人間が創成された後,地球の最初の周期の最初の神
【1章】
- 地球での暮らしが始まった頃,天界の天使たちは地球における安息の地『ホレド』に集まりました。
- 天使たちの中で最も賢明であった大天使セタンテスは,他の天使たちにこう言いました。
- 「ご覧なさい,私たちは遥か遠い天界からジェホヴィの声に導かれるように,赤い星『地球』の栄光に浴するためにやって来ました」
ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私が創ったこの新しい世界に来て楽しんでください。生命の泉である『知識の木』以外であれば,全ての果実を食べてかまいません。ただ,あなたたちが死んでしまうといけないので,知識の木は食べないでください」 - しかし地球の声が私たちに語り掛けてきました。
「食べてみなさい。永遠の命の木は私のものなのですから」 - 多くの天使たちは御父ジェホヴィの声に従わなかったため,今では血という生命の禊によって縛られてしました。
- ジェホヴィの声が私のもとに届き,こう仰せになりました。
「私の息子セタンテスよ。私はあなたに,精霊界で暮らす何百万の天使たちを地球に連れていくように指示しましたが,彼らはあろうことか高位の身分から転げ落ちてしまいました。
さあ行って,彼らを救済しなさい」 - 「何をするべきでしょうか」
私が問いかけると,ジェホヴィはこう仰せになりました。
「あなたの天使である眷属たちを連れてホレドに行きなさい。なぜなら私は天使と定命の者たちを贖罪させるため,この天界と地球の神としてあなたを戴冠させるからです。そこは,今この時から世界が終わるまで,新しい天界の王国となります。なぜなら地球はワン弧の時代に当たるため,精霊界からハルマッツの長にして,上位女神であるエティシャイを呼び寄せて,私の名においてあなたを『天界と地球の神』として戴冠させるからです」 - 神は言いました。
「私は,ホレドにいる天界の天使たちの前でこのことを伝えると,太陽のように煌めく大きな光が大宇宙の上から降り注いだのです。
私はエセナウルたちに命じて歌を歌わせて,御父とその御業を讃えました。 - その間,私はホレドにいる天使たちの人数を調べてみると2,760万人もいて,その数はジェホヴィの声で地球を訪れた者たちと同数でした。
- 私たちの方に高速で向かってくる光があり,それはホレドや眷属の天使たち全員よりも遥かに大きいと分かるまで接近してきました。
- 大きな光がホレドの天高原に降臨すると,精霊界のフォーサングの軌道上にあるアジ群のワン弧にあるハルマッツのオリアン長から授かった王爵と王冠を着けた100万の大天使が光の中から出てきました。
大天使の筆頭はエティシャイと,その弟の精霊界の総監ヤティハガでした。 - 彼らは私に近づいてくると,エティシャイはジェホヴィの御名を口にして誓いを立てた後,立ち止まって挨拶し,こう言いました。
「全ての者に喝采を!
ジェホヴィの御名において,そしてハルマッツのオリアン長の愛において,私たちは下天の実体界の最初の神であるあなたに『声』を届けに来ました」 - 私は言いました。
「ハルマッツのオリアン長エティシャイとその使者とその兄弟,随行者の方々よ。
偉大なるジェホヴィの御名において,私の王位を称えてください」 - その後,大天使たちが進み出た後,エティシャイはこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において,ここに玉座を用意します」 - エティシャイは実体的に人の姿を形成すると天に昇り,ヤティハガもエティシャイに付き添うように天に昇っていきました。
他の大天使たちは全員が王冠や帝冠を載せており,玉座の前で三日月状に整列していました。
神の眷属の天使たちはジェホヴィの任命式を一目見ようとこの場所にいましたが,火の柱から何色もの色合いや濃淡を帯びた光が眩しく輝いていたため,彼らの多くははっきりと見ることができませんでした。 - すべての準備が整うと,エティシャイは立ち上がり,星のように輝かしい右手を上げてこう言いました。
「ジェホヴィよ!全知全能の御方よ!
あなたの御名において,あなたの息子を神として戴冠させます!
ハルマッツのオリアン長より,神へと位階を上げ,ジェホヴィの御名により任命します!
今後,あなたの息子はその名を『涅槃』に永遠に知られることでしょう!
平和!
叡智!
愛!
力!」 - エティシャイは誰もがこの場の証人となるように左手で王冠を高らかに上げ,王冠にジェホヴィの御名を刻むと,王冠は煌々と四方に光を放ちました。
それからエティシャイは神セタンテスの頭上に王冠を載せて,こう言いました。 - 「立ちなさい,ジェホヴィの息子にして私の息子よ!」
何百万もの精神体が大歓声で応えました。
「万歳,ジェホヴィの息子!」
神は立ち上がり,頭上の王冠に手を伸ばすと,人々は心の底から神を讃えました。なぜなら神は心から愛されていたからです。 - エティシャイは言いました。
「5人の主神を選んでください。彼らも戴冠させましょう」
神は5人の主神を選ぶと玉座の前に座らせました。 - エティシャイは右手を上げて言いました。
「ジェホヴィよ!
全知全能の神よ!
あらゆる栄光の始まりです!
その御名において,私はあなたの息子を,地球とその大海の主神として戴冠させます。
ハルマッツのオリアン長より!
私の職権で,天界における主神の地位を授けます!
平和!
叡智!
愛!
力!」 - 他の大天使から王冠を受け取ったエティシャイは主神の頭に載せると,こう言いました。
- 「立ちなさい,私の主神たちよ,そしてジェホヴィの栄光の一端を担う主神たちよ!
神に仕えし主神として,地球とその大海を治めなさい。
平和!
叡智!
愛!
アーメン!」 - 主神たちは王冠を載せたまま立ち上がると,観衆は大きな声で拍手喝采しました。
拍手が鳴りやむとエティシャイは言いました。 - 「神と主神たちよ,ジェホヴィの栄光のために,その御名の御印を与えます。(なぜならこれが職務の誓いだったからです)」
- 神と主神たちは天界の眷属たちの前でジェホヴィを讃えました。
それから神と主神は少し離れて立つと,エティシャイはこう言いました。 - 「ご覧なさい,『あらゆる光』ジェホヴィが私を包んでくれています。
私の声はジェホヴィの声でもあります。
ジェホヴィへの信仰により,私を御父と1つになる栄光に浴す恩恵に預かっています』 - 金色の羊が降臨してきて,エティシャイの周りを包み込むと,まるで中心の星から放たれる後光のように輝きました。
エティシャイにジェホヴィが憑依しました。
エティシャイを通して,創造主はこう仰せになりました。 - 「私の息子である神よ,私はあなたを実体界から連れ出し,永遠の生命を持たせました。信仰に従い,あなたは自分がしたいようにやりなさい。私はあなたに,何でも完璧に実る木のような『信仰』という木を与えました。人間の中に宿る信仰心により,『私という存在』は人間の中で育まれ,完璧な存在となり,やがて私の息子となります。これらは私の臨在によって成し遂げられるのです。叡智や愛によってあなたは強くなり,その強さによってあなたは成長していくのです。
- ご覧なさい,今日,私は大気界の王国をあなたに与え,天界の人々の前であなたを神にしました。この場所はあなたの場所ですが,同時に私の場所でもあるのです。
あなたはここに叡智と法を分け与え,私の名と力により役人を任命しなさい。 - あなたの王国は2つの王国から構成されているようなものです。1つは天界の眷属が暮らす王国。もう1つはあなたの主神たちが君臨する王国です。なぜならあなたは地球とその天界を統べる『審判者』と『秩序の創造主』となるからです。
- 手を伸ばしなさい,息子よ,そして金の羊毛を身にまといなさい」
- 神は御印を刻んだ後,手を上げるとこう言いました。
「ジェホヴィ!ジェホヴィ!
あなたの御命令に従い,私は金の羊毛で身を整えます!
ご覧ください,私はあなたの息子です」 - 大天使が精霊界の弧から持ってきた衣服とレガリアをアジの中に放り投げると,神の中に育まれていた信仰心によって神のもとに引き寄せられ,上天の衣服として神の体を包みました。
- 次にジェホヴィは主神たちにこう仰せになりました。
「神はホレドに王国を建国し,この天界とあなたとその従者を統治していくように,あなたは地上に王国を建国し,私の名において定命の者たちを統治し,私のことや,大宇宙における私の永遠の王国について教えるように。
私の声の証として,大天使から銀と金の衣服を受け取りなさい」 - 大天使たちは,輝く衣服を主神たちに着せました。
エティシャイは玉座から降りると,また憑依してこう仰せになりました。 - 「私の娘エティシャイは火の炎の中を通って昇天しますが,私,ジェホヴィは神であるあなたや,私の主神であるあなたたちとともに未来永劫,いつも共にいます!」
エティシャイは神の手を取り玉座の中央に連れていくと,こう言いました。
「この玉座に就きなさい。なぜならそこが地球の下天における御父の王国だからです』 - 神が玉座に就くとエティシャイから玄関が現れ,ジェホヴィの光が,神と主神たちの頭上に灯りました。
しかしエティシャイが玉座の足下に座ったので,全ての大天使もその場に座りました。 - 神は言いました。
「偉大なるエティシャイは誰よりもご自分を遜ります。
立ってください,ジェホヴィの娘よ,ジェホヴィ同様に私の王国を楽しんでください」
神は『審判の席』から降りてエティシャイの手を取り,エティシャイを起き上らせました。
その後,神はこの式典の閉会を宣言しました。
こうしてこの天界に神の最初の玉座が用意されたのでした。
この後,全ての眷属たちは,他の天使や大天使たちと交歓しました。
【2章】
- 式典を終えると,神は再び玉座に着きました。
天界の眷属である元帥たちは整列するように合図し,大天使たちは玉座の前に三日月を作るように整列しました。
エティシャイは神の足下に座りました。彼女の素晴らしい栄光は飾り気がないものの,白や黄色といった衣服以外,ジェホヴィが彼女に授けた全ての才能ーー,完璧な純真さ,叡智,そして神々だけに見える愛を通して輝いていました。 - 神は言いました。
「ジェホヴィ,あなたの御名において下天の王国で開会します。
男女があなたの後継者を残し続ける限り,この王国はあなたを讃えることをやめないでしょう。
主神たちを玉座に呼びます」 - エセナウルの楽団は演奏を始め,元帥と護衛たちは主神たちを玉座の方に案内しました。
主神たちは順番に玉座に着くと,音楽は止まり,神は言いました。 - 「地球には5つの管区があり,私はジェホヴィの御名において,あなたたち5人の主神にその管区を担当させます。その管区に住む人口と,天界にいた頃のあなたたちの位階に従い,私はあなたたちをどの管区を担当させるか決めます。
あなたたちはそれぞれの王国に着任したら,12人の使者を雇いなさい。彼らは私との伝令役になります。
あたなたちは,大天使の復活前であっても使者を選んでおきなさい。そうすれば使者たちは任命され次第,上天に彼らの記録簿を運んでくれることでしょう」 - 主神たちはジェホヴィの御名において,使者を登用しました。上天と行き来する特使は彼らの名と場所について記録しました。
神は彼らに言いました。 - 「その才能に応じて選ばれたあなたたちは,より活躍の場を広げていきなさい。
叡智の御加護がありますように。
ジェホヴィの愛と力があなたに加わらんことを。アーメン!」 - エティシャイが出発する時間となりました。
- 神は審判の席から降りてきて,悲嘆の表情でエティシャイの手を取り,こう言いました。
- 「お立ちください,ジェホヴィの娘よ,そしてお行きください」
- エティシャイは立ち上がり,上の方を指さしながらこう言いました。
「私の家はワン弧にあります。ジェホヴィは私たちとともに暮らしております!
私の特使たちを時々あなたの下に遣わします。私の愛は復活の収穫の日まで,あなたとその主神たちの下にあります。
ジェホヴィの御名において,永遠に!」 - エティシャイは炎の船へと歩いていきましたが,船内に入る前にホレドの眷属の方を振り返り,光の帳幕から一部を切り取ってエセナウルたちの上にふざけて投げ掛けた後,速やかに光の中へと消えていきました。
- エセナウルたちが歌い,それに唱和するように大天使の眷属も加わると,船は上昇し始めました。その様子はまるで一つの豪華な柱を何千もの炎の柱が囲んでいるかのようであり,螺旋状にくるくると回りながら上昇していきました。
船が少し上昇した様子は,まるで日の出の太陽のようであり,はるか彼方の星のように高く上昇し,まもなくホレドの天使たちの視界から消えていきました。 - 神が静粛を告げると『あらゆる光』が神と主神たちを覆う玉座の方に集まりました。
ジェホヴィは神にこう仰せになりました。 - 「聞いてください,なぜなら私もまた,天界の眷属である主神たちに期待しているのです」
- 主神たちは言いました。
「私たちは何をすればよろしいでしょうか?」
ジェホヴィは仰せになりました。
「全ての天使たちを呼び出して,神の玉座の前を歩かせなさい。私が彼らを見てあげましょう。
私の実体界で暮らしている『第2級の第5位』の者と同じ数だけホレドの王国で待機させて,ひたすらエスヤンとともに働き続けなさい。しかし第1級の天使たちは全員,主神の王国で待機し,実体界の人々のために働きなさい」 - 元帥たちは天使たちを整列させて玉座の前を歩かせました。偉大なる神の叡智は,素通りする天使たちを見て,男女の割合を把握しました。それから大気界だけで働かせる者を一つ所に集めさせると,今度は地球で暮らす定命の者たちの霊魂に奉仕するものを先の者と向かい合わせになるように集めました。
そして全員が通過し終えた時,彼らはそれぞれ正しく振り分けられていました。 - 神は言いました。
「聞いてください,主神たちよ!
労働者を連れて,あたなたちに割り当てた地球の管区や水域をそれぞれ修復してください。そしてあなたたちはジェホヴィの栄光のため,神である私の主神となりなさい。
あなたたちが地球で行うことを,私は天界で批准します。
あなたたちが地球から運んでくるものを,私は天界で受け取ります。
あなたたちが定命の者たちを形作り育み,その霊魂を私の王国に届けてくれた時,私はその霊魂を受け取り,賞賜します。 - あなたたちの王国は私や私の王国と一心同体です。
私はあなたたちに十分な数の使者を与えます。彼らは私たちの間を毎日往復します。あなたたちに仕えさせる使者は,彼らの移動する熟練度や力により選びます。 - あなたたちの王国には記録を残しておきなさい。それはあなたたち自身の記録であり,次の復活の時にあなたとともに天上に運ばれます。
- それでもあなたたちは自分の記録とは別に,あなたたちと私の王国に関する記録を私と共有してください。
- 定命の者たちが亡くなり霊魂となった時,あなたたちは彼らを受け取り,天界における『新生児』エスヤンとして記録します。彼らエスヤンのために,あなたたちは数日,或いは1年以上滞在できる一時的な住居を提供してください。
彼らの数と状況については,私に使者を遣わして知らせてください。
私は彼らを王国に連れていくため,船を用意します。 - あなたたちはアサフを任命しなさい。その任務はエスヤンをアシャールたちから受け取ることにあります。
- 定命の者たちが地球で生きている間,アシャールたちはその者とともに暮らし,主神と私の名において守られます。しかしその者が死ぬと,アシャールはアサフにエスヤンを引き渡します。
この時,こう言います。
『ジェホヴィの御名において,あなたにこの新しき霊魂をお渡しします。
この者は私の管理下にありました。この者の善悪について,私にお尋ねください』
それからエスヤンが定命の者であった頃の記録をアシャールは引き渡し,その記録は王国で保管されます。 - アサフはエスヤンを連れて行く際,こう言います。
『ジェホヴィの御名において,私はこの新しき霊魂を受け取ります。この者は主神,そして神の命令によって私の管理下に入ります』
その後,アサフはエスヤンを,看護師と付添人がいる引渡場所に連れて行きます。 - 船があなたたちの王国に到着すると,アサフたちは自分が受け取った全てのエスヤンを引き渡します。
エスヤンたちを受け取った私の従者は,私の天界へと連れて行きます」 - 神による主神たちへの指示が終わると,主神たちはこう答えました。
「私たちは主神になります。
神よ,その御命令に従います。ジェホヴィよ,我らが御父に栄光あれ」 - 神は言いました。
「私はあなたたちに地球で大管区を与え,それぞれの管区には,あなたたちの名前に因んでこう名付けました」 - 割り当てられた階級は次の通りです。
・ワガ(パン)
・ジュド(アジア)
・トゥーリ(アメリカ)
・ヴォフ(アフリカ)
・ディス(ヨーロッパ)
その土地は主神の名に因んで命名され,ジェホヴィの御名において,神の命令によりホレドの天界の書に刻まれました。 - 偉大なる蛇の記録では,シヴォーカンの第3周期におけるテムイの大宇宙であり,24番目のダンハにあたります。
- 全てが終わり,主神たちが玉座の足下に腰を降ろすと,エセナウルたちがジェホヴィを讃える讃美歌を歌い,そこに群衆が加わりました。
- 讃美歌が終わると神は立ち上がり,光の海の間に立ち,両手を上げてこう言いました。
「ジェホヴィよ!
全能にして永遠なる御方よ!
あなたの栄光のため,この下僕が王国を建国するのをお助けてください!
平和,叡智,力よ!」 - 右手でジェホヴィの御名の御印を結ぶと,神は玉座の足下に降りてきて,主神ワガの手を取りこう言いました。
「起きなさい,私の息子よ。そして行きなさい。そうすればジェホヴィはあなたを祝福します」 - ワガが立ち上がって傍に立つと,神は同じように他の4人の主神たちにも声を掛けて傍に立たせました。
- 元帥たちが敬礼しながら玉座を通り過ぎると,主神たちも敬礼で返し,その後をアサフ,そして最後にアシャールが続きました。
神の労働者が飾付していたホレドの火の柱の間を,彼らは行進して通り過ぎて行きました。 - これが下天の最初の王国の始まりとなり,地球の主神による統治が幕を開けたのでした。
【3章】
- 神は天界で次の者を任命しました。
・地球と大気界の調査を行う天使の測量技師
・星々の位置を記録する天文学者
・地球と大気界の人口を調査し,格付けして地位を決める国勢調査員
・エスヤンたちを受け取り,管理する看護師と医師
・天界の邸宅を建てる建築技師
・新生児であるエスヤンたちを包む反物を織る職人
・住民を移動させる天界の船を建造する職人
神はこの者たち全員に,格付けに応じて士官と教師を任命しました。 - 神は任命し終えると,天界で役目を仰せつかった人々はそれぞれの場所で仕事を始めました。
神はアサフたちを呼ぶと,こう言いました。 - 「あなたたちは地球に降りて,復活の最初の果実を持ってきてください」
- アサフたちは言いました。
「あなたの御意志は私の意思でもありますが,そもそも『第1の復活の最初の果実』とは何なのでしょうか?」 - 神は言いました。
「死者の霊魂です」
アサフたちは言いました。
「死者の霊魂ですか。その霊魂は誰のですか?」 - 神は言いました。
「実体人が,実体的な肉体から抜け出た時,これを『死』と呼びます」 - アサフたちは言いました。
「死者の霊魂とは誰のことですか?」
神はこう答えました。
「おお,幼くして亡くなったあなたたちが,どうやって実体界のことを学ぶのですか!
私の主神ワガのもとに行きなさい。ワガならば,あなたたちに教えてくれるでしょう」 - アサフたちは地球に降臨すると,主神はアシャールを通してアサフたちに500人のエスヤンたちを引き渡し,アサフたちは彼らをホレドにある神の玉座の前に連れていきました。
神はアサフたちにこう言いました。
「この者たちは誰ですか?」 - アサフたちは言いました。
「『第1の復活の最初の果実』です。
ご覧ください,私たちは今,実体界の始まりと終わりを知りました。
地球におけるエスヤンの肉体は,たった今,母胎から運んできたものに過ぎなかったのです!」 - 神は言いました。
「よくやりました。
あなたたちはエスヤンたちを連れて,食べさせ,着物を着せなさい。なぜならこれがあなたたちの仕事だからです」 - アサフたちは答えました。
「残念ですが,わたしたちは自分たちが食する食べ物を色々と提供しましたが,彼らは食べようとしないのです」 - 神は言いました。
「残念です,あなたたちは何も知らなすぎます!
あなたたちは精霊界の物を食べます。しかし実体人が実体界の物を食べるように,エスヤンには大気界の物を食べさせなければなりません。
もう一度行って,この第1の復活を達成してみなさい。あなたたちはエスヤンたちを送り届けたのと同じ数だけ,そのうち送り届けられるからです」 - アサフたちはエスヤンたちを連れて出発しました。
しかしアサフたちは神のもとに戻り,こう言いました。 - 「ご覧ください,神よ。私たちはあらゆる種類の大気界の木々や,地球上に生えている美しく,とても香ばしい種や植物を集め,エスヤンたちに与えましたが,彼らは食べようとしません。対処に困りましたので,あなたにこのことを知らせようと思い,馳せ参じました」
- 神は言いました。
「知恵が乏しいことです。天界についてよく知っていても地球のことを知らなすぎます。
エスヤンたちが元々いた場所に連れ戻り,彼らが何を食べて生きてきたのか学びなさい」 - アサフたちはその食べ物を参考にするため,大急ぎで戻っていきました。
彼らは再び神の前に戻り,敬礼して言いました。 - 「神よ,私たちはどうすればよろしいでしょうか?
ご覧ください,エスヤンたちは実体界では魚や虫を食べていました。私たちはそういった物をどうやって大気界からたらせばよいのでしょうか?」 - 神は言いました。
「あなたたちが最後にここを訪れた時,大気界の木の一部や,地球に生えている種や植物を集めてきたと言っていたではありませんか。どうして大気界で魚や虫を集められないのでしょうか?」 - アサフたちは言いました。
「ああ,私たちはこの違いについて気づいていました。木や植物,果実は香ばしい匂いを放っており,霊魂にとって最も栄養価が高いのですが,生きた魚や虫からは鼻をつく臭いが発生しており,気化した水滴や死んだ物質に過ぎないのです。
私たちは何をすればよいのでしょうか?」 - 神は言いました。
「定命の者たちが魚や虫を殺す場所に行きなさい。そして彼らが魚や虫を歯で砕こうとする時,その者の手と口から,食べ物の大気の部分を奪い取ってエスヤンたちに与えなさい。しかし少しずつでいいので,あなたたちは他の食べ物でも暮らしていけるように教えていってください。 - そしてあなたたちがエスヤンたちにしたことを,あなたたちは今後も他の霊魂たちにしてください。
実体界で暮らしてきた人々は大気界に入り込んだ後,時間的に空白を抱えていることを覚えておいてください。そして物質のように霊的なものも食べられるようになるでしょう」
その後,アサフたちは出発しました。 - 3日後,頭上から言われたようにジェホヴィの声が神のもとに届きました。
- 「私の息子よ,あなたの名でアサフたちが迂闊に行ったことをご覧なさい!
アサフたちは漁場を訪れ,あなたにとって最も悪いことに,エスヤンたちのために食べ物を集めていました。エスヤンたちは彼らの傍でこう言いました。
『どうしてあなたたちは私たちのために食べ物を集めているのですか?
見てください,私たちは今,霊的に強いのです。食べ物ぐらい自分たちで集められます』
アサフたちはこう言いました。
『それは良かったです。あなたたちの好きなようにしなさい』 - それからエスヤンたちは,生肉を食べていた漁師と海女のところに行き,大気の部分を掴んで十分に食べました。
アサフたちはエスヤンたちにこう言いました。
『あなたたちは十分に食事をしました。それでは一緒にここから離れてください』 - しかしエスヤンたちは漁師と海女に引っ付いて,離れようとしなくなりました。
アサフたちはどうしてよいのか分からず,私の名を呼びました。
『神よ,私のエスヤンたちが永遠の命を守れるように,すぐに救出に長けた者を送ってください』」 - 神は引っ付いたエスヤンたちの救出に長けた者を呼び寄せて,漁場に使者とともに急いで派遣しました。
- ジェホヴィはこう仰せになりました。
「大地で成長した木々,果実,花,穀物,種子,球根から,私は大気界へと絶え間なく収穫物を作り続け,天界で新たに生まれる霊魂の栄養分としています。しかし地上で肉を食べる者には誰も天界で霊的な食べ物を見つけられないでしょう。その者は肉が食べられる食肉屋や食堂に戻り,腐る前の大気の部分を食べようとするでしょう。
あなたはエスヤンたちが定命の者たちに引っ付いて,その食事を食べて破滅しないように見守りなさい」 - 何日か経った後,アサフたちは神の前に来てこう言いました。
「医者たちにより憑りついた者は切断されたので,私たちは彼らを連れ去りました。エスヤンたちを導き,服や食べ物を見つけるために昼夜働くことが私たちの仕事なのでしょうか?
私たちがエスヤンたちのためにすればするほど,エスヤンたちは自分のために何もしなくなるように思うのです」 - ジェホヴィは神を通してこう仰せになりました。
「私は新生児のために看護師を用意しましたが,その新生児が成長したら,私はその者に私の王国での栄光に預かれるように,必要なものは自分で手配するように命じました。
施しだけでは人間を独り立ちさせられません。しかし引き続き独り立ちできるように勤勉にエスヤンを教育してください。なぜならそこに成人における栄光があるからです」 - アサフたちは言いました。
「もしも私たちがエスヤンたちを1人にしたら,彼らはまた漁場に戻って定命の人に取り付いて食べてしまい,それ以外のことをしなくなるでしょう」 - 神は言いました。
「漁場の近くの大気界に植民地を作れば,そこは天界におけるあなたの植民地になります。エスヤンたちに漁場への道を教えるのではなく,エスヤンたちをそこに連れていくのです。
植民地では,彼らに服を織ったり拵えたり,その他では生産させるなどして働かせます。しかしあなたたちは漁場に行って食料を手に入れなさい。そして毎日十分な食料を,働いている者と,病人や介護が必要な者にだけ与えなさい。そうすれば彼らを労働させることができ,霊魂の成長にも貢献できることでしょう。この過程の中で,彼らは自分のために施すだけでなく,あなたたちと一緒に他者を助けるようになれば,そこから第2の復活が始まります。 - ご覧なさい,最初に天界に入った霊魂には,地球の定命の者の食事や習慣に従って供給しないといけないことを,あなたたちは学んだでしょう。
- あなたたちは,食べ物や衣服,保育所,病院,礼拝所,踊り場など,魅力的な施設が揃った植民地を作るのに十分な人数を選びなさい。できるかぎり多くのエスヤンたちを地球から受け入れて,彼らに勤勉,美徳,叡智,歓喜,愛,慈悲,崇拝の心を育てていけば,そこに新たな天界が誕生するのです。
- 私が選んだあなたたちは,私が天界を作る時の,全ての王国における模範的な植民地となるでしょう。地球を取り巻く大気界全体が,地球から生まれた無数の天使で満たされることでしょう。
- あなたたちは手早く働き,地球から昇天する人々を速やかに天界に連れてきなさい。そしてあなたたちが作ろうとしている植民地は,経験豊かな働き手を必要とする偉大な王国になるはずです。
ジェホヴィのために最も効率的に働く者を,私は幅広い分野で活躍できるように昇進させます。 - あなたたちはセファスの礎石の一つのようなものであり,その家は大気界と地球全体を包み込むことでしょう。
言葉はすでに定命の者たちに根付いています。やがて何万年もの間,力と力,闇と闇がぶつかり合う戦争が支配します。
地球上で何億もの人々が戦争で殺され,その精神体は混乱状態に陥ります。
あなたたちは霊魂が食料のために定命の者たちに取り付いているのを目撃したように,戦場に取り付いた霊魂は今もなお戦おうとしており,定命の者たちに憑りつき,狂気と死で惑わそうとしているのです」
【4章】
- 神は,定命の者たちの霊魂を受け入れるため植民地を天界に作りました。その植民地は実体界で必要とするものは霊魂にとっても必要なあらゆるものとして,治癒,教育,産業,織工,製造,造船などの施設を用意しました。
- これらのものを用意した神の眷属は偉大な働き手となり,昼夜を問わずエスヤンたちを受け入れ,彼らのために食料や衣類を提供しました。
神の眷属の多くは実体界の地球に来たことを嘆き,歌や哀歌を作っては,働きながら歌い続けました。 - 神はエスヤンたちのせいで嘆く彼らを心配し,彼らを叱責するため役人を呼びました。
しかしご覧なさい,玉座からジェホヴィの光が放たれ,こう仰せになったのです。 - 「私の息子よ,彼らを叱責しないでください。
私は彼らが叱責されるようなことは命じていません。
私はかつてこう言いました。
『ご覧なさい,私は新しい世界を創りました。あなたたちはかつての地球のように,来て,楽しんでください』
ただ,彼らが来た時,彼らに言っていなかったことがありました。
『地球上のすべての果実を楽しんでもかまいません。但し,あなたたちが死ぬといけないから,生命の木の実は食べないでください』
しかし実体人が彼らに話しかけ,彼らはその言葉を信じました。
どうしてその時,彼らは嘆かなかったのだと思いますか?
かつて自分たちが暮らしていた精霊界の家を覚えていなかったからでしょうか?それともそれらを取り戻したかったからでしょうか? - しかし私の息子よ,エスヤンたちの精神体の中で,彼らの嘆きが栄光へと変わり,より高位の天界に位階を上げられるように導いてあげてください」
- 声が消え,ジェホヴィの叡智を受け取った神は,役人に多くの哀歌を収集して天界のホレドの図書館に保管するように命じ,それは実行されました。
- 彼らの哀歌は次のようなものでした。
- 「私の家はどこですか,ジェホヴィよ!
私が幸せで足がふらついていた時のこと。 - 私はあなたの眷属とともに,遥か遠くに住んでいました!
遥か遠く!
あなたの栄光は輝いています。 - あなたの遥か高みの王国で流れる歌よ!
その歌を自分の家で楽しめるのはいつになるのでしょうか? - あの煌々と輝き,流れるのは水?
おお,愛の娯楽と饗宴よ! - ジェホヴィよ,それはどこにあるのですか?
そうでした,上天の私の家でした。 - 私は落ちていく,闇へと落ちていく!
私の中の彷徨う心が私を前に導いてくれます。 - ジェホヴィの御庭はあらゆる場所にあったのです。
ふらふらした足取りで私を前へと誘うのです。 - 私は闇の中に誘われました。
闇の中で甘いバラの香りがしました。 - ジェホヴィよ,あなたの栄光への道のりは複雑なのです!
私は道を見失いました。迷子になったのです。 - あなたの世界の音楽が聞こえなくなりました。
わたしは闇の中に取り残されたのです。 - ジェホヴィよ,私の家はどこですか?
どうして私はそれを手放したのでしょうか? - あらゆる場所に立つ水晶,高い門。
満たされ,際立ち,輝いています。 - 甘い愛の歌!
そんな私の家での賑わいの場所! - 私はそれらすべてを代償に,今こうして彷徨っています。
私を暗黒で闇へと陥れました。 - 天界の私の家!
歓喜,歌,休息,愛,透き通った輝き。 - ジェホヴィは私に息子と娘を与えてくれました。
この闇の中から私の宝石たちが生まれたのです。 - おお,私は彼らを磨きましょう。
私の子孫,そのまた子孫よ,私はあなたたちを育てていきます。 - 上天の女神が来ます。火の船に乗って降臨してきます。
- 私の宝石たちよ,私とともにその船に乗って昇天しましょう。
そして私の家,安息の場所を探しましょう。 - 遠くにジェホヴィの御姿が見えます。
上天の,さらに高くに居ます! - 急ぎましょう,私の家,私の安息の場所!
実らせましょう,私の大切な王冠! - 私たちを精霊界に連れていってください」
- こういった哀歌は無数にありましたが,誰一人,繰り返せた者はいませんでした。なぜならこういった歌は何十万とあったからです。
精霊人がこの哀歌を歌うと,エスヤン,新生児,大気人は上を見上げながら耳を傾け,聞き入るのでした。
【5章】
- ホレドの最初の年,天界の神の王国には150万のエスヤン,地上で生まれた男女,子供が受け入れられました。
地球上の別の管区では主神たちとともに325万のエスヤンが取り残されており,その多くは胎児でした。 - 最初の100年で1億7000万のエスヤンが地球で誕生しました。イヒン人でいえば3世代目に当たり,当時の地球の住民は5400万人でした。(但し永遠の生命体として創造されなかったアスは,ここには含まれていません)
そしてすでに主神の天国はいずれも大きな王国になっていました。 - 当時,天界におけるエスヤンの幼児期は「5年」とされており,看護師と介護者を必要としていましたが,中にはそれ以上の年数を擁する者もいました。
- 5年後,エスヤンは保育所から連れ出され,初等教育として象徴的なマークや図形が教えられ,行進,音楽,踊り,体操の訓練を受けた他に,毎日,機織りや運搬といった短期間の労働も要求されました。
- ジェホヴィの声が届き,神にこう仰せになりました。
「天界における私の王国の体制として,あなたたちは私の支配下の霊魂を成長させるため,すべての労働には快適な運動を取り入れるようにしてください」 - 神はホレドの王国の役人に,地球から引き渡された霊魂の年齢と強さに応じて労働時間の延長を命じ,それは実現されました。
- ジェホヴィは再び神にこう仰せになられました。
「あなたは地球から昇天した者たち全員に労働を割り当てて,望みの物があれば遠慮することなく与えなさい。しかし望む物があるとはいえ,彼らをただ一人でこっそりと同族が待つ地球に戻してはいけません。彼らが自分を束縛する愛のために定命の者たちと繋がらないようにしてください。
しかし彼らが天界で50年暮らしたら,彼らを定命の者に戻すことだけは許してはいけませんが,あなたはそのように指示することでしょう。なぜならこれだけの期間天界にいたら,彼らはもはや転生を望まなくなっているからです。 - ジェホヴィは再びこう仰せになりました。
「あなたはできる限り早く地球生まれの霊魂に他の者の復活を手助けできるように仕事を割り当てて,私の名において実行してください」 - 神と主神たちはそのことを実行すると,100年間で,地球生まれの者としては2番目の多さである2000万の精神体を育てることができました。
彼らの多くは天界における工場,保育所,学校,病院について十分理解しており,彼らの大半は教師たちが要求するのと同じ程度の知識を有していました。 - ジェホヴィの声が神に届き,こう仰せになられました。
「私の息子よ,よく休んでください。
ご覧なさい,あなたは100年間,昼夜を問わず働き続けました。そのためあなたは他の役人を任命し,ホレドの王国をワガ大陸全土(パン大陸)にまで広げなければなりません。
あなたは私の名において,もっとも有能な役人を短期間,玉座を預けなさい。なぜならその間,地球の5人の主神たちとその王国を訪問するからです。 - あなたは1,000人の伝令,1,000人の使者,5,000人の楽団を連れていきなさい。
あなたは十分な数の船で眷属たちを連れて行き,あなたが向かう場所はどこでもあなたの家となるでしょう。
あらゆる準備をして,1年の旅に出なさい」 - 神は測量士を呼ぶと,彼はホレドの王国を拡大するのに最良の場所を示した地球と天界の地図を持ってきました。
- 神は50の場所に50の統治者を任命し,彼らには5,000人の男女を同行させました。
選出した彼らに対して,神は玉座からこう言いました。 - 「あなたたちは御父の命令により選ばれました。そして御父の命令に従い,私はあなたたちが治める場所に近いうちに訪問し,ジェホヴィの御名において植民地の建設に必要なものを与えます。
大天使エティシャイがホレドを建国した時のように,私はあなたたちにすべてを与えるものと理解してください。
あなたたちは眷属を連れて町の基礎を根付かせなさい。あなたたちは私から学んだのと同じように行いなさい。そして小さな植民地に対して行ったのと同じように小さな街にも行い,それがきちんと遂行できているのであれば,私はより大きなものをあなたたちに与えます」 - 神が言い終わると,元帥たちが先導し,眷属たちが統治者たちの後に続き,ジェホヴィの御名の御印を刻み敬礼しながら玉座の前を行進しました。神は両手を上げてそれに応えていました。
その間,エセナウルたちはジェホヴィの栄光を歌っていました。
やがて眷属たちは火の柱の向こうへと消えていきました。 - すべてが静まり返った後,神は言いました。
「船の建造者は,来る日のためにわたしと眷属たちのために船を建造し始めなさい。同行者は,100年間,昼夜を問わず働き続けた私の労働者の中から階級に応じて選出し,この旅の仲間,眷属としてください」 - こうして同行者は選出され,告知されました。
- 神は言いました。
「私が不在の間,玉座には最も階級が高い神が就くことになります。エスヤンの復活に最も多く貢献した者こそが,私の神,そしてあなたたちの神となるでしょう」 - 神は,ホレドの評議会がこの問題を決議するため,玉座の前に記録を提出するように裁定者に命じました。これはすぐに実行されました。
- そして選ばれたのは精霊人のハジャでした。
神は裁定者に,ハジャにそのことを伝え,首都まで護衛をつけて来るように命じました。 - やがてハジャが護衛とともに神の王国の宮殿を訪ねると,神は玉座に座っていました。
音楽が奏でられ,彼らは玉座の前で三日月状に整列して待機し,ハジャは三日月の両方の角の間に立ちました。 - 神は言いました。
「ジェホヴィの命令により,私はハジャ,あなたをお招きました。
私はあなたのことを別の世界にいる時から知っていました。自分自身のことは言うまでもなく,私の王国の者たちの中でも,特に優れた美徳の持ち主です。
ホレド全体の向上のために尽くすあなたの働きは他の誰よりも勝ります。
そのため,あなたはジェホヴィの御名において,私がいる間は私の助手となり,私が不在の間は御父の御名において私の代わりの神として選びました。 - ハジャは言いました。
「これはあなたを先に進ませるためのジェホヴィの御意思なのでしょう」 - 神が杖を突くと,聖評議会は立ち上がりました。
神は言いました。
「ジェホヴィの御名において,ホレドに支配権を持つテクの神のように,私はハジャ,あなたに敬意を表します。
さあ,こちらに来て,御父の目的のため私の玉座を受け取ってください」
元帥たちがハジャを玉座の足下に先導すると,神は降りてハジャの手を取り,玉座の方に導きました。
この時,大宇宙の,崇高なる王国から送られてきたような黄金の光が降りてきて,神とハジャを包み照らしました。 - 神は言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの叡智,愛,力により私は玉座をあなたの息子に譲ります。
あなたの栄光が永遠に続き,その叡智と御業が彼の者に備わらんことを!アーメン!」 - 神は杖を振り上げて横に薙ぎ払うと,天界から雨が降ってきました。
ハジャは言いました。
「おお,ジェホヴィよ,あなたの御名において!」
神は手をジェホヴィの方に差し伸べてこう言いました。
「あなたの息子テクの神のために冠を賜りますように。ジェホヴィよ!」 - まるで遥か遠くの金銀の光のような,小さな星が降りてきて神の手に止まると,神はそれで王冠を拵えて,テクの神の御印を刻み,ハジャの頭に被せてこう言いました。
「ジェホヴィの御名において,私が不在の間,ホレドの玉座に就くことへの証としてこの王冠を授けます」 - ハジャは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの息子が叡智と愛においてその命令を成し遂げます。
世界の創造主たる御父よ,あなたの御名において成し遂げられた栄光のため,あなたの息子に休息と安息をお与えくださいますように!アーメン!」 - 評議会は言いました。
「アーメン!」
エセナウルたちはジェホヴィの讃美歌を斉唱しました。
神はハジャの手を引いて玉座に座らせて,こう言いました。
「あなたは私とジェホヴィの御名において神となりなさい。私が1期間,地球に滞在するために降臨した後,あなたは地球と天界の神として知られることでしょう」 - 神は船に乗り,7,000人の男女と1,000のエセナウル,3,000の乗組員を連れてホレドを出航しました。
【6章】
- 神は,かつて自分が任命し送り込んだ地上で暮らす天界の統治者の領地を訪ねました。
神はジェホヴィよりホレドにおける任務が与えられていましたが,それと同じ役割を各地を治める統治者にも与えようとしたのでした。 - 統治者たちは遠く離れたワガ(パン)領にいましたが,神は使者を派遣し,彼らにいつ自分が訪問するかを知らせました。
- 主神は神の訪問を知ると,自分の王国内にあった地上の町ウルーの町に保護区を設置し,天界の統治者たちの就任式に立ち会うため,神の船と合流し,ワガまで神に同行しました。
- 神はすべての統治者たちにこう言いました。
「あなたたちに与えられたものはすべて天界のものであることを覚えておきなさい。なぜなら主神の問題は地球での出来事や,実体人とともに働く天使たちに関係しているからです。
あなたたちは天界で受け取ったエスヤンたちを世話し,宿を提供し,支援が必要な者には衣服や基礎的な学問を教えなければいけません」 - 神は言いました。
「あなたたちは自分の王国を持つ日がいずれ来ることを覚えておきなさい。
あなたたちは統治者であるとともに,神の代理としても育てられているのですから」 - 統治者の就任式後,主神は神に対して地球をもっと見て回り,定命の者たちがどのように扱われているのかをご覧いただくため,まずはウルーを訪問してほしいと説得しました。
神が同意すると,主神は定命の者たちが建てた『主神の家』に使者を派遣し,神に宿泊してもらうため清掃するように指示しました。 - 保護区ではアシャールたちに連絡が入り,アシャールたちは定命の者たちに指示して,『主神の家』の片付けと清掃をさせました。定命の者たちは既に主神の命令を果たしていましたが,アシャールの指示に従いもう一度『主神の家』を清掃し,ミルラとヘパランの香を焚きました。
- 神の眷属を乗せた船がウルーの町に来ると,空高くに船が飛んでいるのを定命の者たちは目撃しました。彼らは恐怖で慄き,預言者のところに駆けつけて相談すると,預言者はこう言いました。
「ご覧なさい,天界の大宇宙の火の海におわす神が顕現されたのです」 - 神は定命の者たちの恐怖心を和らげるため,人々の目に見えないように船の姿を隠し,眷属たちと共に下船し,主神の屋敷に行くと,定命の者たちが建てたものに実体的に触れるようにしました。
- 主神は宴会を開き,神の天使たちは4日間滞在しました。その間,定命の者たちを管理するアシャールたちと親睦を深めました。
アシャールたちは神に仕える天使たちを定命の者たちが起居する場所に案内し,いろいろな物を紹介しました。 - 神の眷属たちが姿を見せると,定命の者たちは主神への崇拝の念をさらに強く抱き,早起きして礼拝堂に行き,一日中お祈りを捧げるようになったのですが,そうなったきっかけを知る者は誰もいませんでした。
- 4日目の夕方,神は自分の眷属に「旅を再開するので準備するように」と命じました。
船は再び照明を灯し,旅路につこうとした時でした。 - 神は言いました。
「おお,創造主ジェホヴィよ,あなたの主神に祝福を!
主神は哀れなる定命の者たちを元気づけるため,かくも素晴らしき精霊界の楽園より降下し,100年も定命の者たちと労苦を分かち合ってきました。
3世代が経過し,彼らは地球のあなたの王国であなたの栄光を讃えてきました。
しかしジェホヴィよ,主神がどれほど過酷な試練に挑んでいるのか,そのことを誰も知らずにいるのです!
ご覧ください,地球で成長した人間たちは口々にこう言っています。
『主神や神などいない』
しかし彼らの手足はいつでも私たちに導かれています。そう,人間は霊界に入れば私たちのことが見えるようになるのです。しかし人間は見知らぬ場所では無力です。だから主神は人間たちに必要なものを供給し,あなたの王国について教えます。
主神は地球のいろいろな場所に行き,人目につかない場所を見つけてはこう告げます。
『ここに町を作りましょう』
主神は天使たちを送り込み,人間に町を作るように仄めかします。しかし町が建てられると人間はこう言います。
『神や主神などいない』 - 主神は実体界の人々を連れてきて昼夜,彼らを守っています。しかし人間は争いと破壊に首ったけです。
主神はその悪意のために天使たちを引き上げさせるのですが,するとどうでしょう,町は廃墟と化します。それなのに人間はなぜ町が廃墟となったのか,その原因を知らずにいます。
主神は昼夜,人間を闇から救い出そうと奮闘し,彼らを見守り,守護しています。
御父ジェホヴィよ,あなたの主神とその眷属に祝福をお賜りください!
人間たちがあなたの王国のことを理解できるようにお願いいたします!」 - 主神は言いました。
「ジェホヴィよ,ご臨在ください!
神の言葉をお聞きください。地球とその天界を統べる神は昼夜を問わず働いております。
神は何百万という者たちを相手にしておりながら,その裁きは全てにおいて理に適っております。 - 天界と地球のあなたの息子である神に栄光あれ。
神は偉大なる叡智のもと,主神と小さき者の家を作っています。
その愛は全人類の栄光です。その強さはあなたの愛が下地になっています。あなたの御業により,どうか神にすみやかに休息と喜びをお賜りください」 - ウルーの町で暮らす定命の者たちは礼拝のために集まり,歌い,踊りました。
そこに天使たちも加わりました。
神は船内の祭壇に座ると,そこは明るく照らされ,定命の者たちはその尊いお姿を仰ぎ見ることができました。
預言者の長が主神の近くに来ました。
主神は預言者の額に手を置き,神の名において憑依しました。 - 預言者が口を開きました。
「私は天界と地球の神です。
私はこの預言者の口を借りて話しています。
月に4日間,聖なる日を作ってください。その4日間は主神の日となります。
悪事は行わず,叡智に励み,善行を施しなさい。
あなたたちの実体界での肉体は滅んでも,あなたたちが霊魂として生きていけるように,私は天界であなたたちを迎え入れる準備をしておきます。
心を安んじ,祝い,楽しんでください。なぜなら主神がここで暮らし,統治しているからです」 - 預言者が語り終えると,神は祭壇から立ち上がりました。
同行していた眷属たちもまたジェホヴィの御名において主神に敬礼しました。
神と眷属を乗せた船は天界の上の方に消えていきました。
【7章】
- 定命の者たちは船で実体界の海を航行しますが,神の船は大気界の海を航行します。
人間は5人の息子を持つと,4人は遠い国に送り込み,残りの1人は家に留めておきますが,神は偉大なるジェホヴィによって5人の主神たちを遥か遠く,人間の住む場所に送りこみました。 - 神は遠く離れた地球の4大管区の主神である4人の息子たちを訪れるため,天界のホレドの地から船で出発しました。彼らはジェホヴィの栄光のため,定命の者たちや死者の霊魂とともに暮らしていました。
- 神が最初に船で向かったのはジュドの主神ジュドです。神は地上に船を近づけると,背の高い森から燐光の炎を食べるように燃料を吸入し,ワガの西の広大な沿岸に到達するまで走り続けました。
地球の最初の主神たちの最初の神は,案内人がこの広大な海について語り終えるまでここに船を泊めました。
それから神とその眷属は肥沃な大地から燃料と物資を集め,船一杯になるまで積み込みました。 - 神は船内に入るとこう命じました。
「さあ行きましょう,行きましょう!天界の海に!」
神の船は大宇宙の青い風の中へと突入し,実体界の海から湧き出る黒い雲の上へと高く舞い上がりました。
1,000人のエセナウルの楽団が,波と調和しながらも,豊満で反抗的な音楽を奏でました。 - ジェホヴィは全ての天界の最上位の,『玉座の中の永遠なる玉座』から見下ろしながらこう仰せになりました。
「進みなさい!進みなさい!元素を手懐けし神よ!
人間よ!地球も大気もあなたたちのもの。
さあ腕を伸ばして,私が創造した元素を手懐けてみなさい」 - 成熟した意志の力で神の船は速度を上げました。
ジェホヴィの雄大で広大な海を冒険的な航路で走っている他の神々や人間たちの船の前で,聖なる光が目的地を示しました。 - 乗組員は陽気に歌い,踊りながら,様々な色,高速であちこちと所狭しと散らばって航行する船を眺めていました。
- やがて月が昇り日が沈むと,眼下には黒い雲と広大な実体界の海が現れました。上空には煌めく星々と「偉大なる蛇」を長く旅する惑星がありました。
- 神は姿を見せるとこの光景について調査しました。するとジェホヴィの御力が神に加わりました。
神の周りには7,000人の愛と旅の仲間が集まりました。
神は言いました。 - 「あなたの場所は全てが新しくなりました,ジェホヴィよ!
私は何千年間もあなたの比類なき輝きを,視認できるものもできないものも見てきました。しかしあなたの栄光は留まるところを知らず,日増しに成長しています。
あなたの声を100年以上前に聞いた時,あなたはこう仰せになりました。
『さあ行きなさい,私の息子よ。
私は新しい庭を作りました。
何人かの働き手を連れて土地を耕しなさい。
私は地球で生まれた者が何世代にも渡って苦労すると予想します』
恐れ慄いた私はこう言いました。 - 『どうなるのでしょうか,ジェホヴィよ?
新しい地球に民草が住んだ場合,定命の者たちは前にいた他の世界のように歩むことができるのでしょうか?
最初は神々に対して健全な愛と崇拝と敬意を抱いていますが,その後,血なまぐさい戦争の中に彼らは何世紀も身を投じていくことになるのでしょうか?
わたしを導いてください,御父よ!ジェホヴィよ!
一時だけ私はあなたの庭に行き,主神たちや賢明なる王国と一緒に囲います。
あなたの強力な霊魂とともに,天使と人間たちの間で楽園のように地球が開花できるように,あらゆる方面から定命の者たちを包み込みます。 - あなたの息子や娘たちが私のところに来て,あなたの不滅の王国と接合してくださいました。
- 今はどうでしょうか?
他の世界の他の神たちの働きと較べて,私はあなたの目にどのように映っていますか? - 大天使たる男神女神たちよ!
偉大な地球を見てください!
ジェホヴィはわたしの両腕を,偉大なる贈り物で満たしてくださいました!
わたしはこの『不滅なる天秤』を手にして,震えています」 - 神は釘付けになり,高速で移動する空を見上げました。なぜなら神の声が,オシレの元首が全力で統治する精霊界の玉座に届いたからです。
星々の間から一筋の光が落ちてきて,愛の言葉とともに浮かび上がりました。
「ジェホヴィの息子よ!万歳!
万歳,地球の神,ジェホヴィの息子よ!
栄光あれ!
偉大なるジェホヴィに栄光あれ。全てはあなたの為されるままに!」 - それから輝く光は上空に広がり,遥か遠くの星々の中へと消えていきました。
トランペット奏者と歌手が心を震わせるような,それでいて精神を満たすような甘い音楽をふんだんに奏でました。
水面を滑るような音楽が奏でられると,今までに聴いたこともない他の音楽を聴こうとして,多くの者たちが西の大陸から海の果てに至るまでやって来ました。 - 船が海を越えると,主神の眷属が地球と天界の神に会いに来ました。
主神の眷属が大声で長く敬礼した後で,2隻の船は引っ張られるように停泊地に近づきました。
やがて使者が行き来し,ジェホヴィの御名において,主神とその眷属にとっては旧来の友である神とその眷属に挨拶しました。 - 神は言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御意志に従い,私たちは主神の王国とそこで働く人々が待つ場所に向かいます」
この2隻の船はかつてともに歌った讃美歌を唄いながらその場所を目指しました。 - 国の中心から遠く離れた場所には肥沃な土地と山々,川があり,そこはアス族と密接な関係がありました。船は山の斜面に立つ火の柱が主神がおわす場所を告げるまで進むと,そこで船を停止し,定命の者たちには見えないように素早く船を隠しました。
【8章】
- ここに集まった神々は他の世界から続く旧来の友人であり,新しい実体界があったら,息子や娘たちをジェホヴィに引き立ててもらうため一緒に冒険しようと約束した仲でした。それは今,遠く離れた主神と神として果たされようとしており,彼らはこの訪問の機会を首を長くして待っていました。
- 神と主神は進み出るとこう言いました。
「ジェホヴィの御名において!
ようやく会えました!」
彼らは抱擁し,1,000年前に話していたことがようやく実現できたと互いに喜びを噛みしめ合いました。 - 神と主神の眷属がそれぞれ全員船から降りてきました。お互い見知った仲なので,互いに敬礼し,抱擁しました。
彼らは,定命の者たちが木と粘土で建てた主神の屋敷に向かいました。そこではジェホヴィに祈りと感謝を捧げ,心ゆくまで歌い,踊り,楽しみました。 - 翌朝,日の出とともに定命の者たちの司祭や巫女たちが預言者に呼ばれて主神の屋敷に集まりました。
ここで主神にお告げされた通りに祈り,歌い,踊りました。しかし大半はどうしてこのようなことをするのか理解できなかったので,こう言い合いました。 - 「(こんなに踊って)恐ろしい,恐ろしい!
昨晩,私は主神の屋敷で光を見ました。私は神の祭壇の前で何かが歌って踊っているのを聞きました!」 - それでも仲間たちが説得したので彼らは中に入り,歌って踊りました。
- 舞踊が終わり静けさが戻ると主神は言いました。
「ご覧ください,神よ。なんて愚かしい考えなのでしょう,そして主神や神々でさえも読めなかったこの展開!
私たちは成人した人間にこう言います。
『ああ,人間は自分の考えに固執して,自分を変えられない』
次に私たちは未成年の者に期待してこう言います。
『私は自分の手でその者を育てて行き,私の裁きから手放さないようにようにします』
しかし私たちは彼らの未熟さと成長の遅さに辟易しています」 - 神は言いました。
「『偉大なるジェホヴィの人格』についての最高の事例がここにあります。ジェホヴィは,他の生命体と違って人間の感覚を意図的に欠損させて,ほとんど空白の状態で創造しました。一方で,他の動物界については,赤ん坊の頃から既に賢さを持ち合わせています」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私は全ての生命体に進むべき道を与えました。しかし私は,人間が死んだら分解して,全ての物から新しく作り直すようにしたので,人間は永遠に成長し続けられます。
私は獣には形成済の感覚(本能)を与えました。そして人間には天使たちを割り当てました。その天使たちにも,私は別の者を割り当てました。その者にはさらに別の他の者を割り当てるといったように永遠に割り当てていきます。
人間がこの世に生を享けた頃,つまり赤ん坊の頃,人間が私の手で蘇ったことの証拠とするため,私は感覚と思考の部分を空白にして創造します。決して私は,人間が子宮に戻って生まれ変わる際の欠陥のせいで不完全なまま生み出しているわけではないのです。それどころか空白で生み出すことにうまく成功しているのです」
ジェホヴィはそう仰せになりました。 - 主神は言いました。
「神よ,あなたは賢い方です。その反対がジェホヴィです。そのことを証明します。
水は山の下の方に向かって流れていきますが,人間は山の中腹を歩きます。
木は生命を宿している間,大地から生えて成長しますが,死んだら倒れます。
人間は地球の上に立っていますが,その地球は,地球よりも軽い存在に身を委ねているのです」
ジェホヴィはこう仰せになりました。
「木の生死は,私が創り出したものです。その場所において,『目に見えないもの』が実体界の地球を支配していたとしても,それも私が創り出したものです。 - 神よ,ジェホヴィのことを理解できる者などいるのでしょうか?
定命の者たちはこう言います。
『私は死んで天界で蘇ったら,偉大なる霊魂に会えるはずです』
しかし人間はそれができず,今でも無力です。
そう,地球で無力であった人間は天界でも無力なのです。
人間は言いました。
『私が主神や神々のように強く賢く,広大な大宇宙を旅できるようになれば,私はジェホヴィに会いに行けます』
しかし人間が昇天し,天界の渦が織りなす旋風を通して自分の乗り物を作れるようになり,その者が主神や神と呼ばれる存在になった時,その者の前には弧や霊気が立ちはだかっていることに気付くでしょう。遥か遠くで暮らす『私』という偉大なる存在について考えれば考えるほど,さらに愕然とすることでしょう。 - その者はジェホヴィとその無限なる世界,そして崇高なる天界について定命の者や霊魂たちに教えるため,実体界の地球に降臨します。
しかしご覧なさい,人間たちの闇を。
彼らはこう言います。
『私は神を見たことがありません。私は神の言葉を聞いたこともありません。
だから私は神を信じません。
神は,誰にも気付かれずに通り過ぎて行く風のようなものに過ぎません。山を流れ落ちる水と同じです。
神は死にました。神はいないのです』 - 主神はいろいろな方法や手法を考えます。
そうです,主神は人間たちに,ジェホヴィへの祈りと歌を捧げるように教えます。その音が人間の精神体に成長をもたらすからです。
主神は人間に服を着せてその裸を隠すように伝えます。
主神は天使たちを遣わし,人間に善行に励むように奨励します。その主神の天使たちが人間たちを攪乱させようとして,陰謀や計略を仕掛けます。
そうです,ジェホヴィが人間に睡眠を与えたのは,実体界に縛られた霊魂でも天界について見聞きできるようにするためです。しかし人間は自分の精神が闇の中に埋もれるまで胃に負担を掛けたり,煙草や酒に酔いしれ放蕩するのです」 - 絶望した主神が叫びました。
「どうして私は弱いのでしょうか,ジェホヴィよ!私は世界を統治することを学ぶため,この地球で暮らす人間たちの主神となることを引き受けました。
しかしジェホヴィよ,私は自分の失敗を自覚しています。
私の小さな善行に対して,あなたの神はどのような言葉をかけてくださるのでしょうか?
地球で苦闘している主神に対して,大天使はどれほど同情してくださるのでしょうか?」 - 神は,悲しんでいる友人に対してこう言いました。
「全能なるジェホヴィよ,あなたはいつも見てくれている人々よりも,私たちの弱さに対してなんて痛烈なのでしょう!
あなたの主神は,天然の素材の中から生み出された栄光における私の神です。私は彼の讃美と愛を歌います。
するとどうでしょう,この偉大なる大陸の男女が裸のまま両手両足で這いながら,食べること以外何も考えずにいるのを見てきました。私はあなたの主神とアシャールたちを介して彼らを育てさせて,その結果,彼らは直立歩行できるようになり,言葉も話せるようになり,服や皮を着て自分の裸を隠せるようになりました。
そうです,御父よ,私はこの大いなる喜びで声を張り上げ,あなたの御名を叫びました。
『ジェホヴィよ,主神の功績をどなたが知ってくださるのでしょうか!
人間はいつの日か,主上神への讃美歌を忘れてしまうのではありませんか?』」 - しかしジェホヴィはこう仰せになりました。
「私は『最後の日』まで,いくつかの人間の部族を闇の中に閉じ込めておきます。なぜなら自惚れた人間は困らせた方が良いからです。そうすることで人間は,闇の部族は自分だけでは闇を振り払えないことに気付くからです。
きっと人間は早々に私の主神に敬意を抱き平伏すでしょう」 - こうした会話の後,神と主神は,アスが暮らす場所を諦めて,村や町で暮らそうとしている定命の者たちを探す旅に出ました。
ジュドの大陸を何昼夜も旅しました。
神は主神の成果を全て見た後,こう言いました。 - 「ご覧なさい,この結果は上々です。上天の主神たちから離れたあなたの苦労や孤立は過酷なものがありますが,あなたは何百万人もの愛を形作っているのです。その愛があなたを祝福することでしょう」
- 神がこの地に滞在している間,その眷属たちはアシャールとアサフの仲間たちと一緒に主神の王国で歓談し,十分な愛と喜びを満喫しました。
【9章】
- 神の訪問が終わったことを眷属たちが知らせると,主神は2日2晩に及ぶ宴会を開きました。
天使たちは神の前で歌ったり踊ったりトランペットを演奏したりしました。
神とその眷属たちは次の旅の準備のため船に乗り込むと,主神は眷属たちと一緒にて船に乗り込みました。 - 神は言いました。
「ダンが近づいたら,また会いましょう。それまでジェホヴィに捧げるあなたの収穫物が実り豊かなものでありますように!」 - 主神は言いました。
「もう100年ですか!
神よ,私はほとんど荒野で暮らしています。私には何千万の精神体も定命の者たちも霊魂もいないのです!」 - 神は言いました。
「あなたの王国は,今度私が訪れる時には強くなっていることでしょう。
ジェホヴィに栄光あれ!」 - 彼らは抱擁し別れました!
お互いにジェホヴィの御名により御印を刻み合いました。主神の天使たちによって新たに飾り付けられた旗を広げて,神の船は上昇を始めました。
さて,西に針路を取った彼らは,天界から投げられた流星のように,山の頂上に向けて上昇しました。その間,トランペット奏者はこの旅を厳粛で歓喜を漂わせる音で演出しました。 - しかし船が次の目的の半分ぐらいに差し掛かったところで,遥か遠く,西の方から近づいてくる光がありました。それはディスの主神とその眷属たちが乗っていた船でした。
- 船はこちらに近づいてきた後,停止すると,神が大声で呼びました。
「ジェホヴィの御名において,万歳!
私は私の主神が来たことを知っています」 - 主神は返事しました。
「ジェホヴィの息子である神よ,あなたに万歳!」
彼らは主神の船の方に針路を変えると,2つの船は速度を上げて激しく接舷しました。 - 彼らは互いに歓迎と祝福の言葉を交わした後,主神は言いました。
「私の中央の玉座に行く前に,この土地や水の主神であるあなたの僕が統治するこの大陸を調査しましょう」 - 神は答えました。
「そうお願いできますか,主神よ」
彼らは何日も旅をして,主神の天使たちが定命の者たちの植民地を始めた場所に頻繁に降臨し,人間たちに言葉でお告げをしたり,村で暮らしたりしました。 - 神は,全てがうまく行っていることを自分の目で確認することができました。
その後,彼らは主神の玉座を訪れ,そこで60日間滞在しました。 - 神とその眷属たち,そして主神とその眷属たちとアシャールたちが一堂に会し,祈りを捧げたり,歌ったり,踊ったり,ジェホヴィの終わりなき御業について語り合いました。しかしここで語られり,旅行中に行われたことを全て1冊の本に収めることはできませんでした。特に訪問した平地や山々については,何千年後かに人間が暮らし,町を建て,戦争を行い,破壊していくのでした。
- それについては数学者たちはどのような大都市や大国家が誕生し,どの国がどの国と戦い,どの大都市が滅び,どの山が星雲の落下で削られて剝き出しになり,人々の記憶から消され失われてしまうのかを預言しました。
数学者たちは,偉大なるジェホヴィの御手により,廃墟の町が発見され,スイスによって人間の歴史が解明された時,コスモンの時代が到来するだろうと預言しました。 - さて,あらゆる出来事について予測を終えた後,預言者や数学者たちは主神の命令でジェホヴィの息子である神の前に行き,これらの預言について話しました。
- 彼らが話し終えると,神は言いました。
「主神よ,私たちは地球で何を奉仕したらよいのでしょうか?
何世紀かしたら,私たちは眷属たちを連れて地球を離れ,上天で暮らすことになります。しかし私たちの後任には,定命の者たちと生まれたばかりの霊魂を世話する他の神や主神が就くことになります。
しばらくすると地球に偉大なる戦士や大都市,国家が誕生します。そこにも神や主神たちが臨在し,この苦労の尽きない歳月を何年も何世紀も,人間と共に闇の中で暮らすことになります。
その後,神や主神は忘れられてしまいます。人間は偉大なるジェホヴィに逆らい,その信奉者たちを殺害し,石や金属でできた偶像や,女性から生まれた霊魂を好みます」 - 主神は言いました。
「さらにその先には眩い光がその道を照らします。偉大なるジェホヴィの御手は,この旅する世界にコスモンの光を送り込み,新しい預言者たちが失われた歴史を搔き集めて,全てに君臨する『偉大なる霊魂』の栄光ある計画を遂行します。
そうです,その日,あなたの苦労や私の船でさえも,定命の者たちの目に明らかとなるのです」 - こうして彼らは議論を繰り広げながら,過去や未来,そして現在を予測していきました。天使たちはあまり知らされていませんでしたが,人間たちが生まれ,そして国家や都市がどのように滅びていくのかを学ぶため集まりましたが,遠くだったり近くだったりというのは,ジェホヴィの広大な宇宙において無いに等しいものでした。
- 出発の時間が来ました。神とその眷属たちは船に乗り込みましたが,主神とその天使たちは,出発前の神から祈りを授かるために集まりました。
彼らは抱擁し互いに別れを告げた後,神は言いました。 - 「私は去りますが,私の愛はあなたたち全員と共にあります。
今,ジェホヴィは私の仲間たちを祝福し,この大きな試練に耐えられる強さを与えてくださいました。あなたこそが御力と栄光です,御父よ!
アーメン!」 - 船は上昇し,トランペット奏者がこう続けました。
「ジェホヴィよ,あなたに栄光あれ,永遠に!」
【10章】
- ジェホヴィは神に言いました。
「私の息子よ,船を南の大陸に向けて,ヴォフの主神を訪問してください」
神は命令通り南に向かい,地上に近づき,砂漠や山を越えました。 - そこから少し進んだところで,神の一行の到着を知った主神が出迎えに来ました。
主神の船は神の船に接舷すると,天使たち全員は敬礼し旧交を深めました。この中には何百年,それ以上の何千年来の知己もいました。 - 主神は言いました。
「今回の旅では,アスと人間が住んでいる谷や川のほとりを走りましょう」
地球を調査しながら上空を航行しました。国の大半は不毛で,人間や獣たちを発見できませんでした。 - 人間は川のほとりで,日中の暑さや夜間の寒さから身を守るため,穴を掘って暮らしていました。彼らは主神に仕える天使たちが定命の者たちと暮らしている場所を訪れ,人間たちに村を作らせたり,裸を隠すようにお告げをしました。
- 主神は言いました。
「ご覧ください,神よ。『見えない者』だけが人間に影響を与えられるのです。獣や石や森が人間に裸を隠すようにと伝えられるでしょうか,いいえ,できません。
人間は自分の兄弟の声に耳を貸そうとはしません。経験がなければ,人間は自分に効果的な助言を与えられず,ジェホヴィはそのように人間を創造されました。人間は天使を認識できないため,天使たちだけが人間に教えたり,新しい生活を教唆できるのです。彼らは人間が寝ている時に語り掛けて,その者にとって役に立つことを伝えます。
朝,起きると,人間は自分の言葉だと思い込み,その言葉に従おうとします。
こうして天使たちは長い間,我慢強く耐えているのです」 - 神は言いました。
「人間は今まで自分が成長していることを知っているのでしょうか?
人間は信仰心を持っているのでしょうか?
もしくは人間も新しい世界に行き,最初の果実を育てて,何百年も裸の定命の者たちと共に苦労をしていかなければならないのでしょうか?
ジェホヴィよ,信仰心を持つ者とそうでない者に対して,こんなにも思慮深く取り計らわれたものです! - 見てください,地球で生まれた人間は,自分の信仰心の無さを誇らしげにこう言います。
『私は自分の目で見て感じない限り,信じません』
しかしジェホヴィは人間が満足するように,目を見えるようにし,手も動かせるようにしてくださいました。 - 今では地球で生まれた人間は信仰心を持ち,崇高なる天界の玉座に速やかに登極します。
御父よ,あなたの主神は立派に働いています」 - 主神は言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの叡智を誰が知っていましょう!
あなたの永遠の世界で,あなたに気付くことができないのは誰でしょうか?
あなたは新しい地球のために看護師をご用意くださいました。
あなたはこの地球を踏み台として多くの人間を生み出し,その者たちは遠い将来,あなたの主神や天使となり,ここで働きます。
本当にあなたの叡智は奥深いです,ジェホヴィよ!」 - 彼らは主神の玉座がある場所に着くまで,会話をしながら旅をしました。彼らは船の速度を上げて,ヴォフ大陸の中央上部にあるオングーの町に降下しました。
- 主神は領内の全てのアシャールたちに使者を送り,10日間の休息と祝宴,音楽,踊り,ジェホヴィへの礼拝を命じました。
- それは実行され,主神と神の天使たちは100年以来となる再会を果たしました。
- その後,神はヴォフ大陸全土を旅して主神の働きを確認し,特に問題なしとジェホヴィに報告しました。
- 神は十分に休息すると,眷属たちと共に船に乗り,主神とその眷属たちを残して,1000人のトランペット奏者と共にジェホヴィの御名において敬礼し,次の目的地へと出発しました。
【11章】
- 海を越える長い旅が始まりました。
神は言いました。
「水をこのように分けられたジェホヴィの叡智は偉大です!
あなたの障壁は他の国家に対する国家の備えとなっています。あなたが水を越えた場所に避難所を用意し,悪人を追ってこさせないようにしました。
しかし御父よ,あなたの霊魂の海は今でも偉大です。闇の霊魂は渡ることができず,生まれたての霊魂は汚されません。遠くを見通しているあなたは『倹約』を神や主神たちの手にお与えくださいました」 - 船長が旅の準備を十分にしてくれたお蔭で,火の乗り物は,海を覆う雲の上高く,水の上を疾走しました。
定命の者たちには見えない霊魂の海を通って,暗く,荒涼とした海の中を西へと向かいました。この海域の外れにある,遥か遠く離れた国境で,偉大なる西方の地に神を歓迎するため,トゥーリの地の主神が待機していました。 - ここは後に天使たちが『北グアタマ』と呼ぶ地で「国家の誕生,コスモンの夜明け」を意味します。
訳注:「『フラガパッティの書』20章」にグアタマの地は他の地と異なり,コスモン時代の初期に国家が誕生する旨が記されています。 - 神が船から降りて大地に降り立つと,精霊界の光が神の頭上に降臨し,その光の中からジェホヴィは次のように仰せになりました。
「聞いてください,私の息子よ!
私はあなたをここに連れてきました。
周回の最初がワガであっても,最後はこの地になります。
ご覧なさい,地球が私を選ぶ者たちに囲まれる時,私は人々の心に『大いなる目覚めの光』と共に訪れるでしょう」 - この地で私はワガのように,地上における神や主神たちの支配を終わらせるでしょう。そしてあなたやその主神たちを通して,私は私の王国の礎を築くでしょう。
この地で私はワガのイヒン人が公言していることを実現させる人々を育てようと思います。なぜなら私に選ばれし者は私を除く全ての支配に対して,そうジェホヴィに対しても大胆に出てくるからです。
息子よ,この地でコスモンの時代の到来に備えなさい。 - 私の預言者がこれから何が起きるのかをあなたに予言してあげましょう。
あなたたちは山や切り立った岩を眺めてください。そうすればあなたの思念がそこに突き刺さり,人類誕生以前に書かれた本のように残るでしょう。
彼らはその起源を知る由もありませんが,何万もの人間が現れ,私の目的のために全ての神や主神,そして古代の専制政治を取り除こうとするでしょう。
あなたの心は私の護符となり,大地や水,山々に深く刻まれることになります。 - この地だけはいかなる主神や神であっても剣で建国してはなりません。なぜならここは私の土地であり,地球の国家を救済するために私が計画した場所だからです」
- 2つの船に乗船していた眷属たちは100年ぶりの再会に感激し,そのまま偉大なる西方の大陸の大地と水を越えて旅を続けました。
- 主神は東西南北,遥か遠くの国境付近にまで調査を行い,その全ての場所は天界の書物に記録されました。
- 神は言いました。
「私の主神よ,ジェホヴィは地球の王国の礎となる場所を見出しました。あなたの功績に関する記録は,あなたの後に来訪する主神や神々を通して,来るべきコスモンの光の時代にまで伝わります。 - その日が訪れるまで,ここに住む人々は他の人々のように,いかなる主神や神も信仰してはいけません。
- ジェホヴィの御名において,私の印章をこの地に刻みなさい,そうすれば私は創造主に永遠にこの地を捧げます。
- その時が来たら,神は自分の任務から解放され,同時に主神も解放されます」
主神は領内の全ての天使たちのために祝宴と親睦会を準備しました。 - 彼らは集まると,今日の定命の者たちの方法と同じように,歌ったり祈ったり踊ったり,過去や未来のことについて話したり,お互いの愛と敬意を確かめ合ったりしました。
- 祝宴が終わると,神とその眷属は順序正しくお暇を告げました。
こうして神は出立しました。
神の船が上昇した時,ジェホヴィの御声が神の下に届き,こう仰せになりました。 - 「私の息子よ,あなたの船で地球の他の土地や島々,海川を全て見て回りましょう。あなたの記録係の天使たちが,人間たちの事件や私が創造した地球や海川といったあらゆる場所を目撃できるように,地上近くにまで降下して進みなさい」
- こうして神は人間が暮らしていようがいまいが,そういったことにお構いなく,大地や海川といったあらゆる場所を訪れて,天使たちに天界の書として記録させました。
- 神が地球とその天界を旅した時間は1年と7日であり,神の休暇は終わりました。
神は天界の王国ホレドに使者を送り,自分の帰還を告げました。
神は彼の地に向けて出航しました。
【12章】
- 神がホレドに帰還することが知らされた時,ハジャは歓迎の準備を行いました。
- 1万人の演奏家と,5,000人の旗手,1,000人の元帥と役人たち,10万人の観客を募り,神とその仲間たちを途中まで出迎えさせました。
- ハジャが彼らの請願を受け入れたので,すぐに準備に取り掛かり,下天の中では最も勇壮な一団となりました。
- 彼らがほんの少し離れると,見てください,神が乗った火の船は輝かしい天界の中へと近づいてきました。元帥たちは神に会い,船の手摺を握ると,歌や演奏で忙しかった音楽家を除いて他の眷属たちもそれを真似しました。
- 彼らは接近しホレドに入ると,ハジャは自分の地位を返上して玉座を去り,子供が父親に駆けつけるように神の下に駆けつけました。観衆はこれを見ると礼儀を崩して,神とその眷属たちに溢れんばかりの愛を注ぎました。
人々は歓喜の渦の中でごった返しました。 - しばらくして神とハジャは対面し,玉座に向かって登っていきました。
ハジャが玉座に就き,その右側に神が座りました。 - ハジャは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの御名において,私は地球におけるあなたの最初の息子を,この王国に歓迎します。そしてあなたの息子たち娘たちも同様に歓迎します。
彼はその働きとその叡智と愛により,あなたの栄光に多大な貢献をしました。私たちはあなたの御名と栄光において,彼を讃えます」 - 神は言いました。
「ジェホヴィよ,私はあなたの御名において,私の愛する者たちの下に戻ります!
御父よ,帰還した私はあなたの栄光に貢献します。
あなたは彼らを喜ばせてくださったこの栄光を,私は生涯忘れません」 - この時,大きな光が玉座の回りに集まり,大勢の人々の目を眩ませました。
ハジャに憑依したジェホヴィが神にこう仰せになりました。 - 「私の息子よ,この玉座は再びあなたのものです!
私があなたに課した使命は終わりました。
あなたの民草は私の王国を学び,私がどのように全てを作り,支配しているのかを知ってください。 - 私の息子よ,旅の服を脱ぎなさい!
旅の仲間を解放し,もう一度玉座に就きなさい」
声が消えました。
ハジャは立ち上がり,神の傍に立ちました。
光が神の頭上に降臨しました。
神が玉座に座ると,ジェホヴィの御名による大喝采が起きました。 - 神はハジャに言いました。
「あなたはこの1年で私の王国を繁栄させてくれました。あなたには,私の主神が関与できない全ての問題を監督する力と叡智を揮い,私のことを仲間として,そして補佐役として支えてください。 - ご覧なさい,私は今日この日を天界と地球における「始まりの日」に定めます。なぜならこの日,太陽が北方線から進入してくるからです。この日は元旦と呼ばれるでしょう。今度からホレドにおける『監視の交替の日』としましょう。
- 私の声を聞いてください,ハジャと,天界の玉座を守る評議会の面々よ!
私が命じたことを,あなたたちは私以外の天界と地球全土に宣言してください。 - ホレドの王国を増強するため,私はこの場所を拡張します。
ここはもはやただの評議会ではなく,モーブと呼ばれる存在となるでしょう。なぜなら全ての評議会を束ねる上院となるのですから。 - モーブは主神が相手であっても個々の事件を取り扱うことはありませんが,天界の町や王国を支配し,審判と布告を行う場所となるのです。
- 重要度が低い問題であれば,私の息子ハジャが裁くでしょう。
ハジャよ,あなたはホレドの玉座の近くに家を建てて,そこをあなたの仕事場としてください」
【13章】
- 神はホレドに1000本の火の柱を建てて,周囲に拡大するか,または壮麗に仕立て上げました。
神はモーブ(議会)の議員を新しく選ぶのに,天界の図書館から記録係を呼び,リストの上位者から10万人を選びました。
この件について神はこう言いました。 - 「モーブの議員として選出するのに,最も学問を修めた者でも,最も信仰心が篤い者でもなく,ジェホヴィとその仲間と同化できる者の中から上位者を選びました。なぜならそういった者が最初に男神女神になるからです」
ジェホヴィはこう仰せになりました。
『強き者は弱き者よりも多くの功績を残すかもしれません。ただ公平を期すのであれば,私は後者の方を重視します。私は弱き者や強き者に,そして学んだ者や学ばなかった者にも道を開きます』」 - 神は言いました。
「これらの問題について,男であれ女であれ,自己の欲望を捨てて他人のために働くことで御父に仕えることこそ,叡智に到る道となります。
もしも天界の図書館の記録より,男であれ女であれ,いずれ成長し大成することが読み取れるのであれば,そういった者たちを議員に選びなさい。なぜなら彼らこそモーブに相応しいからです。 - 周りの天界から集まった労働者たちは『アグニ』を立てて,その中にモーブを建てて,議員は階級に応じた席に着きました。準備が終わると同時に記録係が新しい議員を連れてきて,それぞれの場所から神殿に入りました。
- 議院が座ると,神は玉座からこう語り掛けました。
「ジェホヴィよ,わたしはモーブに家を建てました。
あなたの叡智に従い私は議員を選出しました。
御父よ,この家をあなたに捧げ,ここをあなたの家とします。
ジェホヴィよ,私たちが道を踏み外さないように,あなたの光で導いてください」 - 光が上天より降臨し,まるで大天使が承認の印可を与えるように,モーブの議員に降り注ぎました。新しい議員は示し合わしたかのように全員が立ち上がりましたが,古参の議員は着席したままでした。
- 神は言いました。
「あなたの頭上に,私は『火の輪の中にジェホヴィの御名が刻まれた御印』と『生命の葉』を拵えました。なぜならあなたたちは御父の御業に対して,その『御印』と『葉』に誓いを立てるためです。 - 聞いてください,私の愛する者よ。
今後,あなたたちは個別に勤めを果たすことができなくなりますが,他の多くの者と力を合わせて働き,愛し,叡智を与えていかなければなりません。 - 今後,あなたたちは二度とこのようなことを言ってはいけません。
『この男やあの男,この女やあの女,この子やあの子のために何ができるのだろうか?』
なぜならこれは個人としての活動だからです。地上でそういった活動を行うのはアシャールであり,大気界ではアサフの役割となります。
あなたたちは個々で構成される有機的な団体に尽くさなければなりません。なぜならばそこには工場としての団体があり,他には教育機関,医療機関など,地球や天界のそれぞれにそういった団体が存在するからです。 - そのため,あなたたちはいくつかのグループに分かれて,この特殊な仕事に就かなければなりません。そして各グループはジェホヴィの審判の一員としてモーブに参加しなければなりません。
それぞれの能力に応じてグループ分けが行われますので,あなたたちはその大いなる叡智や力が発揮できる部署を選んでください。
ここで一旦散会します。これからあなたたちは,担当の役人がそれぞれの才能に応じてグループ分けをしていきます。それが終わったら再びモーブに戻り,ジェホヴィの御名においてあなたたち全員に割り当てられた席に着座してください」
【14章】
- 翌日,モーブの家が完成し,全ての議員はそれぞれの席に着きました。
ジェホヴィは神を通してこう仰せになりました。 - 「第2の復活が始まろうとしています。実体人が実体界の肉体を捨てたとしても,霊魂として生まれ変わり,第1の復活を迎えます。
あなたたちは自我を捨て去り,有機的な団体を形成することで,第2の復活が始められるのです。 - 第1の復活についてですが,彼らが実体界の食料を食べて地球で暮らしてきたように,私が彼らを地上にしっかりと拘束してしまったので,彼らを大気界の食料を食べて下天で暮らせるようにしなければならず,その意味で彼ら個人のためにあると言えます。
モーブはこの条件を満たしたので,私は『モーブの家』の地位をホレドよりも高くし,私の王国の『下級の家』とします」 - ジェホヴィの声が途絶えると,神は御父の御名の下にハジャに敬礼しました。
偉大なる光が『モーブの家』を包み込むとエセナウルたちが讃美歌を歌い始めました。
その後,神は立ち上がり,ジェホヴィの玉座の前でこう言いました。 - 「聞いてください,上天下天の人々よ。
第2の復活の始まりとして,ジェホヴィの御名においてモーブの家が創設されました。
あなたたちは私の言葉を,大宇宙の孤を駆け巡る特使に伝えてください。 - ジェホヴィに栄光あれ!
無限にして全能の創造主よ,愛と叡智と力の下で,あなたに栄光をもたらさんことを,永遠に。
アーメン!」 - 『モーブの家』ではこの宣言が斉唱されました。
特使たちは『光の玉』を受け取るとそれぞれの方角に散っていき,高貴なる神々が住まう場所へとこの言葉が込められた玉を運びました。 - 神はハジャにホレドの副神として戴冠させて,彼のことを全天界と全地球にそのことを宣言しました。ハジャの名は定命の者たちの間では『ジャー』として今日まで伝わっています。
【15章】
- ハジャは言いました。
「モーブの評価が高まったことで,私の場所も,ジェホヴィの御前での評価が上がるはずです。
天界の団体に関する調査員に,各代表者を私の下に連れてこさせましょう。エスヤンのために衣食を生産する製造団体,病院や看護のための団体,教育のための団体,特使教育のための団体,その他の団体です」 - 各代表者がハジャの下を訪れ,元帥の指示に従って玉座の前に並ぶと,ハジャは言いました。
- 「勤勉な労働者たちはいつも働いているわけではありません。
医師はいつも病人の下に駆け付けているわけではありません。
多才な者は誰であれ,私は賞賛します。歩ける者はもう這わなくてもいいのです。 - 大半の人は賢くて強いのです。それでも自分の目的にために欲望の限界を超えてしまう者がいます。
- 子供は自分の欲望を持ちませんが,それは叡智と強さを欠いているからです。
十分に成長した男女には叡智と強さがありますが,禁欲を欠いています。 - 私は今回から団体の人員を2倍にしようと思います。一方は『マガ』と呼び,もう一方を『ミンガ』と呼ぶことにします。マガには第2の復活の準備に入った昇進予定の労働者が所属することになります。
- マガの人々はジェホヴィの家であるモーブと連携して働くことになります。しかしミンガについては今までと同じように,個々の事案に取り組んだり,主神や地球の王国の果実であるエスヤンたちのために用意した新しい場所を運営します。
- ジェホヴィの御名において,私の元帥たちにこの布告の執行人を選ばせるように」
【16章】
- ホレドが創設されてからハジャが統治するまでの130年間,下天の王国はジェホヴィの掟に従い十分に組織されていました。
- 地上の主神の王国もまた完全に建国されました。
その頃,地球はオシレのシュレヴァースが暮らす精霊界のホンシェを通過していましたが,彼の下に神が派遣した特使が訪れ,地球の状態や,地球で暮らす定命の者たちの階級保持者とそうでない者についての報告が行われました。 - シュレヴァースは言いました。
「地球はまだ完全な状態ではありません。定命の者たちのためにも,地球の低層に溜まっているガスを浄化しないといけません」 - これは実行され,ジェホヴィの御意志を受けてシュレヴァースが命令し,火,硫黄,鉄,リンが雨のように地球に降り注ぎ,地球の5つの管区にもたらされました。しかしこの雨が降り注ぐ前に,このことを知らされた神は主神たちに伝え,彼らはアシャールたちに知らせ,彼らは天界に通じた定命の者たちに啓示を下し,その啓示を受けた『選ばれし者』たちは滅びの場所からの逃避行を始めたので,この雨で滅んだ者は誰一人いませんでした。
- しかしアス人の大半は火に包まれて焼かれました。
- しかし今回のことでアス人を憐れんだ神は,忘却と消滅の危機に陥った霊魂を生き残ったアス人に接合させるため,労働者,外科医,医師を追加で天界から地球に派遣しました。これは地球の主神やその配下のアシャールたちを通して実行されました。
- 200年が経とうとする頃,神は下天の人口を数えたところ,胎児の精神体が2億9,600万人いました。(その多くは永遠の生命体として疑わしい状態でした)
彼らの中にはジェホヴィの花嫁花婿の階級に育った精神体が3000万人以上いました。彼らは地球で生まれた最初の者たちでした。 - この時,地球に降った堕天使の子孫から第6世代に当たり,地球への拘束期間が満了したのです。
- ホンシェのダンの最初の年の最初の日に,ジェホヴィの御告げを受けた神はモーブの家の者たちを呼び寄せました。
彼らは集まり古き時代の国歌とジェホヴィへの讃美歌を歌うと,『あらゆる光』が神の下を訪れ,こう仰せになりました。 - 「ご覧なさい,ホンシェのダンの時代が迫っています。3日も経たないうちに精霊界から眷属たちが降臨し,私の眷属たちの復活を後押しし,彼らが200年前にいた元の場所に連れて行くはずです。
- 地球の主神と,天界の私の民草を集めて,私の言葉を伝えてください。
- 『永遠の生命を持つ地球の人々よ,聞いてください。
新年の収穫は実り,上天に届けられます。
このことを全員で喜びましょう。なぜなら『収穫』という栄光の時が間近に迫っているからです。 - オシレ原野では,眷属の天使や大天使が新しい地球における最初の果実を受け取るため,希望と愛を胸に抱きながら待機しています。
- 無数の光に包まれた安らぎの中で,彼らに服を着せてあげてください。
準備もお願いします。なぜなら精霊界の男神女神たちが私たちを迎えるため,上天を出航するからです』 - ジェホヴィの御名の下,この言葉を全ての場所で広めなさい。そしてこうも言いなさい。
『昇天を望む者よ,ジェホヴィの息子の名においてモーブに来るように!』」 - 使者たちは天界や地球に行き,神の言葉を伝えて回りました。
- 3日目,上天からの降臨と,ジェホヴィに選ばれし者の昇天を見物するため,モーブとホレドに9,000万人の天使が集まりました。
ホンシェの大天使はモーブとホレドを護衛するため10万人の男神女神を派遣し,さらにこの光景を栄えあるものに仕立て上げるべく,雲と日光を振り払ったのでした。
【17章】
- ルーイたちが神の下を訪れて,モーブで話し合いをするための団体を組織しました。彼らはこの団体の代弁者にガワッサを指名しました。
ガワッサは言いました。 - 「ジェホヴィの御名において,神よ,聞いてください!
あなたは天界の慣例に従い,私を定命の者たちの世代管理者に任命しましたが,まだ1世代が不完全な状態なのでこうしてあなたの下を訪れました。
私はジェホヴィに呼ばれて,あなたの使者を通してこうお聞きしました。
『次の復活を望む者は来るように,なぜなら収穫の時が迫っているからです』
ジェホヴィの息子である神はこう言いました。
『ご覧なさい,私は次の世代が地球で暮らすことを望んでいます』」 - 神は言いました。
「天界は全ての人々に開いています。もしもあなたたちが昇天したいと望むのであれば,そうしてください。もしもあなたたちが1世代遅らせたいと言うのでしたら200年遅らせなさい。なぜなら次の収穫までそれぐらいの時を要するからです」 - ガワッサは言いました。
「ジェホヴィの御名において,あなたの前で私の同朋たちに審判をお願いします」 - 神は言いました。
「ジェホヴィの御心のままに」 - ガワッサは退出し,同朋たちに神の言葉を伝えました。
彼らはすぐに来て,神の前で審判を受けました。 - 神は言いました。
「あなたたちは『あなたの前で私の同朋たちに審判をお願いします!』と言ったのですから,私は審判を下します。聞いてください。
もしもあなたたちがこのまま昇天してしまうと,仕事は中途半端なままとなります。そうなったらあなたたちは不幸な人間となります。
ですからここに残ってください。なぜなら偉大な栄光は手の届くところにあるのですから」 - ルーイたちは左に進み,定命の者たちともう200年間ともに暮らすという決意を示しました。
- ルーイたちの後には,仕事が終わっていない人々が次々と神の下を訪れ,審判を仰ぎました。
神は言いました。
「残りなさい!」
彼らは残留を選びました。 - この他にも昇天の資格を持った精霊人が7万人いました。彼らはあと200年間,定命の者たちとともに残ることにしました。この中には5人の主神たち,ハジャ,ホレドの400人の使者,ワガの管轄下にあるホレド西部で暮らす700人の妊娠中の女性がいました。
【18章】
- 精霊界のホンシェのオリアン原野の『オワスティ孤』で,ジェホヴィはこう仰せになりました。
「地球の時代が迫っています。地球で生まれた最初の者たちがあなたたちの玄関に届けられるでしょう。
こちらに来なさい,息子,娘たちよ。私の手から彼らを受け取りなさい」 - ホンシェの高潔な女神オネシィと1,000人の顧問は,解脱した500万人の精神体を集めて眷属としました。
オネシィは彼らにこう言いました。 - 「他の実体界から届けられたこれまでの収穫物と異なり,ジェホヴィは地球で最初に生まれた霊魂を送ってくださいました。
愛する人よ,このことを喜び,彼の御方を讃えましょう,
彼らをホンシェ領に送り,地球の眷属たちが昇天したことを宣言します。
家にいる者は住居と宿舎を提供しなさい。
彼らを出迎えるため地球に行く者はすぐに来なさい」 - オネシィは言いました。
「特使が『ワン弧』からちょうど来たところです。そこにエティシャイはいますよね。
実体界の地球の最初の神にジェホヴィの冠を授けたのはエティシャイです。強者揃いの100万の彼女の眷属はティヴィウスの道を通ると思うので,オウィアで合流したいものです。
ウィストウよ,私の玉座に座りなさい。
私はジェホヴィの輝かしい贈り物である3,000万人の新生児を迎えに地球に行かなければならないのです」 - オネシィは言いました。
「うら若い地球が出産しました。初めてのこの出産を祝いましょう!
私は歌手を100万人連れていきます。彼らの声には3,000万人の愛と崇拝を勝ち取るだけの力と甘美さがあります。
ジェホヴィの御業がもたらす栄光は,彼らに与えられた過去のあらゆる試練を忘れさせてしまうぐらい煌煌と輝いています。
男神女神たちよ,急ぎなさい!
火のカーテンを下ろしてください!
新世界の管理というジェホヴィの舞台がこれから幕を開けるのですから!」 - 涅槃で長らく育った男女が一堂に会すと,彼らの意志はアジと星雲に対して力を発揮し,この大宇宙でジェホヴィが形成したものを素早く手に入れました。そしてホレドの横幅と同じぐらい大きい船を建造し,男神女神と同じ位階の天使たちを搭乗させました。彼らの多くは地球が創造される前に生まれており,生まれ故郷である実体界の地球はすでに消失し存在していませんでした。
彼らは船からカーテンを降ろすと,炎のようなそのカーテンは地球の同じぐらいの幅に伸びて降下していきました。 - 男神女神たちは心を一つにして,手っ取り早く仕事をこなす労働者であり,船に全員を搭乗させると天界の円蓋を航行しました。チェウォンのアジの原野を通過したところで,彼女は素早く乗り込みました。
すぐに,多くから愛されているエティシャイの眷属たちが小型の船に乗っているのが見えました。彼らは高度な技術と素早さでオーウェアへの道を切り開いていました。 - 何百万もの人々から歓喜の声が上がり,喜びの歌が歌われました。天界全体がジェホヴィの無限の統治を喜んでいるかのようでした。
今,二人の女神がオーウェアに接近しつつありました。彼らは速度を落とすと,熟練者の見事な腕前により少しずつ接近しました。 - エティシャイとオネシィの2人の女神は飛び上がると,儀式のような荘厳さはありませんでしたが,数多くの群衆から喜びの感情が沸き起こる中,子供がはち切れんばかりの愛情表現をするように,彼らは互いの腕の中へと飛び込んでいったのでした。
そのような中でも,壮大で流星のような精霊界の船は新しい地球に向かって着実に進んでいました。
【19章】
- 3日目の夕方,モーブにいる神と眷属たちは,上天から降臨していくる偉大な光に備えて色々と用意をしていました。
- 9000万人の天使たちが,上空に見える暁の光を見守りました。200年前にエティシャイがジェホヴィの仰せにより神に戴冠したあの栄光の出来事を覚えていた多くの人が,また彼女が戻ってきてくれるのではないかと思いました。
ある者は結婚式を控えた花嫁のように白い服を慌てて着ようとしていました。
ある者は長い間苦労してきた地球と下天を離れることを半ば悲しんでいるかのようでした。
ある者は誇らし気に「主の為すがままに,ジェホヴィ!」と言っていました。 - 神が玉座に登ると,ハジャが右側に座りました。
ジェホヴィの光が頭上を照らすと,見物客の中で多くの新生児,特にエスヤンは眩しくて目を開けることができませんでした。 - 神は言いました。
「1つのダンが到来し,そして去りました。
今回の収穫は3,000万人になります」 - ハジャは言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの息子はこの世界の運命を形作りました。この栄光はとても偉大です」 - 金色の光が玉座の上に集まり,三角の形になりました。それぞれの頂点には彫像が刻まれており,I-OO-Dと読めました。それはワガの文字であり,地球の礼拝堂の祭壇に祀られていた主神によって授けられたものです。それは3,300万の価値があり,精霊界の涅槃のために用意された正確な数値であり,33は定命の者たちの1世代あたりの年数でもありました。
- 神は言いました。
「ジェホヴィは1人です。その生命も1つです。そして無生の実体も1つです。これら3つで全てです。
ハジャよ,このことを定命の者たちに教えることは,地球に叡智を与えることでもあります。
至高の息子よ,この三角形を手に取りなさい。セファスが地球に存在する限り,それは天界から遺された家宝となり,神から,玉座に就く神へと受け継がれていきます。 - 神が手を伸ばすと三角形は固形化し,神はそれを手に取るとハジャの首に掛けてこう言いました。
「ジェホヴィの御名において,私との別れの贈り物としてこの宝石を受け取りなさい。
3つの象徴が1つに収まっていることを定命の者たちが理解したとき,この地球はコスモンの夜明けを迎えます」 - ハジャは言いました。
「神よ,3つの象徴,愛,叡智,力!
あなたは男神女神たちに囲まれた荘厳な家を出て,叡智,愛,力を秘めながら,他の世界で彷徨える若く未熟な天使たちを守るため,はるか遠くてまだ若い毒ガスに覆われた地球を訪れました。
あなたは彼らに自由を与え,回復させました。
あなたは地球に手を差し伸べて,創造主の栄光に貢献するべく,ここに精神体を生み出しました。
その間,あなたは決して自分をひけらかすことはしませんでした。このことを天使や人間たちに教えられたらどれほどよいことでしょう!
躓かず,自分のことを語らず,ひけらかさない,それは一体誰のことでしょうか? - 今日,私はあなたが創設された場所をさらに充実させるべく戴冠しました。
しかし私は躓き,子供のように慄きます」
ハジャは泣き出すと,しばらくしてからこう言いました。
「ジェホヴィよ,なぜあなたはハジャをこんなに涙もろくしたのですか?
あなたは私の心の中で愛を育みました。それは山のように成長しています。
あなたの息子である神は1,000年間,私の教師であり,実体界や霊界といった多くの世界で,今でも私にあなたの栄光を差し込んでくれています」 - 神は言いました。
「地球とその天界に気を配りなさい。なぜならダンの間,それらはあなたが管理しなければいけないからです。
私が眷属と共にに精霊界に帰っても,その周期が終わる2,800年間は,私がまだこの世界を担当しているということも覚えておいてください。
あなたたちがジェホヴィに祈りを捧げた時は,今後は私の大天使が答えます。 - 突然,新星のような光が各方向に円を描くように広がりながら,大宇宙から降ってきました。全員が期待に満ちた目を向けました。
そこには9000万の人々が静かに立っていました。 - 星はさらに明るくなり,光の円は外側へと広がっていき,それは垂れ下がった三日月の角のようでした。その両側の角のちょうど中心に神が立った時,そこは神聖な礼拝堂のようになりました。
光はますます大きく眩しくなり,火の布のように揺らぎました。 - ホレドとモーブに向けて3筋の光が放たれ,中央の球体を貫きました。この3筋の光は赤,青,黄の3色でした。しかしその先には白色の三日月が天上を覆うように輝いていたので,大宇宙の実体界の太陽や星々は見えなくなりました。
- 下天には何百万人ものエスヤンや心曇る精神体がいましたが,降臨したジェホヴィの眷属たちの威厳や勇壮な姿を見ると打ちのめされ,逃げ出してしまいました。この驚異的な光の前に逃げ出したり隠れたりする者もいました。
こうして精霊界の炎の力は広がっていき,心の中に潜む闇の思念や悪意を愚か者でも分かるぐらい明確に映し出していきました。 - 神の幕僚でもある何百万の精霊人はこのような光景は前にも見ていたので,体が釘付けになるぐらい喜んでいました。地球で新しく生まれた者は100人に1人くらい彼ら精霊人に抱きつきましたが,毎年太陽の周りを地球とともに旅する以外,他の天界を知らない者たちでした。
何百万もの人々がこう囁きました。
「これは新たな死であり,新たな誕生でもあります。
ご覧なさい,人間は地球で死に,その霊魂は別の世界に旅立ちます。
そして今,別の世界に旅立とうとしているのです」 - 3筋の大きな光が舞い込み,最前列に映し出されました。これはオーウェアとホンシェのアジの原野からもたらされた元帥の命令でした。赤の光はアジ,青の光はオーウェア,黄色はホンシェを表していました。この光には100万人の元帥がいて,彼らは大いなる王国ホレド全域を覆うようにカーテンを張りました。
- 元帥長はアジェンと言い,その隣には5人の副官,その隣には式典の管理者として1,000人の支部長がいました。彼らは3筋の大きな光の中央に向かうと,神の玉座の方へと素早く歩み寄りました。
光の物質はカーテンの布地のようなもので,その一端が三日月の形をした火の海へと迫ろうとしていました。 - 光がモーブを囲む火の柱近くまで来た時,それは少しずつ速度を落としていき,遅くなりました。
族長たちが精霊界の炎から飛び降りて神の玉座の足下に立つと,ジェホヴィの御名を唱えてから敬礼しました。 - 神とハジャは立ち上がり,御印を結んだ後,返礼しました。
その後,玉座を降りてアジェンの左右の両脇に立ちました。彼らは玉座に登り,アジェンが玉座に座りました。
ジェホヴィの御声が聞こえてきて,アジェンを通してこう仰せになりました。 - 「頭を上げて喜びなさい,私の息子,娘たちよ!
ご覧なさい,私は火の中に来ました!
私はどこにでもいます。そして天界のどの場所にも無数に存在します。
私はあなたたちと一緒に集まることもできます。
私は定命の者たちと天使たちの間に結ばれた愛を引き裂くこともできます。なぜそうするのかと言えば,あなたたちには地球から離れて,大宇宙で私が創ったこの輝かしい世界を見てほしいからです。 - 私は実体界より愛する人たちを連れていきます。なぜなら彼らは私のものだからです。
私は全人類に私の王国を見てもらいたいのです。
私は精霊界の外套に覆われた光の船で,ここ下天を訪れ,より高い世界へ,より輝くため,新たに生まれた私の収穫物を回収します。
位階の低い私の眷属は上を見て,私の永遠の輝きを讃えなさい。 - 私は悲しみ,憐れみ,不憫の涙を流します。しかしどれほど悲哀の涙が流れても,私は私の民草の心を突き動かすため,聖なる光と力と共に彼らの下に訪れます。なぜなら彼らは父の言葉を学ばなければいけないからです。彼らに聞く耳を与えた父は誰よりも愛に満ちています。
- 私の喜びは精神体の誕生とその成長にあります。私の無限の宇宙において,彼らの喜びや彼らの賛辞こそが私の喜びなのです。
- 私が暗闇の中で彼らに呼び掛けると,彼らは進み出てきました。しかし彼らは暗闇の中で立ち止まってしまうので,私はもう一度呼び掛けます。
私は高位の天使を彼らの下に遣わし,彼らにも呼び掛けさせます。
そうです,私は霊界や実体界という『私の素晴らしき世界』でこの空を満たし,人間を成長させ,私の創造物を楽しんでもらうために心を掻き立てるのです」 - 御声が消えると,アジェンは言いました。
「愛する者よ,ご覧なさい,天界の栄光を。心から勤勉な者への報酬がここにあります。
ジェホヴィは誰も届かない遥かなる高みで暮らし,統治し,永遠の時を越えて今日に至るまで居わします。 - 『光の中の光』,『生命の中の生命』,あなの創造物はどれだけ素晴らしいのでしょう!
あなたはご自身の輝きを見せるため私に光を与えてくださいました。
それは新しい永遠です。
ジェホヴィよ,あなたの過去,現在,未来は,今も昔もこれからも変わりません。
ジェホヴィよ,『目に見える者』であり『目に見えない者』であり『力強き者』でもあるあなたは,すべての生命にその一部を分け与えてくださいました!
ホレドに住む人々を育てた者でもあります!
永遠にあなたに栄光がありますように!」 - アジェンは自分の眷属に合図を送り,モーブとホレドを掌握するように指示しました。
元帥たちは四方に広がり,火の柱に新しい光を加えました。 - 元帥たちは色とりどりの服に印や象徴を付けており,そこには彼らの出身や神としての階級,彼らがこなしてきた経験が記されていました。
- アジェンが話し終えると,降臨する天使たちの中から選ばれた楽団が音楽を奏でました。最初,音楽は遠くで聞こえる程度の音量でした。音楽が流れている間,元帥たちは働いていました。しかし次第に音が近づいてきて大きくなると,多くの元帥たちが戻って来て,それぞれの持ち場に向かって行進しました。
- 三日月の角が前進し,降り注ぐ火の海の冷たい風が,紛れもない力と恐怖で下天に迫ってきました。
神からの合図で花嫁花婿たちは大天使の音楽に加わると,その栄誉はとても素晴らしいものになりました。 - 三日月の角の間にとても美しい星が降り立ちました。それは神の玉座の方にやって来ました。無数の光が煌煌と,そして凛々しく照らしていました。
星が玉座の近くにまで来ると,貝殻のように蓋が開きました。
そこにいたのは,腕を絡めたエティシャイとオネシィの2人の女神でした。
【20章】
- アジェンは玉座から降りてその下に立ちました。奥の神殿の管理者が星の周りに集まると,絨毯を敷居の先まで広げました。2人の女神が星の中にあった『水晶の座布団』から出てくると,ジェホヴィの審判の席にまで1筋の光のように飛んでいきました。
その間,100万人の楽団は次のように斉唱しました。
「栄光あれ,創造主たるジェホヴィに栄光あれ!
素晴らしき彼の御方の場所。そして永遠の時間。
偉大なる御方の考えは,人間や神々には到底及びません!
この素晴らしき世界は,彼の御方が定命の者たちと共に愛を込めて綴った絵巻物なのです!」 - さて,大きな火の船の車輪が広がり,回転し始めました。何百万人もの眷属や男女(大天使,男神,女神)が巨大な競技場を形作り,そこにジェホヴィに捧げられる3,300万人の花嫁花婿が白い服を着て整列していましたが,精霊界から救済に訪れた眷属とは様子が異なっていました。
- 誰かが命令したわけでもありませんが,音楽に合わせて眷属たちが動き始めました。1人が動くと全員が1つになって動き出しました。それぞれの場所で輝く水晶のように,無駄なものなど何一つなく,全てが完璧でした。まるでジェホヴィが神々と一緒に授けた才能を全員に見せようとしている,そんな特別な作品でした。
- 眷属の整列が始まると演奏が始まりましたが,整列が終わると演奏も止まり,周囲は静まり返りました。
東にあった玉座は西の方を向いていました。その下にはモーブに所属するジェホヴィの花嫁花婿が控えており,その彼らを精霊人が囲みながら高く高く昇っていきました。 - 神とハジャは玉座の足下にいる女神たちに会いました。
神は何百年か前に他の世界でオネシ―と会っていました。
神はエティシャイを覚えていました。エティシャイは200年前に神を戴冠させてくれた女神です。
ハジャもエティシャイとオネシ―とは顔見知りでした。
彼らは2人の女神の右手を握ると敬礼しました。
女神たちは玉座の中央に登ると神は右に,ハジャは左に立ちました。 - エティシャイとオネシィは希望の眼差しを向けながらも慎みながら花嫁花婿を見ていました。
ジェホヴィの御声が玉座の光から聞こえてきました。
ジェホヴィは仰せになりました。 - 「『私の心より生み出した心』『私の物質より生み出した物質』
私は人間をそのように創造しました。
私は実体界の物から服を作り,人間に着せました。
私は実体界の物から肉や血,骨を作り,人間に着せました。
人間の霊魂は私の霊魂から生み出し,常に存在します。
私は人間に生命の息吹を吹き込むと,地表に送り出しました」 - 『あらゆる光』に促され,神と花嫁花婿が返事しました。
「実体界で生まれた私は,永遠なるジェホヴィのお陰で成長することができました。
ジェホヴィの叡智,力,愛により,私はこの世界で生まれることができました。
ジェホヴィにあらゆる栄光を,そして永遠に!」 - ジェホヴィは仰せになりました。
「私は人間に叡智,力,愛を獲得するための時間を与えました。
それ以外では喜びの時間,悲しみの時間も与えました。
子を儲け,父として世話することを知り,愛する時間も与えました。
私は自分の姿に似せて人間を創造し,私と私の愛を知ってもらうため,自分と同じ属性を与えました」 - 返事。
「子供への愛情に拘束されることで,私は御父の臨在と統治を知りました。御父は永遠に私のことを見守ってくださるでしょう!」 - ジェホヴィは再び仰せになりました。
「私は人間に実体界の時間を与えました。人間が実体界での事象を学び,命の木がどこから湧き出るのかを学ぶためです。
私は人間を人間自身ではなく,私自身から創造しました。
私は人間に生命の息吹を与えた場所に一定期間拘束しました。しかし人間が実体界での生命を終える時,私は人間に新しい世界に旅立つための『死』を用意しました」 - 返事。
「ジェホヴィよ,あなたの叡智は美しく,遠くにまで及びます。
私は肉体を獣のように縛られていました。私の知恵は獣程度しかなかったため,実体界で奮闘する羽目になりました。
私は『死』を恐怖のように思っていました。痛ましい災害のように,私はあなたから見放されたのだと思っていました。
しかしあなたは私を別世界に旅立たせくださいました。私の記憶を完全に残したまま,私の先祖が待つ天界に連れて行ってくださります」 - ジェホヴィは仰せになりました。
「私は母も看護師も豊かな栄養もないこの世界に,忽ちに人間を創造しました。
そうです,私は啓示を与えるため人間に天使を与え,引き立てました。
私は,地球には人間の王国と国家の管理のため主神を,そして審判の席と玉座がある天界には神をそれぞれ配置しました。私の世界の栄光と調和を理解するため,天使の世界にいる人間にはいろいろなものを提供し,その心に刻んでいったのです」 - 返事。
「上天に居わす御父に実りありますように!
あなたは何も知らなかった私に意識を植え付けてくださいました。そして力無き日々に豊かな栄養を与えてくださいました。
あなたは,人間が秩序に従うように私の心を躾けるため,地球に統治者と,模範となる政府を与えてくださいました。
天界で生まれた私は,玉座と秩序ある安息の地に神がいることを知りました。
天使たちは私に喜んで服を着せて,食べさせてくれて,大宇宙におけるあなたの王国に到る道を教えてくれました」 - ジェホヴィは仰せになりました。
「下天での時間を全うした人間には,より高次元の復活のため,十分な数の教師を用意しています。私の眷属が花嫁花婿たちとして飾り付けし,私はこの火の海の中を訪れます。
最初に人間は誰にも知られることなく,地球で厳かに私と結婚します。それから下天で結婚し,霊魂や定命の者たちと一緒に働きます」 - 声が聞こえなくなると,オネシィが言いました。
「ご覧ください,こちらがジェホヴィの花嫁花婿です!
彼らは若い時,最初に地球で,次に下天で,彼らの意志とは関係なく結婚しました。
今,彼らは神の玉座の前に立っています。
ジェホヴィの御名に誓い,私は彼らに自分の意志を表明させます」 - 返事。
「私はあなたのために自分を捨てます,ジェホヴィよ!
私はあなたと一つになります。
私はあなたの王国のために地球を捨てます,ジェホヴィよ!
私はあなたと一つになります。
私はあなたのために主神と神を捨てます,ジェホヴィよ!
あなたの主神と神は私を育て,強くしてくれましたが,あなたから頂いた私の心の小さな煌めきはあなた以外の誰にも屈しないぐらい大きく成長しました」 - オネシィは言いました。
「足が不自由な者や病人には松葉杖が必要です。しかし御父の栄誉は花嫁花婿が独り立ちして歩くことです。
ジェホヴィと結婚する者は自分の目的のために,此処や彼方,男や女,主神や神,誰かや何かに「助けて!」と言ってはいけないのです」 - 返事。
「ジェホヴィよ,神と主神は私の救世主でした。彼らがいなければ私は決してあなたの崇高な天界を知ることはなかったでしょう。
あなたの霊魂は私に永遠に上を目指すように呼び掛けてくださいます。
あなたの主神と神は私に上を見るように教えてくれます。
そうです,彼らは私のために祈ってくれているのです。
私は強くなりました,ジェホヴィよ!
これから私はあなたのためだけに祈ります。決して自分の利益や栄光,安寧,休息,賞賛のために祈りません。
私はあなたの御意志を永遠に遂行できるように,早く,強く,賢くなります」 - オネシィは言いました。
「ジェホヴィの花嫁花婿よ,万歳!万歳!」 - 返事。
「ジェホヴィの御声よ。万歳!万歳!」 - オネシィは言いました。
「あなたたちはジェホヴィとその王国に永遠に嫁ぐのです!」 - 返事。
「ジェホヴィよ。私はあなたの下に永遠に嫁ぎます!」 - オネシィは言いました。
「御父と永遠に一つになるために!」 - 返事。
「ジェホヴィと永遠に一つになるために!」 - ジェホヴィの御声が聞こえてきて,こう仰せになりました。
「彼らへの審判は私が下します。彼らの中で私の叡智は輝くでしょう。なぜなら彼らは永遠に私のものだからです!」 - 返事。
「ジェホヴィよ,私は今後,何よりも先にあなたのことを考えます,永遠に!」 - 御声。
「ご覧なさい,私は彼らのために編んだ冠を戴きなさい」 - 返事。
「あなたが編まない限り,私は他の冠を戴きません,ジェホヴィよ!
私は永遠にあなたの冠を戴きます」 - 御声。
「ご覧なさい,私の息子,娘たちが花嫁花婿になりました。彼らは永遠に私のものです」 - 返事。
「私は永遠にジェホヴィのものです!」 - オネシィは言いました。
「愛する者よ,玉座の前を通りなさい。ジェホヴィに立てた誓いを彼の前で贖いなさい。そうすえばあなたたちは永遠に涅槃の王国で暮らせます!」 - 花嫁花婿は一列になって神の玉座の前を通過しました。その数は全部で3,300万人でした。
エセナウルが『栄光の讃美歌』を歌い,黄,青,赤の霧が大宇宙から降ってきました。
霧は玉座の周りにいた大天使の手に落ちて冠へと変化し,花嫁花婿の頭に載せられました。
冠には次の言葉がありました。
「ワンで生まれ,ホンシェで涅槃に旅立つ」 - 花嫁花婿の列が玉座の前を通過した後,オネシィは言いました。
「大気人は大地から生まれた物や服を食べたり着たりします。しかし精霊人はそういった物を精霊界から引き出します。
ご覧なさい,地球と下天の冠は力,叡智,愛の象徴です。しかし私がジェホヴィの王国から持ってきた物には,さらに真の美徳が含まれています。 - ご覧なさい,ジェホヴィの御手より生み出された冠は,花嫁花婿を立派に仕立て上げて,まるで大天使のように立派になりました」
【21章】
- 儀式が終わると,オネシィは言いました。
「御父の名の下に,私たちはすぐに長い旅に出ます。あなたたちが目覚めた時,愛し合ったまま結ばれますように。
私はジェホヴィの御名に誓い,ここに自由を宣言します」 - 人々は互いに交流し,喜びを噛みしめました。ハジャと神とエティシャイが挨拶を交わすと,主神も来て挨拶しました。次に元帥,エセナウル,長年従事した労働者,そして最後に闇から光に転じた救済された全ての男女がやって来て挨拶し,彼らに敬意を表しました。
- 少しの間でしたが天使たちは全員がお祭り騒ぎとなり,再会に満足していました。しかしいろいろと質問された中で1,000の部分が『愛の保証』というものでしたが,それが質問と関連するのかはそういった本がないので分かりませんでした。
1000個の質問については,愛に関する表現の部分で裏付けできた本はありませんでした。 - 余暇活動が終わると,オネシィは担当の役人に合図しました。彼らは鐘を3回鳴らすと,全員が静まり返りました。
オネシィは言いました。 - 「ジェホヴィが生まれたばかりの子供を与えてくださった時,その子供を授けた父と母は霊界に去ります。
ジェホヴィが私の妹エティシャイを下天の創設のために遣わしたように,ジェホヴィの命令を受けた私は,この収穫を彼の永遠なる王国に届けるために来ました。
子供が父と母を喪ったことを嘆くように,残ったあなたたちも同様に大天使が育てたこの豊富な収穫が失われることを嘆くでしょう。 - この別離の悲しみを深く飲み込んでもらわないといけないのは,ジェホヴィの御意志だからです。なぜなら今回の昇天のお蔭で,あなたたちは上天で再会することが可能になるからです。
人間の精神は永遠に段階的に進化していきます。先に進んだ者が復活により得る栄光は,後に残された者の悲しみと同じぐらい大きいのです。しかし結びついた愛は宇宙に広がる鎖のようなもので,時間や距離に関係なくその想いに打ち勝つことはできません。 - 天界の円蓋を安定して航行する特使は,あなたたちが心から喜べる場所に運んでくれます。
ジェホヴィが冬の後に夏を与え,夏の後には冬を与えるように,一緒に働いたり,幅広い分野で働いたり,一時の間別れたりと,出会いと別れを何度も何度も永遠に繰り返すものなのです。 - ご覧なさい,人間の心を遠い場所に留め置くジェホヴィの叡智を。なぜなら近くに置いておくと,全てが同化してしまうからです。
『誕生』という栄光があれば,『死』という栄光があります。死に『悲しみ』があるように,復活には『喜び』があります。長らく見えなかったものがついに見えるようになるのです。
あなたたちはこの別離を喜ぶでしょう。なぜなら彼らはジェホヴィの花嫁花婿として生まれ変わるからです」 - エセナウルを始めとする全ての眷属が一つになって讃美歌を歌いました。それはとても素晴らしい光景でした。
オネシィは立ち上がり,こう言いました。 - 「全能にして永遠なるジェホヴィよ!
聖にして,聖なる創造主にして,支配者にして,下賜者よ!
あなたの息子ハジャをご覧ください。
御父よ,あなたの御名において,私に与えられたあなたの力を行使し,私はハジャに天界と地球の神として戴冠させます!」 - 今や神となったハジャはこう言いました。
「ジェホヴィよ,あなたの為されるがままに!」
オネシィは地球の5つの管区の5人の主神にも,同じように冠を授けようとました。 - オネシィは手を伸ばしてこう言いました。
「天界と地球の神となるあなたの息子のための冠をお与えてください,ジェホヴィよ!」
精霊界の物質が彼女の手に降りてきました。彼女はそれを掴まえると,とても美しい冠が出来上がりました。
彼女は神の(ハジャの)頭に冠を戴きました。同じように地球の主神たちにも冠を載きました。 - エティシャイとオネシィは玉座を降りてその足下に座りました。
- 神(ハジャ)が降りてくると,一緒にワガとジュドも降りてきて2人に手を差し伸べて,エティシャイとオネシィ,そして玉座を去った神セタンテスにこう言いました。
「お立ちください,女神よ。
お立ちください,女神よ。
お立ちください,神よ。
行ってください」 - 彼らは立ち上がると行進を始めました。役人は精霊界の旅の準備を済ませていました。エティシャイとオネシィは中央の星に入り,一緒に昇天する者たちも決められた場所に入りました。
- 神(ハジャ)と主神たちが涙を流しながら玉座に戻ると,永遠の光に包まれた天高原が上昇を始めました。音楽が各場所で鳴り響き,ジェホヴィとその豊かな世界を讃えました。
- 下天の音楽が上天のように鳴り響いていました。上昇する火の船が他の全てのものを影のように暗くしました。しかし船が三日月の形のまま次第に高く上昇し,直立した軸がゆっくりと回転し,さらに高く回転しながら上昇していくと,今まで聞こえていた音楽は次第に遠くへと去っていき,やがて消えました。
- 上昇する天界の船は流星のようでした。
さらに遠くに行き,ついには見えなくなりました。 - こうして地球生まれの天使の最初の収穫物は,精霊界の涅槃に向けて昇天したのでした。
【22章】
- 神は言いました。
「立ち上がりなさい,私の主神たちよ。そしてジェホヴィより授けられた地球の王国に行きなさい。
彼の叡智,愛,力があなたたち全員にありますように!」 - 主神とその眷属たちは退出し,定命の者たちがいる彼らの王国に行きました。
- 地球のエオプティア時代の最初の周期における,2代目の統治が始まったのです。
下天には天使や役人の住居や,定命の者たちが高次元の精神を獲得するために必要な必需品が用意されていました。 - 神は前任者の方法に倣って法律と政府を制定し,地球から昇天された数多くの霊魂が増えてくると色々な場所を拡張していきました。
- ジェホヴィの御声は神と共にありました。
最初の王国がホレドと呼ばれたように,2番目の王国もホレドと呼ばれました。神の場所という意味です。 - それぞれの管区に地球の主神がいるように,新しい主神もその管区に住み続けました。そして地球の人口が増加するとそれに伴い,自分たちの場所も拡張しました。
- 昔からそうであったように,使者はホレドと主神の場所を往復しました。これは世代が変わっても続けられました。この方法で主神や神たちは下天の出来事を把握し,調和を保ってきました。
- 神はホレドを400年間統治し,ホレドは地球全土に広がりました。
【23章】
- 神とその眷属たちの勤めが満期を迎えた時,ジェホヴィは地球をライス孤のエヨンのダンに連れて行きました。そこの天使たちは火の船で地球に降臨し,神や主神,精霊界への復活を待っていた全ての眷属を救済しました。
この時,6億2,500万人の住民が大気界にいました。第2の収穫における収穫数は2億8000万人でした。 - 第2の収穫も最初の収穫と同じ方法で執り行われました。
第2の収穫の際,地球は天界の大宇宙のライスとビンの弧の中にいました。
収穫の階級は78であり,最初の収穫よりも2階級少なくなっていました。 - 地球の天界は,地球で育った神や主神が後を受け継ぎました。今のところ,この地域で暮らしている精霊人はいませんでした。
- ジェホヴィは仰せになりました。
「地球生まれの者は独り立ちするべきです。母親が子供のために色々な物を与えるように,私も実体界の霊魂の世代に与えます。しかし彼らの叡智や力,愛が成熟したならば,私は主神や神に私の王国の管理を任せようと思います」 - それは実行され,精霊人が昇天して去った後,地球とその下天は地球生まれの霊魂の支配下に置かれました。
このことは次のように言われました。
「最初は精霊人のルールでした。次は大気人のルールでした」
なぜなら地球には他の世界に居たことがない主神と,他の世界に行ったこともない神しかいなかったからです。 - これも同じように実行され,大気人のルールは精霊人よりも寛容であり,専制的ではありませんでした。なぜなら精霊人は死んだばかりのエスヤンが霊魂になってから50年間,定命の親類たちの下に戻ることを禁じていましたが,この当時の主神や神はそうではなく,何十万人ものエスヤンを甘やかし,憐れみから定命の親類たちの下に戻していたからです。
こういったエスヤンは他人のために働いたり,上天への復活を目指す天界の働き手にならなくなりました。彼らは下天で怠惰な放浪者となり,定命の親類が死ぬまでその者と一緒に暮らしました。その後,このエスヤンは自分たちが行ったのと同じことをするように説得していったのでした。 - 神が自分の寛大さが天界の王国を混乱させた元凶であることに気づいた時には,すでに手遅れでした。なぜなら他の天界を知らな怠惰ない放浪者たちは,下天の学び舎や工場で霊魂に対して疑惑の種を蒔いており,自分たちが苦労しても何の得にもならないと説得して回っていたからです。
- 彼らは言いました。
「ご覧なさい。ジェホヴィは地球にいると,私たちに言いました!
しかし私たちは天界にいるのに未だにジェホヴィを見つけられていません。
『全人格』などいないのです。それが真実です。
さあ,安息と,地球から生まれる豊かな食料を追い求めましょう。
地球で暮らしている人間は死にます。死んだ霊魂はそのあたりを漂うだけです。
何故あなたたちは主神に仕えるのでしょうか?
何故あなたたちは神に仕えるのでしょうか?
あなたたちは他人でなく,自分のために自由に生きるべきです」 - これは実行され,下天の階級は少しずつ落ちていきました。
- 3番目のダンは600年でした。神とその主神たちは後継者を用意し,精霊界に収穫物を持って昇天しました。花嫁花婿の数は4億800万人であり,階級は66でした。
- 4番目のダンは500年でした。収穫物の花嫁花婿は6億人であり,階級は58でした。
- 5番目のダンは300年でした。収穫は2億人で,階級は50でした。その階級は精霊界で自由を得たり,生活するのに必要な最低限の階級でした。
- この時から闇が地球全土を覆うようになりました。地球で人間が誕生してから3000年の周期が終わる時まで,涅槃への復活はありませんでした。
- ホレドの王国は崩壊し,消滅しました。
霊魂はジェホヴィの計画に従って働いたり学んだりすることを好まなくなり『地球の装飾品』に戻ってしまいました。
彼らは「復活を望まぬ者」という意味で,ドルジャスと名付けられました。 - 神と主神,役人と教師たちには民や生徒がいませんでした。定命の者たちは何十億人というドルジに悩まされ,アシャールは彼らを良い方向に導きたくても力が足りませんでした。
- この時,大気界には30億人以上の天使がいましたが,その多くは地球で暮らしていました。
- こうして地球の最初の天界の第1の周期が終わりました。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)
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