旧約聖書とOAHSPE
旧約聖書はアダムとイブに始まる人類誕生から筆が始まる,人類の壮大な歴史書であり聖書です。
アダムとイブの話を聞いた時,個人的には人類誕生の話を聞いても信じがたいものがありましたが,人類を創造したのが創造主であり,人間の霊魂は肉体が活動停止(=死)した後も生き続け,宇宙の構造(の一部),霊魂の存在意義,神々の存在と役割,そして人間は何のために生きているのかをOAHSPEを通じて知った時,次の一事に思い当たりました。
それは,旧約聖書は創造主ジェホヴィ(ヤハウェ)に仕えるユダヤの民の歴史ですが,創造主は決してユダヤ人だけの神ではなく,全人類が崇めるべき神であるということです。
ところが現在伝わる旧約聖書には問題があります。その一つは,旧約聖書では創造主の記述があるものの,人間を教導するのは主神であり,主神と創造主の関係性が不明瞭なことです。これが引き起こす問題点は,主神=創造主として読み取れてしまうことです。
主神と創造主の関係を正確に把握するには,まず天界が上天(涅槃)と下天が存在することを理解する必要があります。上天と下天を理解しなければ,主神と創造主の関係が理解できず,人間を教導する主神がどのような立ち位置にいるのかも察することができません。その弊害は,主神の言葉が創造主の意を汲んだものなのか,そうでないのかが判断できなくなることです。
例えばOAHSPE-23『神の第1の書』では,アブラハムの伝記が掲載されており,そこにはアブラハムを騙そうとする闇の霊魂(天使)の存在が描かれています。この時,アブラハムは上天の意と照らし合わせて闇の霊魂の欺瞞を暴きました。上天の存在を知らなければ,天使が自分たちを何故騙そうとするのかが理解できず,あっさりと騙されてしまう可能性があるわけです。
自分を騙そうとするのは決して天使だけではありません。闇落ちした神々も騙そうとしてきます。
どの神が正しく,どの神が間違えているのか,それをしっかりと見極めて,現在にまで伝わる聖書を紐解いていく必要があるわけです。
幸い,OAHSPE-23『神の第1の書』に収録されているアブラハムの伝記は,旧約聖書(創世記)の記述と類似の内容となっており,比較的検証しやすい状況にあります。
この2つの文献を使用しながら,旧約聖書の解読を試みる予定です。
旧約聖書と死海文書
20世紀半ば,イスラエル北西部のクムラン遺跡より出土した数多くの聖書関連の巻物(死海文書)は,2,000年間も洞穴の中で封印されており,いわば後代の手が加わっていない生粋の文献となります。
旧約聖書もOAHSPEと同様に,神々の意志が介在しています。ところがその聖書も後代の人間の手が加わり,改竄(または誤読による改変)されている可能性があります。
例えば旧約聖書の創世記の10章では,ノアの箱舟を脱出したノアの3人の息子の系図が記されています。この3人の息子はセム,ハム,ヤフェトといい,この3人の息子から数多くの子孫が枝分かれしていきます。
ところがOAHSPEでは,洪水を引き起こしたのは創造主であり,この洪水劇を実際に指揮したのはノエ(Noe)弧の天界を統治していた神アフと数多くの上位神でした。旧約聖書は神アフが統治していたノエ弧を「ノア」という人名と誤解した可能性があります。
同様の誤りをセム,ハム,ヤフェトに対しても犯しています。旧約聖書はこの3人をノアの息子としていますが,OAHSPEでは,これは人名ではなく,洪水の難を逃れたイヒン人が船で向かった大陸の名前(セム,ハム,ジャフェス)となります。
このような誤りは意図的なものではないと思います。恐らく最初は正しく記録されていたのだと思いますが,次代を経るごとに「ノエ弧」が何を指すのか理解できなくなり,人名と誤読し,同じくセム,ハム,ヤフェトもノエの息子として解釈せざるを得なかったのだと思います。
このような状況に陥ってしまったのは,人間が神々の声を聞けなくなってしまったことにあると考えます。少なくとも神々の声が聞こえたら,セム,ハムはともかく,遥か遠方の中国(ヤフェト,ジャフェス)を忘れるはずがないからです。
中国の存在が分からなくなったため,ヤフェトを人名と解釈し,芋づる式にセムもハムも人名と解釈していったのではないかと予想しています。
このように,神々の声が聞こえなくなった人間には,旧約聖書の内容は次第に理解不能になっていき,自分たちの世界観に当てはめて理解できる内容に改悪されていったのだと思います。
ところが,20世紀半ばに発見された死海文書は,2,000年間の時を洞穴に封印されていたため,こういった改悪の措置は少なくとも2,000年間は行われていません。
この死海文書と旧約聖書の内容を照合した時,旧約聖書にどのような動機で手が加えられていったのかが分かるのではないかと考えます。
本考察の目的
本考察では,OAHSPEの記述が正しいものと仮定し,旧約聖書や死海文書などの文献を使用しながら仮説検証していくことにあります。
OAHSPEには,創造主の次の言葉が収録されています。
ジェホヴィはこう仰せになりました。
OAHSPE-9『アフの書』12章
「コスモンの時代では、人間と天使は証拠を求めるべきです」
19世紀末の奇跡の書であるOAHSPEは,個人的な直感として全幅の信頼を寄せられる書物と見ていますが,この奇跡の書が正しいことを,検証を通して証明することは創造主の言葉にもあるように,必要なことだと考えています。当然ながら洪水の時代の証拠はなかなか掴めるものでもありませんが,既知の文献である旧約聖書は元より,埋没文献であった死海文書,そして19世紀末の奇跡の書であるOAHSPE,この3書やその他の文献などを使用しながら,この世界の真実の一端でも明らかにすることが本考察の目的になります。
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