため,自分を成長させて完成に近づけることをやめて,怠惰のまま成長してしまいました。
- 天使たちは私の崇高なる天界に到るために努力することを好まず,底辺でいることに満足してしまいました。彼らも定命の者たち同様に闇の中で堕落し,私とその上天を忘れてしまったのです。
- 私は息子のオシリスを呼んでこう言いました。
『地球とその天界に降下し,私の名において彼らを構築してください。そうです,あなたは私が選びし者以外に,この2つの世界を交わらせないため,壁で隔てなければなりません』 - オシリスは地球に降下し,私の命令を成し遂げてくれました。彼は定命の者たちにいかなる霊魂も接触できないようにし,地球に蔓延る霊魂に関して言えば,彼はこの霊魂たちを追い払って植民地に閉じ込め,地球から切り離しました。
一時の間,定命の者たちは私の審判の下で繁栄し,彼らは私が授けた才能を改良することを探求しました。 - しかし彼らは再び私の審判を読み間違え,私の法を曲げました。
地球で暮らす全ての人間は自分なりの哲学を持っています。
その天界で暮らす全ての霊魂は自分なりの哲学を持っています。
彼らの間には何一つ統一性がありません。
だから聞いてください,私の息子よ。あなたはオシリスのように教えてはいけません。アポロのようにも教えてはいけません。ただ,両者の中間を追求してほしいのです。 - あなたは特定の霊魂を選りすぐり,定命の者たちの下に戻ることを許さないといけません。そして霊魂と交流できるスイスやサルギスを獲得した特定の定命の者たちの交流を許さないといけません。
しかしあなたは,相互交流の過程を定命の者たちの間で秘密にしながら,審判の際に彼らに提供しないといけません。なぜならこうしないと天界のドルジと地上のドルク人を遮断できないからです。 - ご覧なさい,私の息子サマティがこちらに来ます。あなたは彼とザラツゥストラと共に働きなさい。神の御手に対して私は命じます。
彼は地上を構築し,あなたは天界を構築しなさい。
彼が定命の者たちのために構築したように,あなたは中間世界に住む霊魂たちのために構築しなさい。
しかし上天にある私の聖地への門扉は開けたままにしておいてください」
【32章】
- イーマがジェホヴィに質問すると,御声はこう仰せになりました。
- 「あなたはこの天界を歩き回り,あなたの力を証明してみなさい。
無知な者にとって,判断を下す前に先んじて力を得るものです。力の次に叡智です。
愚か者はこう言います。
『私ができないことをあなたはどうしてしようとしているのですか?』
その者は私の手からもたらされる力を見る時,耳や目を開けます。
もしも人間や天使たちに団結を教えていたら,彼らは失敗することなどないのに! - 定命の者たちはこう言います。
『善良であることは良いことですが,それは現実的ではありません』
彼らは言いました。
『賢明であることは賢いことですが,叡智は1,000通りの道を駆け巡り,全ての人間も同じです』 - この地の天使たちはこう言います。
『王国と一つになり,神や主神を戴くのは私たちにとって良いことです。しかし私たちをまとめ上げられる者などいるのでしょうか?
私たちが自分の自由を,1人の誰かに売るとお思いですか?
彼らは団結しないでしょう。
彼らは協調性もなく暮らしています。
誰もが他人の利益を奪います。その者の利益は他の者の不利益となります。
彼らは団結の優位性を台無しにしています』」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「例えば王国にたくさんの善良な男性や,たくさんの善良な女性がいたとします。しかしそれで王国が善良かというとそうではありません。
私は個人ではなく,家族全体で評価します。
私は『私の蔵』に収められた収穫物の組み合わせで王国の美徳を判断します。 - 王国がたくさんの叡智や美徳を搔き集めていれば,私の収穫物の量は増えていきます。王国が自国の国民を維持できなくなれば,私から離れていきます。その場合,少人数がどれだけ正義を貫いても,私には『無い』に等しいのです。
王国の力の秘訣は,私の名において集結し,人々を私の命令に従わせる手腕にこそあります」 - 100日間,イーマは下天を旅し,上天の奇跡を示しました。彼の眷属の大半も同行し,特に幼い子供の霊魂を弟子に加えました。
100日間で彼は何百万もの無知蒙昧な霊魂を従え,その多くが無力な放浪者でした。 - 彼らと一緒に彼はアストレスを修復し,自分の王国の建国の準備を始めました。
ジェホヴィは彼にこう仰せになりました。
「息子よ,あなたの臣民の無力さを恐れないでください。
新しい王国を築こうとする者は,何の技能も持たない臣民を選んだ方が賢明です。
私の名の下に歩む者は誰であれ,私はその者と共にいます」 - イーマはジェホヴィに誰を補佐役の神に任命した方がよいかを尋ねると,御声がこうお答えになりました。
「トゥーリィ」
そこでイーマはトゥーリィを補佐役に任命し,ハバルを首都の元帥長に任命しました。 - 再びジェホヴィの御声がイーマに届き,こう仰せになりました。
「セムの地に100人の主神を任命しなさい。そして彼らに定命の者たちを支配させなさい。
創造主の声を聞いてください。私は息子のザラツゥストラを介して主神と神のための寺院を建設します。だからあなたは主神たちが寺院で暮らし『神の使徒』と呼ばれるラバと交信できるようにするため,天界に王国を提供してください。但し霊魂と定命の者たちの交信は『神の使徒』とその配下の副司祭だけに留めておいてください。
しかし定命の者たちは,彼ら使徒たちが偉大なる純粋さと叡智によって霊魂と交信していることに気付くでしょう。 - 同様にドルジたちが定命の者たちの前に現れたら,真実に逆らう『悪の兆候』として無視してはなりません。
- こうしてあなたが王国を建国し,ドルジたちへの供給を断てば,彼らはあなたの民草から『援助を受ける側』となるはずです。それを続けて行けば,彼らは働くようになるでしょう。
- その後,イーマは100人の主神を任命し,彼らは天界の木の根のようになりました。
オーションの主神に任命されたのは次の者たちです。 - ・イスワ
・ヤズタス
・ミクロス
・ジュベ
・ザルスト
・ホム
・パオイリス
・ヴァデヴ
・ニーシャ
・コープ
・ドーン
・ユサク
・コーダイェ
・トラクトン - テスタシアの主神に任命されたのは次の者たちです。
・カシュヴル
・トゥシュト
・ヤェイン
・アメシュとアメーシャ
・アーマイト
・ワイーブ
・バホイス
・ヴスタヴィアとコメック - 一般的な主神は『アシェム』と呼ばれました。つまりセムの地の『太陽の王国』に与えられた長たる主神『アシェム・ヴォフ』のことです。
彼らは次の者たちです。
・シュナオタ
・ザティアス
・ムトゥ
・アオイリオ
・カエシャス
・クテレイ
・シャキャ
・スラテム
・ガーナエトビリシャエ
・ハバルシャ
・パイティスゴミャ
・フイユス
・ハクドット
・アネラナ
・ティバラト
・ケヴァ
・ダルナシャ
・ホルス
・マイドイェシェモ
・ルナス
・ガヨモラティスキ
・バフラヤ
・ザルツゥスタ
・カイボリャウィッチウィッチトゥベンヤス
・クピタマ
イーマはこの25人の主神を,ザラツゥストラの死と昇天後,サマティに代って定命の者たちに届ける声の管理者としました。そのため彼らは『アシェム・ヴォフ』と呼ばれました。 - 農家と牛飼いの主神は次の者たちです
・ガオマ
・ホシャグ
・タムル
・ジャムシェド
・フリデン
・ミノチフルバニ
・フス - 船乗りの主神は次の者たちです。
・タエタス
・ミル・ジャン
・ニヤス
・カフトラス
・ティヴィア
・アグレフト
・アルドゥスロール
・タナファ
・アヴォイタス
・マルガネシアクタ
・ホアカスタニヤ
・ヴァルトゥアン - 誕生と母親の女主神『ホッチェチェ』は次の者たちです。
・カビティ
・ウェイハット
・ホゥド
・アンチョライト
・ユベアス
・ウィセタ
・ホパエニィ - 建築の主神は次の者たちです。
・イラタマ
・ハイラトラクナ
・ヘイダス
・フツ
・コイガガ
・ハイラ・ワティ
・ヴィヴィシーオン
・ムタハッガ
・カオヤス
・マチョ
・アイムス
・ホド
・トゥルシヴィ
・ヴェレコパガ
・スイ - 時間の変化を支配する『時間管理』の主神は次の者たちです。
・コプラサストラ
・ヴァイティモフ
・ホウィッチワク - ジェホヴィはイーマにこう仰せになりました。
「今日,私はあなたの働きを祝福します。
定命の者たちは不死を信じるのをやめたので,彼らはドルジとの交流を断ちました。そのため,あなたは純心の主神たちと共に純粋な交信を確立し,そこに余人を交えてはいけません。 - イーマは主神たちを何ヵ所かに派遣し,主神は1,000人の天使を従えて赴任しました。
イーマは彼らが出発する前にこう言いました。
「主神たちよ,気を付けてください。あなたたちはこれから赴く場所の人々をうまく誘導してください。問題を引き起こす霊魂に囲まれている王や女王,将軍がいたら,そういった霊魂を切り離し,定命の者たちの霊感を弱まらせてください。その結果,その王国や軍隊は規律が乱れ,力を失くすでしょう。 - そしてサマティとザラツゥストラが(定命の者として)町に来るときはいつでもあなたたちも同行して彼らと一緒に働いてください。
ザラツゥストラが両手を上げて『御父よ,あなたの光の中の光よ!』と言ったら,あなたは周囲の物質を搔き集めて火の壁を作り,彼を守ってさしあげなさい。
もしもザラツゥストラが『御父オルマズドよ,あなたの子供たちに食べ物を恵んでください』と言ったら,あなたたちは魚や果実を空から降らせなさい。 - もしも王や長がザラツゥストラに対して手向かってきたら,あなたたちは彼を守ってさしあげなさい。
もしも誰かがザラツゥストラに剣を向けてきたら,あなたたちはその刃を掴み粉々に砕いてしまいなさい」 - ジェホヴィはイーマにこう仰せになりました。
「定命の者たちの今の王国はいつかは堕落するでしょう。しかしザラツゥストラの子孫はその法を守り続け,ダンの夜明けの間あなたがしてきたように,ザラツゥストラを守るはずです。 - そのためあなたはこの夜明けの後のことも考えて,他の主神を育てなさい。そうしたらザラツゥストラの後継者となる司祭(ラバ)を通して定命の者たちに『あらゆる光』『あらゆる真実』『あらゆる成功』をもたらすでしょう。しかし大都市の王は私の光を受け入れないはずなので,その王国は闇落ちして崩壊するでしょう」
- こうしてイーマは主神たちを据えると,今度は『堕落した下天』の王国に目を向けました。
【33章】
- ジェホヴィはイーマにこう仰せになりました。
「あなたは霊魂を,完全に闇の部分と,光が混ざっている部分とに分けなければいけません。そのため30億の精神体に対して,十分な強度を持った玉座と高天原を作りなさい。そこは男性よりも女性の方が多くなるので,あなたの玉座を『アストレス』と名付けなさい。
また評議会のために家を用意したら,選抜者を派遣しなさい。あなたが連れてくるのと同じぐらい多くの者を見出してくれます。そうしたらその者たちと一緒にあなたの王国の礎を築きなさい」 - イーマは御父の命令通りに事を進め,アストレスに娯楽施設や礼拝所,学校などを設置するために必要な人員を集めました。
再び創造主の御声がイーマに届き,こう仰せになりました。 - 「あなたの王国はとても魅力的なので,地球の天界にとって何の役にも立たない怠け者で溢れかえっています。このような者たちを遠ざけるため,火の柱であなたの王国を囲みなさい。なぜなら私は人間を,突き放されたら今度は熱意を持って戻るように創造したからです。
あなたは誰にも気付かれずに働くことになるので,彼らは結果としてあなたのために動いてくれるでしょう。 - 彼らがあなたの下に集まったら,餌を与える前に彼らと一緒に正義を遂行しなさい。この方法で人員を集めたとしても,まだ半分も満たしていません。
- しかしこの方法で残った者には無条件で配下に加え,彼らに庶民地を与えなさい。
この中で最も低い者たちを第1階級とします。火の柱が建てられた後に来た者を第2階級とします。そして選抜者が選んだ者を第3階級とします。 - その後,あなたは自分の眷属を振り分けなければいけません。主神と一緒にアシャールと呼ばれる守護霊として定命の者たちの下に派遣される者たちと,新たに死んだ者の霊魂を取り出して天界の眷属の下に送り届けるアサフと呼ばれる者たちにです。
- アシャールはあなたや主神たちが任命した以外の定命の者たちから,あらゆる霊魂を追い払います。彼らが私や私の統治に対する信奉者となるまで,あなたは定命の者たちを制御することを何よりも優先しないといけないからです」
- その後,イーマは創造主の命令通りに天界の霊魂を振り分けました。その後,彷徨える闇の霊魂を掴まえると,地球や天界のどちらにいようとも,彼らのために用意した場所に連れて行きました。そこでは医師,看護師,教師の下で,地球の肉体を喪失していることを理解させて,地球への執心を諦めさせるようにしました。
- この後,イーマは天界で学校や労働場を用意し,天使たちに服や食料を工場で生産することを教えました。
- 再びジェホヴィの御声がイーマに届き,こう仰せになりました。
「ご覧なさい,私の息子よ,下天は『スペオケ』に達しました。これは天界で家を建てることを教えられる最初の位階になります」 - イーマは教師と工場の監督者に対して,許可がある場合を除き,霊魂が定命の者たちの下に戻ることを禁じる旨を命じました。
イーマは言いました。 - 「地球に降ろうとする天使たちを思い止まらせるよりも,定命の者たちが死後に昇天したいと思うようにした方が賢明です。地球にいる主神たちはこの趣旨に沿って行動してください」
イーマは天界と地上に対して『死者の霊魂は親類のために天界に家を持つべき』という新しい啓示を下しました。このため定命の者たちには,死んだ後も天界には家があることが教えられました。 - イーマは言いました。
「定命の者たちにこの信仰が根付いていけば,死後に霊魂がそう易々と彷徨うことはないでしょう」 - イーマがこのように天界を構築している間,彼の主神たちは霊魂を同伴して地球に姿を現しましたが,これはこの世界が始まって以来,見たことがないような出来事でした。
- 星々の神殿は霊魂によって壊され,投げ落とされました。都市の鉄門は撤去され,森へと運ばれました。王や女王の宮殿は屋根が外され,宮殿の壁の石は投げ飛ばされました。基礎に至るまで1つの石も残ることはなく,これらの出来事は天界の霊魂が行いました。
- 男女や子供たちは天使が空中に運んだので無傷でした。家財は運び出され,食卓の食べ物も定命の者たちが食事のために座っている時でさえも奪い取られました。彼らは食べ物が消失する様子を自分の目で目撃したのです。
- 定命の者たちは幻影を見たり,夢の中で予言を見たり,尋常でない力を持つようになりました。多くの場所で霊魂はサルギスの相手をしたり,定命の者たちの間を歩いたり見たり感じたりしました。彼らはイーマとその主神たちの統治について定命の者たちに聞こえるように話しました。
- イーマとその眷属が天界で行った全ての行いは,地球でも彼と連携するように主神たちも行動しました。それにも関わらず天界の王国に所属せず,自分勝手に出現する『彷徨える霊魂』はいました。彼らは嘘をついたり煽てたり,全般的に悪に傾倒していました。イーマは少しずつこういった悪の霊魂を切り離していき,植民地に連れて行って懲らしめました。
- フラガパッティがイーマに会いに来た時,イーマはそのようなことに注力していました。イーマはアストレスで余暇活動を宣言し,主神や長,それ以外の者たちに声を掛けて一時の歓楽に参加するように招待しました。
【34章】
- アヴァランザが到着すると,アストレスのエセナウルや植民地のトランペット楽団が歌ったり演奏したりしたので,船にいた眷属たちも一緒に参加しました。彼らが演奏をやめると,アストレスの副神であるトゥーリィは元帥たちに眷属たちを出迎えるように命じました。先頭にはイーマとその従者がいて,その後には旅の元帥と竪琴奏者が続き,最後は精霊界のフォエサナの女神ウィートリスが率いる5,000人の女性がいました。この後にフラガパッティの元帥1万人が続き,特使1万人,それからフラガパッティと左にはヤトンテ,右にはホーブが控えました。
この後に音楽隊が続き,その後に他の眷属たちが続きました。 - イーマはすぐに玉座に登りましたが,フラガパッティとその眷属は祭壇の円の中にあった競技場で立ち止まりました。この隣には光の番人がおり,この外側には評議会の『三日月の会員』がいました。
- イーマは言いました。
「オブソドとグーマチェラの長フラガパッティよ,私はジェホヴィの御名に誓い,あなたを神の玉座に歓迎いたします!
彼の御方の智と力において,私は御父の名の下にアストレスを掌握することであなたを讃えます」 - フラガパッティは何も答えずに玉座に向かうと,『真昼』の御印で敬礼すると,イーマは『夕日』で返したのです!
イーマは脇に立ち,フラガパッティは玉座の中央の前に立ちました。
彼は言いました。 - 「ジェホヴィよ,この玉座をあなたの所有物としてお受け取りください!」
フラガパッティが何も話さないうちに,太陽のように輝く光が頭上に現れ,その中心から御声が聞こえてきて,こう仰せになりました。 - 「私の息子よ,そしてあなたの息子に,あなたの神や主神,その他の私の名に従う全ての者たちよ,私はこの玉座を永遠に遺します!
私と一つになる者は誰であれ,私の声を聞いたり私の力を受け取るだけでなく,私の創造物から作られた者も受け継ぐことができます」 - ジェホヴィは続けてこう仰せになりました。
「私の作品を見て『私はこんな要素に対応することなどできない』と言う者がいたら,その者は信仰心と叡智が足りないのです。なぜなら私は定命の者や霊魂のどちらであっても,私の要素を制御できないようには創造していないからです。彼らは私が与えた才能に磨きをかけるべきなのです」 - 私は地球を広く作り,多くの物で満たしました。しかし私は人間が土地や水,鉱物,その他の全ての生物を支配できる『基礎』を与えました。そうです,私が実体的な肉体を与えたのは鍛えたり,その者の心を支える依り代とするためなのです。
- そして私は地球よりも広大な大気界を創造し,そこをあらゆる霊的な物や天高原の物質で満たしました。しかし私は死者の霊魂に対しても,大気界のあらゆる物を制御できる才能を与えました。
- これらを達成した者は誰であれ,旅する太陽のような存在になります。
私の光はその者の上に注がれます。その者がいるその場所から,私はその者が持つ光より声を発します。
息子,娘たちよ,自分自身を奮い立たせなさい。
彼らが私の名において集めた場所に私もいます。
私の手は彼らの上にあります。
私の力は彼らと共にあります。
私の声は彼らの中にあります」
声が途絶えました。 - 『あらゆる光』の御声を聞いたことがなかった多くの出席者はあまりの眩しさのせいでしばらく目を閉じたままでいましたが,すぐに回復しました。
この後でフラガパッティは言いました。
「ホーブとヤトンテはこちらに来て玉座に座りなさい」
彼らは進み出て玉座に座りました。同時にエセナウルが次のように歌いました。
「偉大なるジェホヴィの御声に万歳!
彼の息子,娘たちは何千年も,生まれ故郷の赤き星にもう一度戻り,彼の永遠なる栄光を宣言したいと思ってきました!」 - フラガパッティは言いました。
「御父の名において,私は1日の余暇活動を宣言します」
東の方から聞こえてくるトランペットの音が活動の始まりとなりました。眷属たちは自由に陽気に分け隔てなく交流しました。
余暇活動の間,何百万人もの精霊人が天高原に出掛けて,下天に所属する学び舎や工場,病院といった場所を訪れました。 - 翌日,トランペットの音が鳴り響き,人々は自分の持ち場に戻りました。その後で音楽が流れ,フラガパッティはこう言いました。
「トゥーリィよ,私はジェホヴィの御名に誓い,あなたに話したいことがあります。
あなたはダンの間,ジェホヴィの息子イーマの補佐役として御父に選ばれました。そのダンも終わりが近づいており,その後,あなたは200年間,この天界と地球の主神,神になります。 - あなたは賢くて善良なので,御父はあなたを育てて,あなたは大いなる栄光を手にします。
あなたは力と強さを持ち,この地域ではイーマと呼ばれます。なぜなら定命の者たちは『自分たちを統治する主神や神を知る』ことを学ぶべき時が来たからです。 - 200年間,地球は私のオリアン原野のグーマチェラを旅します。あなたは自分の領土で私と一つになってください。あなたが要求するものは何でも送ります。だからあなたは自分の場所を正常な状態に保たなければなりません。
あなたがアジを欲するのであれば送ります。あなたがダンを必要とするのであればそれも送ります。 - あなたは天界の霊魂よりも地上の定命の者たちのことを心配しなさい。定命の者たちは絶滅しないためにも十分なアジを持つべきであり,獣のようにならないためにもある程度のダンは必要なのです。そのため11年毎に無知蒙昧な霊魂を数え,そのリストを私の特使に提供してください。そうすればあなたが御父に貢献できるように,私はグーマチェラの要素を与えます。
- 次に,第1の復活に際して霊魂に寛大すぎないように注意してください。彼らが教師として定命の者たちの下に留まらないようにしてください。定命の者たちは死んだ自分の親族をとても愛しているので,彼らを自分の傍に留めておきたいが故に,天界の教育を奪おうとすることを覚えておいてください。
最近死んでエスヤンとして善良な天界に入界した霊魂もまた,自分の親族にあたる定命の者をとても愛しているので,地球で暮らす彼らの近くにいようとして,より高位の天界を追い求めようとはしないということも覚えておいてください。この習慣が芽生えてくると,2,3世代でドルジになり,そのうち自分を無価値に思い,地球や天界についてほとんど知らない者になるのです。 - 従って,あなたはエスヤンに対してしっかりと支配してください。定命の者たちの下に戻れるのは守護霊だけとしたり,特に『オーマズドの宗教』(訳注:オーマズドはゾロアスター教の神の一柱)以外のものを教えるのを禁止してください。
- この後、あなたはアストレスで周囲の警戒を怠らないようにしてください。ジェホヴィがお与えくださった才能を発展させるための王国を用意することも神の役割であることを覚えておいてください。なぜならあなたは,労働と余暇活動,休息と学習をうまく組み合わせて,誰もが等しく魅力的な存在に仕立て上げなければならないからです。
- あなたの命令が天使や定命の者のいずれに向けたものであっても,最初で最後として,彼らに創造主への信仰を抱かせ,それぞれの心に与えられた『光』という小さな星に従うように導いていかなければいけません」
フラガパッティの話は終わりました。 - ジェホヴィは言いました。
「私は自分の三日月と祭壇を描きました。私の声を聞き,私の命令に従う者は誰であれ,心を形成する形式や儀式について聞かせなさい。
私は秩序です。
私は厳格でない威厳です。
私は情熱的でない愛です。
私は『提案する叡智』であり,指示はしません。
私は最も静かですが,最も強力です。
私は最も目につきませんが,求められればいつでも臨在します」 - さて,人々はフラガパッティの出発が近づいていることを知っていたので,全員が玉座の前を通過して彼の祝福を受けられるように役人は手配しました。
エセナウルが歌い始め,行進が始まりました。
評議会の光の管理者が照明を暗くすると,フラガパッティも自分の光を暗くし,光の帳幕で覆われた玉座の下にまで降りてきました。 - 彼は手を上げると,優しく手を振りました。そして帳幕や香水,花冠を作り,自分の前を通過する10憶人以上の精神体に何かしらの物を与えました。
- 行進が終わると,フラガパッティは玉座の足下に座りました。イーマが来てその手を取ると,こう言いました。
「ジェホヴィの息子よ,お立ち下さい,そしてあなたの道をお進みください。
御父はあなたと共にいます!」
フラガパッティは立ち上がると出発し,ホーブとヤトンテ,イーマ,トゥーリィが同行しました。アストレスの玉座にはメルーの女神ヒエトラが残りました。 - 彼らがアヴァランザに乗り込むと音楽が流れ,歓声が沸き起こり,次の目的地へと出発しました。イーマは自分の領内の天界と地球の両方を案内しました。
フラガパッティは何日もイーマとトゥーリィと共に暮らし,彼らの働きについて監査した後,記録係が文書として作成しました。その記録書は精霊界に運ばれ,フラガパッティの領内の図書館に保管されました。
イーマはここでお暇し,ピーズメイザはアヴァランザから降ろされました。彼はアストレスに向けて出発し,程なく到着しました。しかしフラガパッティはジャフェスとその天界の主上神オーエンの領地に向けて旅を続けました。
【35章】
- オーエンがこの下天に着任した時から,創造主の声が聞こえていました。オーエンは眷属の中から1万人の評議会議員を選ぶと,彼らは祭壇に座りました。
ジェホヴィの御声が彼にこう指示しました。
「首都と玉座を建てなさい,そうしたらその場所を『サンハイ』と名付けなさい」
彼は指示通りに行いました。 - 完成すると,ジェホヴィはオーエンにこう仰せになりました。
「あなたは私の主神にして私の神です。あなたは地球とその天界で働かなければなりません。あなたが建てる物は何であれ,私は建てます。なぜならあなたは私の聖地だからです。あなたはオテヴァンを作り,領内を見て回り,査察し,見たのと同じものを記録に残し,後の時代にそれを読む天使や定命の者たちのために,それらを天界の図書館に保管しなさい」 - オーエンはオテヴァンを作ると,命令通りに旅に出て,記録を残したり,こういった記録を保管する場所をサンハイに用意しました。
この言葉はその中の一節になります。 - 「天界にはオイベという偽神がソーの名を騙りジェホヴィの一人息子として統治した王国以外に,秩序も組織もありませんでした。
- この天界で暮らす霊魂の大半は第1の復活を待つ者たちです。それにも関わらず,自分が死んでいないと思い込んでいる者が何百万人もいます。その多くは混乱しており,まだ戦場や地球から切り離された場所を彷徨っています。
- 多くの場所で植民地を設置し,天界で暮らすため住居や衣服を用意しようとする霊魂もいます。しかし彼らはドルジに侵略され,永遠に略奪されます。
- ジャフェス周辺には,地球から離れられずにいる天使が20億人以上います。そのうち何百万人もが胎児であり,双子の霊魂のように定命の者に憑りついています。その霊魂はよく定命の者たちの前に姿を現し人々には自分の分身だと思われていますが,自分たちが何者で,どこから来たのかが分からず,また憑りついたり共に暮らす定命の者から離れられずにいます。
- ジャフェスの地の定命の者たちに関しては,巨大で獰猛な戦士の町がいくつもあります。この地域は1,300年もアジの中にいます」
- ジャフェスがこのような状況にあることを知ったオーエンは,サンハイに戻ると評議会を設立し,この時,ジェホヴィがオーエンにこう仰せになりました。
「地球で暮らす40人の主神を任命し,それぞれに1万人の部下を付けなさい。主神たちは地球に降下したら,ドルジたちを追い払い,王や女王の宮殿,星々の神殿を占拠するでしょう。そして軍の隊長や将軍を支配しその判断を曇らせたり迷わせていけば,彼らは戦争や破壊を行わなくなるでしょう。 - ザラツゥストラの神サマティがジャフェスを訪れたら,主神たちは十分な数の天使と共に同行し,ザラツゥストラが私の名において実行する全ての行動を成功に導いてさしあげなさい。そして主神たちはザラツゥストラの身の回りを警護し,彼に危害が加えられないようにしなさい。敵が来たら,主神たちは彼らを道に迷わせたり,ザラツゥストラが逃げるまで時間を稼ぐかしなさい。なぜならこのダンで私の言葉が地球上に確立されれば,永遠に滅びなくなるからです。
- あなたが私が命じたように主神を任命したら,天界を植民地化し,王国の中心地となるサンハイを除いて,70の植民地を彼らに与えなさい。
あなたは補佐役の神を大気人の中から選び,あなたが玉座を空ける時には玉座を任せなさい。 - あなたと聖評議会は補佐役の神に,このダンが終わったら次の200年間,私の名においてサンハイの神にすることを伝えておきなさい」
- オーエンはジェホヴィの御言葉を評議会に知らせました。
オーエンは40人の主神と補佐役の神を命令通りに任命しました。 - 任命された主神は次の通りです。
最初は,地上の『神の言葉』を司る者たちです。
・スウォン・ビン
・ゴ・マ・ギット
・ベン・ホン
・シ・アン
・ボン・ウィ
・ア・トン
・ウィン・ウィ
・ア・チョク
・ゴン・ボイ
・ユク・ホゥ
・アウォッチ - 第2は,王や女王の宮殿,そして神殿を司る者たちです。
・ミナ
・アチャウン
・アヒョット
・ヨーゴン
・オホント
・ヨンウェ
・アーマ - 第3は,軍隊と王国を司る者たちです。
・キア・ア・カ
・ギオウ・ヤン
・ビ
・グァン・グク
・ギオ・オ・ヤン
・サム・シン
・デス - 第4は,船員を司る者たちです。
・ショッギー
・アガン・ハ
・ラックス
・ロー - 第5は,母親と出産を司る者たちです。
・ソンヘン
・ソメコンク
・ヤヒチ
・オグネ・カ・ワス
・ホアアバ - 第6は,結婚を司る者たちです。
最初は一般的なルーイです。その次が以下の者たちです。
・アッサム
・オアニス
・ヨツァム
・イヴィトゴム
・サップ・サン - オーエンは主神に部下たちを付けて各地に派遣しました。その後,彼は自分の領内の天界に,天使が暮らす植民地を始めました。1年で彼は10憶人をジャフェスから昇天させて,彼らに家や病院,看護師,工場といった『堕落した天界』で必要となるあらゆる物を提供しました。
- 2年目,彼はさらに10憶人を連れ出しましたが,その半分は力づくで地球から連れ出す必要がありました。この者たちにも前回同様に家を用意し,教師や監督者を付けました。
- ザラツゥストラの神サマティジャフェスに旅して王や女王を訪問する準備が整うまでには,オーエンはドルジたちを追放して,彼らに御父の布告を邪魔させないようにしました。
ザラツゥストラがジャフェスに来た時,天界の主神たちと『神の言葉を司る』神たちも同行しており,地球の王や女王は彼の前で無力でした。 - ザラツゥストラが町に来て神の啓示を受けて「壁よ,崩れ去れ!」と言うと,天界の天使たちは壁を取り壊しました。
ザラツゥストラが「死者の霊魂よ,ここに来なさい!」と言うと,主神たちはドルジたちを捕まえて,定命の者たちに見えるように掲げました。
ザラツゥストラが「オーマズドよ,子供たちに食事を差し上げなさい!」と言うと,天使たちは『神の言葉を司る神』との間で事前に取り決めしていた時間と場所に集めておいた人々の前に,事前に用意していた魚と果実を置いたのでした! - こうしてオーエンの支配域は定命の者にまで及ぶようになり,ザラツゥストラの言葉はジェホヴィの御言葉として定命の者たちに届けられるようになったのでした。
- そして今,全ての長であるフラガパッティが主上神オーエンとサマティの働きを視察しに来たのです。
オーエンは主神と補佐役の神に,サンハイに戻ったら3日間の余暇活動を取り計らうように命じました。そしてオーエンは天界の植民地の管理者たちにできる限り多くの生徒と臣民を連れてくるように命じました。 - それは実行され,フラガパッティがサンハイに来た時には,この一行の来訪を見ようとして20億人に精神体が集まったのでした。
オーエンはこの状況を演出するため,色々な手段や設備を用意したのでした。
【36章】
- この天界では,フラガパッティがサンハイを訪れた時,200万人という大楽団がこの一行をもてなしたような儀式や式典は今までありませんでした。
- この件についてオーエンはこう言っています。
「儀式と音楽によって,ドルジたちを連れて来た私の眷属に改めて上天の栄光を実感させることができたと思います。またこの3日間の余暇活動により,私は下天の魅力を奪ってしまいました。
私の民草は喜びに浸り,初めて天界の王国の住人として誕生したのでした」 - オーエンは言いました。
「しかし何よりも最大の栄誉は,フラガパッティがサンハイの玉座に敬意を表してくれたことです。ジェホヴィがその場に太陽を創り,その光から御声が発せられた時,群衆は光を見て御父の言葉に耳を傾けたのでした!
フラガパッティが立ち上がり玉座の中央に進むと,光は大きくなり,群衆はその威光の前に平伏しました。 - 光は天界で新たに生まれた者たちに配慮して明るさを落とし,精霊界の人々は大気人と交流し,楽しんだり,上天の素晴らしさを説明したり語ったりしました。
- 余暇活動の後,群衆が整列すると,フラガパッティはジェホヴィの玉座から,最初にジェホヴィの娘エスパシアに語り掛けました。彼女はオーエンの補佐役の神であり,この夜明け後,彼の後を継ぐ者でした。
フラガパッティはエスパシアに言いました。
「ジェホヴィの娘エスパシアよ,私の言葉に耳を傾けてください。
私は御父と共にあり,その御名に誓いあなたに敬意を表します。
ご覧なさい,今日この時から,御父の言葉は定命の者に宿ることでしょう。 - それは大地にしっかりと固定され,離れることはないでしょう。その御言葉が傷つき貶められても,御父の手はそこにあり,潰えることはありません。自分の子供が初めて言葉を話した時の母親の喜びと同じく,私たちも御父の言葉が地上に根付いたことを喜びましょう。
今までは御言葉はイヒン族の下にありましたが,秘儀として伏せられていました。その言葉は『全人類を救済する種』として用意された人々とともに秘儀として鍵を掛けたため,地上で維持できなくなりました。しかし今は違います。その御言葉は公然と定命の者たちに伝えられています。 - もしも下天に御父の言葉を知らない霊魂がいたら,今後は地球に降下させてそこで御父の掟を教えてもいいでしょう。
今までは下天の天使たちは自分の持ち場にいても御言葉を聞く機会がありませんでした。ご覧なさい,今や御言葉は私たちの息子サマティとザラツゥストラを通して刻まれ,失うことはないでしょう。 - あなたは夜明けの中で光を維持するべく,この天界の最初の女神にして,天使や定命の者たちが暮らすこの地球の管区の主女神となりました。
あなたは最初に定命の者たちに根付いた御言葉を守ることに全力を尽くさなければなりません。ザラツゥストラの町と全ての司祭に対して,自分の天使の眷属の中から賢者を選び出して,彼らの保護と御言葉の維持するように努めてください。 - しかし御言葉を否定したり壊そうとする定命の者については何の援助も与えないでください。そのような輩には天使を付けずに放置するか,失敗に導くような天使だけを付けてください。
あなたは礼拝堂で自分の眷属を養い,そこで『偉大なる霊魂』を崇拝してください。 - ジャフェスの領内の郊外や道端で,定命の者たちに『祭壇の車輪』を吊るすように啓示を下しなさい。そうすれば定命の者たちはその場所を通過する時に創造主のことを思い出し,車輪を回そうとするでしょう。それを実現するため,あなたは祭壇の全てに天使を配置し護衛させて,何かあったらあなたの玉座に連絡を入れられるように使者を付けておきなさい。
定命の者が車輪を通過しそれを回した時,その者が病気を患っていたら,あなたは天使を遣わして癒して差し上げなさい。しかし御父を想って車輪を回したわけでもなく,病気を患っているわけでもなければ,護衛の天使はあなたに知らせる必要もなく,天使を遣わして癒す必要もありません。
それにも関わらず,車輪と祭壇は人間たちに次のようなことを考えさせるでしょう。
もしも信仰心なき者が車輪を通過しても,車輪が回らなかったり病気を患ったりしたら,その者は悔い改め,車輪を回そうと戻ってくるでしょう。そうしたらあなたは急いで天使を遣わし,その者を癒してください。その者は創造主から施してくれたことを喧伝してくれるでしょう。 - なぜならあなたは『あらゆる光』の命令を実行する限り,私の上天と一つになり,さらにその上天とも一つになり,最終的には創造主と一つになるからです。あなたに力や叡智が不足していれば,御父に問い掛けなさい。そうすれば私はあなたにその名の誓い,答えます」
- その後,フラガパッティは評議会で,アストレスで創造主の言葉通りに話しました。彼は玉座の足下に降りて行くと,アストレスで行ったように元帥たちが彼の前を通過しようとする人々のために場所を空けていました。そのため楽団が歌や演奏を始めると,人々は手を振りながら彼の前を行進し,フラガパッティは反物や花,花冠を作って,その数が20億人であっても通過する全ての人々に下賜したのでした!
【37章】
- フラガパッティはアラビーニャとその天界の主上神エチャドが暮らす天界の王国ハイロムに向けて出航しました。
- エチャドもジェホヴィの御声を聞くことができたので,間違いを犯すはずがありませんでした。彼が地球と天界の管区の主上神に任命された後,ジェホヴィは彼が自分の王国を創設する前に,オーエンの時と同じくオテヴァンを作らせて領内の各地を巡らせて,記録させました。
エチャドは自分と一緒に,地球と下天の事前調査で必要となる階級の測量士,検査官,記録係,算術家を3万人同行させました。それ以外には楽団や伝令,使者もいました。 - 彼は40日間,この調査に従事し,記録を完成させました。エチャドは記録を2つ複写しており,1つは精霊界の自分の王国のため,もう1つは彼が設立しようとしている天界のために役立てようとしていました。
天界で永遠に保管されているこの記録の中で,算術家が地球で彷徨う霊魂を推定したところ,10憶80万人おり,その大半は忘却と消滅の状態に陥っているとのことでした。大半の霊魂は自分が誰だかと分からず,定命の者であった頃のことも記憶にない状態でした。さらに何百万もの霊魂は話し方も忘れてしまい,口が利けなくなっていました。
何百万もの霊魂は胎児や使い魔として定命の者に憑りついており,定命の者が飲み食いする食べ物や飲み物の霊的な部分を取込むことで自分の存在を維持していました。
またその他の何百万もの霊魂は悪意から定命の者たちに戦争を吹き込み,悪の道へと誘っていました。なぜなら互いに破壊し合うのを見たり,定命の者に自殺やその他の悪事を唆すことに喜びを感じていたからです。 - ゲイヴィス地方には4つの地獄があり,そこには6,000万人の精神体が苦しみに喘いでいました。彼らは永遠の恐怖の中で互いを苦しめ合っており,特に男女は言うのも憚られることを行っていました。
こういった苦しみに喘ぐ者は地球から連れ来られたばかりのエスヤンであり,邪悪な目的によりこの地獄に放り込まれました。なぜなら定命の者たちが復讐を喜ぶと,この御馳走が地獄の果実となるまでその才能は開花していくからです。こういった霊魂は自分の苦しみを和らげようともせず,この苦しみから逃げ出すこともできませんでした。 - エチャドはこの地獄に駆け付けて彼らを救済したいと思いましたが,ジェホヴィは彼にこう仰せになりました。
「まずは居住区を備えたハイロムの設立を優先しなさい。その次にこの地獄に戻り,彼らを救済しなさい。そのためにも彼らのための場所を用意してください」
エチャドはハイロムを設立し,10万人の男女の聖評議員を選出しました。
サークを元帥長とし,ゲスヤを次席神に任命しました。
ジェホヴィが彼に仰せになりました。
「60人の主神を地球の管区に任命しなさい。彼らにはアラビーニャの主要な町で暮らし,定命の者たちを統率してもらいます。主神には全員,自分の命令を実行役として1万人のアシャールを同行させなさい」 - こうしてアラビーニャの主上神によって任命された主神は次の通りです。
最初は『黙示の言葉』を司る神です。
・ツダサグ
・バチャルラーブ
・ネイサン
・ネシュ
・ダス
・シェファト
・ガオネィ
・チャヤ
・ゼカー - 第2が一般的なルーイ。但し世代の特定の管理者の場合,次の者が担います。
・アチュゼ
・チャタ
・ガラ
・ダヤン
・アフシ
・イシュサ
・バサール
・ゴイ
第3は,邪悪な町を破壊し,善良な町を保護し,新しい町の建設を司る者たちです。
・アシル
・シェルンゴス
・マシェバ
・アキメ
・アモス
・アヒオ
・ヤットガブ
・ゼル
・ハウダウィッチ
・ベオディ
・マチャル
・イェーバオス
・アンマ
・ファキル
・セフェツ
・バクレ
・ハイ・ヴィヴ - 第4は,地球でラバ(司祭)と暮らし,彼らを危険から守る者たちです。
・マカベ
・エムル
・アシュシャフ
・アルクモスム
・ライ・アウォッチ
・トリヴィ・ヤブ
・ヘリヴィル
・ベリ・ギブ
・バラッタイ
・シャヴヤ
・ティル
・ボウド・ワタル
第5は,発明への啓示を与える者たちです。
・カルトゥム・ミム
・モーゼス
・ベゲド
・チャカサット
・ミ・ガド
・ジャグリ
・ヘン・ディ
・スルー
・アモテス
・ベングダ
第6は,祭壇と寺院を司る者です。
・アトマン
・クリット
・アナク - この他に,主上神はハイロムと天界の植民地の検閲官を任命しました。アシャールは定命の者たちの守護霊に任命し,エスヤンを植民地に連れてくるように指示し,そこには受取係としてアサフを待機させていました。
- エチャドはここまでの準備を済ませると,300万人の天使を連れてオテヴァンに乗り,苦しみに喘ぐ霊魂を救うため,4つの地獄に向かいました。
彼がその地に到着すると,見てください,ジェホヴィの力と光が彼の上に注がれたのです!
彼は天使の大軍で4つの地獄を包囲しました。 - 「『火の中の火』ジェホヴィよ!」
彼は泣きました。
「この苦しみの地獄を包囲するため,どうか私に火の壁をお与えください!」
すると彼の軍勢の隊列の中に上空から火の敷布が降りてきて,誰一人地獄の住人を逃がすまいと,この場を眩しく窒息しそうなほどの炎で壁で取り囲んだのでした。 - そしてエチャドとその軍勢は左右から彼らに襲い掛かり,火の柱と壁を建てるとドルジたちにとっては眩しすぎて,顔を伏せたり隠したりしました。
エチャドの軍勢は彼ら地獄の住人が自軍の前に平伏すか泣き叫ぶまで,4つの地獄を突き抜けるように行軍しました。彼らは男も女も裸でしたが,それを恥ずかしいと思ったのは最近地獄に連れて来られた者だけでした。 - エチャドは言いました。
「地獄に降りて,恥を知る者を連れ出して『火の壁』の向こう側に集めなさい。しかしその場所にも壁を作り,彼らに服と食事を与えなさい」
エチャドの軍勢は恥を知る者を連れ出しました。
再びエチャドは叫びました。
「今すぐに区分けを始めなさい。そしてそれ以外の者たちは監獄に入れて,逃げ出せないように火で囲んで窒息させておきなさい。
服を着ようとしない者たちに光を降り注ぐのを止めないでください。彼らは裸で自分を曝け出すよりも平伏させておく方が良いのです。しかしなるべく早く,彼らが服を着ることを受け入れて,呪いを止めさせて,彼らに『優しい光』を届けるように」 - エチャドは6日6晩かけて4つの地獄を救済し,7日目には全員を救済することができました。このドルジたちの中には,混乱状態にある霊魂が350万人ほどおり,他者から与えられた苦痛により自分を見失っていました。
エチャドは彼らをオテヴァンに乗せてハイロムに連れて行き,医者に治療させました。 - しかしエチャドと眷属の大半は救済した者たちと一緒に残り,復活に向けた準備を始めました。
エチャドは彼らを検査し,この地獄の始まりは何処にあり,誰がもたらしたものなのかをはっきりさせるため,この地の霊魂を調査しました。
これがこの問題の歴史的な本質の部分だったからです。 - 地上のアラビーニャの小国には,何百年もイフアン人の部族が住んでいました。彼らは30の町を獲得し,首都オスヌを中心に他の町を統治していました。オスヌは,若い頃から大いなる叡智と力を持った王チェ・ムツが支配していました。彼はアラビーニャの大都市を全て征服すると暴君と化し,邪悪な人間となりました。
- 地球や月,星々を学んだ彼は,優れた学問を修めた他の男や少なくない女たちを自分の宮殿に集めて,聖なる民イヒン人からその奇跡と宗教に関する秘儀を聞き出そうと思い立ちました。
この時までイヒン人は世界中の人々から尊敬されており,何者にも否定されてはいなかったのです。なぜなら彼らはイフアン人の先祖だったからです。 - 暴君チェ・ムツは言いました。
「若い頃からイヒン人を崇めるように教えられたせいで,今まで彼らを信奉してきた。彼らが予言に関して(星々の占断以外に)他の方法があることは分かっている。
そこで命令を下す。イヒン人の町を掌握し,そこに住む人々には死を与え,秘儀を明らかにした者には援助を約束しよう。
この予言に関する奇跡と力の賜物を手に入れられたら,パーシー,ジャフェス,アシェムへの進軍が成功し,私は全世界の王となるだろう。この件について私を助けてくれたら,あなたたちが今持っている町とは比べ物にならないほど多くの町を持った王国を与えよう」 - 学問を修めた者たちはこれに賛同し,その後,王の民はイヒン人に襲い掛かり,彼らの脆い壁を壊し,追い払うか殺戮して回りました。イヒン人は秘儀を教えるか,イフアン人と結婚する以外に救われる術がありませんでした。
- イヒン人のラバの長ハブ・バクは王に謁見しこう説きました。
彼はチェ・ムツに言いました。
「見なさい,私の民草はこの国よりも古いのです。この叡智は他の人々とは違い,結婚を通してもたらされます。これをどうやって教えるというのでしょうか?
私たちは生まれた時からベールに包まれています。他の者は誰もこのようには生まれません。母胎の秘儀をどうやって得ようとするのですか?
それに私たちは生まれる前から両親によって,自分たちの宗教を秘匿することを誓わされています。 - あなたは自分の民が私たちと結婚することを望んでいます。私はあなたの目論見が予見できます。
あなたは予言の恩恵を得ようとしているのです。それが悪人に渡れば,その者は叡智の全てを手にするでしょう。
ただ知っておいてください,王よ。そういった目的で予言を望んでも決して得られません。
予言とは別の道からやって来るものだからです。 - もしも私の民草があなたたちと結婚しても,ただ私たちを失うだけです。
もしもあなたが私たちの暗号や御印を知ってもあなたには何の役にも立ちません。あなたはあなたのまま生まれるだけです。
私たちに与えられた予知によれば,私たちはあなたに正当な対価を払うことになります。
どうかこの布告を改めて,私の民草が何千年も残れるようにしてくださるようにお願いします!」 - チェ・ムツ王は言いました。
「何故お前たちは自分のことをイヒン人と呼ぶのか?」
ハブ・バクは言いました。
「私たちが『偉大なる霊魂』だけを信仰しているからです」
王は質問しました。
「『偉大なる霊魂』の真名は何と言うのだ?」
ハブ・バクは言いました。
「ある法則の下でその御名を繰り返すことができます。そうしないと私は予言の力を失います。それにあなたがその御名を知っても口にするだけ無意味でしょう。信仰心を持たない者がその御名を口にしても無意味だからです。
地上における利益や栄光を求めてその御名を唱えても,やはり無意味です。例え私が誓いを破ってその御名をあなたに教えても,あなたに何の価値があると言うのですか?」 - 王は彼を嘲笑すると,そのまま捕えてライオンの巣穴へと連行しました。そこは当時の王や富裕層であれば,不従順な下僕を放り込む場所として1つかそれ以上を持っていました。
ハブ・バクをライオンの巣穴に連れてくると,王はもう一度,『偉大なる霊魂』の名を教えてくれれば助けると言いました。王はその名を口にすることで,病を癒し,盲目や難聴を恢復し,特に予言の力を得ようとしたのです。
ハブ・バクは言いました。
「あなたが私を放り込めば,私は食い殺されます。ですからその前に私にあなたとその王国について予言させてください。
そうです,私は自分についても予言しましょう。
さあ聞いてください。 - あなたは私の民草を滅ぼそうとしました。彼らはあなたたちと較べれば,人間に譬えれば腕全体に対して1本の小指でしか過ぎません。オスヌには何十万人もの人々が暮らしています。他の町にも何万人もの人々が暮らしており,1人では到底数えきれないぐらい多さです。
そうです,私の民草はあなたたちにとって何だと言うのですか?
私たちは全部で1万人にも及びません。聞いてください。1万人にも満たない私の民草があなたを滅ぼすことなどできません。私の民草が自衛のために手を上げることもしません。 - しかしあなたが私をライオンの巣穴に放り込めば,私は食い殺されるでしょう。さて,ここにつばの無い帽子があります。この帽子はライオンの巣穴から出てきて,何千年も強大な力を揮うでしょう。この帽子は私の血で赤く染まります。なぜなら私は『偉大なる霊魂』を信仰する者だからです。そしてこの帽子は私の民草の手に戻り,『緋色の帽子』と呼ばれます。
その日,あなたはこの帽子はオスヌの街道に運ばれ,あなたは自分の民草に殺されます」 - 王は笑って言いました。
「予言は時に,それを現実のものにしようとしてありもしないことを口にするものだ」
王は刑吏に合図を送り,ハブ・バクを罠の上に押し込めると,30匹のライオンが住む巣穴に放り込みました。ライオンは彼に襲い掛かり食い殺しました。彼の帽子は血で赤く染まりました。イヒン人を信奉していた人々は帽子を手に入れると,ハブ・バクの予言を広めて回り,大衆は暴君を滅ぼすための口実を探すようになりました。
やがて街で暴動が発生し,人々は王を襲撃して殺害し,王の顧問や補佐官を務めた学問を修めた者たちも殺害されました。 - 天界の図書館には次のような記録が残されています。
「地球のオスヌの王チェ・ムツはその残虐さにより何千何万もの人々を死に追いやりました。そして彼らは怒りを抱えて死んだため,その不遇により彼らの精神体は『堕落した下天』に向かい,そこで苦しみに喘ぎ,それがさらに王への怒りを増幅させて,王を殺すため,さらなる悪意を掻き立てたのでした。
アラビーニャの代表的な王であるチェ・ムツは自分の民草に殺されて,王の顧問も共に殺されました」 - 彼らの霊魂が定命の肉体から解放されると,ドルジたちは王とその顧問たちの霊魂に襲い掛かりました。彼らは『堕落した下天』の中でも悪臭漂う場所へと連行すると,王とその顧問たちをその中に放り込み,彼らを追いかけて何度も殴りつけるのでした。
『堕落した下天』において『新たに創設された地獄』として知られるようになると,他の霊魂もそこに新たな犠牲者を連れてくるようになりました。そしてドルジたちは地上のアラビーニャ付近を徘徊し,憎悪を抱く者を見つけたら地獄に連れて行き,彼らを殴打したりそれ以外の方法で罰しながら,6,000万人の精神体が住まう4つの地獄になったのでした。
【38章】
- エチャドがこの地獄の歴史を知った時,王とその顧問たちの霊魂を探して見つけ出しましたが,残念ながら彼らは何も覚えてなく,混乱状態にあるのか,もしくは目覚めることのない悍ましい悪夢の中にいるかのようでした。
- しかしエチャドは彼らのために医師と看護師を用意して治療させたところ,3年でようやく目を覚ましました。しかしフラガパッティが来訪した時には自分が何者であったのかを知るまでには回復しておらず,仮に瞬間的に思い出したとしても次の瞬間には忘れていたことでしょう。
まだ何日も経っていませんでしたが,地獄の解放後,エチャドは住民をハイロムとその植民地に移動させました。 - フラガパッティの来訪を事前に知らされていたエチャドは,主神と将軍,長たちや,学校,工場,病院の管理者にその旨を伝え,ハイロムに多くの大気人を連れて来て3日間の余暇活動を楽しむように言いました。
- フラガパッティが到着すると,エチャドの眷属は3日間を大いに楽しみました。この間にフラガパッティは各地を訪れてエチャドの功績を確認したり記録しました。それからダンが終われば彼を精霊界に連れて行くことを伝えました。
3日間の余暇活動が終わり東のラッパ隊が評議会に働くように呼び掛けると,眷属たちが整列しました。フラガパッティが玉座の中央に座り,その隣にエチャド,次にホーブとヤトンテ,次にトゥーリィとエスパシアとゲスヤ,そして階級の低い者たちが並びました。 - 光がすぐに玉座の上に集まりましたが,この時の色は深い緋色で,白い縁取りがありました。
フラガパッティは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御声が人々の上にあらんことを!」
エセナウルが讃美歌を歌うと光の中からジェホヴィの御声が聞こえてきて,こう仰せになりました。 - 「私の子供たちを成長させる者は誰であれ,私は自らの手でその者を成長させます。
叡智と真実を以て私の言葉を語る者は誰であれ,私は審判の席から話し掛けます。なぜならあなたたちは上天の崇高なる王国から降臨しこの天界のドルジたちを成長させた者だからです。私はあなたたちを成長させるため,私は『崇高なる聖地』から降臨します。
あなたたちは定命の者と一緒に私の言葉を確立しようとするように,私はここハイロムを天界における喜びの場所としていきます。 - 地上で人間を創造して以来,私はイヒン人と共にいなかったのでしょうか?
彼らは私への信仰心が篤かったので,私は秘密裏に訪れることができました。
さて,地球は私に選ばれし者に対して手を上げ,彼らを滅ぼそうとしましたが,それは完全に失敗しました。
彼らは私の忠実なる僕をライオンの巣穴に放り込んだ時,彼は死に直面しても誓いを破りませんでした。私は手を差し伸べて彼の赤く血に染まった帽子を手に取り,ライオンの巣穴から回収すると,その帽子に力を与えました。そしてジャフェスの遠く離れた国で,私は『太陽の王』の称号を受け取り,それをヤシャンに授けます。そしてアラビーニャもパーシーのいずれもこの神聖に敵わないでしょう。 - ご覧なさい,私は新たに三角形を加えた御印をあなたたちに与えました。それは『死ぬまで信仰する』という意味を込めて,今後『ハイロム(緋色の帽子)の御印』と呼ばれるでしょう」
- 御声が途絶えると,フラガパッティは赤い光の方に手を差し伸べて,それを掴みこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの緋色よ!
あなたの僕にこの天界の象徴としてハイロムをお与えください!」
彼はこの光を鍔の無い帽子へと変化させ,玉座の上に置きました。
しばらくして1人の特使がやって来てフラガパッティに御目通りしたいと願い出てきました。彼はそれを許可すると,特使は言いました。 - 「ジェホヴィの息子フラガパッティよ,あなたにご挨拶申し上げます!
ジェホヴィの御名において,第6位ウデのツシの神エオクより愛を込めて,あなたにお送りします。
見てください,ハイロムを着用していたハブ・バクが1人いません!」 - フラガパッティは言いました。
「その発言を許可します。彼を神の玉座に連れてきなさい」
特使は退室すると,死ぬまで信仰心を持ち続けたハブ・バクを連れてきました。
彼は玉座に向かうと,フラガパッティは緋色の帽子を手に取ってこう言いました。
「ジェホヴィの王冠に次ぐこのハイロムを,創造主の御名においてあなたの手に渡します!」
彼はハイロムをハブ・バクの手に置くと,ハイロムはとても大きな光を放ち,精霊人以外のほとんどはその光を見ることができませんでした。 - ハブバクは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御力により,私を殺した王の精神体にこの永遠なる光を届けに行こうと思います。そして私は評議会も復活させます。なぜなら彼らは『緋色の帽子』を覚えており,彼らの狂った心を安らげる拠り所となるからです!」
ハブ・バクは三角の御印に敬礼すると,出発しました。 - フラガパッティとその眷属が出発する時間となりました。彼はゲスヤに共に旅するように指示しました。
次にフラガパッティは評議会に指示を出しましたが,それは前の評議会と同じ指示でした。
その後,彼は玉座の足下に降り,元帥たちは人々をその前を行進させるように誘導しました。
フラガパッティは花と花冠,装飾品を拵えると,ここには10憶人以上の見物客がいましたが,その全員にいずれかの物を与えました。 - やがて全員が通過し元の場所に戻ると,フラガパッティは古代の慣習に倣って玉座の足下に座り,エチャドは彼の下に降りて行き,その手を取ってこう言いました。
「立ち上がってください,ご主君にして,いと尊き御方の息子よ,お行きください!」
フラガパッティは立ち上がると出発し,進行役を務めた男神女神が後に続きました。そして彼ら全員がアヴァランザに乗ると出発し,ヘレステとその天界を統治するギラクシの王国に向かいました。
【39章】
- ギラクシが自分の赴任先である地球と天界の管区に到着した時,ジェホヴィの御声が届き,こう仰せになりました。
「私の主上神よ,御父の声に耳を傾けてください。この管区にはイヒン人は残っておらず,その地は種が蒔かれていない畑のようなものです。イフアン人はドルク人と結婚したため堕落しました。
あなたは雑草と薊が生い茂る場所に赴任したのです。 - あなたは自分の領内を見回っても,正義を遂行してくれそうなルーイもアシャールも見つけられないでしょう。
定命の者と天使たちに私と私の王国のことを伝えるにはどうすればよいのか,考えてみてください。 - ギラクシは調べたところ,ヘレステの定命の者は野蛮人であり,その多くは裸か,冬に暖かく過ごすために動物の皮を着ている程度であることが分かりました。何人かは地面に穴を掘り,何人かは樹皮や葉,草で作った家で暮らしていました。
彼らの食べ物は大半は魚か肉でした。町の数は多いのですが,いずれも小さく,どの町も話し言葉は異なっていました。 - 戦争の武器は棍棒,槍,弓矢でしたが,鉄や銅がなかったため,切断には石を使っていました。
- ギラクシは言いました。
「このような人々を成長させるのに,どうやって動機付けすればよいのでしょうか?」 - ギラクシは領内の天界を調査しましたが,残念なことに王国も組織も社会も存在していませんでした。定命の者が生きたり死んだりするように,彼らの霊魂は同じ場所に留まり続けていました。
物質を手に入れるのと同じ方法で,霊的なものも手に入れようとし,定命の者たちの戦争や狩猟に参加したり,定命の親族を通して見聞きしていました。 - ギラクシは言いました。
「このような天使たちを成長させるのに,どうやって動機付けすればよいのでしょうか? - もしも私が定命の者たちに土を耕して亜麻や羊毛で衣服を作るように言ったとしたら,私は愚か者か,もしくは難癖を付けているだけではないかと思われるでしょう。
もしも私が天使たちに,さらに上にはもっと美しい天界があると言っても信じてもらえないでしょう。全ての成長は鍛錬と勤労にあると彼らに教えたら,彼らは成長するのを嫌がるでしょう。
私が『成長するには勤労を学ばないといけない』と伝えても,それを実践した金持ちの人々を他国で見たことはありますか?
彼らは私の言うことを聞こうとしません」 - ジェホヴィはギラクシに仰せになりました。
「あなたの管区には1億人以上のドルジがいます。山や谷,森は彼らで満ち溢れ,闊歩しています。旨そうな餌で鳥を罠に掛けるようにすれば,ドルジたちを集めることはできます。しかし定命の者たちについて言えば,特定の場所に飢饉を引き起こし,目に見えない世界で起きている問題について考えさせたらよいでしょう」 - ギラクシは何百万人もの眷属を集めてこう言いました。
「あなたたちは何十万もの聖なる輪を作り,私がこれから指示する場所に行き,ジェホヴィの御名を唱え,上天にお祈りしなさい。そうすればこの地に飢饉が発生します。森の動物には疫病が流行ります。あなたが病原菌を水に投じたら,魚が死にます。
定命の者たちの活動を停止させて,考えさせなさい。 - あと,アシャールを派遣し,定命の者たちの中から最も予知能力に長けた者を見つけて,その者を通して飢饉と疫病を予言させなさい。そうすればその者は人々から崇められ,私はその預言者を通して地球の住民を統治できます」
- 天使の扱いについてギラクシはこう言いました。
「私はドルジのために5つの天界を建てます。それぞれモンク,アカ,トロイ,ビ・ヨメ,ヘレンと呼ぶことにします。
この天界の管区を統治するのは私が任命する5人の主神です。
・モンクの主神にはキ・リオペ
・アカの主神にはイティウス
・トロイの女主神にはフォービー
・ビ・ヨメの主神にはリリイ
・ヘレンの主神にはコーイェ
山間の天界は,純粋で喜びに満ちた場所にしていきます。 - あなたたちは丸1年間,その地で饗宴と競技を催してください。ドルジは未熟者なので,こういったことに執心させること以外できることはありません。
- 5つの管区にはそれぞれ 50 万人ずつ,私の眷属を割り当てます。彼らにはヘレステの領内を探索し,5つの天界にドルジたちを連れて来させます。
- 私は50万人の評議員と共に,アグアディカの山間に天高原を建てます。主神たちは他所で待機していてください。私は星の光を降り注ぐことで部下となる者を見つけ出し,主神全員に割り当てます」
- 主神たちは別の場所で待機しました。ギラクシは300万人の部下が見つかるまで,星々を降り注ぎました。
その後,ギラクシはジェホヴィの御声に従い計画を進め眷属たちを御父が指示する場所に向かわせました。 - 彼ら全員を配置させた後,ギラクシは評議員を選び,アグアディカ山に天高原とジェホヴィの玉座を建てました。
これほど大事業の礎を築くのに,ジェホヴィの指示された方法を考えた時,彼は独り言を言いました。
「ジェホヴィよ,ドルジたちはあなたの軍隊のやり方を理解できるのでしょうか?
定命の者たちは、主神や神の取組みを理解できるでしょうか?」 - 1年間,眷属はドルジたちを饗応しました。豪華な食事を与え,衣服を着せ,彼らを地上から締め出し,彼らのために用意した王国に連れていきました。そこにはギラクシの命で学校,工場,病院が用意されており,アシャールとアサフを任命し,主神を通して復活の準備を始めました。
そして4年目までには,ほぼ全てのドルジを天界に植民させ,十分な娯楽を与えて彼らが地上に戻るのを阻止しました。 - フラガパッティの到着前から,長い間,彼はドルジたちを招待し饗応していました。このことを彼は使者を派遣してフラガパッティに伝えていました。その場所の取り扱いについて知っていたフラガパッティは派手な色で,力を顕示するように大音量で盛大な音楽で登場すると決めました。
- ギルアクシもフラガパッティに合わせるように,国民に最も派手な色の服を着せました。なぜなら上天に対して無知な者たちにはこうした方法が分かりやすいからです。
- これらは実行され,フラガパッティのアヴァランザは火の船のように上空から降下してきましたが,何千種類もの旗や帳幕,エスヤンの心に畏怖を植え付けるような装飾が施されていました。
一方,ギラクシは最も豪華で贅沢に,自分の場所と王国,アグアディカの玉座を装飾しました。そして彼とその主神,長,将軍,聖評議会の面々は威厳を示すように整列しました。 - これ以外に,ギラクシは儀式の後に饗宴を催しました。饗宴の後,いくつかの娯楽も用意していました。
しかしこの問題に対して,ジェホヴィの考えを誰が知っていたというのでしょう!
ジェホヴィが闇の心を『理解』させるために何も工夫しなかったというのでしょうか! - ギラクシは言いました。
「野蛮人の調教の仕方を定命の教師たちに教えようとしているのでしょう,ジェホヴィよ!
冷たい畏怖に温もりを与えることを教えているのでしょう,ジェホヴィよ!
彼らは牢獄を建てて,囚人に立派な服を着せて安らぎを与えることで,その者に功徳の高い仕事を見せているのでしょう,ジェホヴィよ!
彼らが,復活におけるあなたの御力を学べますように,ジェホヴィよ!」
【40章】
- フラガパッティとその眷属はギラクシの下に30日間滞在し,大いに楽しみました。その後フラガパッティは地球の野蛮な管区における最初の女神ユーロパの王国に向けて出発しました。
彼女には最初からジェホヴィの御声が届いていましたが,この管区には実体人はほとんど住んでおらず,僅かに6億人の天使たちがいましたが,その大半はドルジでした。 - このような状況でしたが,ジェホヴィはユーロパにこう仰せになりました。
「あなたは私の名においてここに王国を創設し,この国は天界や地上において強大になるでしょう」
ユーロパは言いました。
「ジェホヴィよ,何処から手を付ければよろしいでしょうか?」
ジェホヴィはこうお答えしました。
「ドルジについてはあなたも知っている通りです。しかし実体人については,ご覧なさい,銅や鉄もなく,石を使っています。
定命の者に熟練の技術を伝える500人のアシャールをアラビーニャに遣わしなさい。
そしてあなたは50人をこの地に移住させなさい。その50人を銅と鉄の採掘と加工に長けた技能者としなさい。 - あなたのアシャールに定命の者たちに,山に行って鉱石を見つけるようにお告げをさせなさい。次にその場所で採掘し,加工する道具を作り,狩猟や魚釣りのための武具を作らせなさい」
- ユーロパは天使をアラビーニャに派遣し,50人にユーロパの下に行き,銅や鉄を見つけ,加工するようにお告げしました。4年でアラビーニャを去った者は2万人を下りませんでした。
アシャールたちはドルク人と混血のイフアン人に多くのことをお告げしました。
こうした方法でより高い光を持った新しい人種がユーロパの管区に生まれたのです。 - ザイグルでユーロパは天界の王国を建国し,オイチの町を建てました。50万人の天使が聖評議会の議員となり,5万人が長となりました。アシャールは200万人おり,一部は精霊人で,一部は大気人でした。
- 彼女はギラクシのやり方と似ており,天界の王国も同じように統治しました。そして4年間で彼女は領内の大気界にいたほぼ全てのドルジを救済しました。そのためフラガパッティが来訪した時,彼女はギラクシと同様に眷属全員を出席させて娯楽を提供しました。
- この後,フラガパッティはコワネアの天界の王国と地上の管区を訪問しました。
次にフラガパッティはムウィンミの天界の王国と地上の管区を訪問しました。
次に彼はオツハタとその地,次にスーファを訪問しました。 - フラガパッティは何日も掛けて主神や神々の働きを調査し,記録していきました。彼は彼ら全員と話し,その声は下天で暮らす全ての人々に聞こえました。
フラガパッティが主神や神々と共に成し遂げた功績は大きく,その内容は人間が一生を費やしても読むことができないほどの分量です。またこの旅における余暇活動の素晴らしさや栄誉についても,とても地球の言葉では言い尽くせないものでした。
【41章】
- 夜明けが間近に迫っていました。
フラガパッティは地球と天界の知識を十分に蓄えた大気界のハライティの天界の王国モウルに戻りました。
首都は照らされ,上天の礼節が普及しました。 - 40億人以上の天使が第3の復活に向けて準備していました。
フラガパッティは自分に仕えていた主上神,主神,神と,生来の神サマティに手紙を送り,夜明けが来たら昇天することを伝えました。
彼は復活を遂げる日時を全員に知らせました。 - 次にフラガパッティは精霊界のジェホヴィの玉座で働いている特使を呼びました。
彼は言いました。
「見てください,ダンの夜明けが迫っています。ジェホヴィの花嫁花婿は100億人もいます。グーマチェラの森と平原における2つの管区で収穫した階級は55と70です。
このことをあなたたちはアフォルキスタンの道中にいるアラワチャの女神ホセイスに,ジェホヴィの御名と,その息子にして長フラガパッティの名において伝えてください」 - 特使は敬礼すると出発しました。
次に彼は下天の王国に仕える使者を呼びました。2万人いた彼らは12のグループに分かれ,天界の地球の指定した場所に配置されていました。 - フラガパッティは彼らに言いました。
「各地の主上神,主神,神に,その配下の役人を通して,ジェホヴィの御名においてご挨拶申し上げます!
ジェホヴィの御名において後継者を指名し,聖油を注ぎなさい。そしてあなたの王国が無事譲り渡せたら,モウルの玉座に来なさい。なぜなら私の眷属たちの復活が近づいているからです。
あなたたちには来賓として相応しい船か乗り物を用意し,ジェホヴィの息子,娘たちの昇天の儀式を見たいと願う大気人を連れて,王国と最も高貴な聖地から来ていただきます」 - この命令は実体界の地球とその天界全土に届けられました。
次にフラガパッティはアトラヴァに言いました。
「あなたは花嫁と花婿を迎えなさい。私は神とザラツゥストラを迎えに地球に降下します。彼らは私の船でこの地に運ばれ,ここから精霊界へと向かいます」 - 地上と天界で暮らす全ての霊魂の興奮が最高潮に達しました。ハライティには既に4,000以上の植民地があり,どの植民地にも第3の復活の資格を有する者たちが何百万人もおり,来るべき昇天の儀式で旅立ちます。
この中にはあらゆる職業の人がおり,複数のグループに分かれて秩序が完璧に保たれていました。
長と将軍が彼らを密集隊形に再編成し,神々がその密集隊形を王国に組み入れました。 - ゼレドは4億人の精神体をハライティに贈りました。主上神は彼らだけの管区で複数のグループを形成し,最終的な昇天の場となるモウルに到着したら,さらに編成する必要がありました。
彼らの中には事前にハライティに遣わされた者たちも含めて,復活を遂げた者が10憶人いました。 - フラガパッティはザラツゥストラの命日を知っておくため,神サマティに特別に使者を送りました。彼は『堕落した下天』において神の啓示により定命の者に説法するため,3日間を ザラツゥストラのために割り当てしました。そして4日目を地球からの昇天の日と定めました。
- 全ての問題に対処した時,フラガパッティは最高位の息子娘たちがいる聖評議会の『神聖なる輪』に集まるように命じました。
光が昇り,男神女神だけがこの光の中,ジェホヴィの玉座近くに留まることができました。
フラガパッティはホーブに輪の中央に立ち,審判の席に向き合うように命じました。 - フラガパッティは言いました。
「あなたの創造主の言葉を聞いてください,ホーブよ。
私が燻っていたあなたを私の霊魂に触れさせることで活気づけて,大地から呼び覚ましました。
あなたが若い頃から,私は毎日あなたのことを見続けてきました。
私は『聖なる丘』から1人の女性の優しさで包み込むように,あなたに呼び掛けてきました。
あなたが私から逃げようとした時も,あなたのことを追い続けました。
そうです,私は『私の永遠の王国』で高位を保つ息子を呼んで,こう言いました。
『息子よ,すぐに出掛けて,私が愛するホーブを追いかけてください。追いかけて連れてきてください。なぜなら彼は私が選びし者だからです。 - 彼は赤い星の神となります。その星の天界は彼の前に平伏すことでしょう。
私は彼を育てて,『聖なる火』で聖油を注ぎます。
彼の顔は私の大宇宙の中で太陽のように輝くことでしょう』 - 私の息子フラガパッティはあなたが逃亡するのを奸計を用いて立ち塞がりました。あなたは声を上げて私の栄光を讃えてくれました。
あなたは両腕を巻くって収穫物を掴もうとしています。
あなたの果実は栄光の歌なのです。 - 私はあなたにあらゆる事で経験を積ませたのではありませんか?
地獄の断崖から転げ落ちないように,私はあなたを見守ってきました。
あなたを『永遠の死の闇』が包み,絶望の淵にあった時も,私はあなたの下に来て立ち上がらせました。 - 息子よ,私はあなたのお蔭で多大な利益を得たのでしょうか?
ありとあらゆる場所で,何百万人という無数の嘆きが叫ばれています。
彼らは私のことを見ていません。彼らは私やその天界を知りません。
安息を知らない困難な海のように,定命の者や天使の声はいつまでも叫び続けているのです,『光がない!』と - それではホアブよ,あなたにとって私は賢くなかったのでしょうか?
私はあなたに強い両足,遠くまで差し伸べられる両腕を与えました。この大群衆にとって,あなたの判断が道標となるように据えました。 - 私は羽を持った若い鳥にこう言います。『飛びなさい!』
その鳥は飛び去っていきます。
私は人間にこう言います。『私の名の下に進みなさい!』
しかし彼は周囲を見回すだけです。
もう一度,私は言います。『進みなさい!』
しかし人間は隣人に意見を求めます。
もう一度,私は語り掛けます。『私の下に来なさい!』
それなのに人間は彷徨います。
もう一度,言います。『来なさい!』
人間は言います。『そのうちに』
もう一度,言います。『来なさい!』
人間は答えました。『光がありません』
もう一度,呼び掛けましたが,人間は『ああ,何もない!』と答えました。 - 人間は闇の中に沈んでいきます。人間は私を呪い,間違った考えで私を非難します!
人間は私の言葉を簡略に説法しますが,その言葉は私の教えからはかけ離れています。
闇の悪臭が漂う場所では,私の聖なる天使たちは近づけません。人間は目耳を塞いで頑なに身を潜めています。 - しかし私は地球とその星々に息を吹きかけます。私は彼らを天界の大宇宙の新たな道へと導きます。
私は上位神が住まう場所へと,彼らを風の前のもみ殻のように連れ出します。
私の天界の光で闇を振り払えた時,私は大いなる力を持った神々を遣わします。 - ホーブよ,私はこの目的のためにあたなを育てました。
あなたには私の盾があります。
あなたは『赤い星の三角形』を身に着けなさい。
200年間,地球とその天界を統治しなさい。
私の名においてここに話しました,ホーブよ!」 - ホーブに言いました。
「御父よ,あなたの御声は届いています!
私の両足は弱く,両手は麻痺した老人のように震えています。
私は完全であろうとしてきましたが,無駄でした。
私は傷付き,破れたトランペットのようなもので,調和を取ることも,力強く吹くこともできません。 - あなたは最初,私に妻と息子,娘たちを与えてくださり,あなたの栄光のために統治し貢献しようと思いましたが,完全に失敗しました。
妻は私の目で見ようとせzじゅ,私の耳で聞こうともせず,私の判断に従おうともしませんでした。私たちは旋律が外れた2つの楽器のようなものでした。
息子と言えば,羊飼いがいない羊のようなもので,道に迷っていました。私の助言は木陰のように弱いものでした。
娘たちは私の目の前で若い男を選び,私の愛から離れてしまいました。 - 私はあなたに泣き叫びました。
「ジェホヴィよ,どうしてこんな私に王国を与えようとなさるのですか?
ご覧ください,その王国は粉々に砕け散ってしまいました!
私は悲嘆に暮れました。しかしあなたの御手は天界から私の心を奮起させて,別の王国をお与えくださりました。
しかし私の民草は私の目や耳を通して考えたり聞こうとしませんでした。
私はこの目に間違いはなかったのか,この耳に間違いはなかったのか,そして私の判断に間違いはなかったのかを知りたいと思いました。 - 私は森で迷った者のように周囲を見渡し,太陽の方向には目を閉ざし,多くの舌の根に導かれながら進みました。そして私の王国に境界線を引いて全ての光から遮断しました。
しかしあなたの息子が私と私の民草を救ってくださいました。 - ご覧ください,子供のように弱い私ですが,こんなに弱い私の所にもあなたの光が届きました。
私はこれ以上,他人が私の目を通してみたり,聞いたり,私の判断に従うことを望みません。
ジェホヴィよ,あなたは私の弱さを癒してくださいました。
物事は1人の目だけで見るべきであり,聞くのも1人の耳だけ,判断も1人の判断だけで行うべきなのです。 - あなたは仰せになりました。
『私の名において進みなさい!』
私は進みます,御父よ!
あなたはこう仰せになりました。
『地球とその天界を統治しなさい』
あなたの光と力に誓い,これも果たしてご覧いただきます,ジェホヴィよ!」 - フラガパッティを通してジェホヴィがこう仰せになりました。
「私の息子にして神ホーブよ,地球を受け取りなさい!
あなたは地球を保ち,統治しなさい!
私の息子にして神ホーブよ,大気界も受け取りなさい!
あなたは大気界を保ち,統治しなさい!」 - ホーブは言いました。
「ジェホヴィよ,私はあなたの息子となります!
ジェホヴィよ,私はあなたの神となります!
あなたから受け取ったこの地球を保ち,統治します!
あなたから受け取った地球の天界を保ち,統治します!」
フラガパッティを通してジェホヴィがこう仰せになりました。 - 「あなたが今後行うことは,私の名の下で行ってください。なぜならそれらは私のものであり,あなたの中に私がいるからです」
- ホアブは言いました。
「ジェホヴィよ,今後私が行うことは,あなたの御名の下で行います!
なぜなら私は,全ての栄光は私の中にいるあなたが行っていることを知っているからです!」 - フラガパッティを通してジェホヴィがこう仰せになりました。
「私自身の手で,息子にして赤き星の神となるあなたのために王冠を編みます!
私は自分の王国の栄光のために,あなたの頭にこの王冠を載せます。その王冠は無数の神聖さで満たされています。
あなたは叡智と力のために,私の王冠を戴きなさい!」 - フラガパッティの両手が『偉大なる霊魂』によって掻き回され,出来上がった王冠がホーブの頭に載せられました。それは白く輝いており,無数の宝石が散りばめられていました。
ホーブは言いました。
「御父よ,あなたの手ずから王冠をお与えくださいました!
私に戴いたこの王冠は無数の神聖さに満ち溢れたあなたの王国の象徴です。
叡智と力を持ったあなたが私と共にいることを,私は知っています!
私は永遠にあなたの栄光を讃えます!
私の王国は永遠にあなたの栄光を讃えます!」 - 元帥長がホーブをジェホヴィの玉座に案内しました。その席は予め空けられており,ホーブは玉座の中央に座りました。
この間,エセナウルは讃美歌を歌いました。
ホーブは言いました。
「ジェホヴィの息子にしてオリアン長フラガパッティよ,御父の名の下にお伝えします,こちらに来て私の玉座にお就きください」
フラガパッティは玉座に向かい,座りました。
次にホーブはアトラヴァを呼び,その次にハパチャ,その次に他の男神女神たちを呼びました。 - 評議会が開催されると,フラガパッティはこう言いました。
「ご覧なさい,ザラツゥストラの死が迫っています。
あなたたちはここに居てください。私はこれからすぐに地球に降下し,神と彼,神の眷属とその主神たちを迎えに行きます」 - フラガパッティは出発し,地上のパーシーに降下しました。そこでは『聖なる言葉』を委託されていた実体人の集会の場に姿を現しました。
それはザラツゥストラの死から4日が経った朝のことでした。3日3晩,彼の霊魂はジェホヴィの王国について,信仰者たちに説法していたのでした。 - フラガパッティは神にこう言いました。
「私の息子よ,あなたの勤めは終わったのです。
今回のあなたの働きはとても素晴らしいものでした。
私はあなたに感謝しています。
私の船が川の辺に停泊しています。私の光は永遠の玉座に向けて昇っています!」
神(サマティ)は言いました。
「終わりました!
あなたに課せられた使命を果たしました!
ご覧ください,私の息子ザラツゥストラがここにいます!」 - その時,ザラツゥストラは実体界の友人との別れを行っていました。なぜなら彼の精神体はとても早く光り輝いていたからです。
そうです,彼は『あらゆる光』の船を見上げ,御父の声を知ったのでした。 - フラガパッティは両腕でザラツゥストラを抱きかかえると,こう言いました。
「さあ,こちらへお越しください,愛する人よ。
あなたの家は彼方にあります!」
彼らは火の船に乗り込むと,モウルを目指して昇天しました。
【42章】
- 主上神,主神,そして神々がモウルに次々と到着しました。
元帥や役人,労働者は大勢の船が着陸できるように拡張していました。送迎係は各所で任務についていました。
伝令や使者には発表の場が用意されており,待機している何百万もの人々に聞こえるように,交流のための聖餐の長机も用意されていました。 - ご存じのように,ジェホヴィの御業の賜物である天使と定命の者よ,あなたたちが何処にいようとも,彼の御方の王国は上空からいつでも見ています。
地上にいるあなたたちが星々を見上げれば,星々で暮らす彼らは地球を見るため見下ろします。もしも星々から使者を迎えたとしたら,あなたたちにとって降下してきたように見えるでしょう。
しかし彼らにとっては違います。まるで着陸場所付近までは上昇なのですが,それも人々にとっては降下ということになるのでしょう。
そうなってしまう理由は,定命の者や天使の足が大地の上に立っており,頭は足とは反対の方を向いているからです。 - 最初に到着したのはアルディアッタで,フラガパッティとホーブによりアオアスの地獄を救済した霊魂を管理していた女神で,ゼレドとハライティに邸宅を構えています。
彼女と一緒に後継者のガイポンも来ました。彼もまたその眷属を管理しています。アルディアッタは船に13億人の精神体を乗せており,その大半は地獄で救済された観客でした。
これ以外に,ジェホヴィの花嫁花婿として光を身に纏った2,000万人がいました。こちらの方はアルディアッタの収穫であり,彼女が担当していた分でした。
彼女の船は送迎者によって然るべき場所に案内され,その眷属もまた送迎者によって案内されました。 - アラビーニャの主上神エチャドが船で40億人以上の精神体を連れて到着しました。この半分は花嫁花婿でした。
彼の船は然るべき役人が出迎え,所定の場所に案内されました。また彼の眷属も然るべき人が出迎え,それぞれの場所に案内されました。
エチャドは花嫁花婿を連れて,首都の南翼に入りました。エチャドの後継者は眷属と一緒にいました。
エチャドがジェホヴィの玉座の前に姿を見せると,フラガパッティは『ジェホヴィの休息!』の御印で敬礼し,それに対してエチャドは『夕べの栄光!』で応えました。 - エチャドの眷属が着陸する前に,北オセヤの主神オツハタが後継者と一緒に3,000万人を連れて到着しました。この眷属のうち,200万人が花嫁花婿でした。
彼の船は送迎者によって然るべき場所に案内され,彼の眷属も決められた場所に案内されました。 - その間,南グアタマの神コワネアが後継者と一緒に到着し,7億人の精神体を連れていましたが,そのうち6,000万人が花嫁花婿でした。
彼らは然るべき役人が出迎え,決められた場所に案内されました。 - コワネアが到着して間もなく,ヤトンテが後継者と眷属を連れて到着しました。ヤトンテの船は今までに到着した船の中で最も美しかったです。
彼は40億人の眷属を連れていました。しかし花嫁花婿は3,000万人しかいませんでした。
フラガパッティは『西の星!』の御印で敬礼すると,ヤトンテは『黄金の輪!』の御印で応えました。
彼とその眷属は決められた場所に案内されました。 - 南オセヤの神ムウィンミが到着しました。彼の小さな船には4億人の精神体が乗っており,そのうち300万人が花嫁花婿でした。
彼の船は送迎者によって然るべき場所に案内され,彼の眷属も決められた場所に案内されました。 - 次に到着したのは日本とその天界の神スーファでした。彼の船は全ての船の中で最も輝いており,35億人が乗っていましたが,そのうち花嫁花婿は2億人いました。
彼の船は送迎者によって然るべき場所に案内され,彼の眷属も決められた場所に案内されました。
彼が玉座の前に姿を見せると,フラガパッティは『古代人以前!』の御印で敬礼しました!
それに対してスーファは『小さな星!』の御印で応えたのです! - 全員の中で最も愛されている野蛮人の女神ユーロパが到着しました。彼女の船は最も高速で,とても整っており,10憶人の精神体を連れていました。そのうち8,000万人が彼女が収穫した花嫁花婿でした。
彼女が花嫁花婿を連れてジェホヴィの玉座の前に姿を見せると,フラガパッティは『永遠の火!』の御印で敬礼しました。
それに対してユーロパは『ジェホヴィへの信頼!』の御印で応えました。 - ジャフェスとその天界の主上神の偉大なるオーエンが到着しました。彼の船が最も大きく,50億人の精神体を乗せていました。そのうち20億人が花嫁花婿でした。
彼がジェホヴィの玉座の前に姿を見せると,フラガパッティは『愛の力!』の御印で敬礼しました。
それに対してオーエンは『永遠の生命!』の御印で応えました。 - ギラクシの船が到着し,10憶人の精神体を乗せていました。そのうち8,000万人が花嫁花婿でした。
- これ以外にも天界の大管区の部門から76の神々が来訪し,500万人の精神体を連れたり,多い者は2,000万人を連れていました。
地球には島や狭い土地の主神がおり,彼らは小さな船で500万人から1,000万人の精神体を連れていました。
こういった神や主神たちは全員,彼らが管理する場所や人口,状態に応じて花嫁花婿を連れて来ていました。
彼らは全員が出迎えられ,然るべき場所に案内されました。 - こうしてジェホヴィの御意志により地球で生まれた300億人の大気人がモウルに到着しました。このうち18億人の霊魂が花嫁花婿として『偉大なる霊魂』に捧げられるのでした。
この他に,フラガパッティの眷属として1,000万人の精霊人がいました。その大半は男神女神であり,神聖評議員が内側に『聖なる輪』を作っていました。
この次に1,000万人の後継者が控えており,彼らは昇天後のモウルにおける神聖評議員になる予定でした。
この輪の外側に主上神とその部下が控えており,その後ろに花嫁花婿がいました。
その次に,神とその部下,花嫁花婿が控えていました。
その次に,主神とその部下,花嫁花婿が控えていました。 - この輪の外側に後継者である神や主神たちが配下と共に控えていました。その後ろには観客として来ていた眷属が控えました。
彼らには全員,楽団,元帥,使者,特使,伝令がそれぞれの持ち場で待機していました。
しかしあまりにも天使の数が多いため,この偉大なる栄光を見るには1日では足りず,せいぜい100万分の1程度しか見ることができないでしょう。
この壮大な光景は実体界の言葉では伝えられず,どうしても表現しようとすると粗雑な絵画になってしまいます。
【43章】
- 神サマティが言いました。
「私の両手には,あなたから授かった赤い星とその天界があります,ジェホヴィよ!
あなたは最初の3世界の象徴として,そして第1,第2,第3の復活の象徴として私に『三角形』を授けてくださりました。
私の統治は終わりを迎えました。あなたの神聖なる収穫と共に,あなたは私を上位の世界へと招いてくださりました。 - しかしあなたは息子のホーブに偉大なる叡智,力をお与えになり,育てました。
彼は私がいたこの場所の神となり,あなたの息子となります。
御父よ,私はあなたの御名において,彼に,あなたの象徴にして,あなたの創造された世界,そして個々人の象徴でもある『三角形』を授けます。
私がこれを手放すことで,今回の夜明けに関する記録は終わりとなります。そしてホーブがこれを受け取ることで,彼の統治が始まります。 - 神は『三角形』を外すと,ホーブの首に掛けてこう言いました。
「私は地球と天界の神であるあなたに敬意を表します!」
すぐにエセナウルが「ジェホヴィの息子にして神に,万歳!」と歌いました。 - さて,神と主神の眷属と,彼らの中で復活を遂げた者たちが到着する頃,大宇宙の遥か高みから双子のような2つの星が降下しているのが見えました。それはアラワチャの女神ホセイスのアヴァランザで,ジェホヴィの花嫁花婿を受け取り,上天のオリアンに用意した精霊界の場所に連れて行くためのものでした。
- 彼女のアヴァランザはアフォルキスタンの道を下って此方に急行していました。
これらの光に纏わる栄誉と,モウルの式典,どちらを見るのが最も良いのか誰にも分かりませんでした。なぜならどちらも畏敬と壮大さで優れていたからです。
そしてある眷属は大勢いて,エセナウル,歌手,遠く離れたラッパ隊が彼らを誘導しました。そこに立っていたのは広大な白の海のように真っ白の服を着飾った100億人以上の花嫁花婿でした! - しかしそれほど待たせたわけでもありません。なぜなら神々はどの冒険もそこの状況に合わせて時間を調節したからです。
双子の星は2つの太陽が降下するように見えるまで次第に大きくなり,それはハライティの規模と同じぐらいの大きさに見えました。
観衆が見守る中,フラガパッティは玉座で立ち上がり,こう叫びました。 - 「ご覧なさい,神と主神たちの兄弟愛が地球とその天界に与えられる時が来ました。地球には多くの管区があるため,私は各地に多くの主神を送り込み,定命の者たちを統治させました。
この全土を統べるため,1人の神を任命します。 - なぜならこの方法で赤き星の最初の天界の王国がジェホヴィの息子セタンテスによって設立されたからです。
その日以来続いた歴史の中で,最初の主神が王国内で力を失うと,別の主神も力を失い,という形で次々と力を失った結果,神々でさえも天使や定命の者たちに正義を遂行する力を失ってしまったのです。 - あなたたちが他の世界の天界の王国のように強くなれるように,私はジェホヴィの御名において『神族会議』の創設を布告します。
各管区の神,主上神,神々,主神で『神族会議』を構成します。この世界や他の世界の誰からの命令も受けることなく,男も女も『神族会議』の議員となります。 - ゼレドから神に昇格したホーブが『神族長』となり,他の議員を統率します。しかし『神族長』の名は,他の『神族会議』の議員が複数の領地を統治している場合に限り,使用できるものとします。
地球や天界で暮らすいかなる者も『神族長』の地位に就くことはできません。 - 『神族会議』は地球換算で毎年3回,首都モウルで開催され,各自の領内の問題について討論します。『神族会議』が開催されたら,各地の男主神,男神,女主神,女神は出席し,私の命令通りに行ってください。
- 議院が集まったら『神族長』だけが『Div』の称号を有するものとします。
各議員は『あらゆる光』の息子である『神族長』に敬礼します。
『神族会議』は非公開とします。また,後継者として主神や神に指名された新人以外,いかなる者もこの会議に出席することはできません。但し,新人は誰も『神族会議』で発言することはできないものとします。 - 『神族会議』の各議員は自分の管区における報告をしてください。例えば,支援が必要なのか,他の天高原への移民を受け入れてくれる者はいるのかです。こういった報告を『神族長』の前で行ってください。
全ての報告が出揃ったら,『神族長』はジェホヴィの御声に従い,各管区の誰か,または何人かに与えたり,強要したりといった裁決を下します。 - 『あらゆる光』の息子『神族長』の裁決は『ディヴァン法』と呼び,何人も上告できないものとします。
主神や神々はいくつかの領内において定命の者にこの布告を実行させますが,彼らに伝えるのは地上の神々が行うものとし,定命の者はラバを通して『あらゆる光』からの霊的情報を受け取るものとします。 - 『神族会議』では特使も出席し,全ての法案が可決するのを見届けるものとします。
その後,特使は速やかにモウルを出発し,地球とその天界の道中にある精霊界の王国を訪れ,最も近くのオリアン長か,ジェホヴィの息子である他の精霊界の神にここで決まったものを報告します。 - 私がここで決めたことがジェホヴィの御名において最後まで続けるためにも,私が他の実体界や大気界の神々の儀式や式典に従って執り行ったように,神や主上神,男神,男主神,女神,女主神には御父の玉座に少しでも近づけるようになってください」
- 元帥たちは最初にトゥーリィ,次にエスパシア,次にゲスヤといった順に,領地を持つ眷属が全員フラガパッティの前に集まるまで,神を除く全員を玉座の前に案内しました。
神(ホーブ)は立ち上がり,西の方を向きました。
フラガパッティは言いました。 - 「『あらゆる光』よ,あなたの御名において私は地球とその天界に『神族会議』を創設しました。ここに私はあなたの神に『神族長』に聖油を注ぎ,同様に後継者の方々に聖油を注ぐ権限を与えます。
あなたの御声と審判が永遠に『神族長』とともにあることを!
そしてあなたの主上神,男神,男主神,女神,女主神にも『神族会議』の一員として聖油を注ぎます。また任期が終わった後も後継者に聖油を注ぐ権利をあなたの御名において彼らに与えます。
あなたの叡智と力が彼らと共に永遠にあることを。アーメン!」 - 神は言いました。
「『あらゆる光』よ,あなたの御名において『神族会議』を受け入れます。私の神,主神たちを代表して,あなたの『神族会議』の力を天界と地球に知らしめます」 - 他の者たちはこう答えました。
「『あらゆる光』よ,私たちはあなたの布告を永遠に実行します。
あなたの栄光のために,その叡智と力を私たちに賜りますように!」 - フラガパッティは手を上に伸ばしてこう言いました。
「ジェホヴィよ,全支配の中の一部の支配よ,私にあなたの象徴をお与えください!(Inqua git s’ang, of Thy Inqua git s’ang, O All Light!)」
玉座の前にあった光から1つの物質が現れ,フラガパッティはそれを手に取ると,最初は凹んだ球体を作り,そこに他の球体を作りました。次に2つの絡み合った『三角形』を作り,『神族会議』の面々に『球体の中に入った球体』と『三角形』を与えました。
彼は彼らにこう言いました。 - 「ご覧ください,ジェホヴィよ,あなたは私を高位の天界から呼び寄せて,こう仰せになりました。
『赤い星地球に行ってください。
彼の星の土壌は人間の血で濡れています!
彼の星の天界は死んでいます。
私への収穫は何もありません!』
私はあなたの御言葉に従い,定命の者たちを救済しに訪れ,血を伴いながらもそれを成し遂げ,地球全土を浄化しました。
私はあなたの失われた子供たちを下天で搔き集め,力を与え,育てました。
私の中にあった『あなたの光』を通してあなたの御業と1つになれた私は,神や主神を育てました。あなたが創造された世界に倣って,完璧な物が他の中で見つかることを願い,この聖なる御印を彼らとその後継者に永遠に授けたいと思います!」 - フラガパッティは主神と神に授けると,これで彼の仕事は本当に終わったのでした。
- その間,ホセイスの太陽の船が接近し,モウルの南と西に着陸しました。この強力で雄大な光景を,何十億という人々は固唾を呑んで見守っていました。
火の船からホセイスの眷属の元帥たちが降りてきましたが,そこには3,000万人が乗っていました。
彼らは船からジェホヴィの玉座まで『絨毯』を敷き,ホセイスは船から降りるとその上を足早に歩きました。
フラガパッティとその眷属は彼女を迎え入れ,玉座まで案内しました。 - さて,男神女神の間で式典が行われた後,アトラヴァは立ち上がり,こう言いました。
「アラワチャの女神ホセイスよ,ジェホヴィの御名において,私は天界と地球の花嫁花婿をお贈りします。彼らはサマティ,ハニオスツの管区の神,その主神と神々がオリアン長フラガパッティを通して,御父の涅槃のために献上する収穫物です!」 - ホセイスは言いました。
「ジェホヴィの花嫁花婿よ,ジェホヴィの御名において私はあなたを受け入れ、全上天世界に送り届けます」 - ホセイスとアトラヴァは平時と変わらず式典を進め,100億人の花嫁花婿の答礼を受けました。
(訳注:答礼の詳細は『セタンテスの書』20章に記述しています) - 式典が終わり,昇天の時が迫っていました。フラガパッティとホセイスは神と主神を伴い玉座の足下に降りて,そこで腰を下ろしました。
神ホーブは玉座の中央に1人座ったままでした。エセナウルが『ジェホヴィの世界の行進!』という讃美歌を歌いました。
その曲が終わると,神は玉座を降りて,フラガパッティとホセイスの手を取ってこう言いました。
「立ち上がってください,ジェホヴィの息子と娘よ!
御父が呼んでいます!
お行きください!」
フラガパッティとホセイスは立ち上がり,神と主神も全員が立ち上がりました。 - 神ホーブはフラガパッティの両腕の中に飛び込んだのでした!
彼らは抱擁すると,神は引き下がり,玉座に戻りました。
フラガパッティは『信仰者!』の御印で敬礼すると,神は『永遠に!』の御印で応えました。
眷属はフラガパッティとホセイスの後につ続いて偉大なるアヴァランザに乗り込みました。 - フラガパッティは自分のアヴァランザをアトラヴァとその配下に与え,彼らは磁石を取り出すと回転させました。
全員が乗り込むと,ホセイスは上昇を指示し,強力な火の船は旋回しながら上昇しました。 - フラガパッティは花や帳幕を作り,たくさん海に向けて投げました。そのため200億人に何かしらの形見が渡りました。
しばらくすると復活が終わりました。太陽の船は高く上昇し,地球の渦を通過し,精霊界へと入り,崇高なるジェホヴィの息子や娘たちに用意された王国へと旅立ったのでした。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)
コメント