【OAHSPE考察2】ヤスナ第33章(1節-14節)

1節

不義者に対しても義者に対しても,
悪行と正しい行いが均衡している者に対しても,
最も正しい行いに基づいて,
ラトゥは原初の世界の法に従って[判定]するでしょう。

『アヴェスタ』ヤスナ第33章 1節
引用:『原典完訳アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』訳:野田恵剛 国書刊行会

本節の主旨は,4行目に記述された「原初の世界の法」が審判を下すことにあります。
『OAHSPE』では創造主に委任された神々が審判を下しますが,偽神アフラの世界では「原初の世界の法」による審判という点が異なります。
この違いは,偽神アフラの時代,地球の神ホーブによる『ディヴァン法(The Divan Laws)』が制定されたことが背景にあるのだと思います。
それまで地球には天界を支配する法はなく,神フラガパッティが上天に帰還する際に『神族会議(Diva)』の開催を決め,その初代神族長(Div)にフラガパッティの弟子であった神ホーブが就任します。
神ホーブは神族長の権限において法を次々と定めて行き,それは『ディヴァン法』と呼ばれました。しかし神フラガパッティも神ホーブも,創造主ジェホヴィの名においてこれらの法を制定していますが,法が審判を下すのではなく,審判者はあくまで神々になります。その神も創造主の御名において委任された代行者です。決して法が審判を下すわけではありません。

偽神アフラは神ホーブの昇天後に暗躍したため,「法」が審判を下すと考えていたのかもしれません。また「原初の世界の法」の原型となったのは『ディヴァン法』であったと推測します。

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