『ジェホヴィの息子オシリスの書』と同時代の書になります。『オシリスの書』は上天の記録であるのに対して,『主神の書』は同時期における下天と地球に関する記録になります。
【1章】
ヒンドゥー教の聖典として。
- 神は,山々の中心にある天界のノエチ弧のセムの部族に地球の一部を割り当て,全ての叡智たる主神たちは,その叡智によりヒルトをその牧草地に導きました。
- ヒルトはネフの息子であり,卵から生まれ上天から降臨してきました。彼は最も慈悲深い主神であり,オムに敬意を表して天界の岩々を打ちました。
やがて卵が割られると,殻の半分が上昇し,残りの半分は世界の基礎になりました。 - 邪悪な声(サタン)が人間の子供たちに語りかけ,彼らを汚しました。
その時,偉大なる霊魂が天界の大宇宙に向かって仰せになりました。
「ネフの息子ヒルトに私はセムの部族を永遠に継承させます。なぜなら彼らは私の永遠の敵アンラメイニュアスに耐えてきたからです。
ヒルトはセムの主神となり,アンラメイニュアスを地底に追放します。彼は地獄の炉のため火を起こすのに忙しく,その煙と炎は地球の中を通って上昇し,人間たちによく知られた『アグニ(火山)』と呼ばれる存在になります」 - こうして善から悪が生まれました。しかし永遠の知恵は定命の者と天界の霊魂たちに受け継がれていくように,すべての光は永遠に存続する創造者としてヴィシュヴァスリジ(法,または自然法)を創造しました。
それ以前は,世界には2つのものが存在していました。1つは虚無,もう1つはヴァチスでした。
ヴァチス(ヴァチ)が世界でした。虚無は『見える世界』と『見えない世界』に分かれました。 - 『見えない世界』は風の中に「E-O-IH」という3つの音を発し,定命の者たちに風の神エオリンと呼ばれました。
エオリンは自分を3つの色で表現しました。最高の色の黄,最も冷たい色の青,最も暖かい色の赤です。 - エオリンは言いました。
「全ての音は私の3つの音から作られます。全ての色は私の3つの色から作られます」
エオリンは『全ての管理者』でした。 - エオリンは言いました。
「私は3つの世界を作りました。定命の者たちのための『地球』という世界。純粋で賢い天使たちのための『全ての上天』。そして地球上に存在する『中間世界』」 - エオリンは言いました。
「私は3つの光を作りました。昼を支配する太陽,夜を支配する月,そして人間が使用するための燃える火。 - 私は3つの霊的な光が作りました。私の精神体から発せられる『ラッチ』。天界の私の主神たちから人間の精神体にもたらされる『セム』。そして中間世界の霊魂からもたらされる『ヴァス』」
- エオリンは言いました。
「私は3つの状態にあります。常に存在し変化しない『幽体』状態。地球,星,太陽,月などのようにその場所に留まっている『実体』状態。そして動き、それは永遠に変化し続ける『可動』状態。
全ての場所,全ての時間において,3つの状態を強力に支配するのがこの私,エオリンです」 - 卵が割れて殻が散らばると,卵のセムは身の置き場がどこにもなく,虚無の世界に散らばる小さな虚無となり,見えなくなりました。
次に上天の最高主神ヒルトは旋風を外に送り込むと,旋風は卵の物質を搔き集めて地球に降り注ぎました。 - エオリンの息子ウズはすぐに走って,アンラメイニュアスの火を北の方に向けました。
エオリンは『息吹の手』で地球に触わるとすぐに全ての生物が創造されました。 - エオリンは言いました。
「私の最初の息子よ,永遠にあなたのものとして管理しなさい。他の神に委ねてはいけません」 - しかし時が経つにつれて悪の声(サタン)が,人間や天使のように話す蛇とともに地球を包み込み,蛇たちはアンラメイニュアスの父である全ての悪と友達になりました。そしてアス族の女性たちは最初の人間であるイヒン族を誘惑し,世界に悪の子孫が生まれました。
- 地球の主神ヒルトは最初の人類を光の領域から追放し,上天の門に当たるチンバットの境界で上天生まれたの天使たちを置き,以後,信仰者の種族を守ってきました。
それにもかかわらず、悪は足下に居座っており,すぐに地球に蔓延しました。
そこでヒルトは両手を太ももに置き,世界と全ての生物を溺れさせると『あらゆる光』に誓いを立てました。主神の誓いに応じるように,強力な火の船である熾天使が太陽から降臨し,海に向けて天界の洪水の門を開放し,地球の主神の友人にして聖なる民イヒン族を除く全ての人間を滅ぼしました。 - そこで主神は掌にイヒン族を乗せて鳩の翼を与えると,彼らは遠くに飛び,主神が暮らす大陸に向かいました。
彼らは全世界に対する証拠としてセムと呼ばれました。 - 当時,神は定命の者たちの近くにいたので,正直者が語り掛けるとそれに主神が答えていました。一方でアンラメイニュアスも近くにいたので,悪人が語り掛けると,邪悪な声がその者に答えました。そのため主神は最も純粋で高潔な女性を選び出し,最も賢く,強く,信仰心に篤い男性を選び,1人の男性に2人の女性を与え,法律に従って彼らを結婚させました。そして最も賢明で高潔な男女の子孫は両親よりも賢くなりました。主神はこの秘儀を神の家にいた人々に与え,彼らは『選ばれし民』にその知識を与えました。
- ヒルトは言いました。
「おお、愛する人よ,このような理由からあなたたちの子種が汚され,その子孫がアンラメイニュアスとともに地獄に堕ちてしまうので,ドルク族や地に穴を掘る『闇の人々』と結婚しないでください」 - しかし悪の創造者アンラメイニュアスはドルク族の女性の所に行き,暗い隅で彼らにこう話し掛けました。
「ババオの根を持ってきて,それで美味しいものを作りなさい。鳩の翼で来訪した白人にそれを与えなさい。与えたら,彼らはそれで飲み食いすることでしょう。若い男が酩酊したら,彼らのもとに行きなさい。それが私の贈り物だからです」 - ノエチ弧で生まれた彼らにとって,最初の罪でした。なぜならドルク族は飲んだ場所に行き,こう言ったからです。
「白色人と黄色人が私たちに襲い掛かり,私たちの子種が地球上で滅ぼされないようにするため,肉体と親類,骨と骨,血と血で私たちを作ってくださったのです」 - 主上神ヒルトは闇の中を覗き見ると,同情してこう言いました。
「この件で私はアンラメイニュアスに大いなる罰を与えます。彼は悲しみで頭を垂れることでしょう。
しかしイヒン族に関しては酔っていたので許します。ドルク族との間に儲けた子供については,闇と光の両方から生まれたので世界中の全ての人々の中で最強になるでしょう。
彼らの中の闇は全ての闇と戦うことでしょう。そうなれば彼らの中の光が,自身が抱える闇を支配していくことになります。しかしドルク族に関しては永遠に闇落ちしたままです」
【2章】
- セムには多くの部族があり,ハヴェンティとガッツの海の境界で定住し,主神(ヒルト)は彼らとともに暮らしていました。主神は主席預言者ター(タエ)を通して語られ,タフは主神の言葉を石や木,布に記録し,これらは『神のヴァレンス(ヒルトの家)』に保管されました。
- ターが年老いて死ぬと,主神の贈り物の外套がターの息子に受け継がれました。ターの息子もまた,主神の声を聞く力を持っており,父と同じように主神の言葉を記録しました。
- やがてターの息子が亡くなると,彼の息子も同じように受け継がれました。この真実のため,主神は彼ら全員を聖なる名前「ター」と呼び,その秩序は100世代にわたって続きました。
国内の遠くや近くの町にイヒン族で埋め尽くされましたが,彼らは地上や水中,上空の生きとし生ける全てのものを殺しませんでした。 - イヒン族の初期の頃、主神は主席預言者を通してこう言いました。
「ある町や部族の住民が別の町や部族の住民と結婚する時,それは単に父と母の名前が子孫に与えられるだけです」 - しかし当時,人間は闇の中におり,神を理解していませんでした。そこで住民は近隣の部族に属する名前を組み合わせました。つまりある部族が「ウト(小麦)」と言ったら他の部族は同じ物を「ヤト」と言ったとします。別の部族は「ワト」と言い,また別の部族は「フート」と言う,等々です。
後の世代が「ウトヤトワトフート(小麦)」と言ったとすると,これはイーハ語と呼ばれました。 そして使われた言葉の数と量があまりにも多かったので,古代の預言者の書物は誰も理解できず失われていきました。 - 主神は言いました。
「私は選ばれし者の系図を保存したいと思ったので,あなたたちは私にとって価値のないものに法律を適用しました。あなたたちは『雑音』『言葉の塔』を建てたので,あなたたちの舌は互いに混乱するようになりました。あなたは多くの言葉で天界に辿り着こうと努めましたが,堕落した下天(地獄)のために食べ物を作っただけに過ぎません。 - 主神は言いました。
「さあ,ムルダン(霊魂の輪)に来なさい。そうすれば私はあなたを運びます」
人々は三日月を作って座り,主神は2つの角の間に現れ,こう言いました。
「ご覧なさい,あなたたちはタウですが,私はシリ(霊魂)です。私の言葉は全世界に受け入れられないでしょう。 - 神(ハウトゥ)の掟を聞いてください。あなたたちは『言葉の塔』を建てたので混乱しています。しかし私は怒りに来たのではなく,あなたたちを救いに来たのです。
私はこれ以上書くことも,書いた言葉を教えることもありません。なぜならそれらは学ばない者にとって愚かなことでしかないからです。 - わたしは口頭で教えるので,あなたたちは私に続いて繰り返しなさい。そうすればこれらは世界の終わりまで聖なる言葉となるでしょう」
- 主神は神殿で人々と対面し口頭で教え,彼らはその言葉と意味を学びました。
- 最も良く学んだ者を,主神は他の者への教師という意味で『リトヴィジ』と名付けました。
主神は言いました。
「あなたたちは古代の言語を混乱させてきたので,私はあなたたちに新しい言語を与えます。それは私の敵に対抗するヴェーデ(完璧)となり,私が与える言葉にこれ以上干渉してはいけません」 - ヒルト(主神)は言いました。
「あなたの神である主神だけを,全精神を注いで愛しなさい。
あなたの元を訪れる天使たちから顔を背けなさい。彼らはアンラメイニュアスの使者だからです」 - ヒルトは言いました。
「太陽と月,地球上のすあらゆる物を愛しなさい。なぜならそれらは主神からの贈り物だからです。
霊魂とは何ですか?
それは飛び去るものです。それは何もないのです。 - 預言するドルジ(霊魂)を打倒してください。彼らの預言は何も起こらず,嘘しかつきません。
彼らはアンラメイニュアスの使者です。 - 太陽,月,星々から預言することを学んでください。
それらは嘘をつきません」 - 次に主神は地球と天界の風,寒暖,太陽,月,星々,春夏秋冬を支配する星座(馬,牛,獅子,羊,鳥)を与えました。しかしこれらは今日では定命の者たちの歴史でよく知られているので,本書では割愛します。
- 主神はコスモン時代を迎えた今日においてこう言いました。
「ご覧なさい,人間たちよ。オシリスの時代,主神である私は地球に多くの哲学者を輩出し,古代の伝説を叶えるためだけではなく,人間を使い魔たちの相談から遠ざけるため,論争の種となる本を書くように託宣しました。
この後,私は人間たちに書くようにお告げしました。それは次のようなものです。 - 卵の問題やアンラメイニュアスの問題について言えば,それらは証明不可能なことであり,地球の主神ヒルトにも典拠がありません。 偉大なる霊魂が神々と主神たちの領域を分割し,地球 (ブー) がヒルトの一部になったと考えるのが合理的です。一方でこのような世界である星々もまた,他の主神たちや神々の手に落ちました。しかしアンラメイニュアスのような邪悪な神については,誰が見たことがあるのでしょうか?
- 主神ヒルトについては,私自身も彼を見てきましたし,他の何千人もの正直な預言者たちも見てきました。しかし主神が話したのは愚かな話ではなく,自分を幸せにし,偉大なる霊魂の栄光のためにどのように生きればよいのかを人間に教えるためでした。
また私は,主神が地球から生まれた人間の霊魂以上の存在であると主張したということを聞いたことがありません。私の意見では,主神は地球とその他の全ての霊魂の長です。しかしこれを知ったとしても,正義を遂行する方法を知る真理ほど素晴らしいものではありません。 - あらゆる事柄の中で,人間が特に学ばないといけないのは,証明できなかったり,欲しい時に見つけられない霊魂よりも,見たり聞いたり証明できるものなのです」
【3章】
- 主神は言いました。
「農夫がある畑に小麦を植え,別の畑に米を植え,別の畑に亜麻を植えるように,主神である私は人間の種子とともに地球で暮らしています。賢い人でも『これらのことは偶然に起こったものであり,ジャフェス(中国)やビンドゥ(インド),アラビーニャ(アラビア)にたまたま人々が定住した』とは言わないでしょう」
そのような私の敵が唱える主張に対して,主神はこう言います。
「1日見ただけでは私の働きにおける叡智に気付けないので,彼らは何千年にも及ぶ私の計画に思考を巡らすことができず,そのため頑なに自分を無知の中に閉じ込めて『神などいない』と言うのです。 - なぜなら私は地球の広さを見越して人間の栄光のために抑制し,早期に私は叡智で私の軍隊を分割したからです。
- 私はハムに地球の遊牧民の基礎を割り当てました。ハムの部族の中から,私は多くの色の人間を選びました。
私は『ハム』という名前を世界の果てまで生きた証人とすることを決めました。なぜなら私は,各国が人類の歴史を振り返る時代が来ることを予見し,地球の後の時代における証拠になるように,ある言葉と御印を用意したからです。 - ハム族にはあらゆる色の人種(黒、白、黄、銅、赤、茶)がいました。それにも関わらず,彼らは平らな爪と短い腕を持ち,知識を獲得することを望んだイヒン族(信仰者)でした。
私は彼らを砂漠と豊かな牧草地の国に連れて行きました。そこには原住民,つまり短髪の闇の人々はほとんどいませんでした。
私は自分の言葉を証明せずに人間の頭髪を省くことはしません。 - イヒン族のうち,私は地球の全大陸で,ジェホヴィを崇拝する種族には長髪という証拠を与えました。それはコスモン時代の人間に,自分たちが生まれた大陸が水の上には存在しないことを気づかせるためです。
- ご覧なさい,セム族の言語(イーハ語)の多様さを!ジャフェス族と並行して私は彼らを育てました。
ご覧なさい,後者は今日までパニック語の派生語を使用しています。 - なぜなら私は,この2つの異なる土地の部族に私の10の掟と10の祈祷を与えましたが,書き物としてではなく,口から耳へと伝えることで聖なる言葉となるようにしました。
- そこで人間は,卵や世界の悪の起源といった同じ物語が定命の者たちによって伝えきれていないことを知るでしょう。
- なぜなら私は,後に証拠として発見されるようにジャフェスのパニック語を十分に封印したからです。それを示しているのが,ハム族やセム族と異なり,強大な国家が1つの言語を何千年も維持していることです。
- なぜなら,各言語の起源は定命の者にあり,それらは人間の中の知識が成長したことにより変化していったということを証明しようとすることを私は予見しているからです。
- ご覧なさい,私は全人類に経典を与え,その教えを遵守するように言い含めました。
それで私は自分の御業を守ってきました。 - ハム族には西への移住を好む特徴がありました。ジャフェス族とセム族には自分たちの国に留まる特徴がありました。グアタマ族には東に向かうのを好む特徴がありました。
私はグアタマ族に境界を設け,彼らを東の海に到達させないようにしました。 - 主神は言いました。
「私と私の支配域の野蛮な世界に教義をもたらすためハム族を設計しました。
私はまた、彼らの子孫を通して,男性も女性も髪が真っ直ぐでも短くもなく,長く巻いていて,赤や白,茶であるようにしました。それにより後の時代,国家の系譜を辿ることができるかもしれません。 - さて、ジャフェス、セム、ハムという3つの大きな国のちょうど真ん中あたりにイフアン人の主要な場所があり,彼らはそこに新しい国家を建国しました。主神はその国を,選ばれし者イヒン人を守る盾として,「戦士の信仰者」という意味の『パーシー』と呼びました。
- イフアン人とパーシーの違いは,イフアン人はイヒン人の近くに住んでいたのに対して,パーシー人は自分の国に住んでいたことでした。
- それにも関わらず,彼らは全員同じ血と親類であり,イヒン人とドルクの原住民の間に生まれた混血でした。彼らは大きく,ほとんどが新しい銅の色をしていました。
- 彼らは主神に気に入られていたので,主神は彼らに別の法を与え,ドルク人と交わらないように戒められました。
彼らはその戒めを1000年以上守り続けました。 - しかし時が経つにつれてパーシー人はドルク人に誘惑され,主神の寵愛を失い,人食い族になり果てました。
- 主神はガン人を派遣し,彼らに聖典を口伝し,自分の民を探す旅をさせました。
その結果,ご覧なさい,主神の民のうち10部族が荒野で道に迷いました。そこはパーシー人の国であり,野生の山羊で溢れかえる土地でした。
その場所は『山羊の地』と名付けられました。 - 道に迷った部族は肉を食べなかったため,食べ物に困っていました。
彼らは言いました。
「ここで山羊のミルクを飲んで暮らしましょう」 - 彼らは山羊を飼育し,群れを維持しながら長い間暮らしました。
彼らは羊の群れを引き連れて彷徨ったので,『羊飼いの王』と名付けられました。 - 主神は彼らに好意を寄せてこう言いました。
「『羊飼いの王』と呼ばれる者たちがこの国を手に入れることでしょう。
ご覧なさい,この子孫から,私はとても素晴らしい奇跡を起こします」 - 主神は言いました。
「人間に発見できるものについて,主神である私は人間が発見できるように残しておきます。
人間に発見できないものについては,主神である私は人間に教えます。 - 『羊飼いの王』に、私は毛皮から皮革を作る方法を教えました。人間はこれを発明する手段を持ち合わせていませんでした。『羊飼いの王』は皮革の袋にミルクを入れてかき混ぜて,バターを作りました。
それは世界で初めて作られたバターでした。
【4章】
- 神は言いました。
「悪がなければ,私は光の礎としてイヒン族を守り,そこから闇の部族に手を差し伸べることができました。 - なぜなら私は闇と戦うために闇の中に入るのではなく,その外側に立ち,人間の正義の模範となるべく定められているからです。
- 選ばれし者が模範となる町や正義の王国なしに労を折るといったことは,私は最初から計画していたわけではありません。
- サタンとその眷属の支配下にある悪人や悪の司祭は悪の中に居ながら,模範となる町や王国がないのに正義を説いています。しかし選ばれし者は御父への信仰の証として,自ら立ち去り,自分たちの町を建設します。
- 彼らはお互いに自分の生活を通して,私の掟を完全に実践しています。
- 『私は言っていないが,これは私のものだ』と言った者がいたとします。
『私は言っていないが,私の家であり,私の土地だ』と言った者がいたとします。 - これらの物が彼らに所属する限り,彼らは私ではなく,その物に所属しているのです。
- これが真実であることを説明するため,私は正義の模範として生きるイヒン人を世界の人々から隔絶して育てました。
- しかしイヒン人が完璧な男性,女性であるとは考えないでください。彼らは発達した種族でもなければ,自分自身の知識ゆえに正義であったわけでもありません。
- 私の上位天使たちが絶えず存在することにより,彼らは正義に執着し,悪を遠ざけてきました。
地球に蔓延るドルク族や人食い族の前で,彼らは私にとって良き説法者でした。そして御印や奇跡,無抵抗のお蔭で,私は彼らを守ってきました。 - なぜなら人間は悪の中で力を得ようとすることでのみ進化するからです。それゆえ人間よ,あなたたちは正義と善行のため,私が人間族を支配する様子を見ておきなさい。
- そして私が据え置いた模範が野蛮人の精神に届いたので,後の時代に彼らが私の声を聞き,私の掟を理解できるように準備します。
- なぜなら私や私の眷属たちが臨在しなくても彼らが美徳や知識を理解し,彼ら自身が協調して実行してくれれば,人間たちに光が満ち溢れるからです。その時,人間たちが,互いに正義や平和,愛が霊魂における幸福の基礎であり,復活のための唯一の光であると気付くことでしょう」
- 主神は言いました。
「私がたった一つの国にしか足を運ばず,それ以外の国を闇の中に残したとは思わないでください。私は一つの国ではなく,地球のあらゆる大陸を訪れます。時には私は彼らの求めに応じて手をかざすと,彼らは当初の計画を叶えることができました。 - 人間が永遠に導かれるのはジェホヴィの御意志ではありません。なぜなら主神はこう言ったからです。
『しかし結局のところ,人間は幼少期から根本的に善行を実践する光を持っているのです』」 - 主神は言いました。
「生徒にあらゆることを行う教師は生徒を犠牲にすることもあります。
生徒に間違いを教える者は御父に対して罪を犯しているのです。
生徒に何も教えない者は悪に加担しているのです。
そのように人間の子供たちの上にあなたの神である主神は君臨しているのです」 - ご覧なさい,私は選ばれし者が野蛮人の中にいても自分自身を律することができること,そして縛りなき結婚により聖なる人々が野蛮人の中ですぐに消えてしまったことを証明しました。
- なぜなら禍々しい諍いを目の当たりにした人間はより強靭な手足や狡猾な知力を持った息子たちを望むものだからです。しかしそのような状態では霊魂の栄光のために優しさや愛で成長しようという動機など持てようはずもありません。
- あなたたちの主神である私は次のことを後世に示します。
1つ目は私の手による御業なくして,善や平和は人間たちに訪れないということです。
2つ目は,御印や奇跡を通して私の力の模範となりうるイヒン族だけが,野蛮人を善へと導けるということです。 - あなたたちがイヒン族の証言を得られるようにと,私は門がない町の廃墟や玄関のない家をそのまま残しましたが,それはあなたたちに,野蛮人が高次の進化を遂げるにはそのような過程を踏むしかないことを示したかったのです。
- 私が『偉大なる霊魂』が今まで地球を統べる主神を置いていたことに対して疑問を抱く時代が来ることを予見していなかったとは思わないでください。
人間は『ほら見なさい,主神も神もいないのです』と言うでしょう。なぜなら私はこのような時代を予見して,事前に天使たちを派遣して次のことを示したからです。
1つ目は,人間族の進化は最悪の闇からもたらされること。
2つ目は,進化の起因は『偉大なる霊魂』からもたらされるものであり,それは正義に向けられたものであるということ。
しかしこれらは人間たちのためではなく,あなたたちの神である主神のためでした。 - なぜなら私は,彼らが進化を望もうとする知識や平和,勉学,愛,そして互いに向けられる善行といった類のものを何も持ち合わせていない証拠として,人食い族のような部族も含め,十分な数の闇で暮らす部族を今日まで残してきたからです。
- 人間は『人々は主神や神,そして天界の天使たちとは関係なく,隣人のお蔭で成長している』とは言わないでしょう。
- ご覧なさい,私はあなたたちの門戸に野蛮人を置いておきました。あなたたちは彼らを育てるのではなく,滅ぼします。あなたたちがどれほど賢く,最も研鑽を積んでいたとしても,更生させる力はないということを示しています。
正義や奇跡を実践する信仰者の模範者(イヒン人)以外に,私は野蛮人を更生させる道を用意していないのです。 - こういったことを実行する人々が育まれれば,彼らは成功するはずです。そして彼らが成功すれば,彼ら自身もまたイヒン族の証人となり,それこそが私が残した全地球の救済の礎なのです。
【5章】
- 主神はパン大陸から救済された5つの民団を確立し,それぞれの国でパニック語を保つように命じました。彼らはパニック語を保ち,今日までその多くが残されています。
- このイヒン人はどうなったのかについては以下の通りです。
- グアタマに来た人々は21,000年存続しましたが,その後絶滅しました。
- ジャフェスに来た人々は21,000年存続しましたが,その後絶滅しました。
- セムに来た人々は12,000年存続しましたが,その後、併合されて絶滅しました。
- ハムに来た人々は21,000年存続しましたが,その後,併合されて絶滅しました。
- グアタマの人々は1,000の大都市と3,000の小都市を建設し,その精神体の数は400万を超えました。彼らは都市の父長を通して管理する主神以外に,王や女王,その他の統治者を持ちませんでした。彼らは最後までグアタマという神聖な名前を保持してきましたが,イフアン人は彼らを,別の世界の人々という意味の『オエクロパン』と呼びました。
- 時代が下るにつれて彼らは小柄になり,結婚を望まなくなりました。やがて地球に灰や熱や暑さをもたらす大いなる闇(オクゴック)が訪れ,主神は彼らを天界に連れて行きました。
- ジャフェスの人々は2000の大都市と7000の小都市を建設し,その精神体の数は800万を超えました。彼らは最後まで『ジャファ』の名を維持しましたが,イフアン人は彼らを,『霊魂の光の人々』を意味する『トゥア・ギット』と呼びました。
- やがて地球にアジが訪れると彼らは無力感に襲われ,子孫を残そうとしなくなりました。そのため主神は彼らを家に連れて帰りました。
- セムの人々は600の大都市と2000の小都市を建設し,その精神体の数は200万を超えました。彼らには王がなく,町の父長を通して主神に仕えました。彼らは最後までセムの名を維持しましたが,イフア人は彼らを女性のような『真の光の人々』を意味する『シリ・ヴェデ・イィ』と呼びました。
やがて無力感が彼らを襲い,まるで太陽の光の中に垂らされる一滴の水のように消えてしまい,彼らがいつ消滅したのか誰も知る者はいませんでした。 - しかし主神は彼らの子種を残したいと思い,その多くをイフアン人と結婚させましたが,彼らの子供たちはイフアン人と同じになり,イヒン人のような絹のような髪も音楽的な声も,そして上天の光も持ちませんでした。
- ハムの人々は1200の大都市と3000の小都市を建設し,その精神体の数は400万でした。しかし色々な人種が混血されたので,彼らを無力感が襲うことはありませんでした。しかし、色が混ざっていたので、彼らは無力にはなりませんでした。 しかし彼らは温血となり,他の信仰者以上に神の法を破り,多くのイフアン人と混ざり合いました。
彼らには王も女王もなく,町の父長を通して主神にのみ仕えました。
彼らはイフアン人との併合により分離した人々として存続できなくなる最後の時まで『ハム』の名を維持しました。
※補注:『温血』は外界の温度に影響されず一定の温度を保つこと。 - 2艘の船で北の地(日本)に向かった部族は,1000年経ってもイフアン人との間に線引きできずにいました。なぜなら彼らはイフアン人と混血したため,イヒン人としての能力が失われてしまったからです。それにも関わらず,彼らは野蛮人を叡智と平和に導いたのでした。
【6章】
- 神は言いました。
「オシリスの時代,あなたたちの主神は,ガン人とイフアン人という新しい種族に融合させるため,イヒン人が備えていた光と知識を与えました」
主神とその天使たちによってその基礎が据えられました。 - この時まで,イヒン人は野蛮人に革や布を作るようにお告げしたり,美徳と平和という方法であらゆる種類を産出するようにお告げすることはできませんでした。
- 主神は地球の住居や,定命の者たちと対面で会話する神託所を用意し,天使たちを通して定命の者たちに教え諭しました。
- イヒン人の方法に従って,産業,平和,正義を彼らに説きました。
- 彼らに星や太陽,月を教え,地球の時間や季節を見つける方法を教えました。
- 星を観察し,星々に名前を付けるようにお告げしました。その名前は今日まで残されています。
- 「私は陸標を設けました」と主神が言いました。
「私が行ったことは人間にはできません。私は野蛮人を成長させて,私の命令で野蛮人の残虐な行為をやめさせます」 - 私は星を観察するように招くと,その者は私の声を隠しました。
- ご覧なさい。あなたたちが主神がいないというから,私は野蛮人の残党を残したのです。
試してみなさい。
人間の進歩の原因を発見した彼らを地球に生まれさせて,野蛮人を成長させてみなさい。 - 私は人間に言います。「人間は死者の霊魂と交信しなさい」
私は言います。
「そのような崇拝を止めて,星々の前に平伏しなさい」 - ジェホヴィはこう仰せになりました。
「私の主神,私の神よ,行ってください。
人間に1日に1つの事を呼びかけて,それを崇拝させてください。翌日は別の事を呼びかけて,それを崇拝させなさい。なぜなら人間は天界や地球においてあらゆる事に平伏し,崇拝しないといけないからです。
それらを試すことで人間はそれらを知ることになります。なぜなら私の栄光であるコスモンの日において,人間は創造主である私以外のあらゆる崇拝は取り除かれなければならないからです」 - 主上神は言いました。
「崇拝の才能を通して人間は成長します。偉大な学問でさえも,人間は最初にそれを崇拝するまで追い求めようとしないでしょう」 - オシリスの時代,主神は伝説的な神や主神たちの名前にちなんで天界の星々に名前を付けました。主神は人間がそれらを崇拝するのではなく,大宇宙においてそれらの栄光や威厳を学ぶべきだと教えました。
- しかし人間は創造主の御業の素晴らしさが故に創造主を忘れてしまいました。今日に至るまで,人間は目に見える実質的で現実的な物を見て,目に見えない『全能者』を拒否する傾向があります。
- これは神(オシリス)の命令でした。なぜなら人間は霊的なことと同じように実体的な事も学ぶべきだからです。主神である私は死者の霊魂を運び去り,人間と天使が互いに交信することを妨害しませんでした。なぜならこれまで彼らはこういったことを行っており,それぞれ上天を認めていなかったからです。
- ジェホヴィはこう仰せになりました。
「死者の霊魂を永遠に地球に留め,定命の者の奉仕や修練に励むのは,私の天界における計画ではありません。 - ご覧なさい,私の王国に到る道は上に向かっています。地球上の人間は天界の天使たちが降臨する下向きよりも,むしろ上に向かって成長するように追い求めるべきです。
- したがって主神は死者の霊魂を運び去り、人間の考えを下位の王国(実体界)の栄光を学ぶように変えました。
- 人類は太陽,月,星々や,地表におけるあらゆる物の両方において,大いなる学びを進化させました。
- 主神は言いました。
「人間が創造主の周期を理解するために,私は人間にこれらの御印を与えました。霊的な研究が人間の中で主要になると,彼らは地球に属する科学,技術,発明において進歩しません。しかし人間が霊的な向上心を失うと,実体的な知識や発明,探求が進歩します。 - これらの御印は,神と主神を通して『全能者』の御手により定命の者たちに変化がもたらされることを予言しています」
- 神は言いました。
「ご覧なさい,私は地球に偉大な王や女王を育みました。そして私は彼らに,天界の方法に倣って盛儀と儀式,式典を与えました。これらは多くの者の望みとして作ったものであり,彼らは全ての創造物の嗜好品として自分で用意することを学んだ方がよかったのかもしれません。 - なぜなら私は,地球とあらゆる種類の野蛮な獣や蛇が抑制されるまで,人間が霊的になることを望んでいなかったからです。そうしなければ人間は無力感に陥り,地球上で失敗していたことだったでしょう。
- これらの証拠を私は今日,あなたたちの前に残しておきました。
霊的な人間は隠遁し,祈りの中で閉じ篭る傾向があります。しかしオシリス信者は男らしく働きに出かけます。 - 主神は当時,王と女王の間に互恵関係を作りました。その方法は次のようなものです。
- 中央の王国は『太陽の王国』と呼び,その他を衛星国と呼びました。最高統治者は『太陽王』または『太陽の王』と呼びました。
- そして王は,太陽,月,地球,星々の時間と季節を決定するため,天文台を管理しました。天文台の名前は『星々の神殿(オキィゲトハイ)』と言います」
- 主神は人間に言いました。
「星々の神殿の中に『神の部屋』を建てなさい」 - 人間は言われた通りに建てました。
次に主神は予見者を選び,それぞれの『星の部屋』に一人ずつ配置し,予見者はその中で机の前に座り,机の上には砂が振りかけられていました。
主神は砂に指で,天界と地球の法を書きました。 - こうして神は人間に星の名前と,太陽や月,地球の季節を与えました。
- 予見者は王にそれを与え,王はその言葉を宣言しました。
神は,彼らに与えた月や星々の時間に応じて,祝宴や儀式,式典を催させるため,人間に『聖なる日』を与えました。 - 王は神の命令により,民草に星々や月,太陽を観察させて『聖なる日』を把握できるようにさせました。
- 主神は言いました。
「私には田植えの日,草刈りの日,船出の日,男女の日があります。大宇宙の星々や月の変化により,人間は私の時間と季節を知ることを学んでください」 - 人間は神の御意志を確かめるため,星々や月,太陽から学びました。
- そして世界中のどこにも,オシリウス哲学においてパーシーやジャフェス(中国)ほど人間が繁栄した場所はなく,その筆頭は『羊飼いの王たち』でした。
【7章】
- その日,人間の叡智は偉大なものとなり,その力と栄光は世界中でかつてないほど偉大なものとなりました。
人間はジャフェス,セム,パーシー,アラビーニャの地にて強力な王国と副王国を建てました。 - 人間は寺院や宮殿の建設や,亜麻や絹,羊毛や革の生地,本や銘板の書物,数学,法律や取引,航法や内陸の旅,温度計や気圧計,磁針,望遠鏡や顕微鏡といった製造,化学や植物学といったあらゆる分野での発明に優れていました。
- 確かに当時の哲学者たちは天界と地球の神秘について知っていました。
- 人間はもはや神とその主神たちに感謝しなくなりました。
自惚れた人間はこう言いました。 - 「神々は愚か者です!
万物は自然なものであり,成長していくのです。神やその主神たちがいるのに,人間は賢くなりました。万物はより高次元へと進化しているのです。それが自然な流れです。
『全人格』ジェホヴィなどいないのです!
ジェホヴィは風のように空虚な存在なのです」 - 神は自惚れた人間を見ると,こう言いました。
「ご覧なさい,私が育てた人間は私と敵対してしまいました。
私は本当に一時期だけ人間から離れて,人間に叡智を学ばせようと思います。そうすれば人間は自分が育てた同朋の多くが自分と敵対することに気付くことでしょう」 - 主神は『星の部屋』から去ってしまったため,その場所は上天や全能者を知らない新しく死んだ霊魂で満ち溢れました。
- 人間は彼らにこう尋ねました。
「あなたたちは今は霊魂です!
教えてください,神や主神,ジェホヴィはどこにいますか?」 - 霊魂は人間に媚びを売りたいのと,天界の王国も知らなかったため,こう答えました。
「神も主神も『全人格』ジェホヴィもいません!」 - 王たちは「もはや神も主神もジェホヴィも崇拝しなくても良い」と民草に命じる布告を出しました。
- しかし王と女王が下した判断は悲惨でした。
人間は自分の精神体の中に崇拝の心を持っていたため,実際に神やその主神たち,そしてジェホヴィへの崇拝をやめた代わりに,星々を崇拝するようになりました。 - 寺院にいた霊魂たちは,ある予見者に助言した内容も,別の予見者には別の助言をしました。なぜなら彼らは大した知識もなく,全く組織化されていなかったからです。
- やがて王たちは互いに戦争を始めました。 無政府状態が続き,人間は自分たちが築き上げた全ての栄光を破壊する事態に陥ってしまいました。
- こうして3,000年後,人間は再び闇の中へと沈み,ドルジたちに強要されて再び野蛮人へとなり果ててしまったのです。
原文:OAHSPE – The 1882 Edition (English Edition)
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